女性の体の不調は脳疲労が原因?脳疲労の症状と回復方法
Date:2016.03.15
最近なんだかだるい、集中できない、考えがまとまらない…なんてことはありませんか?
実はそれ、脳が疲れているせいかもしれません。
脳疲労は、些細なミスから大きな病気まで、さまざまな症状を引き起こす原因になります。脳疲労とは何か、どうして脳疲労を起こしてしまうのか、その症状と対策をご紹介します。
脳が疲れるってどういうこと?脳疲労のメカニズムとは
そもそも、“脳が疲れる”とはどういう状態なのかをご説明します。
大脳新皮質は“理性の脳”といわれ、
- 言語
- 理論
- 芸術
といった身体の外側からの情報を処理する働きを持っています。
そして、大脳旧皮質は“本能・情動の脳”と呼ばれる
- 喜怒哀楽や快不快
- 食欲や睡眠欲
といった生理的欲求などの内側からの情報を処理します。
通常はそれぞれがバランスを保っているのですが、外部からの情報が多いと大脳新皮質がその情報を処理するためにフル回転します。
つまり脳疲労とは、脳内の理性と本能のバランスが崩れ、理性が本能を抑圧してしまい生理的欲求や喜怒哀楽を司る本能の脳が上手く働かなくなってしまう状態のことです。
女性のほうが脳疲労による影響を受けやすい?女性と脳疲労の関係
女性や若い人ほど脳疲労を起こしやすいと言いますが、実際は女性の方が脳疲労の影響を受けやすいということかもしれません。
脳疲労によってホルモンバランスや自律神経が乱れると、さまざまな症状が起こります。
脳疲労が女性の体に異常をきたす!ホルモンバランスの乱れ
女性の体は繊細で、ストレスや不規則な生活などちょっとしたことでもホルモンバランスは崩れてしまいます。
ホルモンバランスの乱れは、女性特有の症状として現れます。
- 生理不順
- 生理痛
- PMS(月経前症候群)
- 不妊
他にも、肌荒れやニキビが出来やすくなったり更年期障害にも影響が出ます。
女性ホルモンの量は、一生でティースプーン1杯分だと言われています。
たったそれだけしか分泌されないのですから、ほんの少しの分泌量の変化が体に大きな変化を及ぼすのも納得できます。
ホルモン分泌の指示は脳が出しています。ホルモンバランスの変化は分かりやすく体に出るので、“女性の方が脳疲労の症状がはっきりと出やすい”ともいえるかもしれません。
脳疲労で症状が悪化する!?女性の更年期障害
更年期障害は、閉経によってホルモンバランスが乱れることで起こるものだと言われています。しかし、更年期障害は人によって症状に差があります。
更年期障害の症状には、
- ほてりや動機など自律神経による症状
- 情緒不安定やイライラなどの精神的症状
があります。
脳疲労によって自律神経や精神活動に異常が出れば、更年期障害の症状も重症化すると考えられます。脳疲労は様々な症状を深刻化させてしまうのです。
ダイエットはストレスのもと!女性は美のために本能を抑圧する
ダイエットは、
「食べたい」
「休みたい」
という本能を抑圧するストレスの元凶です。
若い女性が体重を気にするのは今も昔も同じかもしれませんが、今は30代・40代・50代の女性までも若さを保とうと体重を気にし、「食べたい」という本能を抑圧し続けています。
変な言い方かもしれませんが、そもそも本能に従って「食べたいときに食べたいものを食べたいだけ」食べていれば太ることなんてありません。本能は、その人に必要なものを必要なだけ欲するように指示を出すのです。
実際に、本能に従って生きている野生の動物は肥満になることなどないのです。しかし、便利すぎる私たちの世の中は、脳をだまして本能を鈍らせてしまいます。
栄養がたっぷり含まれている天然の食材は、栄養の少ない食材よりも甘いことはよく知られています。脳も甘いものには栄養がたくさんあると知っています。しかし、今の時代は化学調味料によって甘くても栄養がないものばかりです。
そういった脳をだます食べ物が多いため、本能を抑圧して食事制限をする必要が出てきたとも言えます。
脳疲労で頭も身体もうまく働かない!脳疲労の症状とは
大脳新皮質と大脳旧皮質は、それぞれが必要だと判断したことを自律神経やホルモンバランス、睡眠や食欲を管理している間脳に指令を出します。
しかし、間脳に大脳新皮質と大脳旧皮質のバランスが悪くなり、間脳へばらばらな指令がいくと間脳はその指令を上手く処理できなくなります。
脳疲労の症状
- 食欲異常(肥満・生活習慣病)
- 食欲が制御できなくなると食べても満足感が得られなくなり、過食になってしまいます。また、味覚が変化し甘いものや油っこいものを好むようになったり、何を食べてもおいしく感じなくなったりします。その結果、肥満や生活習慣病を引き起こします。
- 自律神経異常(自律神経失調症・更年期障害)
