ひまし油の便利な使い方。健康管理や美容、日用品の手入れにも
Date:2017.10.21
トウゴマという植物の種子からできているひまし油は、工業原料として使われていた植物油の一種です。
ですがこのひまし油、使い方によってはデトックス作用で身体の中を綺麗にしたり、スキンケアとして肌を綺麗にする効果を得られるのです。
この記事では、ひまし油のいろんな使い方をご紹介します。あなたの一番欲しい効果に合わせて、有効にひまし油を使ってみてくださいね。
この記事の目次
怪我や不調の緩和に。健康維持に向いたひまし油の使い方
ひまし油を健康維持や体調改善に使いたいときには、次のように使ってみましょう。
飲み物に混ぜてドリンクにする
皮膚に塗って使うことの多いひまし油ですが、下剤として体内に摂取することもできます。
下剤としてひまし油を使用するなら、薬局などで”飲む用”として販売されているひまし油を使いましょう。それ以外の塗布目的が前提で販売されたひまし油だと、飲んだときにどんな副作用が出るかわかりません。
ひまし油を飲めば、リシノール酸によって便通が促進されます。このことから、海外では「下剤」としてひまし油が使われていました。
- 牛乳
- オレンジジュース
- お湯
コップ1杯分の飲み物に対し、ひまし油は小さじ1ほどの割合で混ぜましょう。
何かに割らずに飲む方法もありますが、味や感触が独特ですから慣れない内は他の飲み物と割って飲みやすくした方が無難です。
湿布薬を作って貼りつける
関節痛や関節炎、筋肉痛などのある部位に、ひまし油を使った湿布を貼りつける対処法があります。また、やけどや怪我、腹痛などのある部分にもひまし油の湿布は効果的です。
- フランネルや綿の生地を3~4枚重ねる
- 1の下にサランラップを敷いておく
- ひまし油を生地に染み込ませる
- ラップごと2つ折りにし、生地にひまし油を染み込ませる
- 染み込ませた生地をラップごと患部に貼りつけたら、その上からタオルをあてる
- タオルの上にホッカイロなどをあてて湿布ごと患部を温めながら、1時間ほど放置
- 湿布を取り、汚れても構わない布やキッチンペーパーで油を拭き取る
※油を拭き取る際は、重曹を使うと中和されて綺麗に油が取れます。
湿布はベルトなどを使って固定すると良いですね。
患部を温めながら湿布を貼りつけることで、ひまし油が染み込みやすくなって効果も高まるのです。患部を温めるときは、温熱ヒーターや湯たんぽを使ってもOKですよ。
マッサージオイルとして使う
身体をマッサージするときの滑りを良くするために、マッサージオイルとしてひまし油を使う方法もあります。
たっぷりとひまし油を手のひらに馴染ませて、気になる部位をマッサージしていきましょう。できれば入浴中やお風呂上りなど、身体が温まって血流が促進されているときに行うのが効果的です。
ひまし油でのマッサージは、
- 筋肉痛のある部位
- 関節痛のある部位
- 肩や首などコリのある部位
- 足などむくみのある部位
といった部位におすすめです。
マッサージの後はしっかりひまし油を洗い流しましょう。
塗り薬として使う
鎮痛・抗炎症作用のあるひまし油は、塗り薬としても使うことができます。切り傷ややけどなど、痛みや炎症を伴う傷に塗布しましょう。
指で塗りつけても良いですが、患部の清潔を保つのであれば綿棒やコットンなどを使った方が良いですね。
ひまし油は保湿性に優れているため、あまり多くの量つけすぎないように注意してください。つけすぎると垂れてきたり、ベタベタになってしまいます。
ドライアイの点眼薬として使う
ひまし油は保湿や栄養補給に向いているため、しばしば点眼薬としても活躍してくれます。ひまし油を点眼することで、ドライアイを改善することができるのです。
ひまし油を点眼した後は眼球に膜が張った状態になるため、視界が少しぼやけてしまいます。この状態で身動きするのは危険ですから、点眼するタイミングはなるべく眠る前などが良いですね。
点眼してから眠ると、翌朝にはひまし油が眼球に吸収されて視界もスッキリしています。
