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お母さん、この見えない恐怖から子供達を守れますか?「朝日のあたる家」

Date:2013.06.27

asahinoataru

ジャパン・フィルム・フェスティバルLA(JFFLA)でワールドプレミア上映した日本映画「朝日のあたる家」を見てきました。映画のチラシには「あたりまえの風景。あの時は気づかなかったけど、あれが幸せだったんだ。」という文章がありました。

家族の悲しい出来事を描いたホームドラマかと思いきや、住み慣れたホームタウンがある日突然放射能汚染されたら…という福島をリマインドさせるような本当に恐ろしい作品でした。この作品はこれからも原発が日本にあるかぎり他人事ではない事象だと思います。

私たちは母としてこの問題に対してこれからの行動や考え方をどうしたら良いのか?今回、太田隆文監督に映画のことなどいろいろと伺ってみることにしました。

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映画「朝日のあたる家」のポスター。日本では2013年6月末より順次公開予定。

LAの日本映画祭で上映された考えさせられる映画「朝日のあたる家」

 2011年3月11日を境に日本は放射能を意識しながら生活をしていかなければならなくなりました。映画「朝日のあたる家」では、あの福島原発事故のあとのお話で、再び震度5の地震が起こる、それが原因で自然の宝庫でのんびりと暮していた静岡県西湖市に住む人々はまた福島の悪夢を体験することになるというフィクションです。

 ですが現に静岡県には浜岡原発があり、もし直下型の地震がきたらどうなるのか?想像を絶する事態も想定しなければならないと、実際の市民の意識は高まっていると思います。 そんな中、5月晴れのロサンゼルスで今年9年目を迎えるJapan Film Festival Los Angeles(ロサンゼルス日本映画祭)が開催されました。

 今年はなんと日本映画界の大御所大林宣彦監督がわざわざ日本よりお越しになり、ご自身の新作「この空の花~長岡花火物語」の上映とトークショーを開催、会場前は長蛇の列で満席となりました。ハリウッドから映画関係者やハリウッドスターの顔も見えました。

 さて、その大林監督が特に期待をかけている監督が一緒にいらっしゃいました。太田隆文監督です。彼は20年前に「スターウォーズ」で有名なジョージ・ルーカス監督が卒業した南カリフォルニア大学映画科で映画制作を学んだ経験を持つ今後日本映画を引率する監督です。

太田監督は映画やテレビドラマでは、まず描かれることのない原発問題をあえて取り上げました。原発事故に巻き込まれる家族の物語を通して、私たちは今後どんな考えで行動していけばいいのでしょうか?またこの時期に監督が「朝日のあたる家」を制作したのはどうしてなのか? その疑問などを太田監督にぶつけてみたいと思います。

「朝日のあたる家」公式HP http://www.asahinoataruie.jp/
「朝日のあたる家」監督日記 http://cinemacinema.blog.so-net.ne.jp/

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映画「朝日のあたる家」より。平凡な家族の日常…それがかけがえのないものだった。

太田監督インタビュー

Q. 太田監督の思いをこの映画に託していると感じましたが、どうしてこの重いテーマを映画にしたのでしょうか?

僕の映画のテーマは「親子につたえる大切なこと」―今の時代、いろんな問題があり昔のように簡単に答えが見つからない。だから何かの手がかりになるメッセージを、映画を通じて伝えたかったのです。前作の「ストロベリーフィールズ」も「青い青い空」も同じ―。そんな中、3.11が起こり、あの原発事故です。

興味を持ち、いろいろと調べて行くとマスコミの伝えない過酷な状況、特に子供たちへの影響が大きいことが見えてきました。チェルノブイリにも取材に行きましたが、事故後に多くの子供たちが病気になり死んでいきました。日本ではそこに目を向けずに「安全です。直ちに被害はない」を繰り返しています。なぜ、危険性を認めようとしないのか? そこに疑問を持ちました。

Q. 政府や関係者が危険性をひた隠しにしている訳は?

それは原発ビジネスが儲かるから。危険性を認めてしまうとビジネスが今まで通りできなくなるからです。だから福島から子供たちを避難させないー。むしろ、危険な地区に戻そうとします。

