布ナプキンの使い方。外出OK、夜もぐっすり!の意外な魅力
Date:2016.04.06
布ナプキンを使ったことがありますか?
布ナプキンとはその名の通り、布で作られた生理用ナプキンのこと。使い捨てしないので経済的で環境に優しく、肌触りがよいため、愛用者が急増しています。
「興味はあるけど、始めるには勇気がいるなあ」という方も多いでしょう。
そこで、市販のケミカルナプキンを布ナプキンに変えることで起こり得る、嬉しい変化を解説します。
1.エコなだけじゃない、「私」にも優しい布ナプキン
使い始めたとたんに魅了され、愛用者になる人も多い、布ナプキン。ナプキンを布製に変えると、いったいどんなメリットがあるのでしょうか。早速見ていきましょう。
(1)なんといっても心地よい、下着と同じようなつけ心地
布ナプキンの一番の特徴は、なんといっても肌触りの心地よさでしょう。素材が布ですから、普段から肌に触れている下着と感触にあまり差がありません。
一度試してみると実感しますが、いつものショーツと似たふわりとしたつけ心地。これは、やはりほっとします。
ケミカルナプキン特有のクシャクシャした感触もありませんし、交換時の音に気をつかうこともなくなります。
夏場のお風呂上がりにはさらりとした感触が気持ちよいですし、冬の寒い日などは、布特有のほんのり温かい肌触りに肩の力が抜けるでしょう。
(2)月経時のにおいが気にならなくなる
女性の多くが気にしている、生理中のあの独特のにおい。実は、血液のにおいではありません。
高分子吸収剤とは、経血を固めるために使用されている、合成化合物質のこと。これが血液と融合して化学変化を起こすことで初めて、あのにおいを放ちます。
布ナプキンにはこの合成化学物質が使用されていませんから、発生するのは血液のにおいのみです。それは気にならないの?と疑問に思われるでしょうが、実際に布ナプキン愛用者のほとんどが「気にならない」と感じるようです。
(3)蒸れ・かぶれ・かゆみが少なくなる
布ナプキンの一番の特徴は「下着と同じようなつけ心地」とご紹介しましたが、この感触は蒸れやかぶれ対策にも有効です。
ナプキンを付けていると、なんだかゴワゴワして気になったり、かぶれやかゆみが起きたりして、生理中のイライラが余計ひどくなってしまうことってありませんか?
かぶれやかゆみの原因は、ずばり「蒸れ」です。ケミカルナプキンは通気があまり得意ではなく、デリケートゾーンに触れる部分は一般的に不織布で出来ています。
これが衣服や下着で圧迫されて肌に張り付き、蒸れるのです。
また、
- ナプキンの繊維による「摩擦」
- 経血が不織布上にとどまり空気に触れることで起きる「細菌増殖」
- ストレスによる皮膚の「免疫力低下」
なども、かゆみやかぶれを増進させます。
普段の下着と同じ素材の布ナプキンを選ぶことで、まずこういった不快感からも解放されることでしょう。
(4)ストレスを軽減し、つらい生理痛を緩和する
素材を変えただけで生理痛がなくなる、とは言えません。が、愛用者の多くが「どうしようもなかった生理痛が楽になった」「生理中のストレスが軽くなった」という感想を口にするようです。
このホルモンが過剰に分泌されると生理痛が起きるのですが、過剰分泌の原因として
- 無防備な下半身から迫る「冷え」
- ストレスによる「女性ホルモンの乱れ」
などが挙げられます。
小さな肌ストレスでも、蓄積されると潜在意識に大きく働くことがあります。とくに生理中は肌も敏感です。
布ナプキンを使用することで、
- チクチクやかゆみ
- かぶれによる痛み
- 生理時の冷え
などが解消され、ストレスによる生理痛が緩和されることも充分あり得るでしょう。
(5)おりもの・軽い尿モレ対策にも使える
おりものや軽い尿モレなどに悩んでいる方、女性には多いですよね。布ナプキンは洗って何度も使えますから、おりものシートの代用品にもオススメ。
ちなみに布ナプキンの耐用年数はだいたい3〜5年と言われています。これは、生理時のみの使用でも充分モトがとれる年数です。
もちろん毎日使うのであれば年数は短くなりますが、市販のおりものシートを使い捨てるよりはぐっと経済的と言えるでしょう。
頻繁に身につけるものならば、好きな柄を選べる所もオススメポイントです。
(6)経血・おりもののチェックがしやすい
布ナプキンを使用するには「洗う」という行程が不可欠。少々面倒ではありますが、この行程があることにより自分の体調のチェックが習慣的に出来ます。
(7)可愛い?セクシー?好きな柄を選び放題!
