ポリフェノールの効果でアンチエイジングや美肌、ダイエットを叶える!
Date:2017.01.12
ポリフェノールが健康にいいということは知っていても、何がどういいのか、何を食べれば摂れるのかということまでは詳しくわからない、という人が多いのではないのでしょうか?
赤ワインは日本でもブームになりましたが、他にもポリフェノールを含む食材はたくさんあるんです。
そこで、ポリフェノールについて徹底解説!アンチエイジングや健康に様々な効果効能のあるポリフェノールのすごさをご紹介します。
この記事の目次
活性酸素を除去するポリフェノール
ポリフェノールには強力な抗酸化作用があり、健康に良い栄養素としてすっかり定着した感があります。
ビタミンCのように、「ポリフェノール」という固有名詞を持った物質ではなく、化学構造状の定義でいうと「2つ以上のOH(水素基)がついたフェノール環構造をもつ分子の総称」ということになっています。
ポリフェノールはファイトケミカルの一種
たんぱく質や脂質などの5大栄養素に加え、食物繊維が第6の栄養素といわれるようになったのは1971年。
それ以外の物質は栄養素としては見なされていませんでした。1980年代に入り、植物にはビタミンとはまた違った働きをする物質があるということがわかり、それが「ファイトケミカル」と名付けられました。
- 植物の色素
- 芳香成分
- えぐみ
- 渋味成分
などがすべてファイトケミカルです。
ポリフェノールはその中のひとつで、4000種類以上もあるのだとか。ほとんどが水溶性で抗酸化作用を持っています。
フレンチパラドックスがきっかけで注目を浴びる
フランス人は肉、バター、チーズが大好きで、高カロリーな食事をしているにもかかわらず、心臓病による死亡率が低い、という「フレンチパラドックス」に注目したのがフランスの科学者ルノー博士。
その要因が赤ワインであるということが発表されると、赤ワインのポリフェノールに注目が集まるようになりました。
ポリフェノールは植物に含まれている
たとえばビタミンは植物にも動物にも含まれていますが、ポリフェノールは植物の光合成によって作り出される成分で、植物の
- 葉
- 茎
- 実
などに含まれています。
動物よりも植物の方が長生きできるのは、このポリフェノールの抗酸化作用の力が大きいといわれています。
ポリフェノールの種類はこんなにある!
ポリフェノールには本当にたくさんの種類があり、それぞれが独自の薬効を持っています。
たくさんあるポリフェノールの中から代表的なものをいくつかご紹介しますね。
チョコレートに含まれる「カカオポリフェノール」
チョコレートだけでなくココアにも含まれているカカオポリフェノール。カカオ豆に含まれているポリフェノールで、チョコレートの少し香ばしい香りの元でもあります。
カカオポリフェノールの一番の働きは気持ちをリラックスさせることでしょう。ストレスを和らげて、抗ストレスホルモンの分泌も抑制します。
他にも、
- 血管を広げて高血圧予防
- 動脈硬化予防
- アレルギー症状の緩和
- 脳の活性化
- ニキビ予防
などに効果があるとされています。
仕事をしていて疲れた時やストレスを感じた時にチョコレートを食べるとほっとするのはカカオポリフェノールの効果だったんですね。
また、チョコレートのカカオ成分にはカカオプロテインも含まれていて、小腸で消化されずに大腸に到達するため、便通改善の働きもあるといわれています。
甘いものは逆にニキビの原因になってしまうので注意です。
ブルーベリーの「アントシアニン」
青紫の色素成分で、
- ブルーベリー
- ビルベリー
- カシス
- なす
- 紫芋
- 黒豆
- ブドウ
などに含まれています。
光の刺激を脳に伝えるための「ロドプシン」という物質の再合成を促進することで、視力の回復に役立つとされています。アントシアニンだけで400種類以上もあるのだそうです。
また、血圧をあげる酵素の働きを阻害するので、高血圧の予防にも役立ちます。他にも、
- 血小板の凝固を防ぐ
- 毛細血管を保護する
- 心筋梗塞、動脈硬化などを防ぐ
- 肝機能を改善する
など、様々な効果があります。
アントシアニンは加熱しても壊れないので、ブルーベリーのジャムにしてもOK。
コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」
