乾物は美容効果バツグン!手軽で栄養満点のレシピで健康促進
Date:2016.11.17
古くから愛されている「乾物」ですが、海外食品が浸透した現代では、食べることが減ったように感じます。
しかし、乾物には女性にとって嬉しい美容、健康効果がバッチリあります。それに、乾物はもともと保存食なので日持ちもします!
1人暮らしの方にはもってこいの食材です。そんな便利で素敵な食品、「乾物」について、紹介します。
この記事の目次
「もったいない」の心が生み出した、先人たちの知恵「乾物」
日持ちして、手間なく使え、さらに栄養価も高い、とっても優秀な「乾物」。もとは旬の食材を収穫し、長期保存をするために作られていました。
昔の人の知恵って、本当にすごいですよね。乾物にすることで、長期保存が効くだけではなく、天日干しをすることでうま味や香り、栄養が増します。
乾物で有名な、切り干し大根を例にみてみましょう。
エネルギー | 食物繊維 | カルシウム | |
---|---|---|---|
生大根 | 約25kcal | 約4.0g | 約260mg |
切り干し大根 | 約30kcal | 約21.0g | 約500mg |
※10gあたり
いかがですか?同じ大根なのに、日干ししているか、いないかでこんなにも栄養価に違いがあるのです。
表にしきれなかった他の栄養素も、生の大根よりもグッと上がっています。そのなかには、ビタミン類やミネラル類などがあり、切り干し大根はミネラル類が特にパワーアップします。
しかも、日常でお手軽に使える!ぜひ日々の食事に取り入れていきましょう。
食物繊維やミネラルなど、豊富な栄養素と身近な「乾物」を紹介!
世の中には、さまざまな種類の乾物があります。そのなかでも、私たちにとって身近な乾物と、特に豊富な栄養素について詳しく紹介します。
- 干しシイタケ(ビタミンD、食物繊維)
- 切り干し大根(食物繊維、カルシウムなどミネラル類)
- 乾燥ひじき(食物繊維、鉄分、マグネシウムなどミネラル類)
- 高野豆腐(ビタミンE、たんぱく質、カルシウムなどミネラル類、イソフラボン)
- 寒天(食物繊維)
- きくらげ(ビタミンD、食物繊維、鉄分、カルシウムなどミネラル類)
スーパーなどで1度は目にしたことのある食材ばかりではないでしょうか?
切り干し大根などが多く含む、ミネラルの代表格カルシウム
カルシウムは、ミネラル類の1つで、人の体重の約2%はカルシウムが含まれているようです。
そして、そのうちの約99%が骨や歯に、残りの約1%は血液中や筋肉など細胞にあるといわれています。
つまり、体内にあるカルシウムが減少すると、骨が弱くなり骨粗鬆症の大きな原因になってしまうといえるのです。
また、カルシウムは血液中に存在し、カルシウム濃度が低下するとイライラや筋肉痙攣を引き起こすことが考えられます。
なので、昔から、イライラしている人を見ると「カルシウムが足りてないんじゃない?」と言ったりしますが、この質問、実は理にかなっていたのですね。
そして、カルシウムは健康だけではなく、肌への影響など美容面にも大きくかかわっていることが、わかっています。
肌には、うるおいをキープするために重要な天然の保湿成分があります。そのなかで、もっとも多く存在する成分が「セラミド」です。
カルシウムは、このセラミドなどの働きを促進する役目もあります。一見、カルシウムは肌に直接関係ないように思いますが、実はとても重要な働きをしているのですね。
よくよく考えてみると、年を重ねると肌の乾燥やシワが気になってくる方が多いですよね。そして、カルシウム不足を指摘される方も少なくないです。
こう考えると、少なからず、カルシウムは肌にも関係していることがわかりますね。
そこでオススメなのが、切り干し大根をはじめ、
- 乾燥ひじき
- 高野豆腐
- きくらげ
などの乾物食品です。
カルシウムに関係しているミネラルの一つ、マグネシウム
マグネシウムって、よく耳にするけれど、どんな働きをしているのかご存知ですか?マグネシウムは私たち人間をはじめ、生きものに必要なミネラルの一種です。
そして、健康を維持するうえで、とっても大切な栄養素でもあります。カルシウムと同じで、丈夫な骨や歯を作るには、必須のミネラルです。
マグネシウムは、カルシウムを骨や歯に吸収させる働きを担っています。2種がバランスを保つことによって、さらに強く丈夫な骨や歯を作りあげていくことができます。
また、マグネシウムは精神を安定させ、イライラを防ぐ効果もあります。これも、カルシウムと同じ効用ですね。
つまり、マグネシウムとカルシウムは、互いになくてはならない存在ということです。美容面では、エネルギー代謝を促進する作用があるため、ダイエットにも向いています。
さらに、シミの原因となるメラニンを排出する作用もあるので、美肌へも導いてくれます。マグネシウムとカルシウムのバランスが良い、オススメの乾物は、乾燥ひじきや乾燥わかめなどの海藻類です。
不足すると貧血の恐れがある、鉄分
乾燥ひじきなどの乾物に含まれる鉄分は、血液と大きな関係のあるヘモグロビンを作る材料になります。
鉄分豊富な乾物を食べて、貧血を防いでいきましょう。こちらで紹介している、たんぱく質が豊富な高野豆腐と、鉄分を含む乾燥ひじきのレシピも、ぜひ参考にしてみてください。
腸をきれいに!食物繊維
乾物は、食物繊維も多く含んでいる食材です。有名なのが、寒天や切り干し大根ではないでしょうか?
