運動しても痩せないのはなぜ?効果が出ない原因とその対策
Date:2017.02.06
ダイエットのために頑張って運動しているけど、思ったより効果がない、体重が変わらない。
そんな経験はありませんか?
でも効果が出ないからと、諦めないで!運動と体重の関係について知れば、もっとうまくいく方法を見つけられるはずです。
この記事の目次
運動すると、体の中で何が起きて痩せるのか?仕組みを理解しましょう。
「ダイエット」と一口で言っても、個人個人でその思い描いているゴールは全く違います。
もし、1週間や1ヶ月以内といった短期間で何キロも減らしたいと考えているのであれば、運動だけで減量をするのは難しいかもしれません。
ですが、美しく痩せるために、食事制限だけでは得られない効果も多々あります。まずは運動で痩せるしくみを見ていきましょう。
運動だけで体重を減らすのは、実はかなり地道な努力
どのくらい運動すれば痩せるの?という疑問。では、脂肪を物理的に検証してみましょう。
結果からいうとズバリ、エネルギーを7kcal消費するごとに脂肪が1g使われる、つまり1g痩せます。
1g使うために7kcalなら、1キロ使うためには?
そう、脂肪を1キロ使うためには、7000kcal消費しなければならないという計算になります。
体重50キロの人が10km走って消費されるカロリーが500kcalくらいです。それを14回で、やっと7000kcal。
5kmなら28回、つまり毎日5km走って1ヶ月後、1キロの脂肪が減るという計算です。
実際には運動すると相乗効果でむくみにくくなったりするので、もう少し減るかと予想はされますが、何キロも減る!というわけにはいかないのが実際のところ。
しかし、運動なしで痩せるよりもずっと素晴らしい身体になる
さて、ここまで読んで、じゃあ運動なんてやめーた!と感じるかもしれませんが、ちょっと待って!健康的に美しくなるために、運動は必要不可欠なのです。
運動による健康効果
- 代謝が良くなり、体温が上がって痩せやすい身体になる
- 基礎代謝エネルギーの増加
- 内臓機能が活発になり、免疫強化、便秘解消、冷えの改善など
- 血液やリンパ、水分の循環が良くなり、むくみにくくなる
- 筋肉が全身の肌のたるみを支え、同じ体重でも引き締まって細く見える
- 運動によって成長ホルモンが分泌され、若返りが期待できる
- ストレス解消
- 肩こり、腰痛、生理痛の改善
- 足腰や心臓機能の強化
- 自律神経が整う
- 精神の安定、不眠の解消
美容にも健康にもメンタルにも、運動の効果は計り知れません。
あなたの運動、苦労を増やさず効果だけUPできる方法があります!
しかしながら、運動することで少なくとも普段よりはエネルギーを使っているはずなのですから、痩せて欲しいし、全く減らないのは納得できませんよね。
その運動を、もっともっと効果的にする方法をご紹介します!
成長ホルモンを分泌させてダイエット&若返りしよう!
ダイエットには有酸素運動が良い、というのはダイエッターの間では既に常識。ですが、ちょっとした工夫で更に効果がアップします!
それは、軽い筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせること!
運動すると、成長ホルモンという、ダイエットとアンチエイジングに欠かせないホルモンが分泌されます。
成長ホルモンの作用
- 脂質代謝を促して体脂肪の分解を助ける
- コレステロール値を下げる
- 免疫強化
- 新陳代謝を促進
- 全身の細胞を修復する
- 筋力の増強
- 顔やバストをはじめ、全身のたるみをアップ
この成長ホルモン、有酸素運動の場合は始めてから30分後くらいから分泌され始めるのですが、筋トレなど無酸素運動の場合、数分行うだけで分泌されるのです!
筋トレを行うと、筋肉に負荷がかかって筋繊維が傷つくため、修復作用によってすぐに成長ホルモンが分泌されるというわけです。
さて、ここで要注意なのは、先に筋トレをしないとその意味はないということ!
後藤准教授(立命館大学、2005)らは、有酸素運動の前に筋力トレーニングを行うグループと有酸素運動の後に筋力トレーニングを行うグループに分けて、成長ホルモンの分泌の様子を調べました(両グループとも有酸素運動と筋力トレーニングの内容は同じでした)。その結果、筋力トレーニングの前に有酸素運動を行うと、筋力トレーニング後の成長ホルモンの分泌が完全に抑えられてしまうことがわかりました。
同じ内容の筋トレでも、有酸素運動の前にするか後にするかによって、成長ホルモンの分泌に大きな違いがあるのですね。順番はゼッタイ間違えないようにしましょう!
