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2人に1人が貧困?!シングルマザーの貧困問題を考える

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最近、シングルマザーの貧困が深刻な社会問題になっています。

厚生労働省のデータによると、ひとり親世帯の約半数が貧困であるという衝撃の結果が!

その多くはいわゆる母子家庭です。

先進国である日本で、どうしてこれほど多くの人が貧困に陥ってしまうのでしょうか。その背景や、母子家庭が受けることのできる公的助成制度などをまとめました。

平均年収は181万円!シングルマザーを取り巻く厳しい実情

厚生労働省の調査によると、2015年のひとり親家庭の平均年収は181万円。

子供のいる家庭の平均年収の3分の1にも至りません。

しかも、ひとり家庭の半数以上の世帯が年収122万円以下しか貰っておらず、ひと月10万円程度での生活を余儀なくされている現状が窺えます。

一般的に親が仕事に就いていると収入が増えるものですが、日本では親が仕事に就いていない家庭と、就いている家庭の貧困率はほぼ同じ。

ひとり親家庭の8割もの親が仕事に就いているにも関わらず、多くの家庭が働いても暮らしが楽にならないという厳しい状況に陥っているのです。

日本のシングルマザーが貧困生活を抜け出せない原因とは?

では、職に就いているにも関わらず、なぜシングルマザーはなかなか貧困から脱却できないのでしょうか。以下に主な原因をまとめました。

  • DVや借金などが原因で別れたり、未婚の母となった場合、元夫や父親である男性からの養育費を貰っていない女性が多い。
  • 日本では子供ができると仕事をいったん辞める人が多く、離婚して再び仕事に復帰しようとしても、経験や技術不足のため、パートや非正規雇用など不安定な雇用しかない。
  • シングルマザーは残業ができない、子供の病気などで休みがちなど、ハイリスク人材として見なされ、企業の側が正規雇用を避ける傾向がある。
  • 日本の社会構造がそもそも夫が収入を得て、妻が家庭を守るという昔ながらの家庭をベースに考えられているため、男性よりも女性の収入が低い傾向がある。
  • 母子家庭でも認可保育園に入れないこともあり、無認可の保育園に預けると多額の保育料がかかってしまう。また、実家に暮らしている場合は同居家族の職の有無、勤務時間などにより入園できない場合があり、仕事に就けないない状況が生じる。

元夫や父親のことは個人的な問題ですが、「働いても貧困から抜け出せない」ことに関しては、雇用する企業側や行政の対応しだいで改善できることが多そうです。

3組に1組の夫婦は離婚する現代の日本。昔ながらの家庭モデルばかり想定した雇用では、時代とのズレが生じてしまいそうですね。

貧困は自業自得?シングルマザーが陥る精神的な孤独

最近、シングルマザーの貧困が様々なメディアで取り上げられるようになりましたが、そうした報道に対し、「安易に子供を産んで、離婚したのだから自業自得」「結婚生活の我慢が足りない」など、厳しい声も多く寄せられています。

