めまいの原因と対策とは…めまいは放置すると恐ろしい事態に
Date:2016.04.19
急に立ったり、動いたりしたときにくらくらっとしためまいを感じた経験は誰しも一度はあるものかと思います。
しかし、このめまい、実は種類があり、しびれや頭痛などと同じで重大な病気が隠れている可能性が拭えない症状の一つなのです。
誰にでもふとしたときに起こる症状なので軽視されがちですが、注意が必要になります。
今回はそんな、めまいに関する原因と対策についてお話していきたいと思います。
なぜめまいが起きるメカニズムと身体がバランスを保っている秘密
人は普段、日常生活を送る際に身体がふらふらすることなくまっすぐ安定して立って過ごしてしますが、これは前庭という耳の内耳にある部位が身体のバランスを取ってくれる役目を果たしているからです。
内耳、前庭神経や中枢側の小脳や脳幹に異常が起きるとめまいが発生し、身体のバランスを保つことができなくなってしまいます。
この症状を前庭性のめまいと呼び、ほかにも循環器系や頸椎に異常が起きたときなどに起こすめまいがあり、それを非前庭性のめまいと言います。
一口にめまいと言っても大きく分けて3つもの種類が存在する
めまいには種類があり、大きく分けると
- 回転性
- 浮動性・動揺性
- 眼前暗黒
の3つがあり、それぞれ原因も症状も違います。
立ちくらみや脳貧血などを指す眼前暗黒感を伴うめまい
このめまいは、突然目の前が暗くなったり、気が遠くなったりするような感覚を伴うもので、一般的に言う立ちくらみや脳貧血もこの種類に分類されます。
- 不整脈や低血圧など、心臓・血管系の病気
- 貧血
- 心因反応
が原因です。
このめまいは酷い症状になると失神にまで至ります。この失神は短時間だけ意識を失う状態を言い、目の前がふっと暗くなる眼前暗黒感のことを、失神前兆と呼んだりもします。
脳の血流が悪くなり、虚血状態となっているため、めまいとは少し異なった感覚ですが、この立ちくらみや眼前暗黒感を「めまいがした」と言う人も多いことから、めまいの分類として入っています。
ふわふわ浮いているような浮動性・ふらふらする動揺性のめまい
この浮動性・動揺性のめまいは、自分が宙にふわふわ~っと浮いているような感覚を伴い、ふらふらと身体がふらつく症状が出るものを言います。
このようなめまいは脳の脳幹や小脳が発生部位となっています。脳幹や小脳は中枢神経とも呼ばれ、脳の中でもとても重要な部位になってくるため、浮動性・動揺性のめまいは注意が必要と言われています。
しかし、危険な症状なのかそうでないのかは、眼前暗黒感や浮動性・動揺性、回転性などのめまいの症状だけでは判断することができません。
軽くふらつく程度の人は多くおり、その原因も
- 全身性
- 中枢性
- 薬剤性
- 心因性
などに分けられ詳しい検査をしなければ分からないことがほとんどです。
ぐるぐると回るような感覚を伴い立つのが困難になる回転性のめまい
この回転性のめまいは、天井がぐるぐると回っているような感覚に陥り、平衡感覚がつかめなくなり立っていることが難しくなる症状が現れます。
回転性の場合は、吐き気などの症状も一緒に出てくるので分かりやすいです。
耳の中にある三半規管が発生部位で、リンパ液が増加してしまったり、炎症を起こしてしまっている場合があります。
- リンパ液が増加する病気をメニエール病
- 炎症を起こしてしまう病気を内耳炎や前庭神経炎
と呼びますが原因はどちらも同じです。
診療する必要のないめまいと診療が必要なめまいの症状と分類
めまいには特に心配するひつようのないめまいと、早めに診療を必要とするめまい、更にはただちに受診すべきめまいの分類があります。
自分のめまいがどれに当たるのかをチェックしてみましょう。
<診療の必要のないめまい>
主な症状 | 可能性のある病気 |
---|---|
急に身体を動かすと強い回転性のめまいを発する | 良性発作頭位めまい症 |
頭痛や頭の重さを感じ、浮動性・動揺性のめまいを発する | 緊張型頭痛 |
浮動性・動揺性のめまいを発症し、全身に倦怠感、頭重感 体重減少、食欲不振、睡眠障害などがある |
心因性の反応、ストレス |
女性の更年期障害 | 不定愁訴症候群 |
<早めに診療した方が良いめまい>
主な症状 | 可能性のある病気 |
---|---|
耳鳴りや難聴の症状がある回転性のめまい | メニエール病 |
突然音が聞こえなくなる(難聴) | 突発性難聴 |
風邪をひいた後になる回転性のめまい | 前庭神経炎 |
耳鳴りやめまいを伴いながら聴力が落ちる | 聴神経腫瘍 |
手足がしびれたり麻痺したりするめまい | 椎骨脳底動脈不全症 |
めまいを起こし血圧が著しく急激に上昇する | 高血圧脳症 |
めまいを起こし、血圧が低い | 起立性低血圧 |
そのほか、頻繁にめまいを感じる | 糖尿病の合併症で起きる自律神経障害 血圧を抑制する薬の副作用 起立性調整障害 シャイ・ドレーガー症候群 副腎皮質や脳下垂体など内分泌の病気 |
