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更年期障害に効果的な漢方の種類。緩やかに症状緩和を目指す!

Date:2017.07.27

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更年期障害に効果的な漢方の種類。緩やかに症状緩和を目指す!|女性の美学
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更年期障害といっても、様々な症状があり、一つだけではなくいくつもの症状に悩まされる場合も少なくありません。

更年期障害自体は「病気」ではないため特効薬がなく、ホルモン補充療法や抗うつ剤などを使いながら改善していくのが一般的です。

ここで試してみて欲しいのが漢方薬です。漢方は一つの症状だけにフォーカスするのではなく、その人の体質に合わせて選び、心身のバランスを取っていきます。

更年期障害で悩んでいる方はぜひ試してみて欲しいと思います。


更年期障害に効果的な漢方8選!

更年期になると、卵巣の機能が低下して女性ホルモンのバランスが乱れることにより「不定愁訴」と呼ばれる症状に悩まされることがあります。

  • ホットフラッシュ、発汗
  • 動悸
  • 手足の冷え
  • イライラ、不安、ストレス
  • 落ち込み、抑うつ
  • 不眠
  • 肩こり、腰痛
  • 食欲不振、吐き気
  • 月経不順、月経量の異常
  • 頭痛、めまい

西洋医学では「病気」とはいえないものばかり。だから西洋薬では対応できないんですね。これらの症状別におすすめの漢方をご紹介したいと思います。

更年期障害の症状全般によいもの

気、血、水のバランスを整えていくのが漢方薬。ですから、どれか一つの症状に焦点を当てるのではなく、全体の様子を見ながら足りないものを補っていくようにして不快な症状を改善していきます。

◆漢方から見る4つの症状

  • 瘀血(おけつ):血流が滞っている
  • 血虚(けっきょ):血が不足している
  • 気逆(きぎゃく):気の巡りが悪い
  • 気虚(ききょ):気が不足している

◆漢方での体力の有無による分け方

  • 実証(じっしょう):体力が充実している
  • 虚証(きょしょう):体力がない、虚弱体質
  • 中間症:バランスが取れている

これらの症状や体質の組み合わせによって、選ぶ漢方も違ってきます。

1.桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸は血の流れが滞り、偏っているために身体の巡りが悪く、上半身はのぼせているのに下半身が冷えている、という状態の人に向いている漢方です。

  • 冷え
  • むくみ
  • 生理不順
  • 生理前の便秘
  • 肩こり

を感じやすい人におすすめです。

比較的体力がある人向けの漢方で、更年期障害以外にも重い生理痛に悩む人にもよいとされています。

  • 桂皮(けいひ)
  • 茯苓(ぶくりょう)
  • 牡丹皮(ぼたんぴ)
  • 桃仁(とうにん)
  • 芍薬(しゃくやく)

などが配合されています。

気と血を補い、血行を促進することで生理の悩みを改善し、冷え性や逆上せなども改善します。

2.加味逍遥散(かみしょうようさん)

加味逍遥散は血が減っていることが原因で気が余ってしまい、それが熱に変わることで入りらしたり逆上せや火照りの症状が出てしまっている人によいとされる漢方です。

気と血は一緒に動くため、どちらかが不足してもダメなんですね。加味逍遥散で血を補うことで気の巡りを良くする効果が期待できます。

  • イライラ
  • めまい
  • 火照り
  • 冷え
  • だるさ

を感じやすい方におすすめです。

  • 当帰(とうき)
  • 芍薬(しゃくやく)
  • 茯苓(ぶくりょう)
  • 生姜(しょうきょう)
  • 甘草(かんぞう)

など10種類の生薬が配合されています。

3.温経湯(うんけいとう)

比較的体力のない人、虚弱体質ぎみの人向けの漢方で、身体を温めて血行を促進します。

  • 月経不順
  • 冷え性
  • 火照り
  • 唇の乾燥
  • 肌荒れ

などの症状におすすめです。

  • 麦門冬(ばくもんどう)
  • 半夏(はんげ)
  • 当帰(とうき)
  • 甘草(かんぞう)
  • 桂皮(けいひ)

など12種類の生薬が配合されています。

ホットフラッシュに悩む人向けの漢方

更年期障害の特徴的な症状で、汗がだらだら出たり、暑くもないのに顔がほてってどうしようもない時にも漢方が有効です。

4.桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

桃核承気湯は、気も血も滞り巡りが悪くなっている状態でイライラしたり便秘でお腹が痛いなどの症状が出ている人に向いています。

血の量が不十分で生理痛が重い人にもよいとされています。

  • のぼせ
  • イライラ
  • 不眠
  • 便秘

などの症状におすすめです。

  • 桃仁(とうにん)
  • 桂皮
  • 大黄(だいおう)
  • 甘草
  • 芒硝(ぼうしょう)

の5つの生薬が配合されています。

5.女神散(にょしんさん)

