もしかして冬季うつ病?冬によく食べる・寝る・太る人は要注意
Date:2017.11.07
毎年、冬になると「白ご飯がおいしい!」「甘いものが食べたい!」と食欲旺盛になり、春が来る頃にはすっかり太ってしまっているというあなた。
それは単なる冬太りでしょうか?
冬限定の病「冬季うつ病」には、炭水化物や甘いものが無性に食べたくなったり、よく寝たり、非活動的になるために太るという症状があります。
もし、あなたが「冬季うつ病」の場合、太るからといって食事制限をしてしまうと症状がさらに悪化することも。ただの「冬太り」なのか、「冬季うつ病」なのか見極めなければなりません。
普通のうつ病と違い、よく食べ、よく眠り、よく太る「冬季うつ病」。見た目に健康に見えるため、うつ病とは気づかれない場合も多いのですが、精神面での落ち込みはうつ病と同じ。正しい対処法を見つける必要があります。
冬になると太り、気分の落ち込みが激しくなる人は、一度「冬季うつ病」を疑ってみた方がよいかもしれません。
この記事の目次
春になると自然に治る冬限定の病!「冬季うつ病」とは?
冬季うつ病とは「季節性感情障害」のひとつで、秋から冬にかけて抑うつ症状が出る季節性のうつ病のことです。
春先になれば自然と回復します(人によっては躁状態になることも)。うつの症状は冬に限定されます。
病名に「うつ病」と入っていますが、精神面での落ち込み方などはうつ病と同じでも、体への影響は違います。
うつ病が「不眠・食欲低下・体重減少」なのに対して、冬季うつ病は「眠気・食欲増加・体重増加」と真逆です。
太陽の光が足りない!「冬季うつ病」の原因とは
日照時間が短い冬に発症する「冬季うつ病」には、太陽の光を十分に浴びないことが大きく影響しています。
- メラトニン分泌異常
- 通常、暗くなると分泌が活発になり、眠気を引き起こす「メラトニン」。日照時間が短くなり、目に入る光の量が減少することにより、メラトニン分泌のタイミングが狂ったり、過剰に分泌されたりして、過眠や体内時計の乱れにつながります。
- セロトニンの減少
- 日照時間が短いことで光による刺激が少なくなると、セロトニンが減少してしまいます。神経伝達物質であるセロトニンが不足すると、脳の活動が低下することに。
軽度の場合は病気の自覚がないことも…「冬季うつ病」の症状とは
冬はもともと、その寒さ厳しい季節に対抗するため、十分な休息を取ろうと眠たくなったり、エネルギーを蓄えようと食べる量が増えたりする傾向にあります。
気が滅入ったり、落ち込んだりという抑うつ状態が軽度である場合は、特に冬季うつ病の症状を疑うこともなく、気づかずに過ごしている人も多いようです。
「冬太り」と「冬季うつ病」では、結果としては同じ「太る」でも、対処の仕方は異なります。
冬季うつ病に見られる症状に思い当たる項目はないか、チェックしてみましょう。
- 気が重い、だるい、無気力になる
- 気力、好奇心などが低下する
- 人付き合いや外出が面倒になる
- 集中力が落ち、できるはずのことが上手くこなせなくなる
- やたらと悲しくなる、涙が出る
- 「私なんて…」と自己否定的になる
- 一日中ゴロゴロしてしまう
- いくら寝ても眠い、朝起きることができない
- 炭水化物や甘い物を食べたい気持ちが抑えられない → 太る
思い当たること、いくつありましたか?まるっきり思い当たる節がない人は「冬季うつ病」の心配なし。冬に太っても、ただの冬太りです!
