貧血を改善する食事とは…鉄分だけでなくビタミンも大切だった!
Date:2017.08.18
「貧血気味で…」
あなたの周りにこんな症状を訴える女性はどのくらいいらっしゃるでしょうか?
筆者の周囲の場合、大半が「貧血気味」「昔から貧血症」と訴えます。ほとんどの人が訴える環境であるがゆえ、筆者は高校生くらいまでは「貧血というのは体質であって、病気ではない」とさえ勘違いさえしてしまっていました。
とんでもない、貧血は病気の症状のひとつ、あるいはその兆候を示す大切なサインなのです。この症状を改善するための方法として、「食事からの見直し」があります。
具体的にどのような食事が改善に役立つのかを含め、貧血についての基礎知識をお伝えいたします。
まずは知る!貧血を改善する食材の栄養素とは
鉄欠乏性貧血はきちんと治療すべき病気の症状です。
しかし、手術してハイ終わり!といった患部のある病気でも、お薬を飲んでハイ終わり!という病気でもありません。
自分の体をきちんと守るために、いったい貧血には何が必要なのかをしっかりと覚えておきましょう。
鉄分には2種類あるってご存知ですか?
「貧血には鉄分」…と言うのは大半の方はご存知なのではないでしょうか。しかしこの鉄分、実は2種類あるのです。
しかし、ヘム鉄を多く含む食品だけを食べ続けるのは困難ですし、日本人の食生活にはあまり多くのヘム鉄を取るという習慣が少ないということも鉄分不足に拍車をかけている要因です。
しかし、実はこの非ヘム鉄はヘム鉄と比べて吸収率が悪く、体内に取り込む際に吸収を阻害されてしまう場合もあることから、沢山食べても体に吸収しにくい=効率が悪い、というデメリットもあります。
吸収率の高い「ヘム鉄」を多く含む食材
貧血の症状がある場合、まずは「ヘム鉄」を多く含む食材を摂取し、素早く吸収できるようにする方法がおすすめです。
貧血に良い動物性食材といえば…そう、レバーはもう有名ですね。ヘム鉄の含有率順に並べると
- 1位:豚レバー 13mg/100g
- 2位:鶏レバー 9mg/100g
- 3位:牛レバー 4mg
となります。
しかし、レバーは独特の臭みがあり、苦手という女性も多いもの。また毎日摂るというのも困難です。
そういった方におすすめなのが、
- カツオ
- マグロ
といった赤身のお魚。
可食部100g中1.9mg〜2.3mgと、レバーと比較すれば含有率は少ないものの、アレンジの幅の広さ、脂質の少なさなどの面から考えても、毎日食べてもそれほど苦痛ではない食材です。
これ以外にも、イワシやしじみなどの多くの魚介類からもヘム鉄は摂取できます。ダイエット中の方にもおすすめですよ。
必ず取りたい「非ヘム鉄」を含む食材
野菜類や豆類などから摂取できる鉄分のことを非ヘム鉄と言います。レバーなどといった食材よりも身近ではあるのですが、現代の日本人は総じて「野菜不足」でもあるため、この非ヘム鉄が不足している人も多くいます。
非ヘム鉄を多く含む食材の代表格をピックアップしてみますと、次のようなものがあります。
- ひじき 2.8mg/5g(1食分)
- 豆腐 2.4mg/200ml(1食分)
- 小松菜 2.0mg/70g(1食分)
- ほうれん草 1.4mg/70g(1食分)
- 納豆 1.7mg/1パック(1食分)
非常に身近で、毎日でも食べられる食材ばかりですよね。また、スーパーなどでも手軽に手に入りますし、継続してもそれほど負担にはなりません。
しかし、ヘム鉄食材と比較すれば一目瞭然のことながら、非ヘム鉄は1食分で摂取できる量が少ないというのも特徴です。毎日少しずつ補うように食生活に取り入れるのがポイントです。
忘れてはだめ!ビタミンと鉄分の関係性とは
ここまでヘム鉄、非ヘム鉄についてをご説明致しましたが、実は貧血改善に非常に重要なのが「ビタミン」です。
また、ビタミンB6やビタミンB12は造血に関わるビタミンとされていて、摂取し吸収しやすくなった鉄分を赤血球を作り出すために上手に利用するとされています。
ビタミンは鉄分を単体で摂るよりも、一緒に摂取することでより素早く、かつ無駄なく”血液”を作り出してくれる心強いサポーターなのです。
貧血改善!今日の食事に取り入れられる簡単「鉄レシピ」
取りたい鉄分の種類やビタミンについてなんとなくイメージはできましたでしょうか?では早速、今日の食卓にも取り入れやすい「鉄レシピ」をご紹介致します!