「油を目に入れる」ということに抵抗のある人は、あらかじめ購入するときに「点眼薬として使っても問題はないか?」と店員さんに訊ねてみましょう。薬局で売ってあるひまし油なら安心ですよ。
パックにもクリームにも。ひまし油を美容に役立てる使い方
オイルパックやスキンケアなど…ひまし油は美容面でも大活躍します。ひまし油で見た目の美しさを磨くなら、次のような使い方がおすすめです。
ヘアケアとしての使い方
ヘアケアのアイテムとしてひまし油を使ってみましょう。栄養が行き渡って健康な髪が生えてきます。また、髪の毛の潤いを保つこともできます。
ひまし油のヘアケアとしての使い方は次の通りです。
- 頭皮ケア
- ひまし油を馴染ませた指で頭皮をマッサージする方法です。頭皮のクレンジングをしたければマッサージ後のオイルは流しますが、ヘアケアをしたいならオイルは残したままで髪を梳きましょう。
オイルが頭皮から毛髪にかけて染み込み、髪が潤います。
- オイルパック
- ひまし油で髪をオイルパックすると、育毛効果や美髪効果が見られます手のひらに500円玉くらいのひまし油を取って馴染ませたら、頭皮を中心にオイルを揉みこんでいきましょう。
頭皮にオイルが馴染んだら、ブラシや手櫛でオイルを髪の毛全体に馴染ませてください。その状態で10~15分放置して洗い流します。放置中はシャワーキャップで覆ってもOK。洗い流したらいつも通りシャンプーをしてくださいね。
- つげ櫛に馴染ませる
- つげ櫛(木製の櫛)は日本古来から伝わるヘアケアアイテムです。木で作られたつげ櫛はオイルを吸わせることで、髪を梳かしたときオイルによるヘアケア効果が高まるのです。
ひまし油をジップロックなどに少量入れ、そこにつげ櫛を浸けましょう。つげ櫛がニスなどでコーティングされている場合は、オイルを浸ける前にやすりでコーティングを剥がしてくださいね。7~10日浸けて乾燥させれば完成です。
重曹と混ぜて「カソーダ」にする
「カソーダ」とは、重曹とひまし油を混ぜて作られたクリームのことです。シミやほくろを取るのによく使われていますが、「スキンタッグ」と言って皮膚にできるブツブツの突起を取るのにも効果があります。
- 清潔で密閉できる容器を用意(ビンやケースなど)
- 容器に重曹2:ひまし油1の割合で2つを入れ、混ぜ合わせる
- クリーム状になるまで混ぜれば完成
使用の前には必ずパッチテストを行いましょう。カソーダは効果が強いため、体質や肌質の合わない人は副作用が起きてしまいます。
気になる部分を清潔に洗ったあとで、綿棒やつまようじを使ってカソーダをちょんと塗布しましょう。塗布した部分はガーゼや絆創膏などで保護し、一晩ほど時間を置いてから洗い流してください。
1日に1~2回、毎日カソーダを塗り続けましょう。角質や色素沈着が取れ、しだいにシミやほくろがなくなっていきます。
まつ毛美容液として使う
育毛効果のあるひまし油は、まつ毛美容液として使うことができます。まつ毛に栄養と潤いが行き渡り、まつ毛が育ってボリュームを出すことができるのです。
綿棒やマスカラ用のアプリケーターにひまし油を浸してから、まつ毛に塗って使いましょう。
できれば眠る前など、メイクを落としてからしばらくまつ毛に触れない時間帯に塗っておくのがおすすめですね。寝ている間にひまし油がまつ毛に吸収されます。
手作りの石鹸やクリームに混ぜる
脂肪酸の中でもリシノール酸を含むオイルはあまり多くありません。リシノール酸を含んでいるひまし油は、手作りの石鹸やボディクリームなどに少量混ぜて使うのがおすすめです。
ただし石鹸をつくる時は、ひまし油を入れ過ぎると泡立ちが悪くなってすぐに溶けやすくなります。ひまし油を石鹸に入れるときは、5%~10%くらいの割合を意識して少量を入れるようにしてくださいね。
ハンドクリームやボディクリームを作るときもは、普段クリームをつくるときに入れる植物油と同じ割合でひまし油を混ぜてOKです。
蜜蝋とひまし油を混ぜるとリップクリームやリップバームとして使うこともできますよ。
クレンジングオイルとして使う
メイク落としに使っているクレンジングオイルを、ひまし油で代用して使う方法です。
