貧血は放っておくと危険!貧血対策は鉄分摂取だけじゃない
Date:2017.09.29
貧血対策というと真っ先に浮かぶのが鉄分の補給です。もちろん、それも大事なことですが、他にもできる貧血対策があるのをご存知ですか?
めまい、ふらつき、頭痛など貧血のタイプによって現れる症状も違ってくるので、まず自分がどの貧血のタイプなのかを知ってから、対策をとっていきましょう。
どのタイプにも対応できるよう、日常生活の中で出来るあらゆる貧血対策をまとめました。
あなたはどの貧血のタイプ?貧血の種類を知る
女性は毎月の生理で血液が失われてしまうので、男性よりも貧血になりやすいのは仕方のないことなんです。
ですから、意識して貧血対策をしていかないと、誰でも貧血に陥る危険があります。
しかし貧血にはいくつか種類があるため、原因が分からないことには対策もとれません。あなたはどのタイプの貧血でしょうか。
鉄分が足りない「鉄欠乏性貧血」
一般的に貧血というと、鉄欠乏性貧血のことを差しています。鉄分が不足しているために、ヘモグロビンが作られません。
鉄分が不足する原因としては、
- 食事からの鉄分が足りていない
- 胃の病気などで鉄分をうまく吸収できていない
- 月経や内臓の出血などで鉄分が失われている
などが考えれます。
人によっては原因が一つではなく、いくつか重なっていることもあり得ます。
赤血球が作られない「悪性貧血」
悪性貧血は巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)とも呼ばれます。
これは鉄分が足りないのではなく、ビタミンB12や葉酸が足りないために赤血球が作られないというタイプの貧血で、昔は治療法がなく、死に至る病だとされていました。
ビタミンB12は動物性食品に含まれているので、ベジタリアンの人は要注意です。
また、ビタミンB12は胃粘膜から分泌されるタンパク質の一種(内因子)と結合することで吸収できるようになります。
ですから、胃の切除をした人も悪性貧血になりやすいのです。
赤血球が壊れる溶血性貧血
細菌感染などによって赤血球が破壊されてしまうために起こる貧血を溶血性貧血と呼びます。
骨髄の働きが低下している再生不良性貧血
血液は骨髄にある造血幹細胞で作られますが、この細胞が少なくなってしまうと血球がそもそも作られなくなってしまうために貧血状態になってしまいます。
これを再生不良性貧血といいます。
この病気は鉄分ではなく、はっきりとした原因も特定できないことが多い病気であるため、厚生労働省から難病指定を受けています。
貧血の改善&予防のために出来る13のこと
貧血を改善し、予防するためには、赤血球やヘモグロビンの材料となる食材を積極的に摂ること、血液を増やすための対策が必要になってきます。
そのための具体的な対策をご紹介します。
1.鉄分を含んだ食材を摂る
貧血対策には食事がとても大事。鉄分補給できる食べ物を選んで積極的に摂って欲しいと思います。
鉄分を摂るなら野菜より肉!植物性食品の鉄分吸収率よりも動物性食品の吸収率の方が高いため、効率よく摂取できるからです。
鉄分が摂れる食材の代表格はレバーですが、特に豚レバーは鉄分が豊富ですし、魚介類にも多く含まれています。
2.葉酸、ビタミンB12も積極的に摂る
鉄分も大事ですが、赤血球そのものを作るために、葉酸やビタミンB12も積極的に摂りたいところです。
- 葉酸
- レバー、うなぎ、枝豆、モロヘイヤなど。
- ビタミンB12
- レバー、しじみ、あさり、いくらなど。
同じレバーでも、葉酸は鶏レバーが、ビタミンB12は牛レバーがそれぞれ豊富に含まれています。
3.アミノ酸も同時に摂ること
ヘモグロビンを作るには鉄分だけでは不十分で、アミノ酸も同時に摂ると効率的に作ることができます。
ですからアミノ酸も積極的に摂っていきたいのですが、鉄分を動物性食品から摂れば、アミノ酸も補給できますね。
植物性食品から鉄分補給をする時は、肉や魚なども一緒に食べるといいですね。
4.サプリメントを摂る
レバーも魚介類も苦手、という人はサプリメントを利用してみましょう。
- 鉄分
- 葉酸
- ビタミンB12
が配合されたものを選んで、食事で摂りきれない栄養素を補完するようにしましょう。
5.ゆっくりよく噛んで食べること
胃液が足りないと鉄分をしっかり吸収できないので、食べた分をそのまま役立てることができません。
せっかく貧血に良いものを食べても、ただでさえ吸収率の悪い鉄分が、さらに吸収されにくくなってしまうのです。
早食いの人は鉄分不足になる恐れがあるということですね。
ゆっくり噛んで、時間をかけて食べることで胃酸が分泌されるようになりますから、食事には時間をかけてください。
