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夜勤の健康リスクとは?8つの疾病のリスクファクターに

Date:2017.11.07

現代社会では色々な業界において「働き方」の革命が起こっています。今までなし崩しであった「勤務の仕方、勤務のさせ方」について法が整備され始め、「この働き方は危険」といった声が昔よりも容易に拡散されるようになりました。

しかしそれと同時に、日本で暮らす人々への利便性を高めるための「夜勤者」へのニーズは増える一方で、従事している人たちの勤務状態の改革に着手出来ない現実があります。

医療従事者、福祉、保育、飲食、建設…様々な業界において「夜勤」の必要性は高いですし、それをバッサリ切り捨てることは出来ません。しかし現状のままですと、夜勤者の健康リスクが増大し続ける危険性もあります。

夜勤をすることが、様々な症状や疾病のリスクファクターになることを常に頭に置き、「無理のない、リスクの少ない夜勤」が出来るようにしていきたいものですね。


夜勤者は注意!昼夜逆転生活が呼ぶ8つの疾病

様々な現場で需要の高い夜勤。報酬も日勤より割増になることも多く、特に体力がある20代の社会人などは好んで連続して夜勤を選択するという人も沢山いらっしゃいます。

もちろん夜勤をしたら1日で体調を崩してしまう、というわけではありません。体質によっては全く問題がない人もいるでしょう。

しかし、原則人間は「太陽のあるうちに活動し、太陽が沈んだら休息を取る」という生活を原始の時代から行ってきた動物です。うっかり体の望まない時間帯の活動を続けることで、後々の健康に影響を及ぼす可能性が高くなってくるのです。

1.自律神経失調症の危険はMAX

夜勤と限定せず、昼夜逆転の生活の裏に必ず潜んでいるのが自律神経失調症のリスクです。

自律神経は私達の体の、「意識できない分野」を制御している司令塔です。呼吸、発汗、体温調節、心拍の調節、腸のぜん動運動、尿意、食物の消化活動や脂肪燃焼などのエネルギー消費と生産、睡眠…これらの活動は自律神経が調節しているのです。

自律神経は2種類から出来ています。

  1. 交感神経…日中、睡眠から覚醒後の活動時間帯に、体を活発に動かすために働きます。
  2. 副交感神経…夜間、就寝前から、体を休ませるために働きます。

この交感神経と副交感神経が常にスイッチのオンオフを切りかえながら、1日24時間を健やかに過ごせるようバランスを作っています。

昼夜逆転の生活となった場合、まずこの2種類のスイッチの切りかえに支障が生じます。本来眠っている(副交感神経が働いている)時間に活動するため、交感神経が動作しなくてはいけませんし、普段は動いている(交感神経が活動している)時間に体を休ませなくてはならないために副交感神経が優位に立とうとします。

生まれた時からこういう状況なら良いのかもしれませんが、大人になって急にこのような昼夜逆転を始めた場合、その変化に自律神経が対応しきれず、スイッチが誤作動を起こすのです。これを自律神経失調症と言います。

自律神経失調症は全身性の疾患であるため、驚くほど色々な症状があります。全部出る人もいますが、大抵は一部の症例が出る場合が多く、そのため原因をつかめないことも多くあります。

  • 動悸、息切れ、吐き気
  • めまい、耳鳴り
  • 便秘や下痢、頻尿、尿意の減少
  • 食欲不振、あるいは亢進
  • 手の震え、目のぼやけ
  • 頭痛、肩コリ、首コリ、歯痛

これらはあくまでも自律神経失調症の一部です。この他にもイライラする、慢性的な腹痛がある、強い眠気が唐突に現れるなどの症状もあり、日常生活にも大きく影響を及ぼしてしまいます。

2.生活習慣病リスクが高い

夜勤等の場合、生活習慣病のリスクも高くなると厚生労働省や海外の大学研究機関が発表しています。

中でも多いのが2型糖尿病。不規則な睡眠時間や不摂生な食生活によって起こる病気で、体内のインスリンという物質をコントロールすることが出来ず、エネルギー源となる糖を有効活用出来ない病気です。

夜勤などの昼夜逆転状態は自律神経やホルモンバランスを乱しますので、このような「従来自然に出来る体のサイクル活動」が弱くなることによって糖尿病などの成人病を引き起こしてしまうことがわかっているのです。

また、その他特に気をつけたいのが深夜帯や就寝前のコレステロール値の高い食事です。深夜に活動すれば眠っているよりもエネルギーを消費していますので、通常なら日中の12時くらいに必要なカロリーを、深夜2〜3時や朝方に欲して摂取してしまう人が多いのです。

睡眠障害や自律神経失調症などその他の要因がその他の成人病を誘発する事例も数多くあります。動脈硬化や脳梗塞など命に関わる症状を次々と生み出してしまうリスクも高くなり、この傾向は年齢が上がれば比例して更に高くなると言われています。

