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今こそ光る!70~80年代の少女マンガを読んで、心を豊かにしよう

Date:2013.07.11

昔の少女マンガを楽しもう!

最近の漫画家が育った頃には、たくさんの漫画が世の中にはあふれていました。彼らは、漫画を読み、楽しみ、漫画家を志したのです。

少し時代をさかのぼりましょう。70年代、80年代に活躍した漫画家たちは、どうだったでしょうか。彼らが育った頃も、もちろん漫画はありました。しかし、現代ほどたくさんはなく、漫画大国日本として、海外に知れわたってもいませんでした。

そして、漫画家をたくさん抱えるほど各出版社も余裕がなかったため、漫画家が漫画を描くときは、毎回死活問題だったのです。

その中で生き残ってきた当時の漫画家たちの漫画には、現代にはない魅力がたくさん詰まっています。彼らは、漫画だけでなく、文学にも親しんでいました。その知識は幅広く、感性も同様です。

ここでは、女性に向けて当時の魅力的な少女漫画を紹介します。現在では、積極的には手にする機会はなくても、漫画文庫や愛蔵版が出ているものが数多くあります。

萩尾望都『トーマの心臓』

舞台はドイツの男子校(ドイツではギムナジウムといいます)。トーマという男子生徒が自殺するところから物語はスタートしますが、物語の流れはいたって穏やかです。ユーリという生徒のもとに彼からの遺書が届きます。

ユーリには大きな秘密がありました。トーマの自殺の原因は、そこにあるのでは、という謎を読者に抱かせます。そして、エーリクというトーマにそっくりの生徒が、トーマの自殺と入れ替わるように転校してきます。物語は、他の生徒たちもまじえ、大きく展開していきます。

大きく展開していくと書きましたが、あらすじを書くより、そこに広がる内面世界に深みがある漫画です。トーマの自殺の理由。ユーリの秘密。

これが二本の柱ですが、エーリクの家庭の事情、オスカーという生徒の過去(これについてはスピンオフ作品もあります)もまじえ、終盤にユーリは内面的な変化を遂げます。現在にはない魅力がここに潜んでいます。ぜひ一読してください。

山岸涼子『日出処の天子』

聖徳太子が主人公の物語ですが、彼のキャラクター設定、また物語の内容は、史実を追いながら、まったく別の世界を作り上げています。

作者の山岸涼子は、オカルトやホラーで定評のある漫画家ですが、この漫画はその要素を取り入れながら、歴史漫画でもなく、オカルト・ホラー漫画とも違います。

厩戸王子(聖徳太子)は超能力を持ち、そのために実母からうとまれ、育ってきました。逆に超能力などなく、素直に育った弟は、母から溺愛されています。そのために女性に嫌悪感を抱きながらも、マザーコンプレックスでもあります。

彼が蘇我毛人(実際の語り手は彼という設定です)と出会うところから、物語はスタートします。

まず、衝撃的な場面が多数あります。同性愛的な描写もあります。様々な複雑な人間関係は、読者をあきさせません。そして、この山岸涼子という漫画家は、不幸を描くとき、その描写に容赦がないことでも有名です。

どうしてこうなったのか。原因は何なのか。悲劇を避けることはできなかったのか。色々と考えながらも、最後まで漫画を手放すことができません。読み終えた後、実際の史実をたどりたい、という気持ちにまでさせます。

竹宮恵子 『風と木の詩』

前作ふたつも、要素として同性愛を取り入れてはいますが、この物語は当時、非常にセンセーショナルなものでした。

最近のボーイズラブという分野は、男性しかいない世界、男性が愛し合うことが当たり前の世界が前提になっているものが多い、と聞きますが、この物語はそうではありません。

この物語に登場する、ジルベールの持つ性癖は、彼の育ってきた環境によるトラウマからきており、またそのトラウマを植えつけたジルベールの叔父(実は父親)も、幼少時に大きなトラウマを背負っています。

そのトラウマから放たれるために、ジルベールが必要としたもの。それはセルジュという少年でした。この物語の舞台は、フランスの男子校(フランスではリセといいます)。

そこで、転校してきたセルジュとジルベールが出会い、ルームメイトになるところから、物語はスタートします。

少年愛の描写をここまで激しく描いたのは、当時ではこの物語が初めてだったそうです。しかし、作者が描きたかったのは、そういうことではありませんでした。ジルベールの心の「飢え」。

自身もトラウマを抱えながらも、まっすぐに育ってきたセルジュが、それを埋めることができるかどうか。これが大きなテーマだったと思います。

ジルベールは美少年ですが、この男子校において、彼は異端児で嫌われ者でした。また、同性愛も忌むべきものとして、学校内においても、社会においても、扱われています。ここに最近のボーイズラブとの大きな違いがあります。

そして、社会には適応できない少年ジルベールが、セルジュと共に社会に放り出されたとき。漫画とは思えないほどシビアな現実が待っていました。

ジルベールの人生は何だったのか。自分に問いかけて、答えを得たとき、この漫画は大きな意味を持つのではないでしょうか。

以上の漫画は、どれも決して明るい漫画ではありませんが、元気を出したいときに読むと、意外に癒しを得られることもできます。

90年代以降の漫画に見られなかった魅力も、奥深くまで感じることができます。ぜひ、試しに読んでみてください。

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