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文豪から学ぶ恋愛!恋に悩んだ時におすすめしたい小説5選

Date:2015.06.09

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恋について悩んだら、皆さんはどんな行動を取るでしょうか。

一人でじっくり思い悩む人もいるかとは思いますが、ほとんどの場合、友人に相談したり、恋愛にまつわる本を読んだりして、自分の視点から離れたアドバイスを求めるのではないでしょうか。

そんな時のアドバイザーとして今回提案したいのが、“名著”と呼ばれる小説達です。

名著にこそ恋の真理がある

文豪と呼ばれる作家達が書き記した名著は、時代を越えて海を越えて、世界中の人達から共感を得ています。

しかし、大正時代を舞台にして描かれた小説に、どうして共感するのでしょうか。ライフスタイルはもちろん、恋愛に対する価値観だってまるで違うはずなのに。

それはきっと、文豪達がその的確で美しい文章で、時代に関係なく人間に共通する真理を描写しているからではないでしょうか。 恋愛に関しても、どの時代の人も感じる恋の悩みや痛み、愛しさを描いているから、いつ誰が読んでも感動できるのです。

漫画やエッセーのように、読み始めてすぐに恋のヒントが見つかるようなものではないかもしれません。しかし、じっくりと読み進めて行けば必ず、その後ずっと自分の糧になるような言葉に出会えるはずです。

恋に悩んだら読むべき5冊

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では、大人の女性ならば読んでおきたい、名著と呼ばれる小説の中でも「基本のき」であり、かつ“恋に効く”小説をご紹介します。

三角関係の進退に悩んだら… 『こころ』 夏目漱石

遊びに出かけた鎌倉で「私」は「先生」と出会う。いわゆる高等遊民である先生と交流する中で、「私」は先生から人生や恋愛についての謎めいた助言を与えられる。

しかし、父の病で「私」が帰省した時、東京から届いたのは先生の遺書だった。そこには、かつて先生が友を裏切り恋人を手に入れ、それが友を死へ追いやった過去が告白されていた。

学校の国語の授業で読まされた、という人も多い、夏目漱石の代表的な長編小説のひとつです。

この小説から“恋の悩み”をピックアップしてみると、つまり先生と、「友人K」と「お嬢さん」の“三角関係”であることがわかります。

先生はKの気持ちを知っていながらKを出し抜いてお嬢さんを婚約してしまいます。先生という友人から裏切られ、お嬢さんへの恋も失い、Kは孤独から自殺を選んでしまいます。

そのことが先生にとって大きな悔恨となり、後に「私」に対してこんなことを言いました。

しかし、しかし君、恋は罪悪ですよ。

引用…夏目漱石『こころ』

若い「私」を嗜め恋を罪悪だと言い切るほど、先生は過去の自身の恋を悔いています。

よく、妻子ある人を好きになっちゃった、友達の彼を好きになっちゃった、どうしよう?という相談に対して、安易に「好きになったら仕方ない、奪っちゃえ」というアドバイスを与える人がいます。

しかし、自分の想いが叶っても誰かが傷ついたり、それによってこの先生のように、一生忘れられない後悔を背負うこともあります。

自分の恋愛が、誰かを傷つけているかもしれない。そんな悩みを抱いた時に、読んでみて欲しい一冊です。

元彼の裏切り…辛い恋愛を経験したら 『嵐が丘』 エミリー・ブロンテ

舞台は17世紀イギリス。都会に疲れたロックウッドは人里離れた土地に引っ越し、そこで屋敷の大家で「嵐が丘」に住む無愛想な男、ヒースクリフに興味を持ち、女中から話を聞く。

ヒースクリフは孤児で、館の元の主人が保護した子供だった。主人から可愛がられたヒースクリフは、主人の娘キャサリンと恋仲になる。

しかし、主人が死にキャサリンの兄のヒンドリーが跡を継ぐと、ヒースクリフは下働きにされ、キャサリンもまた近くに住んでいた上流階級の子息エドガーと結婚する。

絶望したヒースクリフは姿を消したが、やがて裕福な立場を得てヒンドリーとキャサリンに復讐するために嵐が丘に戻ってくる。

ヒースクリフはヒンドリーの財産を館ごと奪い、さらにエドガーの妹イザベラを誘惑し、愛のない結婚をしながら、キャサリンに変わらない愛を語り続け、キャサリンを発狂させてしまう。