筋トレといっても、5〜10分ほどの簡単なもので構いません。毎日同じ場所だと筋肉の修復が追いつきませんので、
- 月曜日は腕立て伏せ+ウォーキング
- 火曜日は腹筋・背筋+ウォーキング
といったように筋トレする部位を変えながらのローテーションを組むと効果的です。
なお、成長ホルモンによる脂肪分解作用は、筋力トレーニングが終了してからも長時間持続することが明らかになっています。
東京大学の研究ではトレーニング後5~6時間程度、国外の研究では、約48時間も持続するとの報告もあります。
あなどれない!実は超重要なポイント、心拍数
運動をするとき、心拍数を意識しているでしょうか?ハアハアと呼吸が早くなればなるほど、ハードで効果的だと思っていませんか?
しかし、ただがむしゃらに運動すると酸素が足りなくなり、燃焼効率が下がってしまいます。
脂肪の燃焼には酸素が必要です。そもそも有酸素運動の利点は、呼吸でたくさんの酸素を取り入れられること。
酸素を全身に行き渡らせ、効率よく脂肪を燃やすことができるのは、最大心拍数の60~80%程度の心拍数の運動です。
「最大心拍数 = 220 – 年齢 」なので、1分間の心拍数が、この数字の60~80%になるように意識してください。
息が上がらず、深い呼吸がとれる程度の運動が脂肪燃焼には最適。目安としては、ややきつく感じられ、人と会話をするのはちょっと難しい、というくらいです。
ジムのマシーンには必ず心拍数計がついていますので、見ながらやるようにしましょう。
また、シンプルなものでしたら2000円代から購入できますので、取り入れてみるのも手かもしれません。
知らないともったいない!運動の効果を最大限に引き出す食事、生活習慣
それでも減らない!という場合は食事面に改善の余地があるかもしれません。
いくら運動しても食べ方が適当だと、損してしまいます。体も動かしているので無理な制限はせずに、痩せやすくなる食事を心がけましょう。
食べなさすぎて省エネボディになってしまっている
「運動もして、摂取カロリーも気にしているのに、思うような効果が見られない‥」というお悩み。痩せたいからと食べる量を減らしすぎたり、栄養が偏っていませんか?
食べる量を減らしているのに痩せない!?そのカラクリはこうです。
必要なカロリーや栄養素が不足しているのに、さらに運動が加わる。それは身体にとって過度な負担です。生命の危機を感じた身体は、基礎代謝を落とすことで体重が減らないように頑張ってしまいます。
これは食事制限で最初はすぐ痩せたのに、いきなり停滞してしまった、という時に陥っているパターンです。
今まで通りの栄養が入ってこないと察知した身体が、じゃあ少ないエネルギーでやりくりしようという低燃費モードに入ってしまうのです。
さらにそのような状態は、身体にも心にも結構なストレスですよね。
ここで出てくるのが、ストレスを感じた時に分泌されるコルチゾールというホルモン。
コルチゾールは、ストレスと戦ったり、免疫力を上げてくれたりする大切なホルモンなのですが、常に分泌されて慢性的に高い数値になると、問題が起きます。
コルチゾール過多の悪影響
- 食欲を抑える脳内ホルモンのセロトニンを低下させてしまう
- コルチゾールそのものにも、脂肪を溜め込む性質がある
- 成長ホルモンの分泌が抑制され、脂肪の燃焼や身体の活性化が妨げられる
- 全身の代謝の低下
- むくみやすくなる
俗に言うストレス太りというのは、このコルチゾールが悪さをしているんですね。
同じカロリーでも早く食べるだけでぐんと太りやすくなる
なんと、同じカロリーの食事でも、太りやすい食べ方とそうでない食べ方があるんです!その鍵を握るのは、血糖値。
食事をするとき、カロリーや栄養のことは考えても、血糖値まで考えるということは、なかなかないかもしれません。しかし、この血糖値が意外とクセモノで、血糖値が急上昇すると、身体は脂肪を合成しやすくなるのです!