コーヒー以外にもさつまいもの皮にも含まれています。細胞の突然変異を防ぐことでがんを予防するとされています。
「カフェ酸」もコーヒーに含まれている
コーヒーの深みのある色や香りの元になっているポリフェノールです。がんの増殖や転移を抑える効果が期待されています。
ラズベリーやユーカリの「エラグ酸」
がんの発生だけでなく、増殖も抑える働きがあります。
また、血中のコレステロールを低下させ、肝機能を強化します。
- 高血圧
- 糖尿病
など様々な生活習慣病に効果があるとして注目されるポリフェノールです。
美肌作りに最適な「フェルラ酸」
米ぬかに含まれるフェルラ酸は、活性酸素を除去する働き以外に、
- 紫外線を吸収する
- メラニン色素の生成を抑える
などの働きで、美白効果の高いポリフェノールとして化粧品などの成分としても使われています。
女性ホルモンのバランスを取る「大豆イソフラボン」
これもすっかりおなじみのポリフェノールかもしれませんね。大豆や豆腐などの大豆製品に含まれています。
女性ホルモンのエストロゲンと似た働きがあるので、女性ホルモンのバランスを整えて、
- 生理不順
- 生理痛
- 生理前症候群
- 更年期障害の不快症状の緩和
などに役立つとされています。
日本人で良かった!緑茶の「カテキン」
カテキンは殺菌作用、抗菌作用にすぐれ、食中毒の原因となる、
- 黄色ブドウ球菌
- 腸炎ビブリオ菌
ボツリヌス菌などの強力な細菌の細胞膜を破壊して殺すことが出来るんです。
また、O-157を引き起こす種類の黄色ブドウ球菌や胃潰瘍の原因とされるビロリ菌を退治することが出来るのです。
- 脂肪の吸収を抑えて体脂肪を減らす
- 血糖値を低下させる
などの働きもある事からトクホ(特定保健用食品)にもカテキンが含まれていますね。中性脂肪が気になる人にも効果的です。
お茶の渋味成分「タンニン」
緑茶や紅茶に含まれる渋みの元です。タンニンには肌を引き締める収れん作用があることから、洗顔料などの化粧品にも配合されています。
他にも
- 脂肪分解作用
- 殺菌作用
- 抗がん作用
- 抗ウィルス作用
など、様々な薬効があります。
血中コレステロールを低下させることから、心臓疾患や脳梗塞を予防する働きもあります。
アレルギー症状によい「ロズマリン酸」
タンニンの仲間であるロズマリン酸は、
- 赤じそ
- ローズマリー
に多く含まれています。
抗炎症作用と抗アレルギー作用が強く、
- アトピー性皮膚炎
- 花粉症
- 関節炎
などの症状に良いとされています。
リンゴに含まれる「アップルフェノン」(リンゴポリフェノール)
リンゴに含まれるポリフェノールで、アレルギー症状の改善に役立つとされています。
リンゴってすごいですね。ビタミンCや食物繊維でお肌にもいいのに、皮にはポリフェノールがたっぷり!
ダイエットに「ウーロン茶ポリフェノール」
脂肪の分解を促進して体脂肪を減少させるといわれるウーロン茶ポリフェノール。
また、血中コレステロールを低下させるので、ダイエットだけでなく生活習慣病が気になる人にもおすすめです。
赤ワインの「レスベラトロール」
赤い色の色素をもつレスベラトロール。
- ブドウの果皮
- 赤ワイン
- ビーナッツの渋皮
- サンタベリー
などに含まれています。
動脈硬化などを防ぎ、生活習慣病の予防が期待されているポリフェノールですが、その効果は動物実験の段階のものが多く、更なる研究が待たれるところです。
女性に嬉しいポリフェノールの美容効果
活性酸素を除去する働きは、美容に対する効果大!スキンケアだけでなく、ポリフェノールを含んだ食品を摂ることで、体の中からきれいになりましょう。
シミやシワを防ぐアンチエイジング効果
活性酸素は肌の老化の元凶です。活性酸素は本来身体に必要なもので、外的から体を守る大事な役目があります。
ところが増えすぎると細胞を傷つけて
- シミ
- シワ
の原因になるのです。
鉄も酸化するとさびますよね。恐ろしいことにあれと同じ現象が細胞でも起きるわけです。
脂肪燃焼効果でダイエットにも有効
ポリフェノールの中には、ダイエットに効果のあるものがいくつかあります。脂肪の吸収を抑えるとともに、脂肪の燃焼を促進してくれます。
- アップルフェノン(リンゴポリフェノール)
- クロロゲン酸
- ウーロン茶ポリフェノール
- カテキン
などがダイエットに効果的なポリフェノールです。
ポリフェノールでもっと健康になろう!
