首コリ解消ってどうすればいい?今日からできるホームケア方法
Date:2017.09.19
首のコリを強くしないためには、適切な治療やマッサージケアが必要です。
しかし「解消」を目的にするのであれば、一時的なマッサージだけではなく日常からのこまめな対策も欠かせません。それにはご自身で出来るケアを可能な限り実践して頂くことが不可欠になります。
しかし、「ご自分でも対処して下さい」と言われただけではサッパリわかりませんよね。冷やすのか、温めるのか、どう動かすのか、具体的なアドバイスがあるのとないのでは効果の出方も変わります。
首のコリを解消するためのホームケアについて、簡単に出来る方法をいくつかご紹介いたします。ぜひ実践してみて下さいね!
ほぐすだけじゃない!部位に合わせたケア方法
まず、「首がこった」という状態は一箇所の筋肉のコリだけではないということを覚えておきましょう。首は前後左右、そして斜めにも筋肉がつき、その下には血管や神経が複雑に絡み合っています。
コリの強い部位によってケアの方法も変わります。一番最適なケアを行えるように、どこのコリが強いのかを確認するところから始めましょう。
セルフチェック!あなたの首はどこがこっている?
首のコリのセルフチェックは非常に簡単です。リラックスしながら【首を回す】だけ。お家ですぐに出来るので、ぜひ読みながらでも実践してみて下さい。
- 安定できる場所にしっかりと座ります。可能であれば床にリラックスして座りましょう。椅子しかない場合はしっかりと深く腰かけ、手で肘掛けまたは座面をしっかり持って体がグラグラとしないようにご注意下さい。
- 息を吸い込み、背筋を伸ばしてゆっくりと吐きながら首を右回しに回します。自分の首の筋肉のコリを調べるためですので、ひとつひとつの筋肉を意識しながら極力ゆっくりと回しましょう。半周で12秒、1回転で25〜30秒くらいかけるイメージです。
- コリのある部位、固くなり始めている部位に差し掛かると、筋肉に軽い痛みが生じます。そこがコリの強い部分です。無理をせず、自分の固いところに差し掛かったらさらにゆっくりと通過するようにして下さい。
いかがでしょうか?詰まるところ、痛みが生じるところがまったく無いという人は非常に優秀、首のコリがない状態です。
しかし現代において7〜8割の人は首がこっているという説もありますので、ほとんどの方はどこかしらに痛みが出るのではないでしょうか。
- 首を前に倒した時後ろが引っ張られる→首の後ろのコリ
- 斜め前に倒すと反対側の斜め後ろの筋肉が引っ張られる→首の後ろのコリ
- 真横に差し掛かると肩の付け根が痛む→首と肩の境目のコリ
- 真横に差し掛かると反対側の首筋が引っ張られる→首の横、前のコリ
- 斜め後ろに倒した時に後頭部付近が痛い→首の後ろ、頭部のコリ
- 真後ろ(真上)を向いた時に後頭部や肩が痛い→首の後ろのコリ
- 真後ろ(真上)を向いた時に鎖骨付近が引っ張られる→首の前のコリ
一箇所当てはまるという人もいらっしゃるでしょうし、全部当てはまった!という人も少なくはないと思います。
首のコリは知らない間にびっしりと首の筋肉にくっついている場合がとても多く、自覚が無いという方も非常に多い厄介なコリなのです。
1)首の後ろは「ゆるめる」→「ほぐす」
セルフチェックしたら首の後ろが凝っていた…という方が最も多いかもしれません。
これらは首を曲げる、回すなどの主な動きに関係する他、現代ではパソコンやスマートフォンを見る時に起こる「スマホ首」の原因筋肉でもあります。
