お腹がすいてないのに食べたい…実際は空腹ではないが食べてしまう訳
Date:2016.10.13
特別お腹がすいているわけではないのに何かを食べてしまう経験はありませんか?
むしろどちらかと言えば満腹であるはずなのに、気が付くと何かを食べていたりしますよね。
無意識の間に食べ過ぎてしまったせいで体重が増えている、なんてことも珍しくはありません。
お腹がすいていないのに食べてしまう原因は一体何なのでしょうか?知らず知らずの内に食べ過ぎてしまう不思議な現象の原因と対策をご紹介します。
この記事の目次
原因1.お腹がすいてないのに食べてしまう「エモーショナルイーティング」
特にお腹が空いてないのに何かを食べてしまいたくなる現象を「エモーショナルイーティング」と呼びます。
エモーショナルイーティングは、日本語に直訳すると「感情的な摂食」という意味になります。
食欲には本能的なものと感情的なものの二種類があり、感情的な方のことをエモーショナルイーティングと呼びます。
身体が満腹状態であるにも関わらず、気持ちの方が先走って何かを食べようとしてしまう状態のことです。
エモーショナルイーティングの特徴
お腹がすいてないのに食べてしまうエモーショナルイーティングには、こんな特徴があります。
- 突発的に何かを食べたくなる
- 暇を持て余すと何かを食べ始めてしまう
- 何かの作業中に食べ物を少しずつ摘まむことがある
- 気づけば「口さみしい」と感じている
- 食べた後は少し気が晴れる
以上の中から、どれか一つでも当てはまるものがあればエモーショナルイーティングの疑いがあります。
エモーショナルイーティングの原因はストレス
エモーショナルイーティングは、ストレスを食にぶつけている状態です。食べることによってストレスが解消されることで、その後に直面するストレスとの向き合い方を食にぶつけようとしてしまうことが原因で起こります。
その症状は依存症にも似ていて、食べることで得られる快感を1度覚えてしまった身体や脳が、同じ快感を欲しがって次々に快感を得ようと食欲を生み出します。
原因はストレスが溜まることにもありますが、根本的なエモーショナルイーティングの原因は「食べることに快感を得ている」という点です。
原因2.好き嫌いや食生活の偏りなどの生活習慣が原因で起こる空腹
食事は人の生活に欠かせない習慣です。その習慣の中でもしも好き嫌いなど不摂生をしていれば、実際はお腹がすいていないのに空腹を感じてしまいます。
日頃の生活習慣に潜んでいる空腹の原因は次の通りです。
食べ物に好き嫌いがある
食べ物の好き嫌いは誰にだってありますよね?多少の好き嫌いは仕方がありませんが、あまりにも内容が偏った食事をしていると当然栄養バランスが崩れてしまいます。
身体が足りていない栄養を得ようと、栄養を食べ物から得ようとして空腹感が生まれます。
食生活のリズムが乱れている
朝食を抜いていたり、昼食や夕食の時間がずれ込んで食事の時間が遅すぎるor早すぎることはありませんか?
食生活が乱れていると
- 食べ物をお腹に入れる
- 消化する
- 身体を動かすエネルギーにするor外に排出する
- 空腹を感じる
といった一連のリズムが崩れてしまいます。
食生活のリズムが崩れることで、普段食事を摂っている時間帯になるとお腹に何か食べ物を入れた後だったとしても空腹を感じることがあります。
また、空腹はお腹にものがなくなった時に感じるものです。
早食いに脳が付いていけなくなる
「早食いは太る」という言葉を聞いたことがありませんか?