- 1口30回以上噛む
- 1口ごとに箸を置く
など、早食いを予防する工夫をしてみましょう。
6.食後30分は紅茶、コーヒーを飲まない
紅茶やコーヒーに含まれるタンニンは鉄分の吸収を阻害してしまいます。
ですから、食事と一緒にタンニンが含まれた飲み物を飲むのはせっかくの鉄分を無駄にしてしまうのです。
紅茶などは食後30分以上経ってから飲むようにしてください。
7.食物繊維の摂り過ぎに気をつける
女性は便秘の解消に、と食物繊維を意識して摂っている方も多いと思います。
ところがこの食物繊維、鉄分の吸収を妨げる働きがありますから、貧血対策をしたいなら少し控えて欲しいのです。
8.十二指腸の働きを活性化して消化を良くする
がんばって鉄分やビタミンを摂取しても、胃腸の働きが悪かったら消化も吸収も悪くなり、効果が半減します。
そこでポイントになるのは十二指腸ですが、十二指腸の働きがどんなものか、すぐに分かる人はきっと少ないでしょう。
しかし十二指腸の粘膜はとても弱くて、胃よりも弱い器官なんですね。
ストレスやピロリ菌などで弱ってしまうと傷つき、場合によっては穴が開いたり出血することも。十二指腸潰瘍ってよく聞きますよね。
ですから、ストレスなどを溜め込まず、十二指腸を保護することが大事!
活発に働いているかどうか、ちょっと表からは分かりにくいですが、胃もたれなど消化不良の症状などを感じやすい人は、少し気をつけた方がいいでしょう。
十二指腸の働きを活発にすることが鉄分の吸収を高めますから、
- ストレスを溜めない
- 辛いものなど刺激物を摂りすぎない
など、十二指腸の粘膜を傷つけない生活を心がけたいものです。
9.しっかり眠って血液を造る
食べたものから鉄分を吸収するのも大事ですが、血液そのものを増やすことも貧血対策にはとても有効です。
睡眠不足は美容にも良くありませんから、あまり夜更かしせず、早めに寝ることを心がけてください。
10.適度な運動で血行を良くする
冷え性の人は同時に貧血で悩んでいる方も多いのですが、それは血行が悪いことが原因です。
血行が良くなれば身体に隅々まで酸素が行き渡るようになるので、貧血対策として軽い運動をおすすめします。
身体が温まる程度の運動でいいので、ストレッチやヨガなどがいいですね。
酸素を取り入れながらゆっくり筋肉をほぐしていくので、血行促進にはとてもおすすめです。運動が苦手な人でもやりやすいでしょう。
貧血を悪化させかねないので、あくまでも身体が温まる程度の運動でOKです。
11.極端なダイエットをしない
適切な食事管理と運動で健康的にダイエットしているならいいのですが、食事を抜いて減量するといったような極端なダイエットは身体が栄養不足に陥ります。
特に鉄分などのミネラル類は食事制限で失われやすい栄養素ですから、食べないダイエットはおすすめできません。
12.漢方で貧血治療をする
貧血は、東洋医学では「血虚」の状態です。それを補うために、漢方を利用してみてはいかがでしょうか。
貧血に良いとされる漢方はたくさんあるのですが、代表的なものを4つご紹介します。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 生理の経血量が多い人、冷え性の人、産前産後
- 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
- 食欲もない、虚弱体質の人
- 加味帰脾湯(かみきひとう)
- 体力はそこそこあるものの、血色が悪い、精神的にもやや不安定な人
- 人参養栄湯(にんじんようえいとう)
- 貧血で顔色が悪いといわれる人
ただ、漢方の場合は貧血だけに着目するだけでなく、問診をしてその他の体質的な問題も診ていきます。
13.それでも改善できない時は病院へ
食事を工夫したり、運動も適度にしたり、色々がんばってみたけれどなかなか貧血の症状が改善されない、という場合には他の原因が隠れているのかもしれません。
原因によって対処法も変わってきますので、おかしいなと思ったら一度病院で血液検査を受けてみてはいかがでしょうか。
毎月失われる鉄分を効率よく補給して!
貧血対策は一度やって終わり、ではありません。食事も運動も、ずっと気をつけていかなくてはいけないものですから、結構大変です。
でも、貧血が悪化してしまうと日常生活にも支障をきたすこともあるんです。
ですから自分の体を守るために、食事や運動、睡眠など毎日出来ることを少しずつ気をつけて、貧血にならないようにして欲しいと思います。
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