ポリフェノールには動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病を予防する働きもあります。まだ若いから関係ないと思っているかもしれませんが、今や年齢は関係ありません。
昔は中高年の病気だと思われていたものも、食の欧米化や不規則な生活で、20〜30代の女性にもその予備軍が大勢います。健康診断の結果は問題ありませんか?
ポリフェノールを積極的に摂って、将来生活習慣病にならないように気をつけていきたいですね。
生活習慣病の予防と改善効果
ポリフェノールには、血中のコレステロールを低下させることで
- 高血圧
- 糖尿病
- 高脂血症
- 動脈硬化
などの予防に効果があるとされています。
脂っこいもの、甘いもの、味の濃いものが好きな人は特に要注意です。
- ウーロン茶ポリフェノール
- クロロゲン酸
- アントシアニン
- エラグ酸
などを摂ると良いでしょう。
がんの予防、がんの増殖を抑える効果
がん細胞自体は毎日身体のあちこちで発生していますが、通常の免疫力がしっかり働いていればなくすことが出来るのです。
ところが、ストレスの多い毎日では体内に活性酸素が大量に作られて健康な細胞を傷つけてしまいますし、免疫力も低下していきます。
ポリフェノールはその活性酸素を除去する力が強いので、がんの予防に役立つとされているのです。
なぜがん細胞が出来てしまうのか、その原因の多くは食生活などの生活習慣なのです。
- ファストフード
- インスタント食品
- 動物性脂肪の多い食事
などは、がんのリスクを高めるといわれています。
更年期障害の症状を改善する
大豆や豆腐などの大豆製品に含まれる大豆イソフラボンには、女性ホルモンのバランスを取る働きがあります。
イソフラボンが体の中で効果を発揮するためにはエクオールという成分への変換が必要ですが、それが出来るのは女性の中でも50%ほどしかいないのだそうです。
ただ、欧米人は3分の1程度だといいますから、それよりは多いですね。更年期障害が出てから急いで豆腐を食べるのではなく、40代半ばに近づいたら徐々に準備を。
イソフラボンは1日75mgが摂取目安量といわれています。
食品 | イソフラボンの量 |
---|---|
納豆1パック | 約35mg |
豆腐半丁 | 約40mg |
豆乳200ml | 約40mg |
きな粉大さじ1 | 約10mg |
上記の量を目安として、出来れば毎日摂りたいですね。
骨粗しょう症を防ぐ働き
カルシウムを毎日摂るのは難しいですね。そこへきて、女性の場合は女性ホルモンが減少することによって骨の代謝が悪くなるため、閉経後は骨粗しょう症になりやすいといわれています。
そうなる前にポリフェノールで予防しましょう。骨粗しょう症の予防にも大豆イソフラボンが役に立ちます。
減少するエストロゲンを補うことで、骨からカルシウムが溶け出すのを防いでくれるからです。
骨粗しょう症はなってからでは遅いので、まだ骨が丈夫なうちから対処して骨密度を高めていきましょう。
赤ワインの認知症の予防効果
赤ワインに含まれるポリフェノールで認知症予防できるかもしれないという期待がたかまっています。
最も抗酸化作用の強い機能性食材は葡萄酒(赤ワイン)に含まれるポリフェノールやレスベラトロールと言われています。
大規模試験でフランスのボルドー地方に住む65歳以上3,777人に対して3年間の認知症発症率と赤ワインの摂取量を調査しました。
赤ワインを2~3杯(200~300ml)を飲む人が、飲まない人よりも認知症発症率が80%抑制したと言われています。
また、名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋教授と原田准教授の研究によれば、赤ワインのレスベラトロールが海馬を活性化させることがわかったとのこと。