血糖値の上がりやすい代表例は、早食いです。
よく「満腹中枢が反応するのに15分かかるから、それより早いと食べ過ぎてしまう」という話を耳にしますが、早食いがダメなのはそれだけではないのです。
インスリンというホルモンを聞いたことがあるでしょうか。
人間の身体は普段、血液中の糖すなわち「血糖」を燃料にして活動しており、血糖は食事をすると増え、食後がピーク、その後落ち着く、というサイクルを繰り返しています。
血糖は身体にとってガソリンのような大切な存在ですが、増えすぎても良くないので、一定の量をキープするようにコントロールされています。このコントロールを担ってくれているのが、インスリンなのです。
食事で血糖の量が上がってきたら、インスリンの出番。食べ始めるとすぐに分泌され、入ってきた糖をエネルギーとして使えるように全身の細胞、臓器に分配してくれます。
それでは、早食いした時に体の中では何が起きているのでしょう。
- 一気に大量の食べ物が体内に入ってくると、血糖がぐんぐん増える
- 上がりすぎた血糖値を下げるため、インスリンも大量に分泌される
- インスリンは急いで全身の細胞に血糖を送り込み、細胞は送り込まれた血糖をエネルギーとして利用する
- しかし早食いで血糖が一気に増えすぎると、インスリンの分泌もエネルギーの消費も間に合わず、身体の中は「血糖が増えすぎてしまう!どうしよう!」という状態
- 「じゃあ、使い切れない糖は全身の脂肪細胞に予備の燃料として蓄えておこう。」となる
こんなことが食事のたびに起きていたなんて‥!早食いした上に、もしも量まで食べ過ぎたら、血糖が蓄えられる量も増えてダブルパンチです!
ほとんどの場合、早食いというのは習慣になってしまっているので、食事の度に不必要に血糖値を急上昇させてしまい、結果的に毎日脂肪細胞に蓄えを作っているのです。
そしてその脂肪は、着実にたまっていきます。
さらにこういった食生活を長く続けることで、将来糖尿病になる可能性も。糖尿病になると、1日に多いときは4回も自己注射をしてインスリンコントロールをしなければならなかったりと、そのケアの大変さはダイエットの比ではありません。
健康にも悪く、がつがつ食べる姿は見た目にも美しいとは言いがたいもの。早食いは今すぐやめましょう!
食事の時間が空きすぎていませんか?
前回の食事から何時間も経つと、当然ながらおなかはペコペコ。ついつい早食い、大食いしてしまいがちになりますよね。その恐ろしさは前述の通り。
しかし、空腹時間を長くとった後に食事をすること、それ自体もまた血糖値を急上昇させる要因なのです。早食い、大食いに続いて‥トリプルパンチ!
私たちが空腹を感じているとき、血糖値は低くなっています。更に前回の食事から時間が空いていると、身体は飢餓状態。
低血糖と呼ばれるレベルまで血糖値が下がってしまうことも。
そこへ食事をすると、血糖値は急上昇、上がり幅も非常に大きくなります。ですからまず、普段から血糖値を下げ過ぎないようにすることが第一です。
低血糖に陥りがちなケース
- 食事と食事の間隔が空きすぎている
- 前回の食事の量がいつもより少なかった
- 普段の食事量のままで、普段より強い運動をした
- 空腹時に運動や散歩、入浴をした
どうしても食事の間隔が長くなってしまうときは、ナッツや雑穀おにぎり、牛乳や野菜ジュースなど、何かお腹に入れておいてください。なお、ここでお菓子や砂糖たっぷりのドリンクだとそれ自体が血糖値を上げてしまうので逆効果です!
そして食事の際には、ゆっくりよく噛みながら、以下のように血糖値の急上昇を防ぐ食べ順を実践しましょう。
- まず、食物繊維の多い食品から。繊維が糖分の吸収をゆっくりにしてくれます。野菜、きのこ、こんにゃく、海藻など。
- 次に肉、魚、卵、チーズなどのタンパク質。
- 最も血糖値を上げてしまう炭水化物は最後に。おなかいっぱいならば、残しましょう。
さらに普段から血糖値を上げにくい食べ物を選ぶとさらに効果的。
血糖値を上げにくい食品の例
- 玄米
- ライ麦パン
- 雑穀米
- いちご
- アボガド
- 野菜全般(ごぼう・にんじん以外)
- 牛乳
- プレーンヨーグルト
- 卵
- きのこ
- 海藻
少しの工夫でも身体はちゃんと変わってきますので、無理のないことを続けていきましょう。
サイズをチェックしていますか?体重計に乗るよりメジャーを持とう!
それでも、それでも変わらない!という方。
本当に変わっていませんか?サイズを測りましたか?体脂肪率は減っていませんか?
もし体脂肪やサイズが減っているのなら、心配ご無用です。それなら、体重が変わらなくても、むしろ増えても、喜んでいいんです!
脂肪が減っても体重が減らない理由
身長160センチ53キロの平均的な女性、Aさんがいたとします。Aさんは体脂肪率30%でした。計算すると、53キロ中、16キロが脂肪ということになります。
そして毎日45分のウォーキングをしました。
53キロの女性が45分のウォーキングで消費できるのは、225kcalほど、脂肪にして32g程度です。1ヶ月続けて約1000g。2ヶ月で2000g。
2ヶ月後、脂肪が2キロ減、さらにむくみにくくなって水分で1キロ、合計3キロ減りました。
しかし2ヶ月後に体重を測ると1キロしか減っておらず、Aさんは、苦労のわりに効果がないと感じてしまいました。でも、体脂肪率を測ってみると、26%になっていたのです。
この場合、ダイエットは大成功です!