比較的体力がある人向けの漢方です。加味逍遥散では効果を実感できなかったという方で、この女神散は効果があった、という方が多いようです。

  • のぼせ
  • ほてり
  • めまい
  • 肩こり
  • 動悸
  • 頭痛
  • イライラ

などの症状におすすめです。

肩こり、首のこりなど身体の痛みが辛い時の漢方

普段から肩こりで悩んでいる女性は多いと思いますが、更年期になるとさらに悪化したり、それまではあまり肩こりに悩まされることがなかった方も肩が凝りやすくなってしまうのです。

その理由は、女性ホルモンのバランスが乱れるからです。

  1. 女性ホルモンが急激に減る
  2. 自律神経のバランスが乱れる
  3. 血行不良になる
  4. 肩こりなどが悪化する

という順序で、身体のこりがひどくなるんですね。

漢方で女性ホルモンのバランスを整えつつ、血行を促進しながら肩こりなど身体の痛みを改善していきましょう。

  • 桂枝茯苓丸
  • 当帰芍薬散
  • 女神散

などが肩こりにも有効です。

めまいやふらつき、頭痛などに良い漢方

これまでめまいなんて感じたことがなかった方でも、更年期になるとふらつきや立ちくらみを感じることがあります。

6.苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

水の代謝が悪く、気の巡りを妨げていることが原因でふらつきを感じやすい方に向いている漢方です。

漢方では気が不足して水が頭部で滞っていることが原因でめまいが起こると考えるからです。

立ちくらみやパニックを起こしやすい人にも向いています。

  • めまい
  • 耳鳴り
  • 動悸
  • 息切れ

などの症状におすすめです。

  • 茯苓(ぶくりょう)
  • 桂皮
  • 白朮(びゃくじゅつ)
  • 甘草

の4つの生薬が配合されています。

手足の冷えなどの症状には

更年期障害の不定愁訴の中でも悩む人が多い手足の冷え。巡りを良くして身体を温める漢方です。

7.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰は女性の悩みによく使われる生薬ですが、血が不足していて身体の巡りが悪く、冷えてしまいがちな方に向いているのが当帰芍薬散です。

血行を促進し、利尿作用もあるので余分な水分を排出してむくみも改善してくれます。

  • 当帰(とうき)
  • 川芎(せんきゅう)
  • 茯苓(ぶくりょう)
  • 芍薬(しゃくやく)
  • 沢瀉(たくしゃ)
  • 白朮(びゃくじゅつ)

の6種類の生薬が配合されています。

頻尿、尿漏れなどの悩みには

漢方では、身体が冷えやすくなり汗をかかなくなるために尿が増えると考えます。

8.八味地黄丸(はちみじおうがん)

身体を温めて、気血水のバランスを整えます。特に下半身の冷えに有効なので、膝から下が冷えて夜にトイレで目が覚めてしまうという方に向いています。

  • 頻尿
  • 尿漏れ
  • 疲労
  • 目のかすみ
  • 腰痛

などの症状におすすめです。

  • 地黄(じおう)
  • 山茱萸(さんしゅゆ)
  • 山薬(さんやく)
  • 沢瀉(たくしゃ)
  • 茯苓(ぶくりょう)

など8種類の生薬が配合されています。

迷ったら専門家に相談を!漢方に関する疑問と注意点

漢方は市販の更年期障害によいという薬に比べて、ちょっと敷居が高い感じがしますね。

漢方薬はどこで処方してもらえるのか、どのように服用すればいいのかなどをまとめました。

漢方を処方してもらえる場所

漢方薬は病院でも処方してもらえますし、漢方薬局などでも調合してもらえます。ホルモン補充療法などに不安がある方は、治療を受ける時に医師に相談してみましょう。

婦人科系の漢方薬は保険適用になっているものが多いので、薬局で市販の漢方薬を購入するよりも費用も抑えられるかもしれません。

どのくらい飲めばいいの?服用期間は

病院で処方してもらった場合は医師の指示に従うのが基本です。飲む期間はもちろん、飲むタイミング(食後、食間など)も守って服用するようにしましょう。

頭痛や肩こりなどの良いものはすぐに効果が出るものが多いですが、冷え性や血を補うなどの体質改善にかかるものは2~4週間くらいかかる場合もあります。

飲んでも効果がない、と自分の判断でやめることのないようにしましょう。効き目の出方なども事前に聞いておけば安心ですね。

症状が辛い場合は迷わず婦人科へ!

更年期障害は女性なら誰でも通る道です。でもその症状の出方は個人差が大きく、全くなんにも感じない人もいれば、日常生活に支障をきたすほど辛い思いをする方もいます。

場合によってはホルモン補充療法などで治療をするほうが有効な場合もありますし、漢方でじっくり改善していく方が合う場合もあります。

いずれにしても辛い場合は我慢しないで婦人科で相談してみましょう。あなたに一番あった方法を提案してくれるはずです。

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ライター:奈南有花

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