キャサリンは亡くなり、復讐は終わったように見えたが、その子供たちにまでも復讐をしようとする。

あらすじだけ読むと救いのない復讐劇のようですが、実際は自然描写が美しい、そしてヒースクリフのキャサリンへの狂気染みた愛の物語です。ヒースクリフは復讐の鬼となりながらもキャサリンを愛し、キャサリンの幻覚に苦しみながら死んでしまいます。

この話の“恋の悩み”は、愛した人に裏切られた憎しみをどうするか、です。

ヒースクリフのキャサリンへの態度は、小説の中であれば「これもまた愛」と片付けられますが、実際にされたらたまったものではありません。愛した人を発狂させ、自分自身もまた発狂して死んでしまうという、他人も自分も不幸にする結果となりました。

このお話は、ヒースクリフの死後まで描かれており、ヒースクリフ亡き嵐が丘では彼が復讐をしようとした子供たち世代のカップルが幸せに暮らしています。

愛した人を恨んでも自分自身を不幸にするだけ。憎しみを忘れたところに幸福がある。そう思わせてくれるラストです。

女は強い!自分に自信が欲しい時に 『ヴィヨンの妻』 太宰治

毎夜のように飲み歩き生活費も持って行ってしまう夫・大谷と、病弱で発育の悪い子供を抱えながら、懸命に生きている妻。

ある夜、大谷が機嫌よく帰って来るが、浅草の料理屋の店主夫婦が「泥棒」と言いながら駆け込んでくる。常連客である大谷が店の売上を奪って逃げてしまったらしい。

大谷は刃物を持ち出して逃げてしまい、妻は店主夫婦を家にあげ、必ず明日返すからと約束をして家に帰す。

しかし、金の工面を頼れる人もいるはずはなく、妻は翌日金を用意できないまま料理屋へ向かいそこで店員として働く。

必ず金を持ってくるとはったりを言いながらも、偶然が重なり本当に金を工面できたり、その後も店で「さっちゃん」と呼ばれる人気者になったりと、妻は強かに生きていく。

主人公の大谷の妻は、彼女が置かれた境遇だけ見ていると、とても不幸そうに思えます。しかし、このお話は不幸な女性の健気な姿に涙するものではありません。

大谷が自身を帝大卒のエリートで日本一の詩人だと言いながら、酒代を巧みに踏み倒したり、連れの女性に支払わせたり、その破滅的ではあっても人を引き込む手腕や、巻き込まれた人のてんやわんやの様子に、妻は笑い出してしまいます。

一見呑気そうにも思える女性ですが、まともに働かない夫に代わり料理屋で働き始め、そこで出会った男に襲われてしまうなど、散々な目にも合っています。しかし、何も知らず平和そうな夫に、さっちゃんは言います。

私たちは、生きていさえすればいいのよ

引用…太宰治『ヴィヨンの妻』

自分の置かれた状況に適応し生きていける、そんな女性の強さが描かれた小説です。

たとえば、結婚生活に悩んだり、交際中の彼との関係に悩んだ時に、この主人公の女性を思い出すと、世界で一番不幸でいたような気持ちが一気に冷静になります。

素行の悪い彼氏のことも、「男って弱いのね」と思えれば、心も少し軽くなりますよね。

自分の気持ちに素直になれない人へ 『春の雪』 三島由紀夫

侯爵家の子息である松枝清顕は、幼馴染の綾倉聡子に特別な感情を抱いている。しかし、18歳と若く繊細な性格の清顕は、まだ聡子に対して素直に恋心を認められない。

そんな中、聡子に皇族との婚約話が持ち上がる。聡子も清顕に恋心を抱いていたが、二人はすれ違いの末に、清顕が自尊心の高さからつれない態度を取り聡子は婚約してしまう。

その時になってようやく恋心を認めた清顕は、禁断の恋とわかりながらも聡子と会い続け、やがて妊娠させてしまう。

聡子は出家し、清顕が何度会いに行っても面会はかなわず、やがて肺炎をこじらせた清顕は20歳の若さでこの世を去る。

 