- レバーが苦手…
- ダイエット中だから脂質は控えたい…
という方のために、非ヘム鉄中心のヘルシー鉄分レシピにこだわりました。どれも簡単に出来るものばかりなので、お料理が苦手という方もご安心くださいね!
夏バテにもおすすめ!カツオのたたきサラダ
【材料】
- カツオのたたき(1パック)
- ベビーリーフ、ミニトマト(食べやすい大きさにカットしてもOK)
- 玉ねぎ(1/2個、スライスし水にさらしておく)
- <ドレッシング>
- レモン(1/2個はくし切りにし、1/2個は絞っておく)
- にんにく(ひとかけ、おろしておく)
- 料理酒(大さじ1)
- 醤油(大さじ1〜1.5)
- オリーブオイル(大さじ1)
- こしょう、塩(お好みで)
- カツオのたたきと野菜類は食べやすい大きさにして和える
- ドレッシング用のにんにくと料理酒を合わせ、軽く火にかけて香りが出たら、醤油、レモン、オリーブオイルと混ぜ合わせ、野菜にかけて頂く
- ※塩、こしょうを加えると少しアクセントが強くなります
カツオにはヘム鉄が、ベビーリーフやレモンなどには非ヘム鉄が含まれています。にんにくも適量であれば貧血や疲労の改善を促す成分が含まれていますし、オリーブオイルは鉄の吸収を助ける働きが期待できます。
材料をすべて混ぜ合わせるだけなので、火を使いたくない場合や暑い夏にもおすすめです。
ダイエット中でも安心!ひじきと高野豆腐の含め煮
【材料】
- 高野豆腐 1枚(水から戻しておく)
- ひじき 大さじ1〜2(水から戻しておく)
- ごま油 適量
<調味料>
- だし汁 200cc
- 料理酒 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 醤油 大さじ2
- 砂糖 小さじ1〜1.5
- 高野豆腐は水から戻し、食べやすい大きさ(5mm角〜7mm角程度)に細かく刻んでおく
- 鍋にごま油を入れて軽く熱し、ひじき、高野豆腐を加えて軽く炒める
- 合わせた調味料をすべて入れて弱火で3〜5分煮詰める。水分がある程度飛んだら完成!
ひじきはもちろんのこと、高野豆腐も鉄分が豊富な食材のひとつです。腹持ちも良い組み合わせなのでダイエットや便通改善にもおすすめです。
糖質が気になるという人はお砂糖を抜き、みりんのみの甘味でもおいしく頂けますよ。
コスパも良好な定番メニュー!しじみのお味噌汁
【材料】
- しじみ 小1パック(砂抜きをしておく)
- 水 適量(3〜4杯分)
- 味噌 適量
- 料理酒 大さじ1〜2
- 鍋に水と料理酒を入れ、砂抜きをしたしじみを水の状態から入れて中火にかける
- アクが出たらすくい取り、弱火にして1分程度沸騰させたら火を止める
- 味噌を適量溶きます。コクが欲しい場合、隠し味としてお醤油を小さじ1弱入れてもOK。その場合はお味噌をやや少なめにしましょう。
朝ごはんの定番としても馴染み深いしじみのお味噌汁。
しじみはヘム鉄の含有率が高いだけでなく、一緒に摂取したいビタミンB12も豊富に含んでいます。そのため鉄の吸収率が非常に高く、貧血改善のための食事には最適だと考えられています。
嬉しいおやつにも鉄プラス!紅茶プルーンゼリー
【材料】
- プルーンジャム、またはピューレ 50g
- 紅茶(ティーバック) 1袋
- 牛乳 250cc
- 粉ゼラチン(ふやかしておく) 8g
- レモン汁 小さじ1〜2
- 牛乳を小鍋で沸騰させ、火を止めたら紅茶のティーバックを入れて2分〜3分蒸らす
- ティーバックを取り出したら、ふやかしておいた粉ゼラチンを入れて溶かしておく
- プルーンジャムに牛乳液を少しずつ加えて混ぜ合わせる。
- 氷水に当てながらとろみをつけたら最後にレモン汁を加えてから器に入れ、冷蔵庫で完全に固まるまで冷やす。
- 食べる前にプルーンジャムをひとさじトッピングして完成!
