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芸術家きどりで、悠久の時を楽しみたい時に読みたい3冊

Date:2012.11.19

『きれい寂び』井上靖著(集英社)

井上靖さんと言えば、『敦煌』とか『あすなろ物語』が有名ですが、そうですね、いま30代なかばの人であれば、中学・高校時代に、こぞって読んだかもしれません。ちょうど昭和の終わりから平成の初期にかけて井上靖ブームが起こったのです。

井上靖さんのことを知らない人であっても、『きれい寂び』を読んでみると、こういうのんびりした考え方(生き方)もあるんだなあと思うはずです。非常にわかりやすい言葉で、芸術のことが書かれています。

また、いち小説家の私見(偏見)であることを承知のうえで書かれており、芸術とはこういうものだ、こうあるべきだという堅苦しい本ではないので、馴染みやすいと思います。

井上靖さんの文体は、つねに謙虚で、つねに繊細で、どちらかと言うと女性が親しみやすいゲージュツのお話がたくさんあります。

『ピアニストという蛮族がいる』中村紘子著(文藝春秋)

言わずと知れたピアニスト・中村紘子さんのエッセイ集です。世界的に著名なピアニストがどういう人柄で、どんなふうに変わった言動をしたなど、クラシック音楽を知らない人にも読みやすく書いてくれています。はっきり言っておもしろい内容です。

よく画家や音楽家は独特な文体を持っていると言われます。たとえば画家の横尾忠則さんや平山郁夫さんは独特な文体で知られています。この本の著者である中村紘子さんも、独特な文体を持っています。ハッキリ言って、読者をぐいぐいとひっぱっていく名文です。

天才ピアニストはどうやって生まれたのか?ピアニストなど不要不急の商売に未来はあるのか?など、独自の視点でコミカルに語る中村さんの本を読むと、ショパンを聴きたくなるかもしれません。

『自殺よりはセックス』村上龍著(KKベストセラーズ)

こういう本が「芸術」にふさわしいのかどうか、賛否両論が出てくることを承知でこの本を紹介しました。芸術って堅苦しいものではなく、ふつうに生きて、ふつうに自分の頭でものを考えていると自然と生まれてくるものである。

どことなくこういうメッセージがこの本に読みとれます。芸術の苦悩で自殺をするくらいであれば、セックスをしましょう!ということです。

セックスという人の生理的な欲求(セックスに限らず食を楽しむとか、よく眠るなどの生理的な欲求)を大事にしていない人が、芸術ができますか?政治ができますか?まともな仕事ができますか?

もっとみなさん自分の足元を見たほうがいいのではないですか?という、村上さんならではの、この世に対するアンチテーゼとして『自殺よりはセックス』なのです。

生活をしている空気の密度が濃くなったり薄くなったりする感覚を、この本を読み進めているうちに味わうと思います。誰もがテレビのニュースなどで知っている事件も、見方を変えるとこんなふうに見えるんだ~。意外と生きることって思っている以上に楽しいのね。

そう思っていただけるとご紹介した甲斐があるというものです。ハードルは少々高いかもしれません。しかし、何度も同じことを繰り返し述べて恐縮ですが、簡単に言えば「自殺よりはセックスをしましょう」ということです。

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