確かに、医学の世界ではまだ放射能の低線被曝の危険性は完全に証明されてはいないのですが、それを待っていると何十年もかかる。その間に多くの子供たちが病気になり原因不明として死を迎えることになる。ウクライナでは国をあげて、その解明に掛かっていますが、日本はまだ認めようとしません。

何より原発ビジネスで儲けたい人が今も沢山います。でも、危険性が少しでもあるのなら、まず子供たちを守るべき。それが大人の役目です。なのに日本は今もそれをせずに、一部の大人たちが金儲けに走っているのです。

Q. いろいろと原発の恐ろしさを発信する方法があると思うのですが、なぜ映画ですか?

子供たちだけではなく、原発事故は日本を壊滅させる可能性もあるのに、将来的にも原発を続けようとしています。多くの人が抗議デモに参加。原発反対を表明する文化人もたくさんいます。僕も何かできないか?と思いましたが、訴えるべき学術的知識も、今回の映画「朝日のあたる家」に出演してくれた山本太郎さんのようにデモの先頭に立ち、情報を発信する知名度も、上杉隆さんのようなジャーナリストとして立場もありません。

でも日本人として、子供たちが数年後にどんどん病気になる可能性がありながら、何もできなかったではすまされない! 何かできることは・・と考えて、「映画を作ればいいんだ!」と気づきました。

僕のテーマは「親子に伝える大切なこと」。今こそ、それを貫く時期ではないか?これを伝えずして映画監督でい続けることはできない。ここで沈黙を決めて、真実を知らない振りして映画を撮り続けたら、どんなに後悔するか?もう「親子に伝える映画」なんて二度と口に出来なくなる。だから「作らねば!」と思ったのです。

Q. 幸せとは?大事なこととは何でしょうか?

僕のテーマ「親子に伝える大切なこと」を突き詰めると、「人の幸せとは何か?」という問題に突きあたります。幸せとは何か?お金持ちになること? 有名になること?大きな家に住むこと?日本人は戦後、アメリカのようになることが幸せだと思い「お金」と「物」をたくさん手に入れることこそ、幸せだと信じて生きてきました。

そしてバブル時代にその両方を手に入れた。でも、「幸せ」だと感じる人がどれだけいたでしょうか? むしろ空しい、大切な物をどこかで失った喪失感が漂っていました。戦後、日本人が「お金」と「物」に走り出したときに捨ててしまったものこそが、一番大切なものだったのではないか…。

そう、大切なのは「お金」ではなく、人の「絆」だったのではないか? と思えるのです。

Q.「朝日のあたる家」を作った目的

人が本当に大事なものを知るのは、実は「不幸」に出会ったとき。戦争に直面して、命の大切さを痛感する。悲しいけどそれが人…。その意味で原発事故というのは、戦争を越える究極の不幸。

戦争は降参すれば終わるが、放射能は降参しても何万年も放射線を出し、人々を苦しませます。そんな原発事故を見つめることで、奪われた家、引き裂かれた家族、バラバラになったクラスメート。そんな別れと悲しみの状況を見つめることで本当に大切なことが見えてくるのではないか?と思いました。

子供を思う親がいる。自分を心配してくれる友達がいる。辛いときに助けてくれる兄弟姉妹がいる。金持ちでなくても、大きな家に住めなくても、その「絆」こそが「幸せ」というものではないか? あたりまえの日常にこそ「幸福」は存在する。だからこそ、悲惨な原発事故の物語を描くことで、それをリアルに伝えられるのではないか?と考えたのです。

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JFFLAにて太田隆文監督と。

太田監督のお話を伺った後の感想

 母として子供や家族を守るには、まずあなた自身、何があっても大丈夫だと強く思うことが大事だと思います。その上でニュースやうわさなどをそのまま鵜呑みにするのではなく、自分なりに勉強し安全性を見極めていくこと…。
 
 それには家族や近所、地域のコミュニティーとの関係を日ごろから強めていくことが大事だと思います。いつでも連携ができて助け合うことができる状態にするということです。

この度、私たちが忘れがちな絆など大切なことを監督のお言葉や映画から思い返し、感じることができました。みなさんもぜひこの映画をご覧になり、もともと日本にあったものを取り戻す行動を起こしてみてはいかがでしょうか? 太田監督、貴重なお話と素晴らしい作品をありがとうございました。

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