ポリフェノールをたっぷり摂る方法
ポリフェノールが美容や健康に良いことはわかりました。では、どのように摂れば効果的にポリフェノールを摂取できるのでしょうか。
こまめに摂取することが大事
ポリフェノールは水溶性なので持続時間が短いのが難点です。体内に入って3〜4時間もすると体外に排出されてしまいます。
つまり、長時間に渡って効果を実感できるわけではなく、また溜めておくことも出来ないのです。
ですからポリフェノールはこまめに摂るのが大事だということを覚えておいて下さい。
ポリフェノールを意識して食材を組み合わせる
1度にたくさん摂らず、こまめに摂るにはどうするか?常にポリフェノールを含んだ食材選びを意識しておくといいでしょう。
例えば、
- 朝は牛乳よりもブドウのジュース
- ランチの後にコーヒーか紅茶
- 寝る前にはハーブティーよりもホットの豆乳
など。
- おやつはクッキーよりビターチョコレート
- パンに付けるならバターよりブルーベリーのジャム
- 脂っこい食事の時は水よりもウーロン茶
ポリフェノールが多く含まれる皮ごと食べる
ポリフェノールは皮の部分に多く含まれているので、野菜も果物も出来るだけ皮ごと食べた方がたくさんポリフェノールを摂ることが出来ます。
特に果物は皮をむかずにそのまま食べた方がいいですね。
皮ごと調理するジャムなどもおすすめです。
ポリフェノールを摂るときの注意ポイント
何事もほどほど、適量というものがあります。体にいいからといって過剰摂取をするとかえって健康を損なうことも。
コーヒーのクロロゲン酸ががんにいい!といって1日10杯も飲んだら、カフェインの摂り過ぎになってしまいます。体に良いという食べ物も、様々な栄養素を含んでいるのでバランスよく適量を摂ることが大事ですよね。
過剰摂取をした時の副作用が心配されるポリフェノールにはどのようなものがあるのかも知っておきましょう。
妊娠中は大豆イソフラボンに注意
イソフラボンには女性ホルモンのバランスを整える作用があり、生理前症候群(PMS)や更年期障害の諸症状の緩和に有効とされていますね。
これは、女性ホルモンのエストロゲンを補うことでバランスをとることができるからです。
ただ、妊娠中は心も身体も通常の状態ではなく、イソフラボンを過剰摂取するとただでさえ乱れているホルモンバランスをよけいに乱してしまう可能性があります。
豆腐や大豆製品から摂れるイソフラボンの量での十分なので、サプリメントで過剰摂取にならないように気をつけて下さい。
コーヒーは1日5杯までにしておく
朝、ランチの後、おやつの時間。これだけでもう3杯ですが、それ以外の時間もコーヒーを飲んでいる人は、クロロゲン酸の摂り過ぎに注意が必要です。
コーヒーにはカフェインはクロロゲン酸などが含まれているので、脂肪燃焼効果やガン予防の効果が期待できますが、実は過剰摂取は肥満になる、ということが西オーストラリア大学の研究チームの実験によってわかっています。
マウスを使った実験ではありますが、コーヒー5〜6杯分のクロロゲン酸を摂ることで脂肪を溜め込みやすくなるのだとか。
それによってインスリンの働きも悪くなり、糖尿病になる可能性も指摘されています。
様々なポリフェノールを組み合わせることが大事
何でも、身体にいいからといって、そればかりを摂るのはよくありません。
色のきれいな野菜や果物にはたいていポリフェノールが含まれていると考えてもよいので、様々な種類のものをバランスよく食べることが大切です。
健康に不安のある人も、薬に頼る前にポリフェノールの力を借りて、細胞レベルで体質改善をしていきたいですね。
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ポリフェノールはどうやって抽出するのかを教えてください。