この太い筋肉の場合、特に熱を持っているわけでなければお風呂などで温めながらゆっくりと首をまわして動かします。こうすることで筋肉繊維がゆるまり、動き(可動域)が広くなります。
両手でやるとやりにくい場合があるので、片手ずつ行います。力が入りにくい場合、こっている方とは逆手(右首筋をほぐす時は左手を使う)で行うとあまり力を入れなくても効き目を感じられますよ。
2)斜角筋は「あたためる」→「抑えながら呼吸する」
首と肩の境目がつらい、首の横がつらいという場合は首にある【斜角筋】という筋肉にコリが生じている可能性が高くなります。
もう少し刺激をして筋肉を緩めたい場合は、呼吸をする力を利用して斜角筋のコリをほぐしましょう。
- 鎖骨のくぼみから指一本分上くらいに張っている筋肉を探します。コリを見つけたら、その部分を人差し指〜中指の腹でじんわりと抑えます。
- 鼻から大きく息を吸い込みます。あえて鎖骨下あたりに空気を入れるようにイメージしましょう。呼吸をすることで、コリを抑えている指の部分に圧を感じられればOKです。
- 限界まで息を吸い込んだら、ゆっくりと息を吐き出しながら指の力も抜きましょう。少しずつ指の腹を移動させ、喉仏付近までコリを呼吸でほぐします。喉仏付近のくぼみまで来たら、また鎖骨周囲のくぼみまで戻り、同様の呼吸マッサージを2〜3回くり返しましょう。
斜角筋の下には腕の神経叢(神経の束)がありますので、あまりに強い刺激は腕のしびれを起こす原因になりかねません。あくまでも「じんわりと押す」→「じんわりと呼吸する」という優しい刺激を守って下さいね。
3)肩周りは「あたためる」→「動かす」
斜角筋マッサージと合わせ、肩をあたため軽く動かし、血流を良くすることで詰まりが取れやすくなります。
一番手っ取り早いのはお風呂で温めながら肩を上下に動かす方法です。
- 湯船に浸かり、首の付根までしっかり温めます。
- 心地よく温まったと感じたら、肩の先を耳たぶにつけるようなイメージでまっすぐに引き上げます。
- 限界まで引き上げたら、一気に力を抜いて「ストン」と肩を下に落とします。これを10〜30回行って下さい。
お風呂でやる場合、熱中しすぎるとのぼせてしまう危険性も高くなります。水分補給をしながら行ったり、途中でインターバルを入れるなどをして温まりすぎないようにご注意下さいね!
4)首の前は「付け根をほぐす」→「リンパの流れをよくする」
さて、意外と難しいのが「首の前側のコリ」です。伸びがよく、あまりここに詰まりや痛みを感じる人は多くはありませんが、違和感を感じたらセルフケアは行うべき箇所でもあります。
- 喉が詰まっている気がする
- 息苦しく、呼吸がうまく出来ていない気がする
- 無意識だと肩が勝手にすくむような力みが出てしまう
- 動悸がする、よく眠れない
胸鎖乳突筋は非常にナイーブな筋肉なので、斜角筋と同じくグイグイと刺激するのはあまりおすすめしません。基本は温める、首を回すだけでOKです。ほぐしたい!という人は、胸鎖乳突筋の一番丈夫なところを指圧しましょう。
- 鎖骨のくぼみから、間のくぼみにかけての付け根部分をじっくりと中指、あるいは人差し指で押し込みます。マッサージに慣れている人は親指を使っても良いですが、刺激が強く感じる場合には最初は優しく抑えるだけでOKです。
- 呼吸しながら徐々に指を鎖骨に沿って動かします。間まで来たら今度は鎖骨の下、胸筋の上くらいを同様にじんわりとほぐしましょう。
ただし、熱がある時や喉が腫れている、痛みがある時などはこのマッサージは控えて下さい。リンパ節を刺激してしまうことで、余計に熱発・痛みが増幅する可能性があります。
