野菜は皮まで使って栄養を摂取!野菜の皮は美肌作りにもお役立ち
Date:2016.11.01
ビタミンやミネラル、食物繊維など美しい身体を保つために欠かせない野菜たち。毎日たくさん食べたいものだけど、もしかして損な食べ方していませんか?
実は、野菜や果物の皮にもちゃんと栄養があるのです。
しかも、抗酸化作用という老化を抑制する働きをもつ魅力的な成分が!
皮まで食べられる野菜の種類とその栄養素を知って、ますます美味しく野菜を食べましょう。
皮にも栄養が含まれるのにはわけがある!
野菜や果物にとっての皮は人にとっての皮膚と同じで、紫外線など外部刺激から内側を守る役割をしています。
紫外線を受けると体内で過酸化物質が生成されて身体が酸化し老化します。それは人間も野菜・果物も同じなのです。
しかし、自ら移動することができない野菜・果物は、身体の表面に抗酸化作用のある成分を蓄えるということで、外部刺激から身を守ってきました。
そして、近年その成分が人にとっても有効だということが分かってきたのです。
健康と美容に欠かせない栄養素 フィトケミカル
野菜の色や香り、辛み、苦味などの成分はフィトケミカル(またはファイトケミカル)と呼ばれる化学物質で、
- 炭水化物
- たんぱく質
- 脂質
- ビタミン
- ミネラル
と並び「第6の栄養素」ともいわれています。
タマネギの皮に含まれるケルセチンはフィトケミカルの代表格です。
フィトケミカルは、
- 体内で老化を予防する抗酸化作用
- 病気になりにくい身体をつくる免疫力の向上
- 身体の中にある毒素などを体外に排出する体内浄化
といった働きをします。
捨てないで!野菜の皮は栄養満点!
フィトケミカルは野菜や果物の内側だけでなく皮にも多く含まれています。そのため、近年では皮まで丸ごと食べる方法が注目されているのです。
皮まで美味しく食べたいオススメの野菜と果物を紹介します。
たまねぎ
たまねぎの外皮には、ケルセチンという成分が含まれます。
ケルセチンは、野菜の白色部分の色素成分であるフラボノイドの一種です。
パセリのアピイン、アスパラガスやトマトのルチンと共にビタミンPとも呼ばれ、ビタミンと同じように体内で作用し、抗酸化作用や抗アレルギー作用などがあります。
しかし、ご存知の通りたまねぎの外皮は固くそのまま食べることはできません。
粉末にしてパンなどに練り込む場合もありますが、多くは水で成分を煮出して
- お茶
- スープ
としていただきます。
カボチャ
カボチャは皮が硬く、煮て柔らかくなる実の部分だけ食べたくなりますが、ぜひ皮の食用にトライしてもらいたい野菜のひとつです。
皮に含まれる成分はβカロテン。
体内でビタミンAに変換され、肌を強くして保護する働きや、老化の進行を抑える抗酸化作用などがあります。
煮物や天ぷらなどは皮付きのまま、ポタージュスープを作るときは、分量の4分の1ほどを残して角切りにし、別茹でして出来上がったスープにのせると見た目もオシャレで皮の栄養もいただけます。
また、カボチャは種にも栄養があり、捨てずに食べたい食品です。
ニンジン
ニンジンはβカロテンをたくさん含む野菜の代表格ですが、皮のすぐ下の部分に最も多くのβカロテンが含まれます。
そのため、皮をむく場合はピーラーなどでごく薄く、またはたわしなどでよく洗い皮のまま食べましょう。
カロテンは油との相性がいいので、
- 野菜炒め
- 天ぷら
などがオススメです。
ナス
ナス特有の濃い紫色はナスニンという成分で、アントシアニンの仲間です。
アントシアニンとは、ブルーベリーやブドウ、赤じそどにも含まれる成分で、老化の進行を抑える抗酸化作用や視力を守るなどの働きがある色素成分。
油との相性がよく、皮のまま乱切りにして炒めたり、揚げたりすると美味しく栄養も逃しません。
サツマイモ
サツマイモの赤紫色もまた、アントシアニンという抗酸化作用のある成分です。
ゆっくりと加熱すると甘みがグッと増しておいしいので、皮が付いたまま蒸かしたり、輪切りにして水にさらしバターで焼いたりして、いろいろな用途で美味しく食べることができます。
ダイコン
ダイコンを皮のままというイメージはあまりないかもしれませんが、ニンジンとは反対に皮を厚く切り、きんぴらなどにするのがオススメです。