女性に嬉しい「鉄スイーツ」レシピです。プルーンはジャムやピューレになっているものが多く市販されていますので、それを使えば裏ごしなどの手間も省けます。
甘味がもう少し欲しい…という方は、はちみつやオリゴ糖を少し加えてみると柔らかな甘味が加わります。
もっと手軽にすぐ補給したい時は?
食生活を見直したいけど、今はそんな時間もない!という方も多いと思います。そんな時には手軽に取れる食材でぱぱっと鉄分を補給してみましょう。
コンビニ業界も鉄に注目中
忙しい人の味方、コンビニ。意外に思われるかもしれませんが、ここで売っているドリンクやお菓子にも鉄分を補給できるものがあります。
- 鉄分をプラスした栄養ドリンク
- ナッツ&チョコレートバー
- 鉄果汁を含むグミ、キャンディ
「そう言えば見たことある!」というものばかりですよね。どれも糖質がそれなりに高いので、摂りすぎには注意が必要ですが、忙しい時の一時しのぎとして上手に活用してみてください。
忙しい人にぴったりの鉄分サプリ
さらに手軽に、かつ継続して服用出来るのが鉄分のサプリメントです。多くの食品メーカーが開発・販売していますので、自分の予算に合わせてチョイスしてみましょう。
選び方のポイントとしては、次のようなことに注目してみてください。
- 吸収率の良いヘム鉄は入っているか
- ビタミン類は配合されているか
- 鉄の配合量が最も多くなっているか
3番目のポイントについてですが、食品は成分の表示義務が定められており、内容成分の多い順から明記しなくてはならないとされています。
裏面の成分一覧表に、「鉄」「Fe」など鉄分の表示が1番に記載されていれば、そのサプリの成分としては鉄が一番多いということになります。
ですが、この鉄表記が2番め、3番目以降になっている場合、鉄分サプリにも関わらず鉄分よりも別の成分の方が多く含まれているということになるのです。
健康食品を選ぶ時は、必ずパッケージの裏面まで確認し、成分表示をチェックする習慣をつけると良いでしょう。
ビタミン補給にも役立つ青汁でサポート
「マズイ!」というイメージがすっかり定着してしまった青汁ですが、実は栄養の宝庫です。野菜が主原料である青汁の中にはビタミンや食物繊維はもちろん、非ヘム鉄も豊富に含まれています。
大抵の青汁商品は粉末化されており、お水、あるいは牛乳などにサッと溶かして飲むだけですからサプリメントと同等、あるいはそれ以上に手軽に栄養補給が出来ます。
また、食物繊維が豊富である分、食前に飲むことで食べ過ぎ防止にもつながりやすく、ダイエット中にもぴったり。
特筆したいのは、最近の青汁の美味しさ!
実は「苦い、青臭い、マズイ」というのは過去の話になっていて、今販売されている青汁の大半はメーカーの努力により「飲みやすい、苦くない、臭くない」と改良されているのです。
牛乳と合わせてシェイクすればかすかな苦味も完全に消える場合が多く、美味しい抹茶風味のドリンクとして楽しむことができますよ。
貧血を改善する食事は健康美の源になる
年齢を問わず女性に起こりやすい貧血は、出来る限り早急に治療・緩和をし、体質を改善していくべき「症状」です。
しかし残念ながら大半の人は「ただの貧血」「少し休めば治まるもの」と、”改善しなくてはならない”という意識を持てないままでいます。
顔色がやや白っぽく、ちょっと疲れやすいという女性は少なくはありませんし、言い方にやや語弊はあるもののそうした「虚弱」に憧れてしまう年代というのは誰にもあるでしょう。もちろん、筆者にもありました。
ですが健康に関わる仕事を通じ、そうした一時期の憧れと間違ったイメージのままで体からのSOSをおざなりにしてしまうことのデメリットにたっぷりと触れてきました。
治せないものも、もちろんこの世の中には多くあります。しかし、ちょっとした意識で改善できるものも同じくらい多くあるのです。
そしてそれは「貧血」という限られた症状の緩和だけにとどまらず、あらゆる「健康美」の源になってくれることは間違いありません。
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