「大人ピアノ」の効果とは?手軽に始められて脳と心によい!
Date:2018.08.03
ピアノ、エレクトーン、バイオリン。子供の習い事のイメージが強い「楽器演奏」ですが、大人の習い事としても近年人気が出てきています。
音楽教室も大人専用のコースを設け、楽譜の読めない初心者から、経験者向けの上級者コース、クラシックもあればポピュラー音楽も、と幅広い要望に対応してくれています。
最近では60歳からのピアノコースなど、高齢者に向けたコースも人気だとか。楽器は子供の頃から習わなくてはダメと思っている人も多いようですが、大人になった今からでも十分間に合います!
また、楽しいだけでなく、楽器を演奏することで、脳や心によい影響があることもわかっています。楽器の中でも特にピアノが、脳への効果においても習いやすさにおいてもオススメ!今からでも、始めてみませんか?
この記事の目次
楽器演奏ってすばらしい!奏でることで得られる効果とは?
子供の頃、「ピアノを弾くと頭がよくなる」という噂があり、学校の成績を上げるためにピアノを習わされていた友人が何人かいました。もうウン十年も前の話ですが、どうやら本当だったようです。
脳科学で証明された!楽器を演奏しているときの脳への効果!
私たちの脳は、何かを行っている最中、その行動によって脳の活性化される場所が異なります。本を読むときはココとココとココ、計算をしている最中はこの辺とこの辺とこの辺。脳の特定の部位が活性化されます。
それが、音楽を聴いているときの脳は、驚くほど広範囲にわたり、激しく活性化されるのだそう。
楽器を演奏しているときはというと、脳全体が活性化するのはもちろんのこと、膨大な情報を同時に処理。右脳と左脳をつなぐ「脳梁」の活動も活発に!
楽器を演奏すれば頭がよくなる!特に記憶力アップ!
脳全体によい刺激があると脳科学の研究によっても明らかになっているように、楽器演奏には頭の働きをよくする効果があります。特に「記憶力」がよくなると言われています。
「最近、仕事の調子が悪いわ」と思っている人も、「年のせいか、人の名前が咄嗟に思い出せない!」とショックを受けている人も、楽器を演奏することで、見違えるように脳が働き出すかもしれません!
脳の老化を食い止めるのにも楽器演奏がよいとのこと。いつまでも若々しい脳でいるためにも、楽器演奏はオススメです!
やる気ホルモン「ドーパミン」分泌で毎日活き活き!
快楽ホルモンとも、やる気ホルモンとも言われる「ドーパミン」は、楽器を演奏することでも多く分泌されることがわかっています。
ドーパミンは、快感や多幸感、意欲を感じたりするホルモンで、元気に幸せに生きるのに欠かせないホルモンです!
若い頃にくらべて、
- 物事に取り組む意欲や集中力がなくなった
- 無気力になった
- 人と関わることが億劫になった
と思うことはありませんか?
人は10歳年をとるごとに、平均して10%程度のドーパミンニューロン(ドーパミンを産生する神経細胞)を失っているのだそうです。
年をとると、物覚えが悪くなったり、動きがゆっくりになったり、反応が鈍くなったり、集中力や注意力がなくなったり、無気力になったりしますが、それもドーパミン減少と無関係ではないようです。
いつまでも、元気で若々しく、充実感や幸福感、やる気に満ちた人生を送るためにも、楽器演奏はオススメなのです!
情緒の安定にも効果あり?楽器演奏の心への働き
音楽を聴いて癒しを感じる人も多いかと思いますが、自らが演奏する楽器の音色も耳に心地よく、
- リラックス効果
- 癒し効果
- ストレス解消効果
などが期待できます。
また、怒りがこみあげて仕方がないとき、悲しみに打ちひしがれるときなど、心が乱れているときに楽器を演奏することで、情緒が安定することも。
私自身、ピアノを精神安定剤代わりに育ちました。イライラしたり、悲しいことがあったりするとピアノに向かい、黙々と練習したものです。
大好きな曲を弾いて心を和ませたり、癒したりするのもよいのですが、怒りや悲しみなどの感情が激しい場合は、
- 自分の実力より少しだけ難しい曲を選ぶ
- 間違えないように集中して弾く
- 間違えた部分は、部分的に反復練習
- ひたすらに弾きまくる!
という練習法を試してみてください。簡単に弾きこなせる曲よりも効果的です。
ある程度、楽器を弾くことに慣れてこないと無理かもしれませんが、楽器演奏が日常に馴染んでくれば、こういった心のチューニングにも効果を発揮できる日がくるかもしれません。
大人が習う「楽器演奏」!一番のおすすめ楽器はピアノ!
