人の親切や思いやりの行動の裏側:隠された親切心の根拠
Date:2013.10.26

子供に「皆に笑われるから止めなさい!」は正しい叱り方だった!
私の息子が小さかった頃、友達にオモチャを貸したり、片付けを手伝だったりした時には必ず私に報告をしに来ました。それは、褒められることを知っていたからです。この「人に褒められ、良い評価をしてもらう」という事は、大人の私達でも嬉しいことですよね?
そうなのです、人の親切や自分を犠牲にしてまで人を助けたりする事というのは、時には、親切をした方の側にお金には変えられない、「良い評判」という利益をもたらす事を私達は子供の頃から知っているのです。
「褒められたい!」と思う気持ちが道徳心を生む
親切心や人への思いやりというものは勿論、された側にはとても有りがたいものですよね?親切をした側も「良い事をした」という満足感も得られ気分が良いものです。でも、その自己満足以上に私達人間は親切な事をして良い「評判」や「評価」を人から得たいと思う事も事実なのです。
この「道徳心」と「評判」の関係を証明した研究が、カルフォルニア大学の主催で行われました。
その内容はというのは、蒸し暑い真夏に自分の家でエアコン等の電化製品の使用を暫く止めると、地域全体の停電を防げるので、協力してくれる世帯は名乗り出てほしいという内容の回覧を回したところ、参加者の名前の一覧がその地域に発表されると知るや否や、参加者名を公表しないと言った時より3倍もの世帯が協力すると名乗り出たそうで、研究者の意見ではこれは2000円以上の協力費を出すよりも4倍もの効果が有ったとか…。
逆に「非難されるのが嫌だから…」と仕方なく参加したのでは?とも思いたくなりますが、非参加者の名前は公表されないと事前に告知されていたので、正にこの申し出に賛同した人達は自分の道徳心を近所の人に「褒めて欲しい」その一心だった事が分かるのです。
人気商売をする人は「評判」はお金より貴重
確かに、カルフォルニア大学の実験で、非参加者の名前が公開された場合は近所の人から「全く、無責任で無関心だ!」と非難を受ける事は間違いないですよね?
これによく似た状況になるのが、名前や顔が世間に知れ渡っている、芸能人や政治家等の有名な人達。彼らの道徳心について世間から非難される事も多く、一度、警察沙汰や賄賂などで、世間を騒がせてしまうと、もうその汚れたイメージが付きまとってしまう人達でもあります。
そうなのです、人との繋がりの強い人ほど、「評価」、「評判」を気にしているあるいは、気にしなければならないのです。
なので、慈善団体やチャリティーに挙って芸能人や有名人が参加するのも頷けますよね?ただ、あからさま過ぎて時には「売名行為だ!」と非難される可能性も大いにありますけど…。
今や、全世界の人が人の目や意見を気にしています。
「そこへゆくと、私は有名人でもないし…」なんて、今思っていませんか?最近は一般の人も、人の目にさらされているのを忘れていません?外を歩けば監視カメラがそこかしこに目を光らせ、インターネットでは頻繁に「ネット炎上」なんて言葉も良く見ますよね?
それに、FacebookやLINEで投票・Like等の評価数やコメントを気に掛けている人も多いのでは?そうです、現代ではもう評価や評判というのはお金にも代えがたい大切な自分への財産となりつつあるのです。
昔から、お母さんに「ほら、皆に笑われているじゃない!止めなさい!」なんて叱られ方しましたよね?これだけ、世間に対する自分の評価が重要になった現代では、これは的を得た子供のしつけ方だったのかもしません。
近い将来、ボーナスの一部に、自分のサイトにLike票10件贈呈なんて時代もくるのかもしれませんね?
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