- 自律神経は心拍や血圧など、生きるために必要な機能の調整をしています。この自律神経に異常が出ると、“休みたいのに休めない、動きたいのに動けない”というふうに身体が思うように活動しなくなります。
- 内分泌異常(無排卵症・無月経症)
- 内分泌に異常が出るとホルモンの働きが乱れ、月経不順が起こります。月経不順が悪化すると、
- 無排卵症
- 無月経症
になってしまいます。
- 精神活動障害(精神障害・うつ病)
- ストレスに過剰に反応してしまい“キレる・ひきこもる”ようになったり、感情に鈍くなり笑ったり泣いたりすることができなくなり、さらにはうつ病になってしまいます。
- 認知能力の低下
- 理解力・判断力・記憶力・表現力・思考力・注意力・集中力の低下。認知能力が低下すると、些細なミスが増えたりマイナス思考に陥りやすくなります。
脳疲労は誰にでも起こり得るものです。脳疲労かどうかを判断するテストがあります。その中で一般の人にも分かりやすい11項目をご紹介するので、自己診断してみてください。
「脳疲労度」の自己診断11ヶ条
- 夜中に目が覚めたり、用もないのに朝早く目覚める
- 寝付きが悪い
- 食事がおいしいと思わない(習慣で食べるか、無理に食べる)
- 便秘する
- からだを使わないのにへとへとだ
- 気持ちが沈んで暗い
- 希望が持てない
- 考えがまとまらない
- イライラする
- 不安だ
- 自分は価値がない人間だと思う
上の11項目の内、1つでも毎日続いている人、週に2~3日以上ある項目が3つ以上ある人は要注意です!「脳疲労」という症状は目に見えるものではなく、その判断も難しいと言われています。
「もしかしたら」と思う節があるのでしたら、専門医の診断を受けてください。病院では受診する科によって診断が変わってきてしまう可能性があるので、脳疲労の専門医がいる病院を受診しましょう。
脳疲労は休んでも治らない、脳の疲労と肉体疲労の違い
脳疲労と普通の疲労は見た目では判断できないので、脳疲労であっても普通の疲労と思い込んで対処が遅れると、症状が悪化してしまうことがあります。
- 疲労………身体だけ疲れているのが疲労(肉体疲労)
- 脳疲労……身体の疲れに気分の落ち込みや不安定な感情の波を伴う
脳疲労は身体の疲労に心の疲労も伴います。脳疲労によって感情を安定させるホルモンの分泌が行われていないため、気持ちを落ち着かせたり気持ちの切り替えができなくなります。
また、脳疲労が強い人は五感に異常が起こります。なかでも特に味覚に異常が出やすく、味の濃いものや油っこいものを好むようになり、いくら食べても満腹感が感じられないなどの変化が起こります。
最近疲れていて“食べ物の好みが変化した”という人は、ただの疲労ではなく脳疲労である可能性が高いです。
多すぎる情報とストレスが脳を疲れさせる!脳疲労の原因
脳疲労の原因は「多すぎる情報」と「過剰なストレス」です。
脳疲労の原因
- 情報過多
- ストレス過多
これらがどうして脳疲労の原因になるのか、詳しくご説明します。
電子機器の情報が脳の負担に!情報過多による脳疲労
スマホやパソコンの普及により、昔に比べて得られる情報量が格段に増えました。自らが調べて得る情報だけならば、それほど脳に負担はかからないでしょう。
しかし実際には、自分にとって必要のない情報の方が多く、何もしていなくても勝手に耳に入ってきたり目に入ってきたりします。そうやって、勝手に入ってくる情報でも脳は処理しようとしてしまうために脳疲労が起こります。
また、少しでも暇があればスマホをいじったりゲームをしてしまうという人も多いでしょう。なんとなくしていることでも、脳は必死に考えて情報を処理して判断を下しています。
多くの人が、脳に休む時間を少しも与えないように自らがしてしまっているのです。
便利な世の中は考えることはいっぱい!ストレスによる脳疲労
職場で家庭で人間関係での悩み事や心配事、人目を気にして我慢していること、将来への不安、そんなこと誰にだってありますよね。私たちの頭はそんなことでいっぱいです。
しかし多くの人が、真面目で何事もスマートにこなそうとし、ストレスを感じていても感じていないふりをします。
生活が便利になった分、私たちが一日にできることはとても多くなりました。誰もが忙しく、悩み事がいっぱいな頭で、多すぎる情報中で過ごしていれば、脳がパンクしてしまうのは当然です。
脳疲労回復には本能に従うのが一番!脳疲労の回復方法
脳疲労の回復には、脳を休めること方法、抑圧されている本能の脳の抑圧を減らす方法、本能を取り戻す方法があります。
- 疑似回復法(カフェイン、栄養ドリンクなどの摂取)
- 運動
- 食事
- 昼寝
- 目元を温める
- 血流を良くする
- 五感治療
脳疲労には、頑張りすぎている脳への栄養補給と休息・ストレス解消が必要です。
疑似回復法は、実際には脳疲労を回復させることはできませんが、疲労を麻痺させて一時的にやる気を起こさせる方法です。
