野菜の栄養を効率よく取る調理法。貴重な栄養素を逃したくない!
Date:2017.02.21
野菜を使って料理をする時、どういうところに気を付けて調理していますか?
多くの人が「手軽」や「簡単」といったところに注目して、調理をしているのではないでしょうか。
生で食べた方が栄養素が豊富なものもあれば、調理した方が栄養素がアップするという野菜もあります。
しかし、その調理法も全てのものが有効というわけではありません。
野菜の栄養素を最大限に活かすことができる調理法とは、どういうものがあるのか紹介していきます。
この記事の目次
基本はこれ!野菜を使った9つの調理法
まずは、野菜を使った調理法にはどういうものがあるかを知ることが大事です。
その調理法で料理することで野菜の栄養素がどうなるかを知れば、その野菜の栄養素を最大限に活かせる調理法というのが見えてきます。
その1.少量の油と火を使う「炒める・ソテー」
少量の油を使い、火を使って箸やヘラを使って掻き混ぜながら高温度で野菜を炒める調理法です。
ソテーという調理法はとても簡単で、火を通すことで多くの野菜を摂取することができます。
また、ソテーに向いている野菜というものもあります。
- 人参
- ほうれん草
- かぼちゃ
- トマト
- 小松菜
特にカロテンを含む緑黄色野菜は、油を使って炒めることでビタミンAの吸収率が良くなります。
その2.多くの油を使って調理する「揚げ調理」
揚げ物は大量の油を使うため、健康に良くないというイメージとともに野菜の抗酸化物質が失われるため、調理法ではよくないと言われています。
実際、野菜を揚げることで5~50%の栄養素が失われてしまいます。
しかし、脂溶性ビタミンを含む野菜は揚げることで栄養素の吸収率が良くなります。
- かぼちゃ
- 人参
- 玉ねぎ
こういった野菜は油を使って揚げることで栄養素の吸収率がアップします。
素揚げの場合は栄養素が逃げてしまうので、天ぷらやフライといったもので食べると栄養素を逃さず食べることができます。
その3.鍋に水を入れて使う「茹で調理・ボイル」
こちらも、揚げると同じように抗酸化物質が失われやすいと言われています。しかし、野菜の中には茹でなければいけないものもあります。
そういう野菜の場合、サッと茹でたり茹で汁を野菜スープとしてストックしておくなど、水に溶け出た栄養素も上手に使う必要があります。
その4.手軽で時短「電子レンジ調理」
時間がない時に簡単にできるのが、電子レンジを使った調理です。
最近は、レンジ専用のシリコン鍋なども多く販売されているため、簡単に調理することができます。
水を使わない為、野菜の栄養素を損なうこともなく、調理法の中では栄養素を最大限に維持してくれると言われています。
しかし、野菜の中で唯一抗酸化物質を激減させてしまうものがあります。それは、カリフラワーです。
電子レンジを使ってカリフラワーを調理すると、抗酸化物質が50%失われてしまいます。
その5.抗酸化物質を維持してくれる「鉄板焼き」
鉄板焼きというと、肉料理のイメージがありますが最近では野菜を鉄板焼きするという調理法もあります。
鉄板焼きとソテーは似ていますが、ソテーの場合は鍋やフライパンの中で掻き混ぜながら炒めるのが特徴です。
鉄板焼きは、鉄板の上に野菜を置いて掻き混ぜないで直火で焼くのが特徴になります。
実は鉄板焼きは電子レンジと変わらないくらい、野菜の抗酸化物質を維持するとも言われています。
- セロリ
- インゲン豆
- 玉ねぎ
こういったものが鉄板焼きに向いているとされています。
鉄板は選び方がポイントで、コーティング加工をしていないものの方がいいと言われています。
焦げ付きを予防するコーティング剤の中には、体に有害な物質が入っているものもあるので注意しましょう。
その6.じっくりと火を通す「オーブン調理」
肉の塊などと一緒に野菜をじっくりとオーブンでグリルする調理法があります。
オーブン調理と鉄板焼きは変わらないように感じますが、じっくりと火を入れることで栄養素も変わってきます。
- アスパラガス
- ブロッコリー
- ピーマン
- アーティチョーク
上記の野菜はオーブン調理した場合でも抗酸化物質は維持できます。
しかし、次のような野菜は抗酸化物質が落ちてしまいます。
- 人参
- カリフラワー
- ズッキーニ
- 玉ねぎ
また、オーブン調理することで抗酸化物質の量が増えるという嬉しい野菜もあります。
- ナス
- とうもろこし
- ほうれん草
- いんげん豆
その7.栄養素を失いにくい「蒸し調理」
野菜の栄養素を逃さない調理法として紹介されるのが「蒸し調理」です。