いくつか思い当たる症状がある人、「もしかして」と不安になった方は、「冬季うつ病」の対処法について検討してみた方がよいかもしれません。
「冬季うつ病」対処法 その1:医療機関で治療
冬季うつ病の症状に思い当たる項目が多い人、気分の落ち込みやその他の症状がひどくて、日常生活に支障がある人は、ぜひ、医療機関を訪ねてください。
光療法
冬季うつ病と診断された場合の代表的な治療法です。高照度光照射装置を用いて、2500~1万ルクスの光を浴びます。
約7割の患者に効果があり、早い人では1週間で効果が現れることも。効果が出ない場合は、抗うつ薬などの投薬治療になるようです。
ビタミンD投与
光療法が主流のようですが、「光療法よりもビタミンD投与の方が効果がある」という研究結果も報告されています。
病院によっては、ビタミンDを投与することもあるようです。
「冬季うつ病」対処法 その2:家庭でできる改善法
気になる症状はあるけれど、病院に行くほどではないような…というあなたは、日常的な取り組みで改善を目指してみてください。
光に当たる生活を心がける
日照時間が短いことから来ているのです。とにかく、少しでも多く光に当たるように心がけてください。
たとえば、
- 晴れている日は外出する
- 屋内にいる場合も、日の当たる窓際にいるようにする
- 日差しを受けるのが無理なら、せめて電気をつける
とにかく、しっかりと光を浴びる生活を心がけてください。
どうしても十分な光源を得られない人は、市販の光照射装置などを利用してみるのもよいかもしれません。
食事で補う
ビタミンやたんぱく質を積極的に摂るように心がけましょう。
セロトニンは必須アミノ酸のひとつトリプトファンから作られるため、肉・魚・大豆などのタンパク質を摂るようにしましょう。
トリプトファンの吸収をよくするためには、ビタミンB6が必要なので、ビタミンB6を多く含むバナナやさつまいも、レバーや青魚なども併せて摂取するとよいでしょう。青魚に含まれるEPAやDHAは抗うつ効果があるので特にオススメです。
また、炭水化物もトリプトファン吸収を助ける働きがあります。食べ過ぎはいけませんが、お米・そば・いも類なども適度に摂ってください。
美容のために徹底したUVカットを心がけている人、肉食中心の人はビタミンD不足の可能性があるため、脂ののった魚やキノコ類などを意識して食べるようにするとよいでしょう。
規則正しい生活を心がける
早寝・早起きや、三食きちんと食べることなど、生活のリズムを整えることが大切です。その中でも朝の時間帯をしっかりと押さえること。
- 朝早起きして、しっかり朝日を浴びる
- 毎日決まった時間に起きて、生活リズム・体内時計を整える
どうしても朝起きることができない人は、部屋の電気をつけるだけでも違います。LEDシーリングライトの中には、お目覚めタイマー機能として、徐々に室内を明るくしてくれるものもあります。
日の出前に起きる人や、雨戸やカーテンで室内に朝日が差し込まない人は、このタイプのライトを使えば、やさしい光とともにスッキリ目覚めることができます。
目覚ましの音で無理やり起こされるよりも、光で自然に目覚める方が、質のよい睡眠・質のよい目覚めが得られるようです。
枕元に設置する「光目覚まし時計」も、同様に光によって自然に目覚めることができますが、目覚めるのに十分な明るさを備えた高性能のものはかなりの高額(シーリングライトより高い)です!
適度な運動を心がける
うつ病同様、冬季うつ病にも適度な運動は有効です。有酸素運動はエンドルフィン(幸せホルモン)も分泌されるため、特におすすめです。
屋外での運動なら、日光を浴びることもできて一石二鳥。ストレスに感じない程度の運動を、日常生活に取り入れてください。
サプリメントで補う
ビタミンB群、ビタミンDなどは、サプリメントでも補給できます。
手っ取り早い方法ではありますが、ビタミンDは過剰摂取すると病気になることも。簡単に摂取できる分、摂取量には注意が必要です。
過剰摂取が心配な人は、日光浴や食事によるアプローチを。
住環境を考える
日中、働きに出ていてほとんど家にいない人であればまだよいのですが、家の中にいる時間が長い主婦の方などは、家の中の明るさにも注意を払う必要があります。
- 家具で窓をふさがない
- 日当たりのよい部屋にいるようにする
- 引っ越しの予定がある場合は、日当たりのよい物件を探す
緯度の高い土地へ引っ越したり、日当たりの悪い部屋へ転居したりしたとたんに、冬季うつ病を発症したという話はよくあるようです。
土地や家における日照時間も意識する必要があります。
冬季うつ病に食事制限ダイエットは厳禁!運動&日光浴を
少しずつ認知度も高くなってきた「冬季うつ病」ですが、冬に食べ過ぎて太るのは当たり前、と思っている人もまだまだ多いようです。
どうでしょう。少しは「冬季うつ病」について理解は深まったでしょうか。
冬季うつ病が原因で太っているところにダイエットをしたりすれば、十分な栄養を摂れないために、症状がひどくなってしまうことも考えられます。
冬場は太ったからといって、安易に食事制限ダイエットをしないようにしましょう。どうしてもダイエットしたい場合は、食事制限ではなく運動によるダイエットにしてくださいね。
冬に気分が沈みがちな人は冬季うつ病の可能性も高いので、晴れた日には日光浴を心がけて。
冬季うつ病ではない場合も、日照時間の減少と食欲増加には関係があるとも言われていますので、食べすぎ防止のためにも日光浴を!ダイエットにも冬季うつ病対策にも、冬はとにかく積極的に太陽の光を浴びましょう!
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