<直ちに受診した方が良いめまい>
主な症状 | 可能性のある病気 |
---|---|
※お年寄りや高血圧な人 回転性の強いめまいが起き、嘔吐を伴う。 手足に麻痺がないのに身体のバランスが取れず歩くことができない |
小脳出血 |
めまいが起きると同時に頭痛や吐き気や嘔吐を起こし、左右どちら かの顔の感覚が鈍くなる、声が出にくい、物を飲み込みにくい |
脳梗塞 |
突然音が聞こえなくなる(難聴) | 突発性難聴 |
失神してしまう | 脳貧血 |
眼前暗黒を感じるタイプのめまいが発生する主な原因とは
眼前暗黒感を感じるめまいにはおおまかに4つの原因が隠れています。
次の内どれに当てはまるかを調べ、対処してくださいね。
循環器系が原因の障害で起きている可能性
心臓に何らかの異常が発生し、心臓から出される血液量が減少してしまうと、血圧が低下し、脳に十分な血液を送ることができなくなってしまいます。
そうすると、目の前が真っ暗になったように感じ、倒れてしまいます。
原因は心臓にあるので、そちらをしっかり対策することが大切になってきます。内科、循環器科を受診することをお勧めします。
体位変動による起立性低血圧が原因で起きている
立ちくらみのことを一般的に、起立性低血圧と呼びますが、座ったり寝ている安静時の状態から、突然立ち上がると、頭の位置が急激に上がるため、それに伴い血液も一緒に持ち上げる必要があります。
そのためには血圧が高くならければいけませんが、何らかの原因で血圧があがらないため、立ちくらみを起こすのです。
一番多い原因が、自律神経失調症で、血圧自体は自律神経がコントロールしているため、この自律神経が上手く働かないと血圧を身体の状態に合わせて上げたり下げたりができなくなってしまいます。
服薬中の薬による副作用で起きている可能性
服薬している薬の副作用によって血圧が低下し、脳が虚血状態になっていまい、眼前暗黒感をともなうめまいを引き起こすこともあります。
この場合、原因となる薬の多くは降圧剤で、高血圧の人が処方された降圧剤を飲み、薬が効きすぎたことにより血圧が下がりすぎてしまうことでこの症状が出ると言われています。
必要以上に血圧が下がってしまうケースがあるので注意が必要です。
その他の要因が原因で起きていることも
人はショックな出来事が起きてしまうと急激に血圧が下がることがあります。
結果、脳が虚血状態となり、倒れてしまいます。更に、アナフィラキシーショックなどのアレルギー反応でこの症状が起こることもあります。
また、飲酒のしすぎで自律神経が麻痺を起こしてしまい、血圧が急激に低がり、眼前暗黒感を伴うめまいになることもあります。
ふらふわ、ふわふわする浮遊性・動揺性のめまいを引き起こす原因とは
ふわふわしたり、ふわふわしたりする浮遊性・動揺性のまめいが症状として出る場合に考えられる原因は大きく2つあると言われています。
自律神経の乱れが原因で起こっている可能性
まるで雲の上を歩いているようにふわふわしたり、平衡感覚がなくなってふらふらとしてしまう浮遊性・動揺性のめまいの主な原因は、ストレスなどによる自律神経の乱れと言われています。
ストレスが過度にかかると、こういった症状が出てくることがあり、自律神経が乱れることによって自律神経失調症を引き起こしたり、うつなどの症状になる人もいます。
また、自律神経の乱れはめまいだけではなく、耳鳴りも併発することが多いです。
更に、
- 頭痛
- 不眠
- 頭がボーッとして重たく感じる症状
なども自律神経失調症によくある症状です。
服薬中の薬による副作用が原因で起きている可能性
こちらもまた、眼前暗黒感を伴うめまいと同じく、服薬している薬が原因になっていることもあります。
お医者さんからお薬をもらっている方は、めまいが起きたことを報告し、きちんとお薬の副作用について聞き、指示を仰いで下さい。
メニエール病やぐるぐるとした回転性のめまいを引き起こす原因とは
ぐるぐると回転するようなめまいの場合は、大きく2つの原因があります。メニエール病の危険も伴っていますので、きちんと病院で診断してもらうようにしましょう。
三半規管の異常、血行不良が原因で起きていることも
ぐるぐると天井が回転するように感じる回転性のめまいが起きる原因は、耳の奥にある三半規管が原因の部位となってきます。三半規管は、平衡感覚を司るものです。
耳の奥にあるものなので、耳鼻科で原因が判明することもありますが、
- 三半規管の血行不良
- リンパ液の増加
がきっかけで起きるめまいのケースだと耳鼻科では判別がつかないことがほとんどです。
メニエール病が原因となっている可能性
最近では芸能人や著名人でも多くこの病気を発症している人がいることから、耳にすることが増えた病名ですよね。
メニエール病とは、三半規管にあるリンパ液が増加し、内リンパ水腫になってしまった状態のことを言います。
