マンションを売るにはそれなりに時間がかかるものの、あまりに売れないのであればその理由を探らなくてはなりません。
すぐに処分したいのに!とお悩みの方に向けて、マンションが売れない時の対策について紹介します。買い手がつかない場合には必ず理由があるはずです。
タイミングの逃し、売れない期間が長くなるほど、さらに売れなくなるという悪循環に…。まずはマンションが売れない理由を見定め、売るためのコツを実践しましょう。
マンションが売れない…!見直しタイミングは「3ヶ月」
売れないマンションを、そのままの状態で放置するのは危険です。然るべきタイミングで、売却方針を変更する必要があるでしょう。
難しいのがそのタイミングについてですが、一般的には約3ヶ月。マンションを売り出して買い手がつくまで平均的な期間は2ヶ月半くらいだといわれていますから、この期間を過ぎたあと、一度見直してしてみてください。
「3ヶ月」という期間は、不動産会社と結ぶ媒介契約の期限でもあります。このため、「3ヶ月までにはなんとしてでも売りたい!」というのが不動産会社の本音です。
3ヶ月を過ぎると、マンション売却活動には以下のようなデメリットが発生します。
- 「売れ残り感」が強くなり、ますます売れにくくなる
- 不動産会社も積極的に売り出そうとしなくなる
- 維持費がかさむ
どのような物件なのか、どのあたりのエリアかということにもよるので一概にはいえないのですが、なかなか売れないマンションに、好印象を抱く人は少ないでしょう。
また不動産会社としても、売れる可能性の高い新着物件の方に力を入れたいところです。積売れ残っている物件には力を入れなくなっていきます。
売却活動のため、すでに退去している場合でも、以下のような費用は発生します。
- 管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税
マンションが売れない8つの理由
では、一体なぜマンションが売れないのでしょうか。8つの理由を紹介するので、当てはまるものがないかどうか考えてみてください。
1.価格が適切でない
査定を依頼した時に、一番高い価格をつけてきたところに依頼し、そのままの価格で売り出していないでしょうか。
査定額とは、以下のような意味を持つ金額です。
- 不動産屋が「このくらいなら売れる」と思った額
- 不動産屋が「このくらいで売りたい」と思う額
高い査定が出ても、実際にその金額で売れるとは限りません。相場よりもかなり高くなっている場合、なかなか買い手がつかないでしょう。
内覧どころか、価格を見ただけで他の物件に行ってしまいます。周囲の物件と比べて価格が高すぎないかどうかを確認する必要がありそうです。
2.維持費が高い
マンションを購入する時に考えるのはローンだけではありません。
マンションには管理費などの維持費がかかりますから、それを含めた上で月々の支払いがどのくらいになるのかということを考えます。
ローンが少し安かったとしても、維持費が高いとトータルで支払う金額が高くなってしまうため、敬遠されがちです。
特に築10年を超えるマンションは注意です。
3.広告が下手
自分のマンションがどのように売り出されているか、広告は実際に見てみましたか?
最初から内覧をする人はおらず、ネットや店頭の広告を見て申し込んできます。入口となる広告が魅力的でなければ、内覧の申し込みは入りません。
4.広告が少ない
広告の中身と同じくらい、広告の数も重要です。そもそも広告がたくさん出ていなければ、マンションを探している人の目に触れないからです。
不動産会社がどのくらい販売活動に力を入れているのか確認する必要がありそうです。
5.囲い込みに注意
大手の不動産会社なら安心と思っていたのになかなか買い手がつかない。そのような場合は、「囲い込み」されている可能性も否定できません。
囲い込みとは、他の不動産会社に物件の情報を公開せずに、自社だけで抱え込んでいる状態のことです。
これを両手仲介と言います。
通常、売却活動を始めるにあたって「レインズ」というシステムに物件を登録します。そうすると、他の不動産会社も物件情報を閲覧できるので、買い手を見つけるチャンスが広がるわけです。
こうなるとなかなか売却が進まず、売れ残りになってしまう可能性があります。
6.部屋の状態が悪い
内覧の申し込みはきたけれど契約にまで至らないという場合は、部屋の状態が悪いからかもしれません。
- 部屋が暗い
- 壁や床に傷がある
- 掃除が行き届いていない
こんな状態ではありませんか?
