
住み慣れたマンションを売却することになった時には、少しでも高く売りたいですよね。
失敗しないマンション売却のコツを確認しましょう。
マンション売却では価格設定が重要!相場のチェック法と査定の受け方
マンションを少しでも高く売るには価格設定が重要なので、相場のチェック方法や査定の受け方について確認しておきましょう。
少しでも高く売るなら仲介で売却を!
マンションの売却法には、種類があります。
| 名称 | 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 仲介 | 売り主と買い主の間に不動産会社が入って売却 | 売却までに時間がかかることも | 相場価格に近い値段で売れる |
| 買取 | 不動産会社がマンションを直接買う | すぐに売れる 人に知られずに売れる |
売却価格が市場価格の70%くらいになる |
マンションの売却を急がなければいけない理由がある場合は買取が便利ですが、少しでも高く売りたいなら仲介で売却しましょう。
- 買取保証によるマンションの売却とは
- 仲介で出しても一定期間売れなかった場合、不動産会社が提示していた価格で買い取ってくれる売却方法
これなら最初は仲介で出せますし、売りたい期限までに売れないこともありません。
査定前に相場価格を調査!値段付けが売れるかどうかを左右する
仲介でマンションを売却する場合、どのように進めるのでしょうか。
- 査定を受ける
- 売り出し価格を決める
- 媒介契約をする
- 売却活動をする
- 売買契約をする
- 決済する
- 物件を引き渡す
まずは査定を受けるのですが、その前に相場価格をきちんと調査することが大切です。
【相場価格を把握することが必要な理由】
- 値段付けが売れるかどうかを左右するから
- 適正価格を知らなければ安く売ってしまうこともあるから
適正価格を調査するには、どうすればいいのでしょうか。
- ネットで簡単な複数会社の一括査定
- インターネット上の不動産情報
- 市販の情報誌
- 折り込み広告
- チラシ
これらの情報を参考に、相場を知りましょう。特におすすめは「1.複数会社の見積もりが取れる一括査定」です。
複数の不動産会社で査定を取った方が良い理由
査定は、複数の不動産会社で受けましょう。
【複数の不動産会社で査定を受けるべき理由】
- 不動産会社には得意エリアがあるから
- 不動産会社によって得意とする物件の種類が違うから
- 不動産会社によって強みが違うから
あまりに他社と比べて高すぎる査定価格の場合、契約が取りたいだけの根拠のない査定であったり、後から売却価格を下げられる可能性もあるので注意しましょう。
高値がついた不動産会社に、実際にマンションを見て行う訪問査定をしてもらうと、正確な査定金額の把握が可能です。
納得できなかった場合、別の不動産会社に査定を依頼することもできます。
値引き交渉があるのが当たり前と思って価格設定を
マンション売却では、値引き交渉があるのが当然になっているので、対策を考えることが必要です。
- 値引き交渉があることを踏まえ価格設定する
- 高すぎる価格設定はしない
アピールできるポイントをしっかり伝えよう
不動産会社に担当したいと思ってもらえるよう、アピールできるポイントを伝えましょう。
| チェック点 | アピールできる内容 |
|---|---|
| 立地・周辺環境 | 景観がいい・利便性が高い 夜でも明るいなど |
| 耐震対策 | 新耐震基準である |
| 部屋の向きや階数 | 角部屋である・階数が高い 南向きのベランダ・日当たりの良さなど |
| 室内の状況 | 水回りが修繕されている 収納が多いなど |
| 共用部分の状況 | 清潔である メンテナンスがされているなど |
| 駐車スペース | 車が停められる |
不動産屋にとっても、「すぐに売れそうな物件」は魅力的です。できるだけ高値で売却するためにも、アピールポイントはしっかりと伝えてください。
不動産会社選びを大切に!マンションの売却実績もチェックして
マンション売却を成功させるための、不動産選びのポイントを確認しましょう。
優良な不動産会社の選び方
優良な不動産会社を選ぶコツを、見てみましょう。
【優良な不動産会社の特徴】
- 査定の根拠が説明できる
- 販売活動の提案が明確
- 売り手の話を聞いてくれる
- 担当者の知識が豊富
- 担当者と連絡が取りやすい
これらの特徴を持つ不動産会社を探して依頼すると安心ですが、一つ一つの不動産屋さんを回って、信頼ある不動産屋さんに巡り合うのは至難の業かもしれません。
マンション売却が得意な不動産会社を選ぶ!