離婚の原因は人それぞれですが、ある調査では離婚の原因が

  • 3位にドメスティックバイオレンス
  • 4位にモラルハラスメント

が挙がっており、子供を守るためにやむを得ず離婚を選んだ女性も多いようです。また、死別など予期せぬ理由から母子家庭になった人もいます。

しかし、シングルマザーに対する世間の風当たりはまだまだ強く、そのため困ったことがあっても周囲に助けを求められない女性がたくさんいます。

男性のみならず、同じ女性からも冷たい視線を投げかけられるのは辛いもの。生活が苦しい上に弱音も吐けないとあっては、精神的にも追い詰められます。

シングルマザーが孤独に陥らないためには、社会制度だけでなく、人々の意識改革も必要かもしれませんね。

シングルマザーをめぐる状況、日本と海外の比較

ひとり親世帯が深刻な貧困に陥っている日本ですが、ほかの国はどうなのでしょうか。

実はシングルマザーはアメリカが飛び抜けて高く、次に日本、ドイツ、フランスと続いています。

欧米各国の働く女性を取り巻く状況をまとめました。

フィンランド
母親が急に仕事に就かなければならない事情がある場合、自治体は2週間以内に保育園を見付けなければなりません。また保育園を利用せず自宅で育児をする場合は3歳まで「在宅育児手当」が、また子供が17歳になるまでは子供の数に応じて養育手当てが支給されます。
スウェーデン
家庭生活を重視するため、法定労働時間や残業時間が短く規定されています。労働賃金は均一化が図られており、正規・非正規での賃金の差がほとんどありません。またすべての自治体は1から12歳までの児童に対し、就学前保育と学童保育を提供する義務を持ち、すべての16歳未満の子供に対し児童手当が給付されます。
アメリカ
離婚率の高いアメリカでは、母子家庭の貧困率も高く、子育て支援は低所得層・貧困層を中心に展開されています。就労支援と抱き合わせで行われる支援により、近年子供を持つ女性の就業率が上がり、子供の貧困率も減少しつつあります。
フランス
出生率が高く、同時に働く女性の多いフランスでは、ベビーシッターや保育園の制度が充実しており、比較的リーズナブルにサービスを受けられます。保育園に入れず待機児童になった場合、シッターを使いやすい仕組みになっています。
ドイツ
日本と同じく男女間のジェンダー格差が大きかったドイツですが、離婚率が上昇し母子家庭が増えると、支援政策を強化。養育費前払い制度や最低生活保障、住宅手当や児童手当、親手当てなどが盛り込まれました。また、1歳から3歳までの子供に無償の公的保育を保障し、家庭で保育する親にも育児手当を支給しています。
こうして見てみると、福祉制度の進んだ北欧や男女参画意識の高いヨーロッパでは、女性が育児と仕事を無理せず両立できるよう、社会制度の整備が進んでいるようです。

また、欧米では貧困層に対するセーフティネットの間口が広く、様々なサービスを受給することができます。

一方、日本は生活保護のみで、受給条件も厳しいので、実際に受給している貧困層の割合が非常に少ないのが現実です。

シングルマザー必見!母子家庭が受けられる公的支援

欧州諸国ほど整っていないとはいえ、日本でも母子家庭が受けることのできる様々な支援が存在します。

日々忙しい生活に追われ、意外と知らないシングルマザーもいらっしゃるのではないでしょうか。以下に支援の種類をまとめました。

児童扶養手当

母子家庭が受けられる国の経済的援助です。子供が18歳になるまで受けることができ、子供の人数により加算されます。

ただし、所得によっては支給額が変わったり、受給できない場合もあります。

手当ての月額

  • 児童1人につき 全額支給41,720円
  • 一部支給 41710円から9,850円
  • 児童2人目 5,000円加算
  • 児童3人目 3,000円加算
  • 児童4人目以降は3,000円ずつ加算

特別児童扶養手当

身体障害者手帳1級から4級の一部(平衡機能障害は5級まで)、療育手帳AまたはB1に該当する20歳未満の障害者を養育している人に支給されます(所得制限あり)。

手当の月額

  • 1級 月額50,750円
  • 2級 月額33,800円

児童手当

日本国内に住民登録している15歳までの児童を養育している人に対し支給されます。

  • 第一子、第二子 5,000円
  • 第三子 10,000円

遺族年金

生計を立てていた配偶者が亡くなった場合、その妻と子供(18歳まで)に支給される年金で、遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。

金額は加入している社会保障制度や家族構成により異なります。

母子・父子家庭のための住宅手当

20歳未満の児童を養育している母子・父子家庭の世帯主で月額1万円以上の家賃を払っている人に対して設けている助成制度。自治体により条件が違います。

生活保護

健康で文化的な最低限の生活を保障するために設けられた制度。

世帯単位で保護費が支給されます。

生活保護は次の 8 つの扶助(生活扶助,住宅扶助,教育扶助,介護扶助,医療扶助,出産扶助,生業扶助,葬祭扶助)から構成され,それぞれ最低生活を充足するのに必要とされる限度において具体的な支給範囲が定められています。生活,住宅,教育,出産,生業及び葬祭の各扶助については,金銭給付を原則としていますが,医療扶助及び介護扶助は,給付の性質上現物給付を原則としています。