中古マンションは、外観は多少古びていたとしてもあまり問題はないのですが、部屋の中はきれいなな状態でないとなかなか買い手がつきません。
内覧後に断られてしまっている場合には部屋の状態を見直してみましょう。
7.内覧者に誠実に対応できていない
内覧者がきた時に、質問などに誠実に答えているでしょうか。
いくら中古マンションでも大きな買い物です。見にきた方は色々な不安もあることでしょう。
マンションの部屋の状態はもちろんですが、そのエリアの住み心地など気になること、聞いてみたいことがたくさんあるはずです。
8.同じマンション内で競合している
同じマンションで、売りに出ている部屋はありませんか?
建物が同じですと立地条件も同じですし、間取りも似たようなものが多いため、どうしても比べられてしまうことが多いです。
同じくらいの部屋なら少しでも安い方がいいと思いますよね。自分のところよりも安い部屋が売りに出ていたら、どうしてもそちらが先に売れてしまいます。
かといって安易に値下げをすると価格競争に巻き込まれてしまう危険もあります。
大きなマンションほど複数の部屋が一度に売り出される危険があるので、競合を調査するのはとても大切です。
マンションを売りたい!売れない時に実践したい10のコツ
3ヶ月経ってもマンションが売れないとなると、本格的に対策を取らないと本当に売れ残りになってしまいます。
少しでも価値の高いマンションだと思ってもらうためにはどうすればいいか、すぐに売るためのコツについてまとめました。
相場価格を自分で調べてみよう
まずは価格が適正かどうか、もう一度相場価格を自分で調べてみましょう。
インターネットで不動産会社の広告を検索してみます。
- エリア
- 築年数
- 面積
- 間取り
これらの項目で、似たような条件のマンションを探して価格を比較してみましょう。定期的に確認すると、それぞれの物件の動きを把握できます。
- どのくらいの価格のものがサイトから消えたか(売れたか)
- 価格が下げられた物件はどれか
- 価格が下がってからどのくらいで売れたか
それぞれのマンションの売れ行きもチェックしてみてください。それによって、今売りに出している価格が適正なのかどうかということがわかるでしょう。
販売価格を変える
相場価格を調べて、もし高すぎるせいで売れないのかもしれないと思ったら、価格を下げる判断も必要になってきます。
または、販売価格はそれほど高くはないけれど、維持費がかかるために敬遠されている可能性もあります。
少し下げただけでも、買い手がつくかもしれません。
レインズで取引内容を確認
買い手がつかないのは囲い込みをされているからではないか?と不安になったら、レインズで確認してみましょう。
レインズとは不動産会社が取引情報を検索するためのサイトで、以前は不動産会社しか閲覧することができませんでした。
しかし今では売主なら内容を確認することができるのです。(ただし、専属専任媒介契約、専任媒介契約のみ)
取引状況には、以下のような情報が記載されています。
- 公開中
- 書面による購入申し込みあり
- 売主都合で一時紹介停止中
「公開中になっていない」「なぜか紹介停止中になっている」など、おかしな点がないか、一度閲覧してみると良いでしょう。
競合がいるなら少し時期をずらしてみる
もし同じマンションで競合してしまっている場合には、一度売却をやめてみるという選択肢もあります。
少し期間を置いてから売り出すとあっさり売れるかもしれません。いったん取り下げてから、また新たに売り出せば「新着物件」になり、人目に触れる機会も増えるでしょう。
勇気のいることではありますが検討してみてください。
広告を見直してもらう
広告がダメなのではないかと思うなら、不動産会社に任せきりにしないでどんどん意見を言いましょう。
- 広告のイメージはどうか
- 室内の写真が魅力的に撮られているか
- 顧客に訴えるメッセージになっているか
また、広告は数も大事です。
- 不動産のポータルサイトなどにも載せているか
- ポスティングや折込チラシはやっているか
広告手法についても確認し、やれるだけのことをやってもらってください。
どのくらい売却活動に力を入れているのか確認する
媒介契約の種類によって販売状況の報告回数は違います。
契約にかかわらず、売れないのであればどのような活動をしているのか、どんどん聞いてください。
- 問い合わせの件数
- 内覧者の数
これらの点を確認し、少ないならばもっと積極的に販売活動をしてもらうように働きかけましょう。不動産会社に任せきりにしていると、担当者によって成果が全く違ってきてしまいます。
早く売って欲しいということをアピールするためにも、任せきりにしないことが大切です。
部屋の状態をきれいにする
内覧から先に話が進まないのであれば、部屋の状態を徹底的に見直しましょう。