この言葉の通り、早食いが癖になっていると、「食べ物がお腹に入っていく情報が脳に伝わるスピード」が「口から食べ物が入ってお腹にたどり着くスピード」に着いていけずに置いて行かれます。
しかし早食いは脳がお腹の中の様子を上手く把握できないため、空腹感を発信するためのセンサーがおかしな動きをしてしまい、お腹がすいていないのに空腹感を感じてしまいます。
原因3.血糖値が著しく低下した「低血糖症」になっている
人は血糖値が下がると「低血糖症」という病気になって、思うように活動できなくなってしまいます。具体的には眠くなったり怠くなったり、「横になりたい」という思いが現れます。
中でも空腹は、低血糖症の症状の中で最も起こりやすいポピュラーな症状です。
血糖値の上昇が満腹中枢を刺激する
ダイエットや健康についてよく調べる人なら、「満腹中枢」という言葉をよく耳にしていますよね?満腹中枢とは、脳の中にある満腹を感じるための器官です。
この満腹中枢が身体全体に満腹感を発信するか否かで、人が感じる食欲は格段に変わってきます。
満腹中枢を刺激する要因は様々ありますが、血糖値の上昇も満腹中枢を刺激する要因の一つです。
そのため、血糖値が上昇することで「これ以上のエネルギーは要らない」と満腹中枢に伝われば、満腹感によって食欲がなくなります。
つまり、いくらお腹に食べ物が入っていても血糖値が低ければ満腹中枢が刺激されずに満腹感が得られないということです。
低血糖症は気づきにくいけど立派な病気
低血糖は「低血糖症」と呼ばれる病気です。低血糖症の人は、以下のような症状を引き起こします。
- 空腹を感じると手足が震えだす
- 空腹を我慢していると意識が遠くなる
- 空腹で身体が怠くなって動けなくなる
- 食後に眠くなる
- 動悸や睡眠不足など、精神疾患と似た症状がある
以上の項目の内で当てはまるものが複数あれば、低血糖症の疑いがあります。
低血糖症は気づきにくい病気で、そのため自分で気軽に治すことは難しいと考えた方が良いです。低血糖を起こす症状はアルコールの摂取や貧血など様々で、なかなか自分で判断できるものではありません。
もし自分が低血糖症かもと思ったら、まずは病院に相談しましょう。
原因4.脳に疲れが溜まって起こる「脳疲労」による空腹感
空腹は、脳がお腹の中を把握した情報を脳によって処理し、お腹が満たされていないと判断したら脳が空腹感を発信します。
つまりほとんどの空腹感は脳に委ねられているということ。この脳が疲れてしまうことで、空腹感を発信する機能が壊れてしまいます。
空腹は脳によって管理されている
脳の中にはたくさん器官があります。身体を動かしたり何かを考えたり、意識を手放して睡眠で身体を休めるのも脳が行う仕事です。
その中でも空腹に関わる働きをしている脳の器官は主に次の2つです。
- 摂食中枢
- 摂食中枢は空腹を感じ取る器官です。この摂食中枢が身体から空腹を感じ取り、空腹感を発信します。
- 満腹中枢
- 満腹中枢は満腹を感じ取る器官です。満腹中枢は主に血糖値の上昇によって刺激されますが、食事をスタートしてから血糖値が上昇するまでには約20分ほどのタイムラグがあります。そのため早食いは満腹中枢の働きをを置いてけぼりにしてしまいます。
脳疲労を起こしやすい生活習慣
脳疲労が起こる原因の多くは、本人の生活習慣の中に存在しています。
- ストレスが溜まっている
- ストレスは脳を疲れさせる大きな要因です。ストレスがあることで目の前の現実に対する適応能力が下がり、それに合わせて脳が疲労を感じ始めます。
- 睡眠不足
- 睡眠は脳を休める上で最も重要な時間です。そのため睡眠不足は脳がしっかりと休息を取ることができないため、働き続けた脳が疲労を感じます。
- 運動不足
- 運動は身体だけではなく脳も鍛えます。「いつ・どのように・どのくらい身体を動かす」と言った命令を下すことで脳は鍛えられ、疲労にも強くなります。逆に運動不足で脳が衰えていると、些細なことでもすぐに疲労を感じてしまいます。
「お腹がすいていないのに食べてしまう」現象を防ぐ5つの方法
お腹がすいていないのに何かを食べてしまうと、体重や脂肪が知らず知らずの間に増えていってしまいますよね。健康を害してしまうし、何より太るのは女性にとって死活問題です。
この現象を回避するための対策方法をご紹介します。
まずは日記などでストレスの解消方法を見つける
ストレスはエモーショナルイーティングの他にも脳疲労など、お腹がすいていないのに食べてしまう様々な原因を生み出します。
ストレスの解消方法を食べること以外で見つけ出しましょう。
もしも自分に合ったストレス解消法が見つからない場合は、まずは日記を書くことをおすすめします!