三島由紀夫の巧みな比喩表現と緻密な描写で彩られた、読み終えた後は美しい悲恋の余韻に浸れる一冊です。

とは言え、現実的に彼らの恋愛がなぜ悲恋に終わってしまったのかと言うことを考えてみると、ただひとつ主人公・清顕が聡子への想いに素直になれなかったから、ということが挙げられます。

二つ年上であり、美しく聡明な聡子に対して、清顕はコンプレックスを抱いています。ちょっと大人びた仕草や物言いを見せたりすると、清顕は自分がとても子供のような存在に思われて、繊細な性格の清顕はつい聡子に対して反発を繰り返してしまうのです。

「聡子は自分を子ども扱いしている」という清顕の思い込みから、清顕は聡子を徹底的に避け、結果聡子は皇族との婚約を承諾してしまいました。

この清顕の行動、なんて幼く愚かなんだろう、と思われるかもしれませんが、いかがでしょうか。

恋人に意見を言われて「馬鹿にされてる」と感じて反発したり、素直になれなくて大きなケンカに発展したことは、結構あるのではないでしょうか?

自分が認め恋する相手だからこそ、ちょっとした言葉で「見下されているのでは」と傷ついたりします。しかし、冷静になってみれば、それは相手が自分を愛しているからこその言動だったりするのです。

  • 相手を疑わない
  • 相手の言葉に耳を傾ける
  • 自分自身が素直になる

清顕と聡子の手遅れになってしまった恋愛から、とてもシンプルだけれど難しい恋の成功の秘訣が見えてきます。

ワガママな女の可愛さを学ぶ 『痴人の愛』 谷崎潤一郎

真面目な電気技師の河合譲治は、独身で女性経験もない。その勤務態度から「君子」と呼ばれているが、彼は「世間を知らない少女を引き取り、自分の手で妻として恥ずかしくない女性に育て上げ結婚する」という夢があった。

河合は浅草のカフェで働いていた、西洋的な顔立ちの美少女ナオミを引き取り大切にするが、ナオミは我儘で男好きな性格に育っていく。

何度も裏切りに合いナオミを追い出すものの、河合はナオミが忘れられず、彼女の我儘をすべて飲むと降伏する形で再び一緒に暮らし始める。

『痴人の愛』は、谷崎潤一郎の耽美主義の代表的な長編小説です。源氏物語の光源氏のように理想の女性を育て上げようとして、最後にはその女性に虐げられてしまうという逆転劇でもあります。

浮気な奴だ、我が儘な奴だと思えば思うほど、一層可愛さが増して来て、彼女の罠に陥ってしまう。ですから私は、怒れば尚更自分の負けになることを悟っているのです。

引用…『痴人の愛』谷崎潤一郎

ナオミは周囲も引くほど気ままで自由奔放、河合を平気で裏切る性格をしているのですが、彼女の魅力の虜になっている河合にとっては、その性格の悪ささえ可愛いのです。

現代の女性は、プライベートでも仕事でも、イニシアチブをとる側にいることが少なくありません。それが当たり前の女性は、甘えたい時に甘えられないという悩みを抱えがちです。

「こんな我儘を言ったら迷惑になる」ではなく、たまにはナオミのように“頼ってあげている”“我儘を言ってあげている”と、相手を喜ばせているかのような気持ちで、甘えてみてはいかがでしょうか。

案外、河合のように、我儘を言われれば言われるほどはまっていく…なんてことになるかもしれません。

つい強がって弱さを見せられない女性に、おすすめしたい一冊です。

「沁みる言葉」だから身になる

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世の中にはたくさんの恋愛に関するハウツーがあります。実体験や心理学、脳科学など、根拠にもとづいたそれらの情報は、とても利用価値があるものです。

しかし、それならば長年愛され名著と評価された小説達も、同じように学べる部分はたくさんあるのだと思います。

文豪が生み出す名言の中には、きっと生涯忘れられなくなるような「沁みる言葉」を見つけられるはずです。

自身の恋愛で悩んだ時こそ、美しい文章でつづられた恋愛小説で休憩してみてはいかがでしょうか。

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