脳への刺激を考えると、両手の指先を同時に動かすもの、特に左右バラバラの動きをする、ピアノ、ギターなどがオススメですが、特にピアノは、左右で素早くバラバラに複雑な動きをするので、より効果が期待できます。
また、楽器を習ったことがない人でも、気軽に始められる楽器としてピアノはおすすめです。
ピアノなら初めての人でもすぐに弾けるようになる!
ピアノをすすめる理由として、初心者でも弾き方を理解しやすいということがあります。ピアノを習った経験がない人でも、小学校などで鍵盤ハーモニカを一度は弾いたことがあるからです。
鍵盤のどこがドでどこがレなのか。ドレミファソラシドはどうやって弾くのか、だいたいのイメージはすでにできている人がほとんどだからです。
楽器によってはドレミの音の出し方を覚えるだけでも一苦労、というものもあります。あまりに難しいと、弾く楽しさを覚える前に辞めたくなってしまうこともあるでしょう。
ピアノなら簡単な曲はすぐにでも弾けるようになる方がほとんど。「弾けた!」という喜びを知れば、「さあ、次!」と続いていくものです。
ピアノの先生は見つけやすく、選択肢も広がる!
ピアノの先生の人口はかなりのものです。大手の音楽教室、個人教室がいたるところにあります。
楽器によっては
- 先生を見つけること自体大変
- 近くに教室がない場合は遠くまで通うのが大変
- 先生人口が少ないとレッスン料も高くて大変
など、大変なことだらけです。
その点ピアノは、先生の人口も多く、ほかのどの楽器よりも教室を見つけやすいのです。
レッスン料も教室によりさまざま。月謝制がほとんどですが、中には1レッスン単位、月2回コース、友達と一緒にペアで受けられるコースなど、大人コースをいろいろと設けてくれている音楽教室もあるようです。
また、
- 子供がピアノを習ってる場合、一緒に習わせてもらう
- 近所で趣味で教えているような先生を見つけて割安で教えてもらう
- DVD付教本などを購入して独学で学ぶ
- インターネットのピアノ入門サイトで学ぶ
- インターネットのピアノレッスン動画で学ぶ
など、いろいろと選択肢はあります。子供の頃に少しでも習ったことがある人は、教本やインターネットを利用することでも学ぶことはできるでしょう。
家が狭くても夜中の練習も大丈夫!手軽に始められる「電子ピアノ」!
大人ピアノをおすすめしたい理由として、後ひとつ。電子ピアノの性能が格段によくなっていることが挙げられます。
以前は電子ピアノというと、ちょっと触れただけで大きな音が出てしまい、アコースティックピアノの鍵盤を押さえる力がつかないとか、強弱のつけ方を学ぶことができないといって、ピアノ教室の先生からも嫌がられたものですが、最近の電子ピアノは違います。
値段やメーカーにもよりますが、音色や鍵盤のタッチ感も生のピアノと変わらないものを!と研究され、年々素晴らしいものが出てきています。
ピアノの先生も「趣味で習う分には、電子ピアノでも大丈夫ですよ」と言ってくれるので、安心して自分の予算に合った楽器を探すことができます。
ピアノを習いたくても、「ピアノを買うお金がない」、「ピアノを置けるほど広い部屋がない」、「ピアノの音が近所迷惑にならないか気になる」などが理由で諦めていた人も、電子ピアノを検討してみてはいかがでしょうか。
子供が本格的にクラシックピアノを習うのに、電子ピアノは適さないかもしれませんが、大人が気軽に趣味として演奏を楽しむのには、電子ピアノは実はとてもおすすめです!
省スペース・低価格!電子ピアノは庶民の味方!
大きなピアノを置く部屋があって、予算もたくさんあるのであれば、グランドピアノやアップライトピアノを買った方が、本物の音を楽しむことができてよいのですが、それほど予算もなく、部屋も狭い場合は電子ピアノがおすすめです。
- 手頃な価格帯
- コンパクトな大きさ
- 調律などのメンテナンスの必要なし
費用も場所も、ピアノより少なくてすみます。
ただ、価格が安いとは言っても、電子ピアノもいろいろ。
また、電子ピアノに調律は必要ありませんが、電子機器なので寿命があります。使用頻度、使用環境によって年数に差は出ますが、10~15年程度。長く弾き続けていきたい方は、いずれ買い替えが必要になります。
ただ、10年も経てば、性能や価格面でもさらに上を行くものが登場しているかもしれませんし、10年以上、ピアノを続けることができているなら、グレードの高い電子ピアノやアコースティックピアノに買い替えたくなるかもしれませんね。
夜中に練習しても大丈夫!多忙な大人には電子ピアノが便利!