3.乳がん・甲状腺がんのリスクが1.5〜2.6倍

海外の看護協会が行った検証によれば、夜勤シフトがある看護師さんの場合、日勤者と比較すると1.5〜2.6倍という確立で乳がんのリスクが高くなる傾向にある、と考えられています。

男性の場合は前立腺がんの危険性が上がると考えられており、どちらもホルモンバランスの乱調が根本の原因と考えられています。

適切な時間に睡眠や栄養を摂取出来ない結果、ホルモンバランスは乱れがちになります。ホルモンには抗腫瘍作用や抗酸化作用がありますが、うまく機能しなければ私達の体は常にがんの影に怯えなくてはならなくなってしまうのです。

実は私達の体の中では、毎日がん細胞が生まれています。しかしこの生まれてすぐのがん細胞は、新陳代謝、マクロファージなど体の機能によって常にリセットされているのです。

ホルモンバランスはそうした機能のひとつ。正常に機能しなくなれば、乳がんを始め様々な部位に対してがん細胞の増殖を押さえ込む力が弱くなってしまうのと同意義なのです。

4.長期的な治療が必要にもなる睡眠障害

「夜勤」と聞いて、誰もが真っ先に思いつくのがこの睡眠障害ではないでしょうか。

私達の体の中には生活リズムというものが根付いていて、夜暗くなったら眠くなり、夜が明けたら目が覚めるという体内時計があります。

昼夜逆転の夜勤の場合この体内時計を180度転換するということですが、体が適応出来ない場合「昼と夜の区別がつかなくなる」という乱調が起こります。

こうした乱調を無視していると、睡眠障害という病気を起こしてしまうことがあります。

  • 不眠症
  • 過眠症
  • 睡眠時不快症状(呼吸や体のかゆみなど)
  • 概日リズム睡眠障害

睡眠障害にもいくつか種類、パターンがありますが、夜勤の人や昼夜逆転生活の人が起こしやすいのが「概日リズム睡眠障害」です。

これは自分の体が望む時間帯に強制的に覚醒を促すことが多い場合に、いざ「眠って良い」タイミングになっても眠れなかったり、覚醒をしていなければならない時間に強烈な眠気が出てしまうことが代表的な症例です。

眠れない、眠りの質が悪いだけでなく、慢性的な倦怠感や疲労感、食欲不振、精神的症状などが現れ、放置すると日常生活に影響を及ぼします。

睡眠障害にまでなってしまうと、長期的に投薬やカウンセリングなどの治療が必要になる場合もあります。

極端な話、夜勤をしなくなってもその後10年睡眠障害に苦しんでいるという例までありますので、まずは「ならない」ための対策や適切な休息・休憩の取り方を覚えることが大切です。

5.老化の促進が病気のトリガーになることも

自律神経の乱れや睡眠の質の低下によって、老化現象が急速に進むこともあります。

体内の活性酸素が膨大に増えてしまうと、増えすぎた活性酸素が細胞を傷つけ始めます。これがシワ、シミ、くすみ、白髪などのもとになるほか、内臓機能の低下、血管機能の低下を起こします。

通常、疲労や新陳代謝は夜間寝ている間に体が自動的に行います。この時に体内に増え始めていた活性酸素も除去されるのです。

しかし昼夜逆転の生活をしている場合、このタイミングがうまく取れず「疲れたまま何十時間も生活する」という現象が起きてしまいます。すると活性酸素は増え続け、除去もされないために細胞を傷つけ放題の状態になってしまうのです。

  • 顔色の悪さ
  • 唇の荒れ
  • 髪のパサツキ、傷み、白髪、脱毛

これらは活性酸素が増えていることによる老化現象の初期症状です。気がついたら早めに栄養補給や睡眠時間の調節などを行う必要があるのです。

6.バイオリズムの乱れがうつ病のリスクを高める

現代社会で「うつ病」などの精神疾患は深刻な問題として捉えられています。本人にもどうしようもない脱力感や倦怠感、自己否定感などが様々な症状が起こってしまいます。

大人の間にも子供の間にも起こりうる上に、最悪の場合は命を縮める選択をしてしまう思考になってしまう非常に恐ろしい病気です。

うつ病を始め、様々な後天的精神疾患は体内時間やその生命体のバイオリズムに則していない、アンバランスな環境がトリガーになることがあります。

日中活動をせず、夜間太陽光のない状態で無理に活動を行うことで自律神経のバランスが乱れ、それが色々な不調を呼び起こし、不安感や自己否定感につながるのです。

この病気の一番怖いところは、本人も周囲もほとんどが「初期症状や前兆に気がつかない」ということ。風邪や感染性腸炎のように、喉が痛むわけでもなければ吐き気や腹痛がくるわけでもありません。

ただ漠然と具合が悪く、「具合が悪いのは自分の体のせい」とねじまがった解釈をいつの間にかしてしまい、「自分の体(心)」を無意識で否定してしまうのです。

もし昼夜逆転の生活を余儀なくされていて、かつ漠然とした不調に悩まれているのであれば、まずは夜間に寝て日中起きる、といったバイオリズムに戻すことを考えてみて下さい。