マンションを売却するのなら、優良不動産会社の中からさらにマンション売却が得意な不動産会社に絞って選ぶべきです。
【マンション売却に強い不動産会社の特徴】
- マンションの売却実績が多い
- マンションがあるエリアに精通している
不動産の特徴を理解してくれる不動産会社に依頼しましょう。
不動産会社との上手な契約の仕方
不動産会社の契約方法には、どのようなものがあるのでしょうか。
| 契約の種類 | 特徴 | 違約金について |
|---|---|---|
| 一般媒介 | 複数の不動産会社との契約が可能 | なし |
| 専任媒介 | 複数の不動産会社との契約は不可能 自分で見つけた相手なら売却できる |
別の不動産会社の仲介を利用すると必要 |
| 専属専任媒介 | 複数の不動産会社との契約は不可能 自分で見つけた相手にも売却できない |
契約した不動産会社を通さず売却すると必要 |
専任媒介や専属専任媒介であれば、自分たちの売却物件を売るために、熱心に動いてくれます。
- 他社に先を越されることが無いので熱心に売却活動をしてくれる
- 他社で契約を取られることが無いので人件費や広告費をかけてくれる
- 特典がつく不動産会社もある
ただ、信頼できる不動産会社が複数ある場合以外は、一般媒介契約以外を選んだ方がいいでしょう。
専属媒介・専属専任媒介を結んだ際、売り手と買い手両方から利益を得ようと「囲い込み」をする不動産会社があることも考えられます。
- 囲い込みに遭っていないか確かめる方法
- 業者間の情報ネットワークである「レインズ」で自分のマンションの情報をチェック。内覧に自分の契約先の不動産会社の担当者のみが来ていないかも、確認しよう。
囲い込みに遭うと、売れるチャンスが激減してしまいます。気になる点があれば、遠慮せずに問い合わせてみてください。
マンションをより高く売却するためにしておきたい準備
マンションをより高く売却するためにしておきたい準備とは、何でしょうか。
マンションの平均売却期間は3~4か月!早目に売る方が高値がつく
マンションは一戸建てや更地より売却しやすく、早く売る方が高値が付きやすい傾向があります。
【売却期間から見るマンションを上手に売るコツ】
- 平均売却期間は3か月から4か月
- 長く売れないマンションは人気がなくなる
- 売却希望価格も大切だが早めに内覧に来た人に売却する方が有利なことも
マンションは短期間で売れるので、長く売れないと売れない理由があると思われ、人気が無くなります。
可能なら時間的余裕を持って売却を
売却のタイミングも、価格に影響します。
- 季節的には春と秋が売れやすい
- 競合するマンションがある場合タイミングをずらすと売れやすい
同じエリアに似たような条件のマンションがあると競合するので、対策が必要です。
| 競合マンションが新築 | 競合マンションが中古 |
|---|---|
| 早めに売却 | 売却を遅らせる |
不動産会社は早く売りたいので、競合物件について教えてくれないこともあります。不動産情報サイトなどを利用して、自分でもチェックしてみましょう。
インターネット広告を出してもらい写真を多用して興味を引く!
内覧者が来ないと売却につながらないので、マンションに興味を持ってもらうための準備をしましょう。
- インターネット広告を出してもらう
- 写真を多く掲載してもらう
- 欠点とその対処法も合わせて記載する
内覧の際により良いイメージを持ってもらうコツ
内覧の際には、第一印象がよくなるように準備します。
【印象を良くするために行いたい準備】
- 一番に目に入るので玄関は念入りに片付ける
- 掃除をして清潔に見せる
- 整理整頓して広く見せる
- 窓・鏡・水周りなどをピカピカにする
- 壁紙は綺麗にする
- 不用品の処分やトランクルーム・実家の活用ですっきり見せる
- におい対策をする
- カーテンを開ける・全部の部屋に照明をつけるなど明るく見せる
明るく、広く、綺麗に見せることが高く売却するためのコツ。最初の内覧前にプロのハウスクリーニングを利用するのも、効果的です。
また、対応にも気をつけましょう。
- 人数分のスリッパを用意する
- 空気の入れ替えをしておく
住宅診断士にマンションを診断してもらうと価値が上がる!
「インスペクション」をしておくと、マンションに付加価値がつきます。
【インスペクションとは】
- 住宅診断士にマンションを診断してもらうこと
- 構造や配管などを確認
- 修繕が必要な個所もわかる
- 安心感が出るので付加価値がつく
- 費用の相場は5万円から10万円
費用はかかっても、安心感があるので売却しやすくなります。
インスペクションを行っていると瑕疵担保保険に入ることも可能!
