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仕事を効率よくこなせるマルチタスク。脳へのメリットとデメリット

Date:2016.11.22

shutterstock_519852709直感で、パッと想像してみてください。

【シチュエーション】
あなたは今、〆切の近い仕事を「5つ」抱えています。
そのうち3つは90%、1つは80%、残りの1つは60%ほど、完成しています。

これを読んで、あなたはどう感じましたか?

「まだ全然終わってないじゃん、どうしよう」と感じたあなたは、おそらくシングルタスクのひと。1つの仕事を完了してから他の仕事にかかりたいタイプでしょう。

「えっ、もうほとんど終わってるじゃん!」と感じたあなたは、これからお話しする「マルチタスク」に向いているのではないでしょうか。

今回は、マルチタスクで仕事を進めている人、または今後マルチタスクを身につけたいという人のために、マルチタスクの

  • メリット
  • デメリット
  • やり方のコツ

をまとめてみました。


「マルチタスク」と「シングルタスク」の違い

テレビやビジネス書などで頻繁に使われる「マルチタスク」「シングルタスク」という言葉。そもそもどういう意味なのでしょうか?

大雑把に説明すると、この二つの違いは以下の通りです。

マルチタスク
複数の物事を同時進行で処理すること。仕事Aと仕事Bを平行して処理していくやり方。
シングルタスク
複数の物事を一つずつ順番に完了させていくこと。仕事Aが終わってから、仕事Bにとりかかるやり方。

マルチタスクにはメリット・デメリットの両方がありますが(後ほど詳しく説明します)、うまく活用できれば作業効率が一気に上がり、自由な時間を増やすことができます。

これは、仕事だけでなく家事やプライベートの用事にも応用できます。

物事は全て複数の「タスク」で成り立っている

「タスク」という言葉が聞き慣れない、という方もいらっしゃるかもしれません。

イメージしてください。一つの大きな用事があります。この用事は、中に小さな作業がたくさん詰まってできています。

これを作業ごとに、できるだけ小さく切り分けてみてください。この切り分けたピースが「タスク」です。

下の図を見てみましょう。

タスク-1122-1

うーん抽象的ですね。「まだよく分からない」という方のために、もっと身近な例で見てみましょう。

例えば「洗濯をする」という用事を細かい作業に分けていきます。

  • タスク1:衣類を色物と柄物とに分ける
  • タスク2:洗濯機に衣類を入れる
  • タスク3:洗剤を入れる
  • タスク4:スイッチを入れて洗濯機を動かす
  • (タスクの隙間:洗濯が終わるのを待つ)
  • タスク5:干す
  • タスク6:屋外へ出す

などに分かれますよね。この作業一つ一つを「タスク」と呼びます。

ひとまとまりに見える物事も、よく見て分解していくとこうした複数のタスクが集まって成り立っています。

では「マルチタスク」とはどういうもの?

「マルチタスク」は、元々はコンピュータ用語で、「1台のコンピュータの中で2つ以上の処理を同時進行すること」です。

例えば、

  • WEBサイトを見ながらメールに返信する
  • 文書を印刷しながらネットサーフィンする

など、2つ以上のアプリケーションを同時に開いて作業しているとき、そのパソコンはマルチタスクを行っています。

パソコンだけではなく、スマホやタブレット機器も同じです。そしてこれを、人間の行動に当てはめると、下記のようになります。

人間の行動では「マルチタスク」って、こんなこと

私たち人間も、色んな場面でマルチタスクをおこなっています。

上に紹介した

  • WEBサイトを見ながらメールに返信する
  • 文書を印刷しながらネットサーフィンする

といった行動は、実は人間にとってのマルチタスクでもあります。

他に身近な例だと、

  • 音楽を聞きながら家事をする
  • テレビを見ながら運動する
  • 通勤電車で仮眠する
  • 野菜を炒めながらお味噌汁を作る
  • 食事をしながら人とお喋りする

なんていう日常の行動も、2つ以上のことを同時にこなすという意味では、立派な「マルチタスク」です。

また、仕事Aのタスクとタスクの間に空き時間ができるとき、他の仕事Bのタスクをこなすことも「マルチタスク」と呼ばれます。

上記の「洗濯をする」の例で言うと

「タスクの隙間:洗濯が終わるのを待つ」

というスキマ時間。

このスキマ時間に「掃除をする」「買い物を済ませる」など他の仕事をする行為。これもマルチタスクと呼べます。

つまり私たちは、無意識のうちにマルチタスクをこなすことに馴染んでいるというわけですね。

マルチタスクは脳を鍛える?それとも破壊する?