ダイコンの皮には肌を守りキレイに保つビタミンCが豊富に含まれています。
油で炒めることで水溶性のビタミンCを逃すことなく身体に吸収できます。
ゴボウ
ゴボウは食物繊維が100g中におよそ6gと野菜の中でもトップクラス。
話題の腸活には欠かせない食材です。水分を吸収してふくらみ、腸の動きを促す不溶性食物繊維のリグニンと血糖値の上昇を抑制する水溶性食物繊維イヌリンが5対5の割合でバランス良く含まれます。
アクの成分はクロロゲン酸などのポリフェノールです。これがうま味を引き出します。
ジャガイモ
ジャガイモの皮には、ビタミンCや食物繊維が含まれます。
カレーやマッシュポテトにする時には難しいですが、揚げたり焼いたりする場合は皮がついたままにしましょう。
また、茹でたり蒸したりする時は、皮のまま調理し、その後で皮をむいたほうがビタミンCの損失を少なくできます。
リンゴ
秋から冬が旬のリンゴは食物繊維も豊富で、「一日一個のリンゴで医者いらず」と言われるほどです。
しかし、皮をむいてしまうとせっかくの食物繊維ペクチンも赤い色素で抗酸化作用のあるポリフェノールも損失していまいます。
流水できれいに洗って皮ごと食べるとよいでしょう。
話題のベジブロスに挑戦してみよう!
野菜の皮に栄養がたくさんあることは分かったけど、なかなかチャレンジできないという人もいるのでは?そんな人にオススメなのがベジブロスです。
ベジブロスとは?
ベジブロスとはベジタブル(野菜)+ブロス(だし)を略した造語で、つまり野菜で作るだしのことです。
ベジブロスに使うのは、野菜の皮や種、ヘタなど今まで捨てていた部分です。
この野菜の切れ端の中に機能性成分である「ファイトケミカル」が多く含まれております。
ファイトケミカルは植物に含まれる天然の化学物質で、強い抗酸化成分や免疫力増強効果があります。
このファイトケミカルは、野菜を煮出すことでさらに含有量が高くなることが医学的に解明されてきました。
SNSなどでも話題のベジブロス。
- みそ汁
- 炊き込みごはん
- 煮物
など、普段かつお節や昆布でとるだしの代わりにベジブロスを使うと、今までとは違うコクや深みが加わります。
簡単ベジブロスの作り方
簡単にできるベジブロスの作り方をご紹介します。
- 好みの野菜の普段捨てる部分を200g(例えば、たまねぎの皮とヘタ、ニンジンの皮とヘタ、トマトのヘタ、ネギの青い部分、キャベツの芯、サツマイモの皮、ナスの皮とヘタなど)を鍋に入れる。
- 1に水1300ml(出来上がりで1000ml)と小さじ1の料理酒を入れ、弱火で30分から40分ほど煮る。煮崩れすると雑味が出るので注意。
- 火を止めて、大きめのザルで漉したらできあがり。
ベジブロスの使い方
出来上がったベジブロスは、保存容器に入れて冷蔵庫で保管すれば2〜3日持ちます。いろんな料理に使って、料理の幅を広げましょう。
例えば…
- みそ汁
- 野菜スープ
- 炊き込みごはんやリゾット
- カレーやシチュー
など、皮やヘタを除いた野菜をそのままお料理にすると便利です。
無農薬じゃなくても大丈夫。野菜の準備の仕方
皮までしっかり食べたい野菜や果物。準備する際の注意点をご紹介します。
土を落としてしっかり洗おう
できれば無農薬の野菜がよいですが、無農薬でない野菜でも、たわしなどを使って流水でしっかりと洗えば心配はいりません。
ヘタのシワの間などに土が残らないように洗うことがポイントです。
1〜2日以内の野菜を使うようにしましょう
一人暮らしなどの場合、200gの野菜の皮を用意するのに時間がかかるかもしれません。
野菜の量が少ない場合は、入れる水の量を減らしください。
美容や健康だけでなく、環境にも優しい食生活を
いま、世界中で食品ロスを減らす運動が広がっています。
野菜や果物の皮まで活かす調理方法を知ることは、捨てて当たり前だったものを価値あるものへと変貌させ、きっとあなたの食卓を豊かにしてくれることでしょう。
自然災害で野菜が高騰することも珍しくなくなった昨今、目の前にある食べ物を無駄なく食べきることもまた環境保護の活動に繋がるのだと思います。
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