水を使わないため、栄養素が水に流れ出さないので栄養を損なうのを最小限にすることができます。また、生野菜よりも火を通すことで食べる量も増えます。
- ブロッコリー
- ズッキーニ
また蒸し調理の場合、脂溶性ビタミンもドレッシングなどを使えば栄養素の吸収率がアップするため、オススメです。
その8.サラダやすりおろしなど「生で食べる」
これは調理法と言えるか分かりませんが、野菜の中でも生で食べた方がいいものもあります。
- カイワレ大根
- キャベツ
- パセリ
- 水菜
生でも食べることができるものはビタミンを逃がさないように生で食べても問題ありません。
また、消化酵素などが含まれているものはすりおろして食べるのがオススメです。
- 大根
- 山芋
- かぶ
上記の野菜はすりおろして細胞が壊れることで吸収が良くなります。
その9.流れ出た汁ごといただく「煮る調理」
野菜には、水に溶けやすい水溶性ビタミンを含んだものがたくさんあります。こういったものは、茹でたりすると栄養素が流れ出てしまいます。
毎日飲む味噌汁などにすれば、無理なく毎日野菜を摂取することもできます。
ビタミンの種類によって調理法を変えると吸収が良くなる
よく野菜を調理する時、火を通すと栄養素がなくなるから生で食べた方がいいという人がいます。
実は、全ての野菜がそういうわけではありません。野菜には、大きく分けてみずに溶けやすい「水溶性ビタミン」と油脂に溶けやすい「脂溶性ビタミン」があります。
野菜を調理する時、その野菜が水溶性なのか脂溶性なのかによって調理法を変えることで、栄養素の吸収も変わってきます。
水に溶けやすい「水溶性ビタミン」
水溶性ビタミンとは、水に溶けやすい性質を持ったビタミンのことを言います。
- ビタミンB1、B2、B6、B12
- ビタミンC
上記が水溶性ビタミンになります。水溶性ビタミンの場合、火を通すだけではなく水で洗っても流れ出すため、調理前に水洗いしておくなどの工夫が必要です。
水溶性ビタミンが含まれる野菜は、下茹でが必要なものなどが多いのも特徴です。
- ほうれん草
- ブロッコリー
- モロヘイヤ
- 小松菜
こういったものが、水溶性ビタミンが多い野菜です。こういう野菜を調理する場合、茹でるのではなく蒸す方が栄養素は流れにくくなります。
また、炒めたり汁ごと食べるスープやカレーといったものに使うと栄養素を逃さず摂取することができます。
水溶性ビタミンを含む食材は、サラダなどで食べるよりも汁ごと食べる料理の方が栄養素を効率よく摂取することができます。
油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」
脂溶性ビタミンとは、油に溶けやすい性質を持ったビタミンのことを言います。
- ビタミンA
- ビタミンD
- ビタミンE
- ビタミンK
こういったビタミン類が脂溶性ビタミンになります。脂溶性ビタミンの場合、油と一緒に調理することで、栄養素の吸収を良くしてくれます。
- かぼちゃ
- 人参
上記のような緑黄色野菜は、ビタミンAなどが豊富に含まれているため油と一緒に摂取するようにしましょう。
油を使って炒めたり、天ぷらなどにすると油も適度に摂取できるため効果はアップします。
また、サラダで食べる時はオイルが少量入ったドレッシングを使うと吸収が良くなります。
野菜は切り方や切る時の処理方法で栄養素が変わる
野菜は調理法だけではなく、野菜の切り方やその時の処理方法によっても栄養素が変わると言われています。
普通、当たり前のようにやっていることが、実は栄養素を失うものに繋がっていることもあるので注意しましょう。
人参は皮も使うとカロテンの摂取量がアップ
人参を下処理する時、どうしていますか?料理番組などでもピーラーで皮を剥いて使っているので多くの人が皮を剥いてからカットして調理していると思います。
人参に多く含まれていると言われているカロテンは、免疫力をアップさせる効果があります。
病気の時に人参ジュースを飲むと免疫力がアップすると言われて、人参ジュースを飲んでいるという人もいると思います。
このカロテン、人参の中では皮の部分に1番多く含まれていると言われています。なので、皮を剥いてしまうとカロテンをほぼ捨てているということになります。
野菜は、出荷時に泥やヒゲなどを処理し洗っているため、ほぼ農薬は落ちています。調理前にまた洗えば農薬の心配はありません。
それでも野菜の農薬が気になるという人は無農薬野菜を購入したり、包丁の背の部分を使って皮を薄く削り落としていくと薄く皮を取り除くことができます。
じゃがいもを調理する時は皮をつけたままにする
じゃがいもを使ってサラダを作る時、時短になるからと皮を剥いて茹でていませんか?