  1. 早朝5:30、あるいは6:00に起床
  2. 軽い体操や短距離の散歩などを15分〜30分
  3. 水分を補給
  4. 7:00〜8:00の間に朝食
  5. 日中は極力眠らず、運動や軽い作業などを行う
  6. 昼食、夕食の時間帯も極力均一にする
  7. 睡眠予定時間2時間前までに入浴を済ませる
  8. 21:30〜22:30くらいまでには照明を消し、就寝する

信じられないかもしれませんが、多くの精神科、心療内科では入院患者に対しこうした行動療法を行っています。

おおよそ一カ月ほど継続が必要ですが、自律神経の乱調、ホルモンバランスの乱れが整ってくることで、精神的な症状も落ち着きを取り戻し始める例が非常に多いのです。

7.体温低下が感染症への抵抗力を弱める

「昼夜逆転が引き起こす疾病」というわけではありませんが、自律神経機能の乱れ、睡眠障害、成人病の兆候などによって起こる症状の中に「低体温」があります。

人間は元々36〜37度未満の体温を常に維持する恒温動物です。この温度が保たれることによって、大気中や食物についている毒素や細菌を打ち消し、体を守ることが出来ます。

しかし夜勤など昼夜逆転の状態が続くと、体温を調節する機能にも乱れが生じます。なぜなら体温を調節しているのは他でもない自律神経。自律神経失調症の症状によって適切な体温が維持できず、多くの場合は35度台の低い体温に低下させてしまうのです。

低体温の状態では免疫力が効率的に活動できず、また殺菌するほどの熱量も維持できないため感染症などにかかりやすくなります。

さらに腸内細菌も低体温によってバランスが変わり、善玉菌が現象し悪玉菌が増えやすい環境を作ってしまいます。結果的に便秘や下痢、最悪の場合大腸がんや小腸がんなどの悪性腫瘍のきっかけになってしまうのです。

女性の場合、低体温により冷え性やむくみ症、月経困難症(PMS)を起こす人も多くいます。体温は高すぎてもよくありませんが、低すぎても体にとって悪影響を及ぼすのです。

8.注意力散漫による事故や怪我

さて、夜勤などが続いた場合の健康リスクは病気だけではありません。思わぬ事故や怪我の原因の第1位が「睡眠不足などによる注意力散漫」です。

自分の体内時計に合っていない生活リズムは色々な歯車を狂わせてしまうというのは先述致しました。極端な症状となって出てきた場合はまだ気がつくことも出来ますが、最もわかりにくい危険な状態が「注意力散漫」です。

  • 物忘れが激しくなる
  • 何を話そうとしていたかわからなくなる
  • 距離感が鈍くなる
  • 判断力が遅くなる

多少注意力が落ちたところで、ほとんどの人は「あっ、ドジしちゃった」で済ませてしまうのではないでしょうか。物を忘れたり、話そうと思っていたことがわからなくなったりした程度なら確かにそれで済むかもしれません。

しかし、距離感が鈍くなり階段を踏み外してしまったらどうなるでしょうか。判断力が遅くなることで、赤信号でのブレーキが遅かったら大惨事を起こしてしまいます。

怪我だけで済めばまだ良いかもしれません。最悪の場合は命を落としてしまうきっかけにもなりかねませんし、他者を巻き込んでしまう可能性も否定は出来ません。

「たかがドジ」「ちょっと注意力が散っているだけ」などと思わず、自分の行動がチグハグになっていないか、常に冷静に第3の目で自分のコンディションを確認しましょう。

休日を規則的に取るというのが最大のカギ

ワーク・ライフ・バランスという言葉は最近メディアで盛んに言われていますが、実際の夜勤労働者にとっては「そんなことは言っていられない」というのが現状です。

冒頭にもお話した通り、夜勤労働へのニーズは高齢化社会とともに高まる一方ですし、逆にそれに従事する雇用機会は減少傾向にあるためです。

まずは健康リスクを最大限減らすということを、雇用者及び労働者双方が意識することが絶対に必要です。

「無理をさせない」という雇用者側の意識、「無理をしない、無理をしないことに罪悪感をもたない」という労働者側の意識両方がきちんと噛み合っていないことが、リスク増大の原因になります。

夜勤労働者が大半を占める日本看護協会の「夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」では、夜勤労働を次のように提唱しています。

  • 夜勤の勤務間隔は最低11時間以上の間隔を開ける
  • 最大連続勤務日数は2連続まで
  • 1回の夜勤後は概ね24時間以上、2連続の夜勤後は48時間以上の休息を確保
  • 可能な限り夜勤中の仮眠時間を2時間以上確保 など

体を休める時間を確保し、確保された時間で極力質の良い眠り、栄養補給を行いましょう。雇用側がいかに努力しても、自分の体を守れるのは自分だけです。無理をせず、不調を感じたら率直に周囲への理解と協力を求めるという勇気も必要になってきます。

あなたの体はあなただけのものではない、ということを決して忘れず、自分の体を守ってあげて下さいね。

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