親知らず放置で歯並びが乱れることも?抜く危険・抜かない危険!
Date:2016.04.12
18~20歳ごろに生えはじめる「親知らず」。早々に抜いてしまう人もいれば、一生抜かずにすむ人もいますが、「抜かない方がいい人」は実はそう多くはありません。実際、「抜いた方がいいのかな?」と思いながら抜かずにいる人も多いのでは?
抜くべき親知らずは、早めに抜かないと後々大変なことになる場合もあります。あなたの親知らずは大丈夫ですか?
親知らずを抜くか抜かないかは生え方次第!
「親知らずは20歳前後に抜いた方がいい」と聞いたことがある人もいると思います。早めに抜いた方がいいという意見が多いために、なんでもかんでも抜かなきゃいけない?と不安になりますが、そうではありません。
- 真っ直ぐ正常に生えてきていて、上下の噛み合わせにも問題がない場合
- 完全に埋もれていて、レントゲンで見ても特に問題がない場合
などは、抜く必要はありません。
抜歯には、
- 抜歯後の痛み
- 腫れ
- 出血
- 稀に痺れが残る
などのリスク面もありますので、必要のない抜歯は真っ当な歯科医師なら勧めることはないと思います。
ただ、残念ながら、親知らずを抜く必要がない人はそう多くはありません。現代人の顎は、食事が柔らかくなるにつれ、細く狭くなってきています。親知らずどころか、先に生えそろう永久歯でさえきれいに並ぶスペースがない人もたくさんいるくらいです。
親知らずが斜めや横向きに生えてくるケース、スペースがなくて生え出てこれないケースもとても多いのです。
正常じゃない生え方をしている親知らずを抜いたほうがいい理由
「正常じゃない生え方」と一言でいっても、人によってその生え方はさまざまです。
- 手前の歯にぶつかっている
- 90度真横に生えている
- 歯茎に埋もれている
など。真っ直ぐ正常に生えてきていない人は、歯科医師にまず相談してみましょう。
抜いたほうがいいと歯科医師によって判断された親知らずには、以下のような抜歯理由が考えられます。
親知らずやその手前の歯が虫歯になりやすい
親知らずが歪んで生えてきている場合、親知らずやその手前の歯が上手く歯磨きできない場合が多く、虫歯になる可能性が高くなります。
歯と歯の隙間や歯茎に覆われた部分など、見えにくい場所が虫歯になってしまうと発見が遅れてしまいます。激しい痛みに襲われて初めて虫歯に気づくなど、虫歯が進行してしまうと治療も難しくなり、結局抜歯ということに。
歯茎が腫れる・痛みが出る
一番奥の歯ぐきを突き破って出てくる親知らず。この歯ぐきと歯の間に汚れがたまってしまうと、歯ぐきの腫れ・痛みが起こります。
親知らずの上下どちらか一方が先に生えている場合も、まだ生えてきていない方の歯ぐきを噛んでしまうため痛みが出ます。
口臭の原因になる
女性にとって口臭は大問題です!食べ物カスがたまりやすい親知らずは、虫歯や歯周病になりやすいため、口臭の原因となります。
細菌が思わぬところに入り込むことがある
親知らずと歯ぐきの間から細菌が入り込んだり、親知らずの根っこの先から感染が広がったりすることがあり、
- 顎の化膿・痛み
- 喉の痛み
- 蓄膿症
- 頭痛
などを引き起こすことがあります。
歯並びが悪くなる危険性がある
親知らずが手前の歯の方に傾いて生えている場合、手前の歯をぎゅうぎゅう押しながら出てくることになります。
押されることで歯が痛むのはもちろんのこと、長い年月をかけてじわじわと押され続けた場合、きれいに生えそろっていた永久歯が少しずつ動き、歯並びが乱れることもあります。
抜くなら早めに!20歳前後で抜いた方がいい理由
「親知らずが虫歯になってから」
「痛みが我慢できなくなってから」
何か問題が起きてから抜く人も多いですが、早めに抜くことをおすすめします。理想は20歳前後。親知らずが生えたら抜くかどうかの検討を始めるのがよいのです。