疲労している脳をだまして更に酷使しようとする方法ですが、どうしても無理をしなければいけない時は誰にでもあります。そんな時には、必要な方法かもしれません。
運動には、血流を良くしてストレスを軽減させる効果があります。また習慣的に運動をすることで、質のいい睡眠や食欲改善にもつながるので、脳の疲労回復だけでなく疲れにくい脳にしてくれます。
理性を取り除き抑圧された本能を取り戻す!五感治療とは
五感とは、視覚・嗅覚・触覚・味覚・聴覚のことです。五感療法とは、五感を敏感に働くように活性化させて脳の疲れをとるという方法です。
そもそも五感は、生きていくための情報や危険から身を守るための情報をキャッチして脳に瞬時に送るセンサーでもあります。
五感の送った情報から身を守るために、血圧を上げて素早く行動できるようにするなど、脳は様々な指令を体中に送ります。このように五感と脳は直結しているのです。
しかし、情報過多な現代では身の回りの情報をすべて拾うことなどできません。多い情報の中で最低限必要なものだけを拾い上げるようになると、自然と五感の情報も鈍くなってしまいます。
脳疲労によって五感が鈍くなると、味の違いや季節の微妙な変化も分からなくなってしまいます。逆に、五感が鈍くなることで脳疲労を起こしてしまうこともあります。
本能に従って好きなことを好きなだけ!快食療法とは
快食療法とは、五感療法の中で最も“誰でもはじめやすく効果の高い方法”です。
快食療法は、自然界の動物のように本能に従って食事をすることで、抑圧されて乱れてしまった人間の本能を取り戻そうという方法です。
つまり、野生の動物のように“食べたいときに食べたいものを食べたいだけ食べる”ということです。
- 禁止を禁止する(大脳新皮質の負担を軽減)
…身体にいいことでも嫌なことは絶対にしない、嫌いなものは絶対に食べない - 好きなことをする(大脳旧皮質の回復)
…身体に悪いことでも好きなことはする、身体に悪くても好きなものを食べる
【快食療法のやり方】
- お腹がすいたら食べる(3食や食事の時間にこだわらない)
- 好きなものを好きなだけ食べる
- まわりの人と楽しく食べる
- 心行くまで食べる
【注意点】
- 本能に従うことに罪悪感を抱かない
食事のときは、つい「身体に悪いからやめておこう、こんなに食べたら太ってしまう」などいろいろ考えてストレスを感じながら食べるという人は多いでしょう。
そういった理性を無視して行動するというのは、最初は抵抗があるかもしれません。しかし、罪悪感を感じてしまっては意味がありません。
快食療法では、好きなものを好きなだけ食べて、食べることの喜びを感じましょう。ケーキをホールごとすべて食べてもかまいません。
最初は偏った食事になるでしょうが、本能が正常に機能しだせば、身体に必要なものを欲するようになり身体に有害なものや必要ないものは拒絶するようになります。
すると、自然と余分な脂肪もなくなってきます。そのため、快食療法は肥満治療としても有名です。本能が正常に働くようになれば、脳疲労も回復し精神面、体調面でも改善がみられるはずです。
五感を刺激して本能を取り戻す!その他の五感療法
五感療法は快食療法だけではありません。嗅覚・触覚・味覚・聴覚を使った治療法もあります。
- 快香療法
- 好きな香りでリラックスする
- 快景療法
- 自然の情景など気持ちのいいものを見る
- 快響療法
- 耳に心地のいい音、民謡・童謡・懐かしい音楽を聴く
- 快触療法
- 人に手で直接触れる
脳疲労だと感じていなくても、普段から「自分が心地いい」と思うことを積極的にするだけでも、脳にはいい影響になります。
脳疲労を予防する!ストレスを感じない脳をつくる!
今の時代、脳疲労の原因である多すぎる情報やストレスを避けることは困難です。ストレスを避けたり解消するのも大変です。
ストレスを感じない脳を作るのが一番です。そのためには、運動や食事など生活習慣を整えるのもいいですが、簡単にすぐ出来るものでもありません。
そこで、脳疲労を防ぐために誰にでもすぐにできる方法があります。自分が「快」と思うものを用意しておいて、必要な時にすぐ「快」になれるようにするのです。
心から安らげるもの、心から笑えるものや楽しいと思うこと、落ち着くものなど何でも構いません。そういったものを日常の中に増やしていくと、自然と脳の切り替えが上手くできるようになってストレスを感じにくくなります。
脳疲労は様々な病気の原因になります。ストレスの多い世の中で、少しでも心地よく過ごすためには「体も心も脳も」元気でなくてはいけません。
何かと制限の多い世の中ですが、少しの時間だけでも“好きなことを好きなだけする時間”をつくってみてはどうでしょうか。
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