生ピアノの音というのは、かなり響きます。防音対策をした部屋でない限り、朝の早い時間や夜は近所迷惑になるので弾くことができません。
その点、電子ピアノは音量の調節が可能な上に、ヘッドホンをつければ外に音が漏れることがありません。
鍵盤に爪がカチカチ当たる音や、ペダルを踏みこむ音は多少するので、そのあたりは同居家族の同意が必要ですが、しようと思えば真夜中でも練習可能です。
日中は働いていたり、家事や育児に忙しくて時間がとれない忙しい女性も、電子ピアノであれば大丈夫!好きな時間に気兼ねなく、練習することができるのです。
電子ピアノならでは!練習に便利な機能搭載のものも!
電子ピアノには、メトロノーム、録音・再生など、練習に便利な機能が内臓されています。右手だけを録音し再生すれば、自分が弾いた右手に合わせて、左手だけの練習をするなんてことも。
また、メーカーや機種にもよりますが、バイエルやブルグミュラー、ツェルニーなどのクラシックピアノの練習曲が内蔵されていて、右手だけ、左手だけを好きな速さで再生でき、片手ずつの練習が簡単に正確にできたりも!
基礎からしっかり習いたい人には、とっても便利な機能です!楽器としての素晴らしさでは生のピアノには負けるかもしれませんが、練習用の楽器としては優れものです。
人それぞれに求めるものは違う!自分にあった電子ピアノを
電子ピアノは値段も性能も特徴もさまざま。細かい部分を見ていけばキリがありませんが、音色と鍵盤のタッチ感。この2つを決め手に予算と相談するとよいでしょう。
音色は生のアコースティックピアノの音に近いほどよいですが、売れ筋の10万~15万程度の電子ピアノの音色でも、ピアノ初心者の方には満足する音質ではないかと思います。
クラシック曲を本格的に習いたい人、子供のころにアコースティックの生の音を聞きなれている人は、高価でもリアルな音を再現したピアノを選んだ方が満足度は高くなるでしょう。
個人的に重視しているのは、音色よりも鍵盤のタッチ感です。
ただ、これも、
- 鍵盤の反応がついてこれないような速さで弾く技術はない
(そのような曲を弾く予定はない) - 将来的にアコースティックピアノを弾く予定はなく、軽いタッチで軽やかに弾きたい
など、演奏者のレベルや求める音楽によって、適する電子ピアノは変わってきます。本格的にクラシック曲を弾きたい人と、ポピュラー曲を楽しみたい人とでは、おすすめの電子ピアノも違うのです。
万人におすすめできる電子ピアノはありませんが、
- 低価格帯の電子ピアノは「カシオ」「コルグ」が人気
- 高品質(高額)の電子ピアノは「カワイ」「ローランド」が秀逸
- どの価格帯もそこそこ安定した性能とブランド力のある「ヤマハ」
と、メーカーによって強みは異なるため、予算や目的によって、ある程度ターゲットは絞れます。
最終的には好みの問題です。音色もタッチ感も電子ピアノによって異なりますので、実物が展示されているお店で、実際に一度弾いてみて。お値段・弾き心地・デザインなど、納得いくものが見つかれば、楽しいピアノライフのスタートです!
今からでも遅くない!高齢者がピアノを弾いても脳への効果あり!
心にも脳にもよい影響があるピアノ。電子ピアノの充実の機能と、大人のピアノ教室の広まりにより、手軽に始められるようになった「大人ピアノ」。ぜひ、今からでも始めてみませんか?
「今から始めても脳への効果は得られないのでは?」
「不器用だから上手く弾く自信がない…」
そんなあなたも心配ありません。
また、上手い下手でいうならば、下手な人の方が効果はあるのです。プロの演奏家は、難しい曲も無意識に弾けるくらいに上手なので、下手な人が弾くほど脳に刺激がいかないのです。苦手なことを懸命に練習することで脳は活性化するのです。
そういう意味では、今まで一度も音楽に携わってこなかった人こそ、効果が出やすいのではないでしょうか。
ドラマに出てきた憧れのあの曲を、漫画に出てきた気になるあの曲を、先生にリクエストして弾けるようになりませんか?
子供の習い事では、指を正しく動かすための退屈な教本が必須となりますが、大人の場合は、自分の弾きたい曲をリクエストして弾けるようになるまで指導してもらえる教室もたくさんあります!「弾くことを楽しむ」ということを重視した教室が多いのはうれしいですね!
まずは目標とする曲探しから!興味がある人は、ぜひ始めてみてください!
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