紫外線アレルギーは突然やってくる!気になる症状と予防法
Date:2016.07.20
紫外線に関して、曇りの日も対策が必要なことや、シミ・シワの原因になることは常識ですよね。では「紫外線アレルギー」を引き起こす可能性があることは知っていますか?
紫外線を浴びると肌が赤く腫れたり、湿疹ができたりする紫外線アレルギー。そして恐ろしいのは症状だけでなく、一度発症すると完治が難しいと言われているところにあります。
紫外線アレルギーは花粉症と同じで、ある日突然やってきます。この紫外線アレルギーを予防するには、紫外線を徹底ブロックするしかありません。
紫外線アレルギーにどんな症状があるのか?そして紫外線対策にはどのようなものがあるか、具体的にご紹介していきます。
薬や化粧品が原因の場合もある!紫外線アレルギーとは?
紫外線アレルギーは、日光アレルギーや日光過敏症、日光皮膚炎とも呼ばれています。一般的には問題のない量の紫外線を浴びただけで、皮膚に腫れや湿疹などのアレルギー反応を引き起こしてしまう症状です。
私たちの身体は紫外線を浴びることで、アレルギー症状を引き起こす原因となるアレルゲンが作られます。そして、アレルゲンに対して抗体を作ることで身体を守ろうとします。
ところが、紫外線を浴び続けて抗体の限界を超えてしまうと、突然アレルギー反応が出てしまうという訳です。
どのタイミングで発症するかは、体質や遺伝性も関係しているため、一概には言えませんが、紫外線を防ぐことで発症を遅らせることは間違いありません。
また使用した薬や化粧品の成分が原因で、紫外線アレルギーの症状を引き起こすこともあります。薬を内服・外服することで、紫外線の当たった部分にアレルギー反応が出てしまうパターンです。
その場合も皮膚科を受診し、医師による適切な診断を受けましょう。
湿疹や肌の腫れなどの症状は、紫外線アレルギーのおそれあり
では紫外線アレルギーは、どのような症状が出るのでしょうか。
紫外線アレルギーの症状
- 赤く腫れる
- 湿疹ができる
- かゆみが出る
- じんましんが出る
- 水ぶくれになる
【目の症状】
- 充血する
- 涙が出る
- ゴロゴロした異物感がある
上記の症状に伴い、頭痛や発熱、吐き気を伴うこともあります。
いずれの場合も、これまでは紫外線を浴びても何ともなかったのに、突然、身体に異常が出てしまうことが、紫外線アレルギーの怖さです。そして一度、紫外線アレルギーを発症した場合、完治が難しいとされています。
紫外線アレルギーかどうか調べるには、病院で「光線過敏症テスト」を受けます。紫外線を皮膚の一部に当てて、皮膚の反応を確認する光線検査です。他にも、血液検査やパッチテストが行われることもあります。
紫外線アレルギーと判断された場合、軽症の場合は抗アレルギー薬、重症の場合はステロイド薬などを使った治療になります。
副作用の恐れもあり、医師と相談の上、使用していきます。また外出時には、直射日光を避け、肌にあった日焼け止めを使用することが必要になります。
紫外線アレルギー体験談
- 日差しの強い時期になると、ざらざらした質感の肌になり、赤い湿疹ができる。まぶたが、かゆくなったり腫れたりする。耐え切れないかゆみが出ることもあり、とても辛い。
- 屋外で作業中、急に肌に湿疹が広がり倒れてしまい、しばらく入院することになった。退院後、紫外線の強い時間に外出はできなくなった。
- 症状が出たら、病院からもらったステロイドの塗り薬を使っている。副作用が怖いので、症状が落ち着いたら使わないようにしている。
このように紫外線アレルギーは、症状や治療がとても辛いものになります。予防方法を知り、発病を防ぎましょう。
紫外線アレルギー予防は、紫外線を上手に防ぐこと
冒頭でもお伝えしましたが、紫外線アレルギー予防=紫外線対策です。過剰な紫外線を浴びないように、上手に紫外線対策をすることで、紫外線アレルギーの発症を防ぐことができます。
紫外線アレルギーの予防対策は、以下の4点になります。