スプーン1杯くらいのひまし油を手に取ったら、よく温めながら手のひらに馴染ませてメイクを落としていってください。
クレンジングの前に蒸しタオルで毛穴を開いておくと尚良しですね。肌が温まることで、ひまし油の伸びも良くなります。
フェイスパックに使う
ヘアケアをするのにひまし油でパックをする方法をご紹介しましたが、洗顔後にひまし油でフェイスパックをする方法もあります。
手のひらでよく温めたひまし油を顔全体に馴染ませ、その上から蒸しタオルを乗せて3~5分パックするだけです。蒸しタオルの代わりにシリコンマスクを着用してパックにするという方法もありますね。
パック後は顔を擦らないようにしながら、ていねいにオイルを洗い流してください。必要であればアフターケアとして化粧水などで保湿もしておきましょう。
もとは工業用油。ひまし油の潤滑油としての使い方
ひまし油は人の身体の健康や美容以外に、潤滑油として日常生活に役立てることもできます。
もともとは工業用の油として使われていたひまし油です。日常生活で使っているものの潤滑油として活用することももちろん可能。
- 錆びた金属の潤滑油にする
- ハサミの切れ味を回復させる
といったように、家具や日用品にも使うことができますよ。
ひまし油を使う上で注意すべきポイント。副作用を防ごう
いろんな方面にたくさんの効果を与えるひまし油は、使い方や保存方法を誤ることで副作用が生じるおそれがあります。
せっかくのひまし油ですから、用法用量を守って正しく使いましょう。ひまし油を使う上で気をつけたいポイントは次の通りです。
冷暗所で密閉して保管
保管場所を間違えると、ひまし油はすぐに劣化してしまいます。劣化したひまし油を使い続けることで、体内に摂取した場合は腹痛、皮膚に塗布した場合は湿疹のような副作用が出てしまうのです。
ひまし油が酸化するのを防ぐために、直射日光の当たらないくらい場所で保管しましょう。温度や湿度によって劣化することもあるため、冷たくて乾燥した場所が良いですね。
冷蔵庫だと冷えすぎてしまって、ひまし油の成分が劣化してしまいます。扉のついた戸棚がちょうど良いですね。
パッチテストをする
ひまし油の副作用を防ぐには、パッチテストが欠かせません。スキンケアなどで使う前に、まずは二の腕や太ももを使ってパッチテストをしてみてください。
皮膚の薄く柔らかい場所に10円玉ほどの大きさを塗り込んでから、24時間異変がないか様子を見ましょう。
もしも、
- かゆみ
- 腫れ
- 発疹
- 頭痛
- 吐き気
のような症状が出たら、使用は中止してください。アレルギー反応が出ている可能性があります。
パッチテストで何か異変が見られる場合は、できれば病院などで検査してもらった方が無難ですね。ひまし油に対するアレルギーがないかしっかり診て貰いましょう。
1日に大さじ1~2杯が適量
ひまし油の効果は絶大なものです。その分、副作用のリスクだって大きなもの。使いすぎると身体に良くない影響を与え始めるのがひまし油ですから、絶対に使い過ぎは厳禁です。
皮膚や身体に塗って使うなら1日に1~2回、飲んで摂取するのであれば1日に15ml~30mlくらいが限度です。大さじ1~2というところですね。
ひまし油で発疹や腹痛、下痢などの副作用を起こした人の中には、ひまし油を使いすぎてしまった人も少なくありません。
使用の際は分量をきちんと自分で把握し、使う量をセーブしてくださいね。
買っても残さず使い切れる!まずは少量から試してみて
ひまし油の使い方は、使う人によって様々です。持ち主の目的に合わせて臨機応変な使い方のできるひまし油は、健康や美容にアプローチする上で良い相棒になってくれますね。
「買ってはみたけど使わず仕舞い」というアイテムは誰にだってあるでしょうが、バリエーションに富んだひまし油は最後まで使い切れるアイテムです。
ひまし油は今、すぐに使い切れる少量サイズのものからたくさん使える大量サイズのものまで販売されています。興味のある人は、お試しで少量のものを使ってみてはいかがでしょうか?
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