夜逃げするとその後どうなる?夜逃げは借金問題の解決にはならない!

           
             

これ以上借金の返済が難しい…。こうした状況に陥ったとき、「ここから逃げて楽になりたい」「逃げれば借金を踏み倒せるかもしれない!」と思い、「夜逃げ」という言葉が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

逃げることで、全てをリセットできるなら、ぜひそうしたい!と思ってしまいがちですが、夜逃げのその後には、さまざまな問題が待ち構えています。

夜逃げをしたところで、残念ながら借金は減りません。それどころか、借金が増えて状況が悪化するかも!

夜逃げをすると、その後どうなるのかを詳しく解説すると共に、夜逃げ以外で借金問題を解決するための方法を解説します。

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そもそも「夜逃げ」とは?自分の身元が知られていない場所に逃げるように引っ越すこと

「夜逃げ」という言葉には、もともと明確な定義は存在していません。

昔は、「夜の暗闇に紛れて、誰にも行き先を伝えずに引っ越す」という人が多かったのでしょう。何らかの事情で、逃げるように引っ越すことを「夜逃げ」と言います。

引越しの事実をなるべく周囲に知られないために、必要最低限の荷物しか持ち出すことができません。

夜逃げ先は、「自分の身元を知っている人がいない場所」を選択する必要があるでしょう。

気持ちが追い詰められたときには、衝動的に逃げ出したくなりますが、夜逃げのその後の生活は、決して楽ではありません。

夜逃げを考えてしまう事情は人それぞれですが、もっとも多いと言われているのが「借金問題」です。

厳しい取り立てを受け、どうにもならない…と追い詰められた人が、現状から逃げるために選択しがちです。

気になる夜逃げのその後とは?起こりうる問題・リスクは主に6つ

では、実際に夜逃げをしてしまった場合、その後の生活にはどのような影響が現れるのでしょうか。発生し得る問題を、6つ紹介します。

住民票の移動ができないので、行政サービスや支援を自分や子ども、家族が受けられない

夜逃げをする際に、行政手続き上もっとも問題なのが「住民票の移動ができない」という点です。夜逃げに伴って住民票を移動すれば、そこから夜逃げ先がバレてしまいます。

「住民票なんて、紙切れ1枚どうってことはない」と思うかもしれませんが、私たちのさまざまな情報は、この住民票に基づいて管理されています。

住民票を現住所へと移動できないことで、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • 各種証明書類の発行ができない
  • 国民健康保険を利用できない
  • 国や自治体からの支援やサービスを受けられない
  • 運転免許証を更新できない

一般的な方法で「引越し」をする場合、最初に住民票の移動を行う方が多いのではないでしょうか。これは、「現住所が記載された公的証明書がないと、その後の手続きが滞ってしまうため」です。

夜逃げで住民票を移動できない場合、夜逃げ後に住んでいる自治体で各種支援・サービスを受けることはできなくなります。その影響は自分だけではなく、子どもや家族にまで及ぶ可能性もあるでしょう。

健康保険が使えなければ、医療機関に支払うお金は全額自己負担になってしまいます。このほかにも、銀行口座が開設できなかったり、生活保護を受給できなかったりと、お金にまつわる問題点も少なくありません。

現住所の証明ができないため、新しい住まいの契約や就職が難しい…

夜逃げで新しい土地を訪れた際に、まずやるべきことと言えば、住居の確保です。しかし、夜逃げをすると、それも難しくなってしまいます。

特に借金問題が原因で夜逃げをした場合、ブラックリストに登録されている可能性が高く、保証会社の審査を通過するのが困難になってしまいます。

また、現住所の証明ができなければ、就職も難しいのが現実です。

「夜逃げして生活を心機一転、立て直したい」と思っていても、決して簡単ではありません。

夜逃げの原因が、DVやストーカー被害などであれば、適切な支援を受けられます。

住民票を移動しても、加害者にその情報が知られないよう配慮されますし、住居や就職に関するサポートも受けられるでしょう。

こちらに当てはまる場合は、専門窓口に相談することをおすすめします!

出生届けを出せないため、誕生した子どもが無戸籍の子になってしまう!

夜逃げした先で子どもが生まれた場合、夜逃げ先で出生届を提出することができなくなります。

つまり、子どもが無戸籍になってしまうのです。

また、子どももつれて家族で夜逃げした場合、子どもが学校に通うことも困難になるでしょう。

非常に大きなデメリットが生じます。

逃げても見つかる不安や周囲にバレる、家族への影響など精神的に追い詰められる!

