家庭内別居ってアリ?ナシ?知っておくべきメリットとデメリットとは

結婚生活 2023.01.19

「離婚」。この2文字が持つネガティブなイメージは計り知れません。

2022年(去年)の離婚件数は 21万2000組、離婚率は 1.70と推計されています(厚生労働省 平成 29 年(2022)人口動態統計の年間推計より)。婚姻件数は60万7000組なので、現代日本はやはり、離婚が多くなっていると言わざるを得ません。

あなたの周りにも、離婚してしまった人や、離婚に至らなくとも、離婚の危機を感じたことがある夫婦がいるのではないでしょうか。もしかしたら、あなた自身もそうかもしれませんね……。

そんな中、離婚はせずとも「家庭内別居」をしている夫婦が増えてきているようです。

そこで、今回は、離婚とも別居とも違う家庭内別居について、そのメリットやデメリットについて、多角的に見ていこうと思います。

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そもそも、家庭内別居はどんな夫婦形態なの?

家庭内別居とは、夫婦が同じ家に同居はしているけれど、寝室や食事は別にするなど、別居と同じ生活を送っていることを指します。その理由は様々で、離婚への意思表示や離婚を決める前の様子見として行われる場合もあれば、離婚は望んでいるけれど経済的な問題や子供のため、もしくは世間体を理由に離婚にせずに仕方なく行われている場合もあります。

文字自体にはこのような辞書的意味がありますが、法的には定義はありません。

家庭内別居を選択している夫婦というのは実は多く、外ではいい夫婦を演じていても、家に帰ってきたら会話もない、別途も別、食事まで……という「仮面夫婦」も、家庭内別居の中の一つです。

離婚を前提とした家庭内別居もあれば、その逆もある

家庭内別居を続けている夫婦の中には、将来離婚することを前提としている、現在は法的に婚姻関係を続けている夫婦ももちろんいます。

将来的に離婚することには同意しているけれど「子供が成人するまでは」「就職するまでは」などの理由があって、家庭内別居を選ぶ夫婦もいるのです。

基本的には、この形態の夫婦がほとんどだと言えるでしょう。変わった夫婦の形態としては、離婚届を提出して法的には夫婦でなくなったけれど、同居を続けるという夫婦です。

「え?! 離婚したのに、一緒に住むの?!」と驚く方もいますよね。実際、私もその話を聞いたとき、驚きました。理由としては、経済的な理由から別居をするのがまだ難しいとか、子供のために別居は良くないから、とか……。

法的に完全な他人になりながらも、同居を続けることを選択する夫婦もいるのです。もちろんこれも、家庭内別居の一つの形と言えます。

こうなってしまうと、なかなか夫婦関係の修復は難しいはずですが、どうして「離婚」ではなく、「家庭内別居」を選ぶのでしょうか。

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家庭内別居のメリットとデメリット

離婚ではなく、家庭内別居を選ぶのには、メリット・デメリットがあります。この章では、その両方を見ていこうと思います。

家庭内別居のメリットとは?

家庭内別居を選択する一番のメリットは、何を置いても、経済的な面でしょう。

離婚をしてしまえば、慰謝料の問題や、専業主婦をしていた女性であれば当面の生活費を考えねばなりません。また、別居となっても、実は同じこと。家賃や光熱費などの分担をどうするかについて話し合う必要が出てきてしまいます。だからこそ、家庭内別居を選択するのです。

また、もう一つの大きなメリットが、世間体を守れるという点でしょう。

世間体というのは、大事なもの。

  • 「あそこの夫婦、離婚したらしいわよ」
  • 「あの人、バツイチなんだって」

こんな風にささやかれるのは、旦那さんにも、奥さんにも利はありません。だからこそ、外では仲の良い夫婦を演じている人が多いのです。

また、子供がいる場合は、さらにこのメリットが強くなります。子供の前では夫婦喧嘩はせず、オトナになるまで父親と母親として暮らし、子供が独立してから離婚……と考える夫婦も、実は多いようです。それが、熟年離婚というものですね。