今まで運動らしい運動を特にしてこなかった人が運動をはじめると、
- 筋肉
- 骨量(骨密度)
が上がります。
さらに筋肉生成のため、一時的に筋肉組織に水分を保持しようとする働きが起きることがあります。
体脂肪が減っていれば、サイズに現れます。脂肪と筋肉は、同じ重さでも大きさが違うのです。
筋肉と脂肪、同じ重さでもサイズが違う
運動をすると脂肪が減り、筋肉と骨量(骨密度)が上がるというお話をしましたが、同じ重さなら筋肉のほうが小さいのです。1キロあたりの体積は、筋肉は910cm3、脂肪は1110cm3。脂肪は筋肉の約1.2倍の大きさがあります。
先ほどのAさん、体脂肪で2キロ・水分で1キロ減り、筋肉で1.5キロ・骨密度の増加で0.5キロ増えていたと仮定すると、どうでしょう。
(脂肪2220cm3 + 水分1000cm3) – 筋肉1365cm3 = 1855cm3
見た目はちゃんと2キロ近くの変化があったということになります。
また単純にサイズだけでなく、
- 皮膚のハリ
- 身体のしまり
なども変化しているはずです。
体脂肪が多いと質感もぷよぷよとし、ハリがなくセルライトが浮き上がるなど、サイズ以上に太った印象を与えてしまいます。
1年後、2年後の自分に大きなご褒美が!
さらに、筋肉が1キロ増加すると、基礎代謝量は50kcalほど増えるというデータがあります。
筋肉1キロ当たりの純粋なエネルギー代謝量は1日約13kcalです。これだけを見ると、少ないなぁという印象ですよね。
しかし、筋肉によって熱生産が上がり20kcal程度まで上昇、更に血行が良くなり内臓や自律神経などの働きが活性化し、全身のエネルギー代謝が良くなって、総じて50kcalほどにまで上がるのです。
下のグラフは近畿大学が行なったトレーニング実験の結果です。この研究結果は、筋生理学で有名な東京大学石井直方先生の著書の中でも紹介されています。除脂肪量が約2kg増加した結果、基礎代謝量が約100kcalアップしています。
除脂肪量が約2kg増加というと、先ほどのAさんの例と一緒ですね。効果がないと感じていたAさんですが、いつの間にか基礎代謝が100kcalも増えていたんです!
そして基礎代謝の底力は後からしっかりと現れてきます。
除脂肪量を1kg増やしても1日でたったの50kcal?”などとあなどってはいけません。1日たったの50kcalも、1ヶ月(30日)では約1,500kcal(体脂肪量に換算すると約0.2kg)、1年では18,250kcal(同、約2.5kg)、5年では91,250kcal(同、約12.5kg)にもなるからです。
このように、除脂肪量を多く維持することは、その期間が長ければ長いほど大きな差となって現われます。
Aさんの場合は100kcal増えたので、1年で約5キロの脂肪減少が期待できるわけです!
海外では体重にこだわるより、運動で引き締めた健康的な美が評価される
海外、得にアメリカ・ヨーロッパでは、日本のような細さ至上主義は見られません。
彼らは人種もサイズもさまざま。身長180センチを超える女性も多く、体重何キロという考え方ではなく、それぞれに似合った健康美を評価するという価値観を持っています。この健康にはメンタルも含まれます。
セレブといわれる人たちも比較的健康的な体重の方がほとんど。元気をもらえる海外セレブの言葉をいくつかご紹介します。
- 「XSじゃないからって何? 自分のボディーが大好きよ。私は健康だし、運動だってするの。」168センチ/60キロ
- 「痩せすぎと感じているわ。歳を重ねても美しくいるために、理想は57キロ。」168センチ/45キロ
- 「痩せた自分を美しいと思わなかったわ。今は自分に優しくする時なの。ハッピーでいて、良い食べ物を食べるのよ。」163センチ/61キロ
栄養を省いてやみくもに体重を減らすより、運動を取り入れ体力を維持しながら、健康な美しさを手に入れましょう!
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コメント一覧
私も平均的で160cm53Kgです。見た目もそんなに太っているわけではありません。スポーツジムには10年以上通っていてほぼ毎日運動をしています。筋トレは大好きなので毎日部位をかえながら行います。その後スタジオでボクササイズやダンス、ピラティスなどをやっています。なのに!なのに!体脂肪率30%って!もう何をどうすればいいのか途方にくれています。
低糖質の食事内容にかえてみてはいかがですか?