女性には嬉しい「お気に入りの一枚を選べる」ことも、布ナプキンの大きな魅力。
専門メーカーはもちろん、今は個人のネットショップなどでも、丁寧な作りで色とりどりの製品を見比べることができます。
ケミカルナプキンでは見られない個性的な柄や、気分のあがる可愛い柄、大人っぽいセクシーな見た目など……
ショーツやブラと同じように、自分らしい商品を徐々に増やしていくのもいいですね。
一度買ってしまえばその日の気分で好きな柄をチョイスできるので、小さな楽しみになるかもしれません。
ハンドメイドが好きな方なら、自分の好きな布で自由自在に作れるのも良い所です!
2.ためらう理由は?布ナプキンのデメリット
何事も良い面ばかりではありません。布ナプキンにチェンジすることで起こりうるデメリットを検証していきましょう。
少しの工夫で解決できることも多いようです。
(1)「どこでもすぐ」には、手に入らない
ドラッグストアやコンビニでも買えるのがケミカルナプキンのメリット。布ナプキンは、こうはいきませんよね。
布ナプキンを使い始めたからといって、無理に「布だけ!」と決める必要はありません。忘れたら市販のナプキンで間に合わせるのももちろんOK。
実際、愛用者さんの中にも「多い日はケミカル、それ以外は布」など使い分けていらっしゃる方が多いようです。
自分のための道具ですから、あまり固く考えず、臨機応変に対応しましょう。
(2)外出時、ポーチの中身が気になる
使い捨てナプキンの場合、使用済みのものを捨てて新しいものに取り替えますから、外出先から帰宅するころにはポーチの中が少し軽くなっていることが多いでしょう。
布ナプキンは持ち帰るため、カバンは軽くなりません。
また未使用の方には「においが漏れないか心配」「血が落ちなくなってしまうのでは」という不安もありますが、こちらはあまり心配いりません。
洗浄液を小さなスプレーに入れておき、使用後すぐに吹きかけてからビニールに入れると、血液の跡も残りにくいです。
(3)それなりの初期費用がかかる
使い捨てナプキンより単価の高い布ナプキン。これが原因でためらっている方も多いのではないでしょうか。
一週間通してつけるのではなく、初心者の「お試し程度の使用」を想定した場合、布ナプキンの導入に必要なものはだいたい以下のようになります。
- 布ナプキン(2〜3枚)
- 洗浄液(市販品が手軽です)
- 小さなバケツ(蓋のできるもの)
- ジッパー付きビニール袋
- ポーチ
ビニール袋とポーチは外出用ですので、まずは自宅で試したいという方には必要ありません。
これら全てを購入したとして、初期費用は約1万円前後といったところでしょう。
(4)洗う手間がかかる・家族の目にふれる
布ナプキンの洗濯は、下記の三段階。
- つけおき
- 軽く手で洗う
- 洗濯機
洗浄液に数時間つけておいた布ナプキンを、手袋をつけた手で少し揉み、きれいな水ですすぎます。あとは洗濯機に入れるだけ。
数分で終わる作業ですが、どうしても抵抗があるという人もいるでしょうし、生理時の痛みがひどくて続けられない……というケースもあるでしょう。
また、つけおきには蓋付きのミニバケツ等を使いますが、それでも家族の目にふれるのが気になる……という場合もあるかもしれません。
(5)排水に気をつかう
洗濯機では普通に洗えばよいのですが、一番最初の「つけおき」段階で出る、汚れた洗浄液。これは衛生面を考えると、トイレなど下水に流すのがよいとされています。
3.体調に合わせて選べる!布ナプキンの種類とそれぞれの特徴
布ナプキン、と一口に言っても、様々なタイプ・形があります。
メーカーごとに個性的な製品が販売されウリもそれぞれですが、大きく分けると以下の3つが主なタイプです。
一体型のクリップオンタイプ
「クリップオンタイプ」とは、両端に付いたスナップなどでショーツに固定するタイプ。使い捨てナプキンと同じようなイメージで固定でき、ズレたり落としたりする心配がありません。
一体型は、ナプキン本体に吸水シート・防水シートが内蔵されており、一枚で使えるタイプです。布の厚みが比較的少なく、アウターに響きにくいです。
高機能薄型吸収体を使用した、特に薄手の製品も販売されています。
一体型のクリップオンタイプの特徴は、下記のとおりです。
- ショーツに直接固定できる。
- ズレる心配や漏れる心配が少ない。
- うっかり落とす心配がない。
- 一枚でサッと使えるため、取り替えの手間が少ない。
- 比較的薄手で、アウターに響きにくい。
- 防水シート・薄型吸収体で、比較的蒸れやすい。
- 生地や吸収体が何層にも重なっているため、洗濯後多少かわきにくい。
- 価格がやや高い。
組み合わせ型のクリップオンタイプ
スナップなどでショーツに固定できる型のうち、吸水パッドとホルダー(本体)を組み合わせて使うタイプです。