乾物が含む食物繊維は、「不溶性食物繊維」といって、水にとけにくい性質をしています。
そのため、小食が理由で便秘になってしまう方には、便の量増しが期待できるのでオススメです。
また、体内にある毒素を吸収し、便となり排出してくれるデトックス効果もあります。(便秘の種類によっては逆効果になってしまうことがありますので、注意してください。)
ちなみに、寒天は「水溶性食物繊維」といって水に溶けやすい性質のため、便を柔らかくしてくれます。
比較的、海藻類の乾物は「水溶性食物繊維」を含んでいることが多いです。
2種の理想摂取比率は、不溶性2に対して、水溶性1といわれています。意識して、どちらかの食物繊維に偏らずバランスよく食べるようにしましょう。
太陽に当たることでも作られる、ビタミンD
ビタミンDはマグネシウムと同様、カルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にする働きをしています。
また、ビタミンDは“太陽ビタミン”といわれ、太陽に当たることで生産されることも知られています。
食材を天日干しすることによって、ビタミンDがグッと増す理由にもなっとくですね。
その代表格の食材が、シイタケです。なんと、生シイタケに比べ、干しシイタケはビタミンDの量が10倍ほども多いのです。
他にも、ビタミンDにはガンを防ぐ効果があることが、近年わかってきたようです。健康に美容に、乾物を取り入れない手はないですよ!
万能な「乾物」を使わない理由はない!今日から実践、簡単レシピ
比較的どのスーパーでも手に入り、なおかつお手頃価格で日持ちもする。しかも栄養満点!と、いいこと尽くめの乾物を使った簡単レシピを紹介します。
ぜひ、今日から取り入れてみてください。
優秀乾物のダブルパワー!切り干し大根と干しシイタケの煮物
切り干し大根と干しシイタケでは、うま味を出すには戻し時間異なります。少しこだわりたいという方は、下で紹介している”戻すときのポイント”をご覧ください。
- 【材料】2人分
- 切り干し大根 10g
- 干しシイタケ 6g(3~4個)
- 干しシイタケの戻し汁 50cc
- めんつゆ(ストレートタイプ) 15cc
- 醤油 小さじ1
- みりん 大さじ1
- ごま油(なくてもOK)
- 油揚げ 2枚
- 作り方
- 切り干し大根と、干しシイタケ、それぞれをたっぷりの水で戻す。
- 切り干し大根は、適当な長さに切り揃え、干しシイタケと油揚げは千切りにする。
- 鍋に、2で切り終えた材料をすべて入れる。
- 具材を入れた鍋に、干しシイタケの戻し汁、めんつゆ、醤油、みりん、すべての調味料を入れる。
- 具材と調味料を軽く混ぜ合わせ、中火で煮る。
- 水分がなくなったら、出来上がりです。
切り干し大根と干しシイタケ、戻すときのポイント
切り干し大根と干しシイタケでは、うま味を出すには戻し時間異なります。少しこだわりたいという方は、ご覧ください。
干しシイタケを戻す時間がないときは、以下を参考にしてみてください。
- 耐熱容器に、軽く水洗いした干しシイタケと、シイタケが浸る量の水を入れる。
- ラップをして、電子レンジで3分程加熱させる。
- レンジから取り出し、15分程おいたら完成。
鉄分にイソフラボン!乾燥ひじきと高野豆腐のふりかけ
しっとりとした、ふりかけを堪能してください。
- 【材料】2人分
- 高野豆腐 20g
- 乾燥ひじき 大さじ2
- 和風だし汁 150cc
- 酒 大さじ2
- 醤油 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 砂糖 小さじ1~2
- ごま油 大さじ2
- 作り方
- 食材が浸る適量の水に、高野豆腐と乾燥ひじきをそれぞれ10分程つけて戻す。戻したあと、ひじきは笊で水気をきっておきましょう。
- 高野豆腐を、5mm角ほどに切り揃える。
- だし汁、酒、醤油、みりん、砂糖、すべての調味料を合わせ、混ぜる。
- フライパンにごま油を入れ、熱したら軽く炒める。
- 3で作っておいた調味料を入れ、7分程炒めたら出来上がりです。
だし巻き玉子を作るときに、入れてもOKですよ。
生活習慣病を防いでくれる!?今話題の「乾物ヨーグルト」を紹介
雑誌やテレビで話題の「乾物ヨーグルト」って、ご存知ですか?こちら、乾物を水ではなくヨーグルトで戻すため、「乾物ヨーグルト」なる名前がついています。