夜逃げのきっかけが何であれ、逃げることはその問題を放棄すること。

しかしそれは、一時的に距離を置くことはできても、根本的な解決には至りません。

実際に夜逃げを経験した方の中には、以下のような不安を抱えたまま生活する方も多いようです。

  • 借金問題が原因で夜逃げしたが、すぐに見つかるのでは?と不安
  • 夜逃げ先での生活も安定してきたが、いつ周囲の人にバレるかわからない
  • 子どもを学校に通わせてあげられず、心苦しい…

一度「夜逃げ」を選択してしまうと、こうした不安から完全に解き放たれるのは難しくなります。精神的な負担が重く、夜逃げを後悔する人も少なくありません。

人間関係における信頼を失ってしまう!特に保証人には多大な迷惑をかけることに…

どんな事情であれ、夜逃げは周囲の人との関係に大きなヒビを入れてしまいます。

特に借金問題が原因の場合、保証人や連帯保証人との関係性に大きく影響します。

お金を借りた本人が夜逃げし、連絡が取れなくなれば、金融機関側は保証人や連帯保証人のもとへ督促に行きます。

保証人にとっては、寝耳に水の出来事となるでしょう。

お金が原因でこじれてしまった人間関係を、あとで修復するのは難しいです。お金では手に入れられない、かけがえのないものも失ってしまう可能性があるということを、しっかり胸に刻まなければなりません。

借金問題は放置すると状況はどんどん悪化!夜逃げしても借金はなくならない

「夜逃げ」は、「借金問題の解決のために行う」というイメージを抱いている人も多いのではないでしょうか。

しかし実際には、夜逃げをしても借金問題は全く解決できません。それどころか、問題を放置している間にどんどん状況は悪化してしまいます。

借金返済が滞ると、「遅延損害金」が発生します。夜逃げをしたら、遅延損害金の加算がストップするわけではないのです。遅延損害金の利息は高く、むしろ逃げている間にも借金はどんどん増えていってしまいます…。

夜逃げが失敗した挙げ句、想像以上に多くのお金を返済するよう求められる可能性があります。

「夜逃げで借金問題解決」が難しい理由は2つ

先ほどもお伝えしたとおり、夜逃げをしたからといって、借金問題を解決できるわけではありません。

借金を踏み倒して逃げようとする人がいれば、追いかける側がいるのは当たり前だからです。

とはいえ、夜逃げをすれば、相手の居場所を特定するのが困難になるのは事実!この間に、消滅時効の成立を目指そうとするのが、夜逃げによる借金問題解決に向けた唯一の方法と言えるでしょう。

とはいえ実際には、夜逃げから借金の消滅時効が成立するケースは、ごく稀です。

その理由は、以下の2つが挙げられます。

夜逃げに関する情報はどこからか漏れる

夜逃げの基本は、行き先を誰にも告げないことです。しかし現実的に考えれば、非常に難しいでしょう。

本当に信頼できる友人や家族には、せめて「自分が無事である」ことだけは伝えておきたいと思うのが人情です。

しかし、情報を伝える相手が多ければ多いほど、情報が洩れるリスクは高くなります。実際に、家族からの情報で居場所が特定されるケースも多く見られるのです。

また、夜逃げの際にある程度の荷物を運び出そうと思うと、業者の手助けが必須に。この業者や、スタッフから情報が洩れてしまう可能性もあります。

金融機関側も、そう簡単に諦めるわけにはいきません。あらゆる手段で情報を集めた結果、たとえ住民票を移していなくても、現住所が特定されてしまうケースも多くあるのです。

夜逃げをしても借金の消滅時効が完成する可能性は低い

もう一つ、頭に入れておかなければならないのが、「たとえ夜逃げをされても、金融機関側には取るべき手段がある」という事実です。

契約時に保証人や連帯保証人が設定されていれば、そちらの方へと取り立てが行くでしょう。もっともシンプルなパターンだと言えます。

それが難しい場合でも、消滅時効が完成する可能性は極めて低いです。

通常なら、貸金業者からの借金は5年で時効を迎えます。しかしこの期間に、業者側が裁判上の請求を行えば、その時点から時効は延長されるからです。

「時効までたった5年なら…」という思いで夜逃げに踏み切ったものの、業者からの裁判上の請求が行われ、「いつまでたっても時効が完成しない!」というケースも少なくないのが現実です。

また、時効を待つ場合、5年過ぎただけで勝手に時効になることはなく、時効の援用手続きも必要です。時効の援用は、債権者に対して、時効期間を過ぎたから借金を返済をしません、という意思表示をするものです。

ちなみに、夜逃げによって、現住所がわからなくなっていても、金融機関側が裁判上の請求手続きを取ることは可能。またこの場合、本人の知らないところで裁判が進み、金融機関側の言い分が100%認められる可能性が高くなります。

近年、インターネットを通じて、夜逃げのその後に関する情報も手軽に入手できるようになっています。

実際のところを知って、夜逃げを踏みとどまる方も増えてきています。

リスクを負って夜逃げをしなくても、「合法的に借金問題を解決すること」も可能です。借金を減らすことや、ゼロにすることもできる方法です。

借金を減額できる方法や、いくら借金が減らせるのか、具体的にどんな方法で減らすのかは、こちらの借金減額シミュレーターで簡単に診断できます。

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次からは、その方法についてみていきましょう。

借金問題の解決は、専門家への相談と債務整理が鍵!