見直すといってもリフォームするというのではありません。まずはきちんと掃除をして清潔な状態に保ちます。
その他、壁紙やカーテンなど目につきやすい場所も大事です。あまりに個性的な部屋は敬遠されやすいので、シンプルで誰にでも好感を持たれるような部屋づくりを心がけてください。
もし自分好みの壁紙にしている場合は、無難な白やアイボリーに張り替えることも検討してください。
とにかく大事なのは、明るく清潔感のある部屋を作ることです。
内覧者の疑問に誠実に答えよう
内覧者の質問、疑問にはできる限り正直に、誠実に答えましょう。よくない点もあるかもしれませんが、隠すのはおすすめできません。
それよりも、デメリットはあるけれど、メリットの方が大きいということを伝えられれば大丈夫です。
答え方に不安があるときには、不動産会社の担当者と事前によく打ち合わせをしておくことをおすすめします。
仲介ではなく買い取りも検討する
多少安くなっても早く売ってしまいたいと思う場合には、不動産会社に買い取ってもらうという方法もあります。
市場価格よりも2~3割程度安くなってしまいますが、売れ残るよりはいいかもしれません。
価格にこだわらず、とにかく売りたいという場合には買取を検討してみてください。
不動産会社との契約を見直す
3ヶ月経っても売れないという場合には、不動産会社との契約を見直すことも考えます。
契約期間が3ヶ月ですから、この期間で売れなかった時に、次の3ヶ月も同じ会社にしてもまた売れない可能性は大きいです。
ローンが残っているマンションは売れないのか?
マンションを購入する際には、住宅ローンを組むケースが一般的です。「ローンの返済中はマンションを売れない」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
実際には、ローン返済中であっても、マンションを売ることは可能。ただし、売却時にローンを清算できることが条件となります。
ローン清算のパターンとしては、以下のようなものが挙げられるでしょう。
- マンションを売ったお金でローンを完済する
- マンションを売却し、手持ちのお金を足して完済する
マンションをローン残高以上の価格で売却できれば、何も問題はありません。この状態を「アンダーローン」と言い、ローン残債が売却の足かせになることはないでしょう。
一方で、マンションを査定してもらった結果、ローン残高以下にしかならないケースもあります。この状態を「オーバーローン」と言い、売却が難しいのはこちらのパターンです。
オーバーローンの場合でも、住み替えローンの利用や任意売却によって、マンションを処分できる可能性があります。
オーバーローンになりそうな場合、以下の点について、ぜひ早めに確認してみてください。
- マンションの査定価格はいくらになるのか?
- 任意売却は可能なのか?
- 借り換えローンの審査は通過できるのか?
それぞれを詳しく解説します。
どの程度オーバーになるのかを早めに把握しよう
「おそらくオーバーローンになりそう…」と思っていても、具体的にどの程度の金額になるのかによって、今後の流れが変わってきます。
できるだけ早く、より正確なマンション査定価格を確認しておきましょう。
マンション査定は、マンション売却に強い複数の不動産会社に依頼するのがおすすめです。一括査定サイトを使えば、スマホで簡単に素早く査定依頼をできます。
どの程度のオーバーが発生するのかは、マンションの査定価格次第です。複数の不動産会社に査定してもらい、できるだけ正確な価格を導き出しましょう。
任意売却は誰でもできるわけではない!
任意売却とは、「売却してもローンを完済できない不動産を、金融機関の許可を得て売却する方法」のこと。
住宅ローン返済が難しくなった場合に、選択されることが多い方法で、任意売却するためには、金融機関から許可を得る必要があります。
借り換えローンについてもリサーチしよう
借り換えローンとは、新しい物件を購入するためのローンに、古い家のローンを組み合わせて一括にする金融商品です。
新居のためのお金と一緒に、旧居のためのお金も借りられれば、残債は清算可能。売却活動も問題なく進めていけるでしょう。
ただし借り換えローンは、2件分のローンを組むことになり、借入金額も大きくなりがちです。
- 審査に通過できるのか?
- 審査を通過できたとして、本当に返済できるのか?
こうした点についても、売却活動を進めていく前に確認しておく必要があります。
売れない理由を探って早めに対処しよう!
マンションが売れないのにはそれなりの理由が必ずあります。それが価格なのか、時期なのか、部屋の状態なのか、しっかりと見極めることで対策法が見えてきます。
一つずつ潰していけば必ず売れますので、諦めずによく見直してみてください。