家を高く売るコツ!売却・契約方法と家の売却でやってはいけないこと

不動産売却の画像

家を売るなら、高く売りたいと思うのが当然です。ですが、コツを押さえて準備をしておかなければ、思ったよりも低い価格でしか売れない可能性もあります。
そこで、家の売却に失敗しないためにすべき準備とは何か、詳しく確認しましょう。

最初にすべきことは売却方法を決めること!高く売るなら仲介で

家を売るには、まず売却方法を決める必要があります。

高く家を売るなら仲介がお勧め

家の売却法には、3種類あります。

売却方法 内容 メリット・デメリット
仲介 売り主と買い主の間に不動産会社が入ってフォロー 家を高く売れる
売れるまでに時間が必要
買取 不動産会社が直接家を買い取る 人に知られることなく短時間で売れる
売却価格が低くなる
買取保証 一定期間仲介で出す
売れなかったら不動産会社が買取
仲介と買取の両方の特徴を持つ

家を少しでも高く売りたいなら、仲介がお勧めです。

期限が決まっている場合は買取保証、どうしても急がなければいけないときは買取が向いています。

「仲介」で家を売る場合の基本の流れ

家を高く売るなら、「仲介」がおすすめ。では、具体的にどのような流れで、売却に向けた手続きが進んでいくのでしょうか。基本は以下の通りです。

  1. 不動産会社に査定を依頼する
  2. 相場価格についてリサーチする
  3. 売り出し価格を決定する
  4. 査定とリサーチの結果から、不動産会社と媒介契約を結ぶ
  5. 不動産会社主導で売却活動をスタートする
  6. 売却先の決定
  7. 契約と決済、引き渡し

自身が保有する不動産を「仲介」で売却したいなら、依頼先の不動産会社を決定する必要があります。どの不動産会社と契約するのかによって、高く売れるかどうかが変わってくるとと言っても過言ではありません。

査定はそのための一歩。次の項目では、高く売るためのコツとして、査定について掘り下げてみましょう。

家の売却価格に大きく影響!査定の受け方と不動産会社の決め方

査定や不動産会社の決定は、家の売却価格に大きな影響を与えます。

一括査定も利用して複数の不動産会社の査定を受けよう

仲介で売却するための、最初の一歩が査定です。査定のコツは、できるだけ多くの不動産会社にコンタクトを取ることです。

不動産の査定結果は、「どこに注目するのか?」によって、金額が大きく異なります。複数の会社から結果を受け取れば、より精度の高い情報をもとに、売り出し価格を決定できるでしょう。

おすすめは一括査定サービスを利用すること。無料のサービスを利用すれば、複数の不動産会社に手間なく査定依頼をすることができます。

一括査定サービスも利用しながら複数の不動産会社に査定してもらうと、より高値をつけてくれる不動産会社が見つかるでしょう。ただし仲介の場合、査定結果そのままで売却できるとは限らない点にだけは注意してください。

他社に比べて高すぎる査定価格が出ている不動産会社には、査定の根拠を聞きましょう。契約を取りたいだけで根拠のない査定をしていて、最終的には売却価格を下げる危険性がある不動産会社を避けられます。

訪問査定を受ける際はアピールポイントを担当者に伝えよう

一括査定サービスを利用して高値がついた不動産会社に、訪問査定をしてもらうと正確な査定額がわかります。
アピールポイントを伝えると、より高値で査定してもらえる可能性があります。

  • 築年数
  • 日当たり
  • 広さや間取り
  • 生活動線
  • 水回りが綺麗なこと
  • 治安の良さ
  • 耐震性
  • メンテナンスやリフォームの履歴
  • 交通アクセスの良さ
  • 学校・病院などへのアクセスの良さ
  • 周辺の商業施設

担当者に売りやすい家だと思ってもらうことも大切です。

不動産会社とのおすすめの契約方法は?