逃げ出したい原因が「借金問題」にあるなら、わざわざリスクを冒して、夜逃げを選択する必要はありません。

夜逃げよりも確実かつ合法的に、借金問題を解決できる方法が用意されているからです。

その方法が、債務整理です。

債務整理とは?
借金の減額や支払期間の延長などによって、借金問題を解決するための整理手段。任意整理や個人再生、自己破産などが含まれる。

任意整理個人再生自己破産のそれぞれの主な特徴は、以下のとおりです。

任意整理とは?
借金返済が難しくなった場合に、債権者と任意で交渉すること。利息カットや分割支払いについて合意し、その内容に基づいて返済していく方法。
個人再生とは?
裁判所に再生計画を提出し、認可された場合に、借金の一部が減額される制度。住宅ローン特例の利用が認められれば、自宅を守りつつ、借金を整理できる方法。減額後の借金は、原則3年で返済する。
自己破産とは?
裁判所に破産申立書を提出し、免責許可が下りると、すべての借金の返済義務がなくなる方法。ただし、一定額以上の財産はすべて没収となる。

夜逃げするほど追い込まれてしまったという場合でも、まずは、専門家に相談することを選択する勇気を持ちましょう!

そして、借金を大幅に減額できる可能性がある、個人再生や自己破産を検討してみてください。

夜逃げで全てを失い、さらに精神的にも追い詰められた生活を送るくらいなら、自己破産に向けた道を選択した方がこの先の人生が開けます。

債務整理に関する情報が、インターネットで手軽に入手できるようになったのも、夜逃げが減っている理由の一つです。

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借金問題の解決への一歩は専門家への相談

残念ながら債務整理は、「誰でもできる」というわけではありません。

それぞれの方法に条件が設定されているため、「自分にはどの方法があっているのか?」を、事前に判断する必要があります。

だからこそ、まずは借金問題のプロに相談するところからスタートしましょう。無料相談を受け付けている、弁護士司法書士を頼ってみるのがおすすめです。

借金をした事情は人によってさまざまです。借金額が多いからといって門前払いされるようなことはありませんから、安心してください。

借金の総額と自身の状況を確認した上で、より良い解決法を提案してもらえます。

借金問題や債務整理の相談は、初回無料の事務所も結構ありますよ!

身内が夜逃げした場合の対処法

万が一、自身の身内が夜逃げした場合、対応に困ってしまう方も多いことでしょう。

身内が引越し先を知らせないまま行方不明になってしまったら、まずは警察に捜索願を提出しておきましょう。

事件性がなければ、積極的に捜してもらうことはできませんが、万が一のときのためにも提出しておいたほうが安心です。

その後、重要なのが保証人・連帯保証人に関する情報確認です。

夜逃げした人の借金の保証人や連帯保証人になっていた場合、返済義務を負う可能性があります。夜逃げによって、お金を借りた本人と連絡がつかなくなれば、保証人・連帯保証人の方へと連絡が来ます。

「保証人・連帯保証人になっているものの、返済は難しい」という場合には、自身が債務整理の手続きを進めていく必要が出てきます。

夜逃げしても借金問題は解決しない!根本から解決を目指そう!

「もうどうにもならない…」という環境から逃げ出したくなる気持ちは分かりますが、原因が借金問題の場合、夜逃げをしても解決できません。

専門家との相談のもとで、合法的に借金を減らせるかもしれない「債務整理」の手続きを進めるほうが、借金問題を解決する糸口になります。弁護士が受任通知を送付すれば、すぐに取り立てもストップします。

夜逃げをすると決めた場合でも、専門家の意見を聞いてからでも遅くはないはずです。

夜逃げによって失うものは、想像以上に多いという事実を、しっかり頭に入れておきましょう。

収入面の不安で専門家に頼るのが難しい場合、法テラスを利用できる可能性があります。弁護士報酬などの費用の立て替えや、条件によっては免除してもらえる場合もあります。まず一度連絡してみるところからスタートしてみませんか?

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