- 肌にあった日焼け止めを使う
- 日傘や帽子、長袖の服を利用する
- 正午前後の外出は控える
- 食事・睡眠・ストレスのコントロールで、免疫力の高い身体を作る
1.肌が弱い人は、刺激の少ないノンケミカルの日焼け止めを
日焼け止めを使うことは、紫外線から肌を守るのにとても有効です。しかし販売されている種類も多く、どの商品が自分にあっているのか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
まず紫外線にはUV-AとUV-Bがあります。UV-Aはシミやシワ、たるみ、UV-Bは日焼けや皮膚がん、白内障を引き起こす原因になります。日焼け止めに表示されている“SPF”と“PA”は、それらの紫外線を遮断する指標になります。
- SPF (Sun Protection Factor) :UV-Bを防ぐ効果を示している。この数字が大きいほど、UV-Bを遮断する力が強い。
- PA (Protection grade of UV-A ) :UV-Aを防ぐ効果を示している。+の数が多いほど、UV-Aを遮断する力が強い。
SPFの数字が大きく、PAの+の数が多いほど、紫外線を遮断する効果が高いということになります。しかし、SPFの値が高いものは刺激が強いため、アレルギー性皮膚炎などの副作用の心配があります。
数字の値だけで判断するのではなく、生活シーンに合わせた適切な商品を選ぶようにしましょう。
また、日焼け止めをつけると肌荒れをしてしまうという方には、紫外線吸収剤を使っていないものがオススメです。
実は日焼け止めには、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」が使用されていて、紫外線吸収剤を使っている日焼け止めは、肌への負担が大きく、肌荒れを起こしやすいんです。
そもそも、日焼け止めには「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」が使用されています。
- 紫外線吸収剤
- 吸収した紫外線を、熱などのエネルギーに変換して放出する成分。紫外線を肌に透過させないため、UV効果は高いが、肌への負担も大きい。
- 紫外線散乱剤
- 紫外線を肌表面で反射・散乱させる成分。紫外線を吸収しないので、化学反応を起こさないため、肌への負担が少ない。
日焼け止めには、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の、どちらか一方のみ使用した製品、もしくは両方使用している製品があります。
紫外線吸収剤を使っていないものを選ぶ際は、「紫外線吸収剤・不使用」、もしくは「ノンケミカル」という説明書きがあるかどうか確認してみてください。
日焼け止め選びのポイントついては、こちらも参考にしてみてください。
→日焼け止めの成分で肌荒れに?肌に優しい日焼け止めの選び方
- 日焼け止めはムラなく、こまめに塗り直そう
- 日焼け止めを使用する際は、いきなり顔や手足全体に塗るのではなく、肌の一部に試し塗りをして、肌に異常が出ないか確認してみましょう。
そして日焼け止めの効果的な使い方は、
- 少しずつ手に取り、ムラなく塗る
- 2,3時間おきに、こまめに塗り直す
になります。せっかく日焼け止めを塗っても、ムラがあったり、汗や服との摩擦などで落ちてしまったままになっていると、効果が期待できません。上記ポイントに気をつけて、日焼け止めを有効活用しましょう。
2.日傘、帽子、長袖の服で紫外線から肌を守ろう
紫外線のカットには、日傘や帽子、長袖の服も積極的に取り入れていきましょう。
まず、日傘は直射日光の95%を遮るとされています。空気中に散乱している光や、地面や壁からの反射光による紫外線までは防ぐことができませんが、十分効果的なアイテムと言えます。
ただ日傘の話題になった時に、「白と黒、どちらの色が効果が高いの?」と思ったことはありませんか?