一体型と同じく、ズレたり落としたりする心配はありません。
組み合わせ型の場合、ホルダーの内側から吸水パッドを抜き出して交換します。
少々手間は増えますが、持ち歩くナプキンの量が減る、洗濯物の量が減るなどのメリットがあります。
組み合わせ型のクリップオンタイプの特徴は、下記のとおりです。
- ショーツに直接固定できる。
- ズレる心配や漏れる心配が少ない。
- うっかり落とす心配がない。
- パッドが取り外しできるので、荷物と洗濯物の量が減る。
- パッドのみ買い替え・作り替えができる。
- 取り替えに少し手間がかかる。
- 価格がやや高い。
ハンカチタイプ
プレーンタイプとも呼ばれます。その名のとおり四角いまっさらなタイプで、びょうぶだたみや三つ折りにして使います。スナップなどはついていません。
中央部の生地を重ねて吸収力を高めたタイプが一般的です。重ね使い用のミニサイズ、夜用のたっぷりサイズなど種類が豊富です。ハンドメイドでも作りやすいタイプです。
ハンカチタイプの特徴は、下記のとおりです。
- 価格が比較的安い。
- 枚数やサイズ・たたみ方で、厚みや幅など自由に調整できる。
- 広げて干せるので乾きが早い。
- シンプルなので干しているときナプキンと分かりにくい。
- 防水布なしのものを選ぶと通気性がとてもよい。
- クリップオンに比べて厚みがある(アウターに響く)。
- ショーツに固定されていないので、ズレ・落としに要注意。
4.つけおきで楽チン♪布ナプキンの洗い方
基本的にはつけおき洗いで血液を落とします。それから洗濯機にぽい、でOK。具体的な手順を見ていきましょう。
洗浄液に浸せばOK! つけおき洗い
用意するものは
- つけおき用容器(アルミ製や木製は避ける)
- ナプキンが浸る量の水
- アルカリ性洗浄剤
以上です。気分によっては
- 好きな香りのエッセンシャルオイル
を加えましょう。
手順は以下の通りです。
- 洗浄剤の溶液を作る(製品指示に従ってください)
- ナプキンをつけておく(ひたひたに浸れば数枚重ねてOK)
- 3時間〜半日くらい置いたら、きれいな水ですすぐ
- 血が落ちたら洗濯機で洗い、干して乾かす
意外と簡単ですね。
洗濯時のコツと、注意すること
つけおき用の洗浄剤は、布ナプキンと一緒に売っていることが多いです。この洗浄液はアルカリ性です。アルミ製や木製の容器はアルカリに弱いため、避けましょう。
また、手洗いするときには厚手のビニール手袋を着用しましょう。
血液は普通の汚れと違い、お湯で洗うと凝固して落ちにくくなります。
つけおき・洗浄の際はぬるま湯以下の温度で洗いましょう。すすぎ以外は、冷めていればお風呂の残り湯でも大丈夫です。
洗濯機で洗う際には、他の洗濯物への汚れ移りを防ぐため、血がきちんと落ちているかを確認してください。
また柔軟剤は控えた方が無難です。(吸水性が落ちる可能性があります)
ナプキンを洗うときは、ゴシゴシせず軽く揉むようにしましょう。生地の傷みを防げます。
また、タンブラー乾燥は避けましょう。中に入っている特殊シートやスナップなどが傷む可能性が高いです。アイロンをかける場合はできるだけ低温で。
カビ予防のためにもできれば天日に干し、しっかりと乾かしましょう。
◎つけおき容器はアルミ製・木製を避ける
◎手洗いには厚手のビニール袋を着用
◎つけおき・洗浄は水、またはぬるま湯で
◎柔軟剤の使用は避ける
◎タンブラー乾燥は避け、アイロンは低温で
5.多い日・外出時・就寝時……布ナプキンと、快適に過ごすコツ
初めては誰でも不安なもの。とくにデリケートな場面なだけに、布ナプキンの導入には勇気が必要かもしれません。
まずは家の中から、一日だけ……というふうに試してみるのはいかがでしょうか。
わざわざ購入しなくても、要らなくなったタオルやハンカチなどを切って代用してみるのも手です。市販のケミカルナプキンの上に、布を一枚重ねるだけでも、感触の違いを自分で掴むことができます。
大丈夫だと思ったら、少しずつ外出してみましょう。
どうしても不安ならば、外出時は使い捨てナプキンを併用する、とマイルールを決めてもいいのです。
外出時に布ナプキンを交換するときは、スプレーボトルに入れたアルカリウォッシュ液をスプレーし、使った面を内側に折りたたむと血液が落としやすいですよ。ジッパー付きのビニール袋に入れ、更にポーチに入れれば完璧です。
多い日や就寝時も同様です。
心配なときだけ使い捨てナプキンを併用する方もいますし、葉巻型に巻いたハンカチタイプとクリップオンタイプを組み合わせるなど(吸水力抜群です)もオススメです。
自分の楽しめる範囲が一番!
肌触りからストレスをなくし、少しでも快適に過ごせたらうれしいですね。
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