最後のメリットとして挙げられるのは、少し珍しい点。それは、一度割り切って家庭内別居をすれば、夫婦だからこそ生じていたもめごとやイライラが少なくなっていき、ストレスを感じることが少なくなるというケースです。

生活のルールを決めることで、必要以上に相手に要求しないようになるので、お互いに冷静になれます。それが原因で、稀に夫婦関係が改善することがあります。

相手のことがまだ好きな気持ちが残っていれば、別居よりも家庭内別居のほうが、将来の可能性はまだあるということも、メリットなのです。

家庭内別居のデメリットとは?

家庭内別居のなによりも大きなデメリットは、結果的には同じ家に住み続けなくてはならないという点にあります。

別居、という選択肢を取る以上、相手に対して嫌気がさしているのはほぼ確実でしょう。でなければ、そんな選択はしないはずですから。なのに、同じ家にいなくてはならない。それだけでストレスになってしまいます。

また、メリットのところでも少しふれましたが、家庭内別居を選択する理由が「子供のため」という夫婦がいます。ですが、本当によほどうまくやらないと、子供は親の顔色や不穏な空気を感じ取ってしまいます。

例えば、ほかのおうちよりも父親と母親の会話が少ないとか、なぜか一緒にご飯を食べないとか、一緒に寝ないとか……。些細な変化だって、子供はわかります。そして、不安を感じ、ストレスになってしまうのです。

メリットで書いたとおり、ある程度の年齢になれば、込み入った事情も察するでしょう。ですが、小さい子供の場合はそうはいきません。一番近くのコミュニティである家族が崩壊しているせいで、感情を表現するのが苦手になってしまう可能性もあります。

家庭内別居のストレスを軽減する方法を知っておこう

家庭内別居をしている夫婦は、どうしても、お互いにストレスを感じることも少なくありません。でも、あまりにもストレスを感じているようでは、家庭内別居をしている意味がありませんよね。

基本的に、家庭内別居状態の時、過度に相手に干渉しないことが大切です。

いま、あなたと旦那さんは、別居状態。無理に会話をする必要はありません。口を開けば文句、文句、そしてケンカ。それではストレスはたまるばかりです。でも、同じ空間にいるのにまったくの無言では、逆にストレスを感じることもあるでしょう。

そんな時大事な意識があります。それが、相手を「同居人」だと思う、ということです。

あなたがお友達と一緒に暮らしているとしたら、私生活にあれこれ口出しするでしょうか。相手も使う場所を、汚くしておきますか? しておきませんよね。

この、「お互いに同居人としての最低限の礼儀とマナー」というのが、家庭内別居でストレスを減らすのに最も効果的なのです。

相手のことを夫婦や恋太としてみるのではなく、それを取り払って、「同居人」として接してみましょう。そうすることで、相手に「何かしてくれる」という期待をしなくなる分、何らかのことをしてくれたとき、感謝の気持ちがわくことがあるのです。

そしてそれが、相手にも伝われば。あるいは、冷え切った夫婦関係も、改善するかもしれません。

夫婦関係を修復する可能性もある!よく考えて家庭内別居を選んで

このように、夫婦として家庭内別居をすることになってしまうのは、様々な辛い理由があります。

家庭内別居をすることによって、「もしかしたら関係が修復できるかもしれない」という期待がある女性もいるでしょうし、「悔しいけど、私がなんとか仕事を見つけるまで……」という思いを持つ女性もいるでしょう。

一時的な感情で「離婚!」「別居!」と行動してしまうのは、結果的に、夫婦お互いにとって良い結果を生むとは思えません。別居でも離婚でもない「家庭内別居」という第三の選択肢を取るということは、希望を残すことだとも言えます。

いずれにしろ、「夫はもともと、自分とは違う人間である」ということをしっかり心にとどめておくことが大切。

一度は夫婦として未来を生きることを決めたふたりの最後のマナーとして、ふたりにとって、何が一番良い道なのかを検討できるはずです。

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