多少の問題を抱えながらも放置したまま、すでに30代、40代になってしまった人も、少しでも早めに抜く方がよいでしょう。少しでも早い方がいい。その理由はいくつもあります。
骨、歯茎などの直りが早い
かなり大きな歯を抜きます。抜いた直後はぽっかりと穴が開くくらいの大きさです。徐々に骨や歯茎が盛り上がってきて傷口がふさがりますが、若ければ若いほどその回復力は活発で、
- 傷口が早くふさがる
- 腫れや痛みが長引かない
- 傷跡がきれいに回復する
と若いに越したことはありません。
腫れや痛みが少なくてすむ
横向き、斜めに生えている親知らずを抜くには、歯を割ったり、骨を削ったりする必要がありますが、若いうちであれば、骨も歯もまだ柔らかく、処置時間短く抜くことができます。
歯をスピーディーに抜くことができれば、骨が空気に触れている時間を短くすることができ、結果痛みや腫れは少なくてすみます。
抜歯によるリスクが少なくてすむ
抜歯にはリスクもあります。抜かなくていい親知らずは「抜かない方がよい」と言われるのもそのためです。
下側の親知らずを抜歯する場合、親知らずの根の近くに大きな神経と血管が通っているため、出血や麻痺のリスクが少なからずあるのです。
親知らずによる他の歯への影響が出ない前に
親知らずが歪んで生えていると、親知らずの手前の歯は
- 虫歯になりやすい
- 歯周病になりやすい
発見が遅れて重症化もしやすいので、手前の歯に影響が出る前に親知らずを抜いてしまうのが望ましいのです。
また、親知らずが無理な方向へ生え出ようとすると、歯並びが悪くなってしまいます。特に歯の矯正治療経験者はせっかくの治療が台無しになることも。歯並びは長い年月をかけて乱れていくので気づきにくいため、少しでも早く抜歯して影響が出ないようにしましょう。
出産を考えている女性は出産前に抜歯を
妊娠中・出産時は女性ホルモンの影響により
- 歯周病や虫歯にかかりやすくなる
- 親知らずに痛みが出やすくなる
ということがわかっています。
骨が硬くないうちに抜歯すると小顔効果が?
20歳前後で抜歯すると、歯の周りの骨がまだ硬くなっていないため、親知らずがなくなった際に横に張りだした骨を吸収し、小顔効果が得られることがあります。
ただ、見てわかるほどに小顔効果がある人は稀なよう。
- 顎が張っている人
- 頬骨が張っている人
- 顔の骨のラインが出ている人
- 顎に筋肉がついている人
は比較的小顔効果が出やすいようです。
トラブルが起きてから後悔しないために
正しい生え方をしているなら問題ありませんが、歪んで生えている親知らずをそのままにしている人は、一度歯科医師に相談に行くことをおすすめします。親知らずのほんの一部がちょこっと見えているだけで、何の悪さもしなさそうであってもです。
というのも、私自身が「もっと早くに抜いておけば!」とひどく後悔した経験の持ち主だからです。
私の親知らずは斜めに生えているものの、痛みもなく、ちょこっと頭を出しただけで成長が止まったように見えたため、抜かずに放っておいたところ、10年くらいかけてじわじわと手前の歯を押し続け、気づけば前歯が重なるほど歯並びがガタガタに!
慌てて抜きましたが、その後数年かけて歯並びはある程度元に戻ったものの、重なった前歯はもう元には戻らず…。親知らずの生え出てくるパワーは本当にすごいです。甘くみてはいけません。
奥の方にあるので「変な生え方でも人には見えないから」と放置しがちですが、歯科医師とよく相談を。美しい歯並びは美人の必須条件。親知らずに歯並びを乱されないためにも、ぜひ早めの対策を!
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