日記は自分の気持ちと向き合うのにとても適していて、何かイライラしたことや悲しくなったことなどを文字にして外に吐き出すことでストレスを解消する効果も現れます。
日記を通して自分が今やりたいことや欲しい物を把握できたら、芸術鑑賞やショッピングなどの趣味に取り掛かりましょう。
自分が何をしたいのかもわからないままに何かを始めようとすると、かえってストレスになってしまいます。
健康的な生活習慣を心がける
生活習慣が乱れていると身体の調子が悪くなり、お腹がすいていないのに食欲が出てきて何かしらを食べてしまいます。
- 少しで良いので毎日運動をする
- 毎日3食、決まった時間にしっかり食べる
- 好き嫌いを減らして栄養バランスを考えた食事をする
- 夜更かしをし過ぎずにきちんと睡眠を取る
この4点さえ習慣になれば、一気に健康な身体に近づくことができます。健康な身体はトラブルも少なく、おかしな空腹に悩まされることもなくなります。
自分が何を食べたかをしっかり把握する
お腹がすいてないのに何かを食べてしまうときは、ほとんどの人が何も意識をせずに食事をしています。
そのため、「自分が何を・どれだけ食べたのか」を把握できていない人がほとんどです。
ノートに直接書き込んでもスマホのメモアプリを使っても構いません。まずは自分が何かを食べたら
- いつ
- 何を
- どのくらい
食べたのかを記録しておきましょう。
身体は満腹感を得ていなくても、「こんなに食べたのか」という意識を持つことで食欲を減らすことが出来ます。
食欲抑制効果のある食べ物を摂る
食べないことが望ましくても、どうしても食べたくなることはありますよね。食べたい気持ちを我慢するのはストレスになるし、かといってお腹がすいてないのに食べることは肥満にも繋がります。
そこで、どうしても食べたいときには食欲抑制効果のある食べ物を摂ることがおすすめです!
- 食物繊維の豊富な食べ物
- 食物繊維は胃の中に入ったときに水分を吸収して膨らみ、腹持ちを良くします。そのため、少量でも食べると満腹感を得ることができます。
果物やナッツ類、ゼリーなどがおすすめです。
- おから
- おからはカロリーが低く、少し小腹を満たしたり口さみしさを紛らわすのに向いています。ダイエット食品としても有名なおからはクッキーやケーキなどのお菓子にして食べると満足感も得られます。
- ほうれん草
- ほうれん草には「チコライド」という成分が含まれています。満腹ホルモンの「レプチン」を分泌させる働きがあるチコライドは、食欲を抑えるのに適した存在です。
ほうれん草はおかずを作るだけでなく、茹でてからミキサーにかけることでお菓子の生地に混ぜることも出来ます。もちろんスムージーにして飲んでもOKです。
どうしても駄目なときは無理をせず病院へ行く
「お腹がすいてないのに食べたくなる」という状態は、身体のどこかに何かしらの異常が生じている状態です。
既述の低血糖症など、どんな病気の初期症状であってもおかしくはありません。
「こんなことくらいで病院なんて…」と大袈裟に思っていませんか?
油断するのが一番危険です!何かが起こってからでは遅いので、少し慎重すぎるくらいの心構えでいきましょう。
奇妙な空腹は身体の危険信号!何か思い当たる節はありませんか?
空腹や満腹といった感覚が狂っているときは、決まって身体の調子が悪いときです。
もしかしたら知らない間にストレスを溜めていたり不摂生をしていたり、何かしらの病気になっていることも有り得ます。
何にせよ「お腹がすいてないのに食べたくなる」と感じることがあれば、一度自分の身体と向き合ってみるのが吉です。思い当たる節があれば改善すれば良いし、なければ誰かに相談してみてください。
しっかりと原因を把握して、不本意な食べ過ぎを防ぎましょう。
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