じゃがいもに含まれるビタミンCは水溶性のため、茹でるとビタミンCが流れ出てしまいます。その他、カリウムも水溶性のため同じように水に流れ出てしまいます。
スープやカレーといった茹で汁も一緒に食べる料理の場合は、皮を剥いて調理しても構いませんが、サラダなどは皮を剥かずにそのまま茹でたり蒸したりして使うようにしましょう。
また、じゃがいもの皮にはクロロゲン酸が含まれています。普通のじゃがいもを皮つきで食べるのには抵抗があるという人が多いと思います。
皮が気にならない新じゃがなどは、スポンジなどで表面の薄い皮を取り除いて食べるとクロロゲン酸もしっかりと摂取することができます。
レタスやキャベツは切る前に水洗いする
サラダにレタスやキャベツを使う場合、食感を良くするために水にさらす人も多いと思います。
キャベツやレタスに含まれるビタミンCやカリウムは水溶性のため、水にさらすと栄養素が流れ出てしまいます。
切った後に水にさらすと、切った断面から栄養素が流れ出てしまうため、断面の少ない切る前に冷水に付けて、シャキッとさせるようにしましょう。
またレタスの場合、包丁で切るとレタスに含まれるポリフェノールが酸化してしまいます。
サラダに使う玉ねぎは薄切りにして水にさらさない
玉ねぎをサラダに使う時、水にさらして辛みを取るという人がほとんどだと思います。
水にさらせば辛みが取れて食べやすくなりますが、玉ねぎに含まれる「硫化アリル」が水に流れ出てしまいます。
タマネギを食べると血液がサラサラになると言いますが、この血液サラサラ効果を生み出しているのが、硫化アリルです。
サラダで食べる時は、漬け込んだドレッシングや酢も一緒に食べるようにしましょう。
また玉ねぎには「トリスルフィド」という成分が含まれており、次のような働きがあります。
- コレステロール値の低下
- 血液サラサラ効果
この成分は、玉ねぎを加熱することで効果が高くなるので、玉ねぎは生だけではなく加熱しても血液サラサラ効果は期待できます。
繊維を断ち切って野菜を切ると栄養分が損なわれやすい
野菜を切る時、その野菜の繊維を気にしていますか?よく料理番組でも「繊維を断ち切る」や「繊維に沿って切る」という切り方を指示しているものがあります。
繊維を断ち切ると細胞が崩れるため、野菜が柔らかくなります。その分、細胞が壊れているため栄養素も流れ出てしまいます。
野菜の栄養素を活かしたい場合は、繊維に沿って野菜を切るのがオススメです。
また、大きめに切ることによって繊維が崩れにくくなり栄養素も損なわれにくくなります。
野菜は生だけではなく加熱したものの積極的に食べるのがポイント
野菜は火を通すと栄養素が減ると、多くの女性が野菜はサラダで摂取しています。
生野菜は栄養素が逃げていないので栄養素を取り入れることを考えれば、とても効果的かもしれません。
しかし、生で食べられる野菜の大半が水分なので食物繊維などの量が少なくなっています。
また、加熱することで栄養素の吸収質がアップする野菜などもたくさんあります。
市販の野菜ジュースはあくまでも「補助」で使う
野菜を食べても、そんなにたくさんの量を食べることができません。その不足分を野菜ジュースで補っているという人もいます。
野菜を食べて、その補助として野菜ジュースを飲むのは有効ですが、全ての野菜を野菜ジュースで補うのはよくありません。
市販されている野菜ジュースは、濃縮還元したものが多く、その製造過程で栄養素が減っています。
特に熱に弱いビタミンCや口当たりを良くするために食物繊維はかなりの量がなくなっています。
野菜に合った食べ方をして効率的に栄養素を摂取しよう
野菜といってもそれぞれに特徴があり、その野菜に合った調理法もあります。
自分が食べる野菜がどの調理法が1番いいのかをしっかりと知って、効率よく栄養素を摂取するようにしましょう。
また、野菜は生野菜が1番いいというわけではありません。少量の生野菜を食べるより、加熱しても多くの野菜を食べた方がいい時もあります。
野菜はバランスよく食べることが大事です。しっかりと野菜を食べて、いつまでも健康で綺麗な女性でいたいですね。
Sponsored Link