マンションを売却する場合、売り手には瑕疵保護責任があります。
- 瑕疵担保責任
- マンションを売却した後に何らかの問題が見つかった際に、売り手が責任を取ること。
瑕疵保護責任の対象となったら、契約解除・損害賠償請求の責任を負います。
マンションでは、雨水の侵入などの可能性があります。瑕疵保護責任の期間は売買契約で決めますが、マンションの場合は3か月程度が一般的です。
- 瑕疵担保保険とは
- マンションを売却した後に問題が見つかった際に、修繕費用の一部を補うための保険。インスペクションを行って保険の審査に通ると加入できる。
この保険は売り手・買い手ともに加入でき、売り手が加入すると次のメリットがあります。
- 買い手が安心するので購入してもらいやすい
- 修繕費を補ってもらえる
より高く売却するための工夫として、ぜひ検討してみてください。
マンションが売れない理由を知って対策を実施
売り出しから半年経過してもマンションが売れない場合、どこに原因があるのかを見極め、適切な対策を実施する必要があります。
マンションが売れない理由として目立つのは、以下のような点です。
- 価格設定が高すぎる
- 近隣にライバル物件が存在している
- 築年数が古すぎる
- エリア全体の人気がない
- 不動産会社に問題がある
- 内覧時に魅力を伝えきれていない
自分のマンションが売れない理由がどれに当たるのかは、状況から推察できます。
| 内覧や問い合わせがない | 価格設定が高すぎる エリア全体の人気がない 築年数が古すぎる |
|---|---|
| 内覧はあっても決まらない | 不動産会社に問題がある 内覧時に魅力を伝えきれていない |
| ネットに近隣の物件が多数掲載されている | 近隣にライバル物件が存在している 価格設定が高すぎる |
物件の魅力と価格のバランスが見合っていない場合、売れないのは当然のこと。半年たっても売れていない場合、価格設定について、再度冷静に検討するのがおすすめです。
特に注目したいのは、「同じマンション内にライバル物件が出ていないか?」という点です。同じマンションの場合「低価格」「上階」「角部屋」など、好条件の物件から売れていってしまいます。
不動産屋の対応に問題がある場合、是正するよう直接求めたり、必要に応じて別の不動産屋に切り替えたりする必要があります。
「不動産屋の対応に問題はなく、内覧申し込みもあるが、その先に進まない…」という場合には、内覧時の印象に注目してみてください。
自宅の問題点を、住んでいる人が自覚するのは難しいもの。不動産屋の担当スタッフに相談してみたり、第三者の視点を取り入れてみるのもおすすめです。
マンション売却時の注意点も知っておこう
マンションを売却する際の注意点は、何でしょうか。
担当者に任せっぱなしにせず状況を確認しよう
担当者は複数のマンションを掛け持ちしているものなので、任せっぱなしにしておくと熱が下がって行くこともあります。
- こまめに連絡を取る
- 状況を聞く時は自分から電話を入れる
- 週1回程度の連絡が適切
売却する理由はきちんと伝える
買い手は、マンションを売却する理由を知りたいものです。ネガティブな理由であっても、不動産会社にはきちんと説明しておきましょう。
- 不動産会社の担当者が配慮して説明してくれることもあるため
- 理由を考慮して買い手が購入するかを判断するため
- 理由を伝えなかったことで起こるトラブルを防ぐため
住宅ローンが残っている場合は銀行への連絡を確実に
住宅ローンが残っているマンションを売却するなら、取引先の銀行に引き渡し日を連絡する必要があります。
- 住宅ローンの借入時に設定された抵当権が自然に消えることはない
- 抵当権を抹消するために必要な書類を銀行に依頼する
住宅ローンに関する不安も、解消しておきましょう。
不具合があるなら修繕を
不具合がある場合は、修繕が必要です。
リフォームは、場合によってはした方が有利ですが、状況によってはステージングの方が向いている場合もあります。
- ステージングとは…
- 間取りに合わせた家具や小物で、部屋を演出すること。専門会社があり、費用は10万円から20万円程度。
ステージングによって、早く売れたり査定額より高額で売れたりする効果が期待できます。
管理費などの費用の払い忘れに注意!
マンションを引き渡す前日までは、売り手が次の費用を負担します。
- マンションの管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税
- 都市計画税
これらの費用は日割りで引き渡し日に精算してもらえるので、支払うのを忘れないようにしましょう。
制度を利用して税金を押さえてお得に売却
税金を抑える方法には、どのようなものがあるのでしょうか。
要件を満たすと、3,000万円まで利益が非課税になる「3,000万円の特別控除の特例」が利用できます。
【3,000万円の特別控除の特例の要件】
- 投資用マンションではなくマイホームであること
- 自分が住んでいた家であること
- 夫婦間・親子間での売買でないこと
- 2年以内にこの特例を利用していないこと
失敗しないマンション売却を!高く売るためのコツを知って実行しよう
マンションは、
- 比較的短期間で売れやすい
- 値引き交渉が行われることが多い
などの特徴がありますので、高く売るために早めに売ったり値引きを意識した価格設定をしたりなどのコツを知って実行することが大切です。
また、その特徴を理解している、マンションの売却実績が多くマンションがあるエリアに精通した不動産会社を選ぶこともコツです。
できる限りのことを試して、少しでもマンションを高く売却できるようにしましょう。