夜に爪を切るのはいけないとされる理由。親の死に目に会えない?
Date:2018.09.03
「夜に爪を切ってはいけない」と言われた経験がありますか?迷信と思って信じない人もいれば、かたくなに信じて夜以外に爪を切る人もいるでしょう。
夜に爪を切るのが良くないとされるのは昔ながらの言い伝えですが、何の意味もないことが現代まで伝わるとは考えにくいですよね。
そこで今回は、なぜ夜に爪を切るのはいけないのか、諸説ある理由をご紹介します。
夜に爪を切ると「親の死に目に会えない」と言われる理由
夜に爪を切ってはいけない理由として、「親の死に目に会えないから」と聞いたことがある人もいるはずです。
しかし、なぜ夜に爪を切ることが親の死に目と関係があるのか、不思議に感じた人もいるでしょう。
夜に爪を切ってはいけない理由はいくつかありますが、まずは親の死に目に会えないことと爪にどのような繋がりがあるのかお伝えします。
親の死に目に会えない「世詰め」と夜爪の語呂が似ている
夜に爪を切ることは夜爪(よつめ)から「世詰め」を連想させ、良くないとされる説があります。
世詰めとは早死にするという意味です。親よりも自分の方が早く亡くなれば、親の死に目に合うことはできません。
語呂合わせを理由に、夜に爪を切ると親の死に目に会えないという意味に繋がり、現代まで伝わっているようです。
夜に城の警備をしていた「夜詰め」に由来しているという説も
「夜詰め」に由来しているという説も挙げられます。
戦国時代は夜も城の警備が不可欠で、夜勤の城の門番を夜詰めと呼んでいました。城の門番は非常に重要な役目で、その場を離れると敵が攻める恐れがあります。
もし親が死んでも城を離れてすぐに帰るのは許されないため、夜詰めは親の死に目に会えないと言われていたそうです。夜爪は夜詰めと語呂が似ており、夜に爪を切るのは良くないこととされました。
昔は小刀やノミで爪を切っていた。夜は薄暗く、爪を切ると危険
現代では爪切りを使って爪を切るのが一般的ですが、昔は小刀やノミを使っていました。万が一手を滑らせると、爪や指を切り落とすことになりかねません。
昔はただでさえ爪を切るのは危険だったのに加え、夜に爪を切るとさらに危険度は増します。
昔は薬や医療なども発達していないため、もし怪我をすれば亡くなることもあり得ます。夜に爪を切るのは危険な行為であり、子供が爪を切って亡くなれば、親の死に目には会えません。
命を落とす危険性を防ぐために、夜に爪を切ってはいけないと言われるようになったとされています。
爪にまつわる理由から、夜に爪を切っていけないとされる説も
夜に爪を切ってはいけないと伝わったのは、親の死に目に会えないこと以外の理由もあるようです。
ここからは爪にまつわる由来から、夜に爪を切るのがタブーとされてきた理由をお伝えします。
爪は神聖なもので、薄暗い夜に切るのは良くないとされた
昔から爪は神聖なものと考えられており、粗末に扱うと罰が当たるとも言われてきました。
爪は生きている間伸び続けるので生命力にあふれ、大事にすると気の流れが良くなるとも考えられていたようです。
大事な爪は薄暗い夜ではなく、明るい朝や昼に切るのが良いと言われたのが転じて、夜に爪を切ってはいけないと伝えられてきたという説もあります。
爪が燃えると異臭がし、火葬する時の臭いに似ている
昔は囲炉裏が身近にあり、炊事だけではなく、明かりや暖房としての役目も担っていました。
夜に囲炉裏のそばで爪を切ると、切った爪が火に入ることもありました。現代のように爪切りを使わず小刀やノミで爪を切っていたため、火に入るのも連想しやすいでしょう。
爪が焦げると異臭を放ち、火葬する時の臭いに似ているともされました。夜に爪を切ると火葬を思い起こさせるため、良くないとされたという説もあるようです。
夜に爪を切ってはいけないのは、現代との生活環境の違いから
夜に爪を切ると、親の死に目に会えないと聞くことがあります。しかしなぜ爪と親の死に関係があるのか、ご存知ではなかった人も多いでしょう。
ご紹介したように夜に爪を切るのが良くないとされる理由には、早死を意味する「世詰め」や夜に城を警備していた「夜詰め」の語呂合わせが関係していると言われています。
他にも、神聖な爪は朝や昼に切るのが良いとされていたり、爪の焦げた臭いが火葬を連想させたりといった理由もあるようです。
昔ながらの言い伝えには何らかの意味があり、現代に伝わっている言葉も多く残っています。
夜に爪を切るのはいけないという言い伝えは「早死してほしくない」「怪我をせずに過ごしてほしい」という願いが転じて、言い伝えとして受け継がれたのでしょう。
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