結論から言うと、どちらも紫外線のカット率は同じで50%ほどです。しかし、最近ではUVカット率や遮光率が高い生地の日傘が多く販売されています。
紫外線対策に関しては、色よりもUVカットや遮光加工されている日傘に注目してみることをオススメします。
こちらの記事も、日傘選びの参考にしてみてください。
→注目すべきは内側の色だった!意外に知らない日傘の選び方
また帽子は、日傘をさすよりも動きやすいという利点があります。帽子のつばの長さが7センチ以上だと、65%程度の紫外線カット効果があります。できるだけつばの広い帽子を選び、顔に直射日光が当たらないように工夫しましょう。
服装に関しては襟付きの長袖に、丈の長いボトムを履くだけで、かなり紫外線を防ぐことができます。
紫外線を透過しにくい素材としては、羊毛やポリエステルが挙げられます。しかし、化学繊維であるポリエステルは通気性や吸水性が低く、羊毛と共に、暑い時期には不向な素材です。
そこでオススメなのが、綿とポリエステルの混紡素材です。この素材は、紫外線の80%をカットするというデータもあります。またユニクロや無印良品から、UVカット仕様のカーディガンが販売されています。
着心地を重視しながら、紫外線対策も意識した服選びをしていきましょう。
3.正午前後の外出は、なるべく避けて
午前10時から午後2時は、紫外線の強い時間帯になります。この時間帯は、外出や屋外活動をなるべく避けることが紫外線対策につながります。もし、外に出て行く際には、十分な紫外線対策を行うようにしてください。
また屋内にいても、窓ガラスから差し込んでくる光に紫外線が含まれています。屋内の紫外線対策グッズとしては、UVカット機能付きの窓ガラスや、窓ガラスに貼るUVカットフィルム、UVカットのカーテンなどがあります。
気になる方はぜひ、ご家庭に取り入れてみてはいかがでしょうか。
- 影の長さが自分の身長より短い時間帯は、紫外線に注意!
- 紫外線は、太陽が頭上近くの位置に来た時が最も強いとされています。太陽の方向を向いている場合、顔に浴びる紫外線の量は正面、頭上、側面、後頭部と場所によって異なります。
しかし太陽の高さが50度以上になると、顔に浴びる紫外線量はどの場所も同じになり、注意が必要です。自分の影が、身長より短くなると、太陽高度が50度を超えたことになる目安になります。
日本の一年の中で、正午近くに太陽高度が50度以上になる時期は、3月から10月初旬です。この時期、紫外線が強い時間帯かどうか判断する基準として活用してみてください。
4.紫外線に負けない体づくりのカギは、食事・睡眠・ストレス
日常生活で紫外線アレルギーに負けない、免疫力の強い体づくりを心がけることも大切です。そこでポイントとなってくるのが、食事・睡眠・ストレスの3つを見直すことです。
食事は、主食である炭水化物、緑黄赤のビタミン豊富な野菜、魚・肉・卵・豆類などのタンパク質をバランスよく摂ることを心がけましょう。
そして「最近外で過ごすことが多くなった」、「以前より紫外線を浴びている気がする」など思い当たる方は、緑黄色野菜や柑橘類などの抗酸化作用の高い食品を積極的に摂るようにしましょう。
皮膚に紫外線があたると、活性酸素が発生します。活性酸素はシミなど皮膚の老化を早め、皮膚がんを発症する可能性を高めます。抗酸化作用のある食品には、活性酸素の働きを抑える効果があるんです。
抗酸化作用のある栄養素と、その栄養素が含まれる食品は、
- ビタミンC : 緑黄色野菜、ミカン、レモン、イチゴなど
- ビタミンE : 玄米、ごま、大豆など
- βカロチン : 緑黄色野菜など
です。他にも緑茶や紅茶、オリーブオイルなども抗酸化作用があります。食事を見直すことで、身体の内側から紫外線対策に取り組んでいきましょう。
また食事以外にも、睡眠をしっかりとり、ストレスをためない生活を心がけることが、身体の免疫力を高め、紫外線アレルギー予防に有効です。
でも、日常生活で「食事・睡眠・ストレス」のすべてをパーフェクトな状態に保つのは難しいですよね。そんな時は、せめて2つはコントロールできるように努めてみてください。
例えば、「今週は仕事が忙しくて、睡眠時間が少なくなりそうだから、バランスの良い食事と、ストレス発散を心がけよう!」など。
紫外線対策だけではなく、気持ちのバランスを保つ上でも効果があると思うので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
紫外線対策をしっかり行ない、紫外線アレルギーを防ごう
紫外線アレルギーはある日突然、発症するだけでなく誰にでも起こりうる怖さがあります。紫外線アレルギーと思われる症状が出た場合、まずは病院に行き、皮膚科を受診してください。
また発症を防ぐためには、紫外線対策がとても重要になってきます。紫外線対策は、紫外線アレルギー予防だけではなく、日焼けや、シミやシワなど皮膚の老化、皮膚がんなどから肌を守ることにもつながります。
日焼け止めや日傘など、紫外線防止アイテムを有効活用しましょう。そして生活習慣を見直し、免疫力の高い身体作りを心がけることも大切です。
身体の外側と内側の両方から、しっかり紫外線対策を行ない、充実した毎日を過ごしていきましょう!
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