不動産会社との契約方法は、専任媒介契約または専属専任媒介契約がお勧めです。

契約の種類 特徴
一般媒介契約 複数の不動産会社と契約できる
専任媒介契約 複数の不動産会社とは契約できない
自分で見つけた相手に家を売ることは可能
専属専任媒介契約 複数の不動産会社とは契約できない
自分で見つけた相手に家を売ることもできない
専任媒介契約または専属専任媒介契約だと、その不動産会社で契約できるので売却活動に力を入れてもらえます。決まりに違反すると違約金が発生するので、気をつけましょう。

「家が売れない…」理由を見極めて適切な対策をしよう

媒介契約を結ぶ不動産会社を選択し、実際に売却活動をスタートしても、「なかなか家が売れない…」というケースもあります。

家が売れないときに、「その内売れるだろう」と安易に考えるのは危険です。理由を見極めて適切に対処することが、高く売るためのコツとなります。

売れない家を売る方法として、3つのコツを紹介します。

価格設定を見直す

家が売れない理由で非常に多いのが、「価格設定が高すぎる」というものです。「できるだけ高く売りたい」と思う気持ちも分かりますが、高すぎれば売れません。

特に戸建の住宅はマンションよりも売れにくいため、価格設定は慎重にしなければいけません。

価格設定 結果
安すぎる設定 数百万円の損が出ることも
高すぎる設定 家が売れない
売るために値下げをした結果損することに
正しい価格設定 最も高く売却可能

戸建住宅の価格設定は、近隣の事例をしっかりと確認した上で、現実的な価格を選択することが大切です。情報を集め、価格の事例を確かめましょう。

  • 不動産ポータルサイト
  • レインズのサイト
  • 国土交通省「土地総合情報システム」
  • 折り込みチラシ
  • 不動産情報誌
  • 看板

これらの情報を参考にして、「売却可能な範囲内で、もっとも高い金額」を導き出しましょう。

売り方に工夫する

特に一戸建ての場合、築年数が古さが原因で売れない可能性も。戸建ての築年数が20年を超えている場合、売るための対策を実践しましょう。

対応 特徴
そのまま中古の戸建として売却 需要が多い地域なら売れる可能性あり
リフォームして売り出す方法も
建物は取り壊す 新築の建築が多い地域なら更地の方が有利なことも
建物の取り壊し時期は不動産会社と相談して決める
建物を取り壊し土地を分割して売る 敷地が広い家なら建物を取り壊して土地を分割
土地が広すぎると需要が少ない

土地を分割して売却することを、分筆といいます。どの方法を選ぶか、判断は難しいので、不動産会社に相談に乗ってもらいながら決めましょう。

不動産会社の対応を見直す

売れない理由が、「家」ではなく「不動産会社」にある可能性も、忘れてはいけません。

不動産の売却状況や価格は不動産会社によって左右されるので、優良な不動産会社を選ぶことがポイントです。具体的には、以下の3つの点に注目してみてください。

  • 査定の根拠が明確
  • 販売活動の戦略がはっきりしている
  • 売却したい戸建の強みを理解してくれる
  • 売却実績が豊富
  • 独自のノウハウやネットワークを持っている

また、実際に対応するのは担当者です。こちらについても、忘れずにチェックしましょう。信頼できる担当者とは、以下の条件を満たしている人です。

  • メリット・デメリットを両方伝えてくれる
  • 売り手の話を親身になって聞いてくれる
  • 連絡が取りやすく迅速に対応してくれる
  • 豊富な知識を持っている

優良な不動産会社の中から、自身が保有する物件タイプの売却が得意で、売却したい建物があるエリアに強い不動産会社を見つけましょう。

不動産会社の中には、自分の会社から買い手を見つけて仲介料をもらうために囲い込みをする、悪徳な不動産会社もあります。

  • 情報を公開しない
  • 内覧の申し込みを断る
  • 他社からの問い合わせを断る

囲い込みに遭うと、なかなか家が売れません。囲い込みに遭わないための方法を知っておくと便利です。

  • 買い手の仲介しか行わない不動産会社を選ぶ
  • 業者間の情報ネットワーク(レインズ)に売りたい家の情報が載っているか確認する
  • 内覧に他の不動産会社の担当も来ているか確認する

囲い込みを受けていることが発覚したら、できるだけ早く対処しましょう。

より高く家を売るためにやっておくべき準備まとめ

家を高く売るためにできる準備とは、何でしょうか。

家を売るタイミングを見計らおう

できれば、家を売るタイミングを決められるよう余裕を持って売却をしましょう。

  • 2月から3月の引っ越しシーズンは高めの価格でも売れやすい
  • 8月や年末などの引越しが少ないシーズンは高めの価格だと売れにくい

急いで売らないといけない場合、価格を下げる必要も出てきます。

購入希望者が現れた場合、あまり時間をかけずに売る方が値段が高くなる傾向にあります。

  • 早く現れる人はその家に対する関心が高いから
  • 売却は時間が経つほど不利になるから

もっとも良いタイミングで売りに出せるよう、事前に準備を整えておきましょう。

安心して買ってもらうために測量してあるかもチェック!

測量がきちんと行われていると、買い手も安心感があるので家が売りやすくなります。売却活動前には、測量についてのチェック点も確認しておきましょう。

  • 確定測量図があるか
  • 境界確認書があるか

確定測量図があれば境界が確定され測量もされているので、面積や境界に関する問題はありません。境界確認書は、近隣の人との境界についての合意を示します。

測量がされていない場合、土地家屋調査士に依頼すれば測量してもらえます。測量をせずに売ることもできるので、どちらがいいか不動産会社のアドバイスを受けて決めると安心です。

修繕履歴書や図面があると安心感がアップ

家の修繕記録を集めた「修繕履歴書」があると、家を大切に使っていた証拠になり買い手の安心感がアップします。

マンションを売却する場合は、管理組合によって修繕記録が保管されています。戸建の場合は持ち主が意識して残さなければ用意できないので、あると大きなアピールポイントになります。

  • 建築確認済証
  • 平面図
  • 電気配線図
  • 取扱説明書
  • 住宅メーカーによる定期点検チェックシート
  • リフォームの記録
  • 工事記録所

これらの書類や図面も残しておきましょう。

特に重要なのは、建築確認済証です。建築基準法に従って家が立てられていることを証明するための書類で、手元にない場合は自治体で証明をもらうことも可能。

早めに準備しておきましょう。

物件の見せ方に工夫しよう

売れる家は、見る人にとって魅力的な家。早期に高値で売れる家は、見せ方にもこだわっています。すぐに実践できるポイントも多いので、ぜひ取り入れてみてください。

広告を出す時点のコツは、できるだけ多くの人に興味を持ってもらい、現地まで足を運んでいただくこと。そのためのポイントは、以下の3つです。

  • インターネット広告を活用する
  • できるだけ多くの写真を掲載してもらえるよう、依頼する
  • 家の欠点も、誠実かつ正直に伝える

いざ内覧のときを迎えたら、以下のような点を意識して準備を整えてみてください。

広く見せるためのコツ パッと目に入る玄関はすっきりと
いらないものを処分して物を減らす
トランクルームや実家を利用して物を減らす
整理整頓をする
明るく見せるためのコツ カーテンを開けておく
昼間でもすべての部屋の照明をつけておく
古くなった電球は取り替える
必要なら照明のタイプも明るいものに変える
対応も明るくする
きれいに見せるためのコツ 念入りに掃除をする
水回りはピカピカに磨いておく
鏡や窓も拭く
ベランダの掃除も忘れずに
におい対策もする
故障している部分は直す
ハウスクリーニングも活用する
第一印象で「いいな」と思わせるためのコツ アプローチや駐車場の掃除をする
植木の手入れをする
雑草を抜く
安心感を抱いてもらうためのコツ 換気口の汚れや詰まりはないか
壁にヒビ・変色・コケやカビなどがないか
雨どいにゴミや落ち葉が詰まっていないか
屋根に傷みはないか
内覧のコツは、全ての部屋を見せられるよう準備しておくという点です。買い手に不安を与えないよう、意識して家全体を整えておきましょう。

売りたい物件の特徴を把握しておこう!

