腰痛にