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【小説紹介】人間の底力の凄みに圧倒されて、「頑張ろうと」と思える実話

Date:2012.11.12

「脱出記ーシベリアからインドまで歩いた男たち」 
  スラヴォミール・ラウィッツ著 (ヴィレッジブックス ソニーマガジンズ)

ちょっと落ち込んだり、元気やる気が出ない、頑張らなくてはいけないのに・・・頑張る気になれないって時も、人間誰にでもあることですよね。

そんな時にただ励ますのではなく、「こんな経験も乗り越えている人がいるんだ」と他人の経験を知ることで、自分の気持ちが前向きになれることもあるのでは?実話であることの重みが、何かを与えてくれる、そんな本の中でも、抜群に面白い本を紹介します。

ポーランド人兵士たちの奇跡の逃避行を描いたノンフィクション

この本の刊行は少し前( 原著は1956年、日本で刊行されたのは2000年に入ってから)ですが、第二次大戦中の実話で、ノンフィクションです。「ウェイバック」の題名で、2012年秋に日本でも公開が始まりました。

出来事の始まりは、1939年で、ポーランド人兵士たちが主人公。第二次世界大戦でポーランドと言えば、ユダヤ人の虐殺、アウシュビッツの強制収容所などが思い出されますが、このお話は全く毛色の異なる話で、兵士達の自由への苦闘の物語です。

ヨーロッパの複雑な政治事情に翻弄され、当時は味方であったドイツのために戦ったのに、政情が変わりソビエト軍に対するスパイ容疑がきせられ、このポーランド兵士達は、ソビエトの強制労働収容所に送られてしまいます。

そして、死ぬのをただ待つだけのシベリアの捕虜収容所から脱走し、生き延びて逃亡を続け、ユーラシア大陸の北の端から南の端まで、徒歩だけで縦断した経緯が描かれています。

シベリアからインドまで徒歩で逃亡

本人の話だからこそいつまでも色褪せず、彼等の凄さに圧倒されるだけでなく、なんと言っても、戦争中にシベリアの捕虜収容所から逃亡して、ヒマラヤを越えて、インドまで徒歩で歩いたという事実の凄さと、その間に起こる様々な出来事や、人との出会い、仲間たちとの友情や葛藤、別れなどがいっぱい詰まっています。

サスペンス小説以上のハラハラドキドキ感があり、逃亡計画を立てて見つからずに収容所を出られるか、逃げても見つからないか、密告されないか・・などから始まって、「いったいこの先、食料はどうやって確保するんだろう?」など、本当に次々に彼等には難問に遭遇します。

食料も持たずに、厳寒から水の無い砂漠、灼熱の地まで

考えてみると、北からユーラシア大陸を縦断するということは、厳寒のシベリアから逃げ出し、その後言葉も通じない中国北部やモンゴルの草原、一転して乾きと暑さに体力が奪われる砂漠も突っ切り、最後は誰も登らない道から、ヒマラヤ山脈を越えて、灼熱のインドに徒歩だけで、食料さえほとんど何も持たずに到達する必要が。

人間のサバイバル能力の高さ、工夫し生きるために知恵を使えば、何もなくてもこうして生きていけるんだと、感心もさせられ、感動させられます。

電気が無きゃ生きていけないだの、食べ物の好き嫌いや、人の好き嫌いなんかを、言ってる場合じゃないな・・と思わせられ、「つまらないことで、ぐじぐじ考え込まずに、とにかく行動しなきゃな・・・」と元気ももらえる本です。

脱出・漂流の実話の中でも秀逸

本好きで、脱出漂流モノが好きな椎名誠さんも、「本の雑誌」の企画で、漂流脱出ものでもベスト10に入ると絶賛された本ですが、辛く厳しい話だけでなく、心が温まるエピソードも あり、現実の厳しさもありで、予測不可能、まさに「事実は小説より奇なり」を体現した内容です。

ここで、詳しいことを紹介すると、ネタバレになってしまうような、思わぬことが起こるので、サスペンス・冒険小説好きにも、オススメしたい本です。

女性も中高生でも「生きる力」をもらえる

色々な人にも勧めて読んでもらいましたが、女性でも男性でも、中学生くらいの子供さんでも、読後感は「凄い」に尽きるようで、読むと自分に何かを考えさせ、生きることを考えたり、力をくれる本だと思います。

今は、個人個人が悩みも多く、生きにくい世の中ですが、こんな風に頑張った人がいるなら、私ももう少し頑張ってみようと、自然に思わせられる、本当の話だけが持つ力がある本だと思います。

英語で出版された本の原題は「THE LONG WAIK」で、彼等にとっては、長い長い徒歩旅行だったのだと思いますが、何としてでも歩いて、自分達を助けてくれる国に向かおうとする、彼等の意思の力の強さと、折れない心に打たれ、生き抜いて家族などの愛する人と会いたい、このまま死にたくないという思いが強く伝わってきます。

諦めずにチャレンジする

理不尽なことで投獄され、捕虜となって収容所へ入れられ、死ぬのを待つだけの生活をするくらいなら、生きていられる保障も、たどり着ける保障もなくても、これだけのことができる。人間にはそういう力が備わっているのだし、意志を持って行動する大切さも再確認させてくれます。

「人間死ぬ気になれば、何でもできる」とよく言いますが、本当にビックリするくらいのことが出来るのだと思います。大きなことでなくても、日々の小さなことに対しても、諦めずチャレンジを続けることが大切だということを、オリンピックを見ながら再読して、また感じさせてくれた本です。

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