ところで、マルチタスクには脳細胞を「活性化させる」そして「破壊する」という、両極端な2つの側面があるようです。

えっ!?と思った方、多いですよね。真逆の側面を併せ持つというのは、一体どういうことなのでしょうか?

具体的な場面を交えながら説明していきましょう。

■「脳細胞を活性化させる」側面

これは、外国語学習や認知症治療などで活用されています。例えば、

  • 声に出して発音しながらテキストを見る
  • しりとりゲームをしながら歩く
  • 歌いながら歌詞に合わせて身体を動かす

など、頭と身体を同時に使うことで脳細胞が活性化され、記憶や認知によい影響を及ぼすと言われます。

■「脳細胞を破壊する」側面

こちらは米国スタンフォード大学や英国サセックス大学などの研究チームが近年明かした研究結果で、主に「頭を使う作業」を2つ以上同時進行させた場合に起きやすいようです。

要点をまとめると、

  • 脳は、一度に一つの物事しか処理できない
  • マルチタスクとは「複数を同時に処理している」のではなく、脳が瞬時にスイッチを切り替えることで、表向きは「同時に処理している」ように見えるだけ
  • なので、タスクを細かく切り替えることで脳が疲れ、集中力が落ちる
  • タスクの切り替えは快感を伴うため、中毒のようになりやすい
  • 過剰に繰り返すとストレスがかかり、脳細胞の破壊に繋がる

こういったものです。

確かに、色々なことを一度に考えて頭を使いすぎると、頭痛がしたりします。瞬時にスイッチを切り替えるのは、脳にかなり負担をかける模様。

「やり過ぎると脳細胞にとって毒」というのはなんとなく実感できます。

でも、忙しい日々の効率アップに「同時進行」のマルチタスクが便利なのも確かです。脳にストレスをかけないよう、上手に取り入れていくには、どうしたら良いのでしょうか?

マルチタスクには2種類ある!上手に使い分けるコツ

タスクには大きく分けて、「脳を使うもの」「身体を使うもの」の2種類があります。

この組み合わせ方によって、マルチタスク活用の際に注意すべきポイントが変わってきます。

「脳×脳」のマルチタスクは、頭で考える作業を複数抱えている人向け。後に詳しく説明しますが、例えば、

  • 仕事Aを途中までやって仮提出、上司がチェックしている間に仕事Bに取りかかる
  • 仕事Bに集中できなくなってきたので、気分転換に仕事Cをちょっとやる

など、主にビジネスシーンで活用しやすいでしょう。

「脳×身体」のマルチタスクは、単調な作業や退屈な仕事にワクワク感を吹き込むのに向いています。例えば、

  • テレビを見ながら運動をする
  • 食事をしながらお喋りする

など、家事やプライベートの場面で役立てやすいでしょう。

では、それぞれどのように活用できるのか、メリット・デメリットとともに具体的に見てみましょう。

【1】仕事に役立つ「脳×脳」のマルチタスク

ビジネスシーン、とくに頭脳労働をたくさん抱えている人は、「脳×脳」のマルチタスクで効率化を目指せます。

「脳×脳」マルチタスクのやり方

仕事を一つ一つ順番に完了させていくことを「シングルタスク」と呼びます。シングルタスクを図にすると、以下のような形です。

タスク-1122-2

これを「脳×脳」のマルチタスクにするには、まず「仕事A」「仕事B」「仕事C」を、それぞれ小さな作業(タスク)に分解していきましょう。下のような形です。

タスク-1122-1

具体的な例を挙げます。例えば「企画書を書く」という仕事であれば、

  • アイデア出し
  • アイデアの取捨選択
  • 構成を考える
  • 企画書に入力
  • 推敲

など、細かい作業ごとにタスク化していくのです。これを「Aの仕事」「Bの仕事」「Cの仕事」……と、全ての仕事で行います。

そして、仕事単位ではなくタスク単位で、スケジュール(=自分の持ち時間)を埋めていくのです。

タスク-1122-3

例えば、このような形です。

タスク 1122-4

顧客や上司など第三者が関わる業務でも、これならイライラせずに別の仕事をしながら待つことができます。

「脳×脳」マルチタスクのメリット

このマルチタスクを上手に仕事に活用できると、以下のようなメリットがあります。

  • 仕事に飽きにくい
  • 「上司のチェック」などのやむを得ない待ち時間を有効活用できる
  • 仕事Bが仕事Aの気分転換になる
  • 小さなタスク単位で完了できるため、こまめに達成感が得られる