受給額は地域や収入、家族構成により異なります。

ひとり親家族等医療費助成制度

ひとり親家庭で必要な医療について、費用を一部助成する制度。受給条件や受給額の詳細は各自治体により異なります。

小児医療費助成制度

小学校6年生修了までの児童の入院および通院、中学生以上の入院による保険医療の自己負担額を助成します。

ただし、食事代(標準負担額)や保険適用外の費用については助成されません。

母子家庭への貸付制度

20歳未満の子供を育てている母親で、その自治体に6カ月以上住んでいれば、収入制限なく自治体から低金利で生活費を借りることができます。

ただし保証人が必要で、各都道府県により金額や利子は異なります。

知っていると役立つ!母子家庭への減免、割引制度

さらに母子家庭に対して、税金や保険料、公共交通機関の費用などを減免する制度もあります。

・所得税・住民税の減免
夫と死別したり、離婚した後婚姻していない、または夫の生死が不明の女性で、同居する子供の所得が38万円以下、合計所得が500万円以下の人の場合、寡婦控除といって、住民税や所得税が一定額控除されます。
・国民年金、国民健康保険の免除
所得が少なく、保険料を納めることが困難な人は、本人の申請により保険料を全額、あるいは半額免除することができます。また国民健康保険は、所得が基準以下、または収入が大きく減少し支払いが困難な時には、保険料を減免できる場合があります。
・交通機関の割引
母子家庭や父子家庭は公共交通機関の費用に多くの優遇制度が設けられています。市営バスやJR、私鉄などでも割引されるところがあるので、利用している交通機関に問い合わせてみましょう。
・粗大ごみ等処理手数料の減免制度
児童扶養手当などを受けている世帯は、粗大ごみ処分費用などが減免されます。
・上下水道の減免制度
児童扶養手当などを受けている世帯では、水道基本料金や一部の料金が減免される場合があります。
・非課税貯蓄制度(マル優)
預金や郵便貯金、公債など元本350万円までの貯蓄の利子にかかる所得税と住民税を非課税にできる制度。通称マル優。
・保育料の免除と減額
母子家庭を支援するため、自治体ごとに免除や減免があります。制度は自治体により異なるので、居住する自治体の制度を確認してください。
・福祉定期預金
1つの金融機関で1人300万円まで、1年間だけですが通常の定期預金より有利な金利で預けることができます。母子家庭では児童扶養手当や遺族基礎年金を受けていることが条件になります。

いかがでしたか?意外にも多岐にわたる分野で利用できる制度があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

忙しい生活の中で諸々の手続きを行うのは面倒かもしれませんが、ぜひ活用してくださいね。

子供たちのためにも、シングルマザーのセーフティネットを広げよう!

シングルマザーの貧困は親だけの問題ではなく、子供の生活や将来にも直結します。

貧困の子供は学力や大学進学率が低くなるデータもあり、貧困家庭で育った子供がまた親になった時に貧困に陥ってしまうという、負のスパイラルが生じます。

子供の将来のためにも、シングルマザーの貧困問題の解決は急務です。

もちろん国の制度で改革しなければいけないことはたくさんありますが、まず周囲の人ができることは、シングルマザーが助けを求められる環境をつくることではないでしょうか。

一時的に子供の面倒を見たり、家事を手伝ったり、話を聞いてあげるだけでもいいかもしれません。

シングルマザーを敬遠するのではなく、セーフティネットとして周囲の人も気遣ってあげることが、母子家庭が暮らしやすい社会に繋がり、結果的に子供を守ることになるのです。