5)湿布は状態に合わせて使い分けがおすすめ
首コリや疲労感が強い場合、湿布を貼るという方もいらっしゃるかもしれません。この湿布も、実は使い分けることでコリの解消への効果を発揮する場合があります。
<湿布の基本的な使い方>
- 痛み、熱、腫れや赤みがある時→アイシング後に冷湿布で5〜6時間
- 肩コリや首コリで重だるい、つらい時→お風呂などで温まった後に温湿布で4〜5時間
意外と知られていないことなのですが、湿布自体に冷却効果や温熱効果はありません。皮膚表面の温度は若干変わりますが、筋肉組織までその温度変化は起こらないとされています。
原則として、痛みや急性症状(ぎっくり腰など)がないのであれば「心地よい」方をお使い頂いて大丈夫です。ただ、コリの場合は血行不良などが起きている場合が多いので、温湿布を使用する方がコリが和らぐ時間が長くなります。
改善への近道は「ゆるめた筋肉」を維持する体づくり
筋肉を動かしたりゆるめたりしたとしても、放置してしまえば自然とコリは戻ってきます。人によっては数時間で戻る場合もありますので、「セルフケアしているのに効果がない」と感じてしまう場合もあります。
ゆるめたら、出来る限りそのゆるんだ状態を維持出来るような体づくりも「セルフケア」の一環です。日常で出来る「コリにくい体づくり」の方法を覚えておきましょう!
1)弱った筋肉はすぐに硬くなる!ストレッチで柔軟に
運動不足であったり、栄養不足であったりする場合には筋肉の”質”が衰えてしまいます。弱くなった筋肉は非常に痛みやすく、またコリを生じてしまいやすいとされています。
首は体と頭部を繋いでる細い部位ですので、それ単体でのストレッチはそれほど種類は多くありませんし、難しいものもありません。ぜひ今日から首のストレッチを行ってみて下さい!
<簡単!セルフ首ストレッチ>
- 椅子に座り、背筋を真っすぐ伸ばします。足の裏がしっかりと床についている状態で行いましょう。
- 右手を頭上から左耳側に伸ばし、指先で軽く耳の上をつまみます。届かない場合は耳の上あたりを軽く押さえましょう。
- 左手は軽く椅子の座面を掴みます。体がぐらつかないように支えるのが目的ですので、ギュッと握り込まなくても大丈夫です。
- 息を吐き、背筋が曲がらないように注意しながらゆっくりと首を右肩の方に倒しましょう。これで左側の首、肩上部が伸びてきます。
- 5〜10秒伸ばしたら、呼吸を止めず反対側も同様に行います。
- 左右とも伸ばしたら、ゆっくり20秒くらいかけて首を回します。
左右を伸ばし、360度回転させるだけ、と覚えてしまえば簡単ですよね!場所も大きくは取らないので、オフィスやお出かけ先でもちょっとの時間とスペースで出来る簡単ストレッチになります。
2)姿勢を見直して1日5分からトレーニングを
首の負担は24時間365日生じています。特に近年あらゆる整形外科医、整骨医が警鐘を慣らしているのが「スマホ首」、いわゆるストレートネックの患者数が増加していることです。
ストレートネックは首のコリを増大させるだけではなく、血流を悪くし慢性的な頭痛、眼精疲労、内臓疲労など様々な症状を呼び起こします。
「スマホを見るな」というのは現代においては不可能なこと。では、一体スマホ首にならないためにはどうしたら良いのでしょうか?
それはズバリ「姿勢」です。スマホ首は猫背+うつむきがちに液晶を覗き込むという姿勢の相互作用で出てきやすいものですので、まずはこの大本の「猫背」を断ち切りましょう!