押し寄せる仕事にうんざりしたり、「こんな大変な仕事は自分にはとてもできない……」と茫然としてしまうこと、ありますよね。

でも切り分けたタスク単位なら、意外とあっさり出来てしまうもの。「なんだ、できるじゃん」と感じることはその後の自信にも繋がります。

また、タスクごとに「終わった!」という達成感を得ることが気持ちの大きなリフレッシュになり、余計な焦りも生まれにくくなります。

「脳×脳」マルチタスクのデメリット

ただし、脳×脳のマルチタスクは、やり方によってはデメリットを生むこともあります。

  • タスクの切り替えが頻繁すぎる >>> かえって効率が悪くなる
  • 達成感を求めて無理をしてしまう >>> 生産性が落ちる
  • 完結できる仕事を好き嫌いで後回しにする >>> 結局どの仕事も終わらない
  • 今やっているタスクに集中できない >>> あれもこれもと焦ってしまう

などなど、場合によっては致命的です。

上にも書いたとおり、人間の脳は一度に一つのことしか処理できません。2つ以上の仕事を同時進行するのは、脳のスイッチをその都度切り替えるような作業なのです。

スイッチの切り替えにはそれなりのエネルギーが必要です。あまり頻繁に繰り返すと脳はオーバーヒートしてしまいます。すると、

  • 頭痛
  • 集中力の低下
  • 激しい疲労
  • ぼんやり感

などを引き起こし、かえって効率を悪くしてしまうのです。

また、マルチタスクはあくまで「たくさんある仕事を効率よく全て終わらせる」ための手段で、そのためには淡々とタスクを解消していく姿勢が大事。

嫌いな仕事だからと後回しにしたら、その仕事は結局まるごと、一番最後に残ります。

またその仕事のことが気になって今のタスクに集中できない……ということが起きると、全ての仕事に悪影響が出てしまうので、注意が必要です。

「脳×脳」マルチタスクを活用するコツ

脳を使い続ける「脳×脳」型のマルチタスク。上手に活用するには、以下のようなことを心がけるとよいでしょう。

  • タスクは1個につき、30〜90分くらいで出来るサイズにする
  • それ以上時間がかかりそうなものは「前半・後半」など切り分ける
  • タスク実行中は他のタスクのことを忘れる
  • 机の上には「今やっているタスク」の物だけ出し、他はしまう
  • どのタスクもやらない「本物の休憩」を適度に挟む
  • タスクは好きな順番でこなしてOK、ただし「最終的には全部やる」ことを念頭に置く

タスク1個1個にかかる時間は、作業内容によるので一概には言えません。ただ、脳が集中し始めるのは作業を始めて20分を過ぎた辺りからと言います。そして、集中力の限界は90分程度だとか。

そのため、タスクは1つ30〜90分程度を目安に考えるのが適切でしょう。もし時間が足りなければ、タスクを更に2つに分けてもいいでしょう。

また、領収書整理などごく短時間で終わるタスクは、気分転換に最適です。

しかし小さくてもやはり仕事は仕事。脳には疲労が溜まりますので、適切な間隔で「何もしない休憩」をとりましょう。

【2】家事やプライベートに役立つ「脳×身体」のマルチタスク

頭脳労働同士を組み合わせる脳×脳のマルチタスクより、もっと気軽に実践できるのが「脳×身体」のマルチタスクです。

これは、仕事はもちろん家事やプライベートのあらゆるシーンに取り入れやすく、退屈な作業を楽しくする効果が高い方法です。

「脳×身体」マルチタスクのやり方

頭を使うことと、身体を使うこと、この2つを組み合わせます。例えば、

  • 家事をしながら音楽を聞く
  • 電話をしながら編み物をする
  • パソコン仕事をしながらバランスボールに乗る
  • テレビを見ながらスクワットする
  • 通勤中に英語学習のCDを聞く