売りたい家のタイプによっても、売り方にコツがあります。

売りたい家のタイプ 高く売るためのコツ
一般的な自宅 掃除に力を入れる
家具の配置も意識する
需要の高い地域にある家 もともと高値がつきやすい
その地域のなかでもより便利なエリアにあるなどのアピールを
空き家(相続した場合など) できるだけ早く売る
遠方の場合近くに住む親族に代理人になってもらう方法も
二世帯住宅 売り手の需要に合う間取りなので買い手が限られる
売れにくい代わりに売れれば高額になることも
長期で売る姿勢ですぐ値下げをしない方がお勧め
借地に建てた家 地主の許可なく売却することはできない
許可があれば家や借地権の売却も可能
地主に売却する方法も選択肢に
ローンが残っている家 ローンが完済できることが売却の条件
任意売却をする方法も

物件の条件を知っていれば、高く売るためのコツや注意点も見えてくるはずです。

【余裕があったら】ホームインスペクションも活用しよう

ホームインスペクションも、買い手の安心感を高めるために有効な手段です。

ホームインスペクションとは
住宅診断士が屋根・外壁・床下・室内などを目視で確認し、劣化状態を診断すること。

ホームインスペクションのメリットは以下のとおりです。

  • 買い手に安心感を持ってもらう
  • 売却後のトラブルを防げる
  • 瑕疵担保保険への加入が可能なことも

戸建を売却する際に特に注意したいのが、瑕疵保護責任です。

瑕疵担保責任とは
不動産売却後に問題点が見つかったら、売り手が責任を取ること。事前に告知していれば、修繕しなくてもよい。売り手が問題点に気づいていなくても、修繕しなければいけない。

瑕疵保護責任の対象になると、契約解除や損害賠償請求の可能性もあります。
問題点の例を見てみましょう。

  • 雨漏り
  • 給排水管の不具合
  • シロアリの被害
  • 土壌汚染
  • 地下埋設物

瑕疵保護責任の対象期間は、通常引き渡しから2~3か月。売買契約の際に決めます。ホームインスペクションを行い、審査に通過すれば、保険に加入することも可能です。

ホームインスペクションには費用がかかりますが、買い手だけではなく、売り手にとってもメリットのある手段だと言えるでしょう。

家の売却でやってはいけないことと注意点

家を売る時にやってはいけないことは以下の通りです。

  • 売却価格を「なんとなく」で決める
  • 査定の依頼を1社に絞る
  • 契約する不動産会社を査定依頼をせずに決めてしまう
  • お金をかけてリフォームする

不動産売却において、「なんとなく」は禁物です。売り出し価格やリフォームの必要性、契約する不動産会社は、しっかりとしたリサーチのもと、明確な意志を持って決定しましょう。

また、査定依頼を1社に絞るのもNG。相場感を掴むことが出来ません。

さらに査定依頼をせず、不動産業者を決めて契約してしいまうのもいけません。査定は複数検討することで、より高い売却価格を出せる業者を見つけることができるからです。

また、営業担当者の対応も比較検討すべきです。自分たちの条件、状況に合った売却方法を親身になって考えてくれる担当者に出会えてこそ、売却が成功することに繋がるからです。

また、家がなかなか売れない時には、以下のような行動は避けてください。

  • 空き家のまま放置する
  • 安易に賃貸に出す

空き家にすると、家は一気に傷んでしまいます。さらに売れにくくなってしまうでしょう。

また、賃貸に出しても、ずっと借り手が見つかるとは限りません。維持費や管理費といった出費の他、自身の手間も増えることを、頭に入れておいてください。

家を高く売るコツをチェックして失敗しない売却を!

仲介で売る・不動産会社選びを慎重にするなど、家を高く売るためにはコツがあります。

また、内覧の際に買い手にいい印象を持ってもらえるよう準備しておくなど、売却活動を行っている段階でできることもあります。

これらのコツを実践し、失敗しない売却をしましょう。

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