ヨーグルトには、“ホエイ”といって、良質なたんぱく質が含まれています。「筋肉をつけて体を引き締めたい!」「肌をキレイにしたい!」という方には、もってこいの成分です。
ヨーグルトのフタを開けると、水らしきものが上に浮いていますよね?それが、「ホエイ」です。
他にも、ヨーグルトには言わずと知れた「乳酸菌」も含まれている健康食品ですよね。
単品で、すでに素晴らしいパワーを持つヨーグルトと乾物です。組み合わさることで、さらにお互いの良さを引き立たせることが、できるようなのです。
「乾物ヨーグルト」の作り方と、期待できる効果
乾物を水で戻すと、カリウムやビタミンB群などは多く失われてしまいます。ですが、ヨーグルトで乾物を戻すと、カリウムやビタミンB群もキープすることができます。
さらには、体への吸収率があがり、ヨーグルトの良質なたんぱく質も加わり、栄養価が倍以上になると発表されていますよ。
予防効果が期待できると、紹介されている症状をみていきましょう。
- 生活習慣病
- ガン
- 更年期障害
- 骨粗鬆症
- むくみ
- 貧血
- 便秘
などです。すごいですよね!女性に嬉しい効果ばかりです。乾物には、もともと生活習慣病など、さまざまな症状に効果が期待できる栄養素が、豊富に含まれています。
ヨーグルトを使うことによって、さらに栄養価があがるのです。おそるべし、乾物ヨーグルト…。どうせ乾物を食べるのなら、試してみたいですね。
では、作り方をお伝えします。
乾物ヨーグルト
- 材料
- タッパーなど、フタ付の容器
- お好みの乾物(乾燥ひじき以外) 適量
- お好みのヨーグルト 適量
- 作り方
- タッパーに乾物を入れ、乾物がうまるくらいの量のヨーグルトを上からかける。
- 乾物とヨーグルトを、絡ませながら混ぜる。
- タッパーにフタをし、冷蔵庫に入れ7~8時間保存して、できあがり!
乾物は、水で戻したときと同じように戻ります。なので、乾物の量には気をつけてくださいね。
漬ける際に使ったヨーグルトも、乾物の栄養が含まれているため捨てず、料理に活用しましょう。
ちなみに、乾物についたヨーグルトは、水に流さないでください。そのまま料理に使ってくださいね。
ひじきは「乾物ヨーグルト」に向かない
ひじきには、天然の有機ヒ素という化合物が含まれています。乾燥ひじきのパッケージ裏を読んでみてください。
すると、「ひじきを戻した水は捨て、洗ってご使用ください。」というような説明書きがされているはずです。
これは、ひじきに天然で微量とはいえ、有毒性物質が含まれているからなのです。ひじきを食べるぶんには、健康上に問題ないので心配しないでください。
ですが、「乾物ヨーグルト」は基本、乾物を漬けたヨーグルトも残さずに食べます。ということは、ヨーグルトに溶け込んだ毒素も一緒に食べてしまうことになります。
毒素といっても、それほど強いものではないので多少口に入ったとしても、さほど害はありません。ですが、乾物ヨーグルトにひじきは避ける!ということを頭に入れておきましょう。
レシピを1つ紹介
せっかくなので、「乾物ヨーグルト」を使ったレシピを1つ紹介します。“健康美人のための最強、乾物ヨーグルト味噌汁”です。
- 材料(1人分)
- 切り干し大根 5g(ヨーグルトで戻し済)
- 干しシイタケ 3g(ヨーグルトで戻し済、スライスタイプだと便利)
- ネギ 適量
- 味噌 大さじ半分~1
- 水 180ml
- 作り方
- 水を鍋に入れ、沸騰させる。
- 沸騰したら、ヨーグルトで8時間ほど漬け込んだ、切り干し大根と干しシイタケを入れる。
- 材料に火が通ったら、火を止めて味噌をとく。
- ネギはみじん切りにし、最後にふりかけ、できあがり!
すごく簡単にできますし、健康、美容の邪魔になるものがなにもない、スーパースープです。ぜひ、試してみてください。
使い方次第で、さまざまな料理に加えられる「乾物」はまさに万能食材
健康美人を目指す方に、とってもオススメな「乾物」。使い方次第で、いろいろな料理に加えられ、アレンジが効く優秀な食材です。
しかも、栄養満点ですから使わない手はないですよね?サラダなどで、生野菜もあわせて食卓にならべれば、酵素もとれて最高です。
女性に嬉しい効果がたくさん詰まった「乾物」に、ぜひ改めて注目してみてください。
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