まずは座っている状態でも自然とお腹に力を入れられるように1日5分からトレーニングをしましょう。
- 椅子に浅く腰掛け、足の裏をべったりと床につけます。
- 足首、膝、股関節、腰がすべて90度になっている状態を作りましょう。
- おへその下にやや軽めに力を入れ、背筋を伸ばします。おへそが床に対して90度、垂直になるようにイメージしてください。
- 呼吸をとめないように3分キープします。膝の内側が開かないように、また、肩に力が入らないように注意して下さい。これが正しい姿勢です。
最初のうちは、座って腹筋に力を入れると3分も保たないという方も多いと思います。トレーニングは継続が重要ですので、3分から始めて慣れてきたら30秒ずつ「正しい姿勢」でいる時間を長くしていきます。
座り姿勢で5分キープ出来るようになったら、立ち姿勢も練習します。要領は座り姿勢と同じですが、血圧が下がりやすい人は最初は1分からスタートし、徐々に時間を伸ばすようにしてください。
3)スマホ首になりたくない!首に負担をかけないで液晶を見る方法は?
姿勢に気をつける、というのが大前提であるのは先述の通りですが、常にトレーニングをしているわけにはいきません。実際にスマホやPCを見る時はどうするのが理想的なのでしょうか?
◎スマホの場合
スマホを見る時は、基本的に「顔を液晶に近づける」のではなく、「液晶を顔に近づける」のが正しい方法です。正しい姿勢を取ったらスマホを手に持ち、液晶を見やすい位置に持ち上げましょう。15~25cmは離すようにして下さい。
◎パソコンの場合
考え方はスマホと同じですが、液晶を持ち上げるわけにはいかないのがパソコンです。この場合、パソコンの液晶と目の高さを合わせるように調節が必要です。液晶の位置が低いと首をうつむかざるをえないため首に負担がかかります。
液晶画面が目の高さにくるように高さ調節をしますが、ノートパソコンなど高さの調節機能が無いものの場合は下に土台を作るなどで首と肩の負担を減らすように調節をしてみて下さい。
4)枕が合わないと感じたら
日常生活の中でも、寝ている時間というのは非常に長時間です。また、眠っている間は筋肉は弛緩(ゆるんでいる状態)しているので、頭部や重力の影響が直接首にかかります。枕の高さが合わない場合、首への負担は倍増します。
- 寝起きで首に痛みや不快感がある
- 寝ていても息が詰まるなどの違和感があり目が覚める
- 無意識に手を枕の下に入れているなど、調節している
上記のような状態に当てはまる場合、お使いの枕が首の状態に合っていない可能性があります。
最近では、自分の首の状態に合わせて枕の中身を増減できるものなども多くあります。合わない枕は出来る限り早く改善した方が、睡眠の質も高くなりますよ!
5)頭皮のコリも首に影響する
ここまで首についてを主としてお伝えしましたが、実は首コリの原因が「頭」にあるという場合も多くあります。
- 仕事などでストレス度合いの高い人
- 頭や目を活発に使う人
- 不眠気味、不眠症の人
- 自律神経のバランスが乱れがちの人
おすすめのセルフケアは入浴タイム。お湯でしっかりと頭部を温めたら、スカルプ効果のあるシャンプーなどでじっくりとマッサージしながら髪を洗います。
特に耳の周囲の筋肉、後頭部の下側の筋肉は首に影響しやすいので、じっくりと指の腹を使ってもみほぐすようにシャンプーしてみましょう。
しびれや震えがある時は必ず病院を受診する
首というのは人体の中でも生命を司る器官や組織の集合地点です。太い血管、脳から全身へ走る信号の伝達神経など、健やかな生活に必要な物が多く集まるこの部分はすげ替えることは出来ません。
だからこそ、首は非常に優れた「体の異変を察知し伝える」力を持っています。
首の違和感は放置せず、おかしいな、と感じたら整形外科を受診するように心がけて下さい。
病変がなければそれでよし、マッサージやセルフケアを頑張れば良いと考え、「これくらい病院に行かなくてもいいや」と自己判断で済ますようなことだけは避けるようにして下さいね。
そうした「注意を払う」という行動も、コリや痛みを解消するための”セルフケア”のひとつだということを、どうか忘れないでください。
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