など、組み合わせは無限に考えられます。

また、厳密に言えば脳×脳にあたりますが、

  • 勉強しながら音楽を聞く
  • 仕事しながら音楽を聞く

というのも同様の効果が得られます。脳の中でも「音楽を聞く」という領域は、思考する領域とは区別されているためです。

ただし、歌詞がないもの、あるいは外国語の歌詞のものに限られます。言語中枢は思考と繋がっているので、日本語の歌詞は仕事の邪魔をしてしまうのです。

「脳×身体」マルチタスクのメリット

このやり方で得られるメリットは、以下のようなもの。

  • 退屈な仕事・単純作業を楽しくできる
  • 身体を同時に動かすことで、記憶が定着しやすくなる
  • 一度に2つの作業が終わる
  • 結果は同じでも満足度が高い
  • 苦手な仕事への抵抗感が薄まる

脳×脳のマルチタスクでは一度に処理できるタスクは1つだけでしたが、こちらは違います。

組み合わせ次第では、2つ以上の仕事を1つ分の時間で終わらせることができるのです。

また、嫌な仕事、なんとなくやりたくない作業でも、好きな音楽や趣味の作業と組み合わせれば楽しく進めることができます。

「楽しかった」という記憶が脳に残るので、次回から同じ作業をするときに手をつけやすくなるのです。

「脳×身体」マルチタスクのデメリット

こちらのデメリットとしては、以下のようなものが考えられます。

  • 相性のよい組み合わせを考える必要がある
  • 組み合わせによっては気が散ってしまう
  • 電話など他者が関わる作業の場合、とくに注意が必要
  • 「テレビを見ながらスマホ」などは避けた方がよい

電話しながら他のことをして「聞いてるの!?」なんて怒られるのは避けたいところ。

また、スマホ+テレビなどメディア同士の組み合わせは脳に良くないとされています(これについては後ほど述べます)。

「脳×身体」マルチタスクを活用するコツ

このマルチタスクを上手に活用するコツは、以下のようなものです。

  • どちらか一方を「慣れているもの」にする
  • 重要なタスクはそれだけに集中する(マルチタスクしない)
  • 苦手なものと楽しいものを組み合わせる
  • 組み合わせるのは2つまでに抑える

テレビを見る×料理する×電話する、など3つ以上を組み合わせたくなることもありますよね。

でも、慣れている作業でも脳が一度に処理できるのは1つだけ、うまくスイッチできても2つまでです。

組み合わせるタスクは2つまでと決めましょう。

避けるべき「メディア・マルチタスク」って何?

さて、マルチタスクの中でも要注意とされているものがあります。それは、

  • テレビ
  • 動画
  • パソコン
  • スマホ
  • タブレット(iPadなど)

などのメディアを組み合わせる「メディア・マルチタスク」と呼ばれる行為です。

メディア・マルチタスクは脳を破壊する?

テレビを見ながらSNSで意見をつぶやく、などはやっている人も多いことですが、脳細胞には良くないとされています。

この見解は2016年6月に放送されたテレビ番組『林先生が驚く初耳学』でも取り上げられ、話題となりました。

なぜメディア同士のマルチタスクが脳に良くないのでしょうか? これは、脳が一度に1つのことしか処理できない、という点にヒントがあります。

マルチタスクは2つ以上の作業の間で脳のスイッチを切り替えることで行います。メディア・マルチタスクでは、スイッチの切り替えが頻繁に、かつ長時間続けて行われることが問題とされています。

テレビを見ながらSNSを読んでいるとき、テレビ画面とSNSの間を脳は行ったり来たりしているわけです。こういったことを続けると、脳にストレスホルモン「コルチゾール」が分泌され、脳細胞を攻撃します。

また頻繁に繰り返すことにより「スイッチによる快感」を脳が覚え、快楽物質による中毒のような状態に陥る危険性があります。

英サセックス大学では、「複数のガジェットを行ったり来たりする癖のある人は、脳の中の灰白質(情報処理に関わる部分)が小さくなっている」との研究報告もあります。

脳がこうした状態になると、

  • 記憶力の低下
  • 集中力の欠如
  • 情報処理能力の低下
  • 鬱状態になりやすい

などの弊害が出る可能性があります。

ついやってしまいがちな行動ですが、テレビやパソコンと同時の“ながらスマホ”は避けた方が良いかもしれませんね。

上手な活用のコツは「やり過ぎないこと」!

短時間で効率的に、楽しく仕事をこなせるマルチタスク。でも何事も、やり過ぎは良くありません。

脳への負担は大きいということを忘れず、上手に活用していきましょう!

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