めまいが起こるのと同時、または少し前から、片耳に耳鳴りが起きたり、閉塞感を感じて難聴になります。めまいを繰り返す間隔は個人差があり、数日や数週間から、数ヶ月や一年に一回などさまざまです。
特徴としてはぐるぐると回転する激しいめまいが30分から数時間にかけて起きることです。
めまいが落ち着くと同時に、耳の閉塞感や難聴は軽減されていきますが、何度も繰り返している内に、めまいがおさまっても耳鳴りや難聴が残るようになります。
更に、めまいが激しいときは
- 耳の閉塞感や難聴
- 吐き気や嘔吐
- 冷や汗や動悸
などの症状も現れ、めまい以上にこれらの症状の方が辛い、という話もよく耳にします。
メニエール病は専門医しか判断、治療ができないものなので、疑いを持ったら慌てず、症状が落ち着いてから専門医で診察してもらいましょう。
めまいと共に生じることの多い耳鳴りとは一体なんなのか
めまいと密接な関係にあるのが耳鳴りですが、なんと人口の10~15%は常に耳鳴りを感じるという症状を持っています。
耳鳴りとは周囲に音がしていないにも関わらず、音が鳴っているように感じることを言います。
体内で鳴っている心臓の音や呼吸音が聞こえる場合は、耳管と呼ばれる耳から鼻にかけて取っている管が開きっぱなしになってしまっていることが原因です。
また、耳鳴りは自律神経失調症で血液の流れが悪くなってしまうことによる血流障害が原因だと言われています。
更に自律神経失調症は、免疫力も低下してしまうため、耳の奥が細菌に感染し、炎症を起こし、結果耳鳴りになってしまう、ということも考えられています。
そして、免疫力の低下に伴い、ヘルペスウイルスなどから帯状疱疹になり、それがきっかけで耳鳴りを発症することも分かっています。
この耳鳴りは難聴を伴うことが多く、人の声や周囲の音が聞こえにくく感じたり、耳鳴りとして感じている音(時計の動く音)と同じ質の音が聞こえないこともあります。
めまい・耳鳴りを感じたときはどう対処したらいいのか
めまいや耳鳴り、難聴の症状を感じたら、まずはとにかく休むようにしましょう。
こういった症状が現れたとき、病気などではない限り、ほとんどの原因はストレスや自律神経が乱れてしまう自律神経失調症です。
また、メニエール病もストレスと睡眠不足が原因だと言われています。ゆっくりと休養を取り、しっかりと身体を休め、眠る時間を増やし質の良い睡眠を得るようにしましょう。
もう少しで終わるから…、と無理をしてしまうと更に症状は悪化します。
肩こりや首のこりからめまいや耳鳴りが起こることもあるので、首をゆっくり回したり、首回りから肩にかけてのリンパをマッサージしてあげたり、ホットタオルで温めるのも良いです。
- 15秒ほど時間をかけゆっくりと同じ方向に首を回します
- 3回ほど回したら逆方向に同じように時間をかけて回しましょう
- 1日5セット繰り返し行いましょう
- タオルに水を含ませレンジで温めます
- 首や肩にタオルを当て数分間放置しましょう
耳鳴りを感じる方の肩や首を温めるのも良いです。
めまいの症状がひどい場合はメニエール病のほか、小脳などが原因で起こっていることもありますので、検査を受けるようにしましょう。
めまいの症状が出たときは何科で診察してもらえばいいのか
症状が改善されない、気になるという方は、まず耳鼻科を受診しましょう。耳鼻科でなんの異常もないと言われたら、脳外科、脳神経外科を受診すると良いです。
そうすれば、大きな病気が隠れている場合、見つけてもらいやすいですし、どこが原因なのかが分かります。
また、メニエール病や精神的なことが原因であると言われた場合は、心のケアをメインに取り扱う心療内科や、精神内科に行くこともお勧めします。
ただ、心療内科や精神内科で安定剤などをもらって自律神経を整えることも大事ですが、一番は生活スタンスを変え、自律神経の乱れ自体を整えることが効果的なので、精神薬に頼ってしまう前に、
- 生活改善
- ストレス解消
に取り組むようにしましょう。
大事なことはストレスや疲れを溜めない・発散・解消すること
いかがでしたか?めまいと一口に言っても種類もあり、それぞれ原因が違うことが判明しましたね。症状に身に覚えがある方は、まずはゆっくりと身体と心を休めるようにして下さい。
ストレスを上手に発散・解消できるようにリラックス・リフレッシュすることを忘れずに、また、不規則な生活をしている人は生活改善をして、自分の身体と心を大切に扱って下さいね。
そして、ひどい症状の場合は我慢せず、きちんと病院で診察してもらうようにしましょう。
めまいや耳鳴りは軽視しがちですが、悪化してしまうと日常生活を送ることも困難になってしまうことがあります。
自分の身の危険を察知できるのは自分だけですし、身体から発せられる危険信号は無視しないように、決して軽視せず、異常を察知したら自分を守るためにお医者さんに行くようにしましょう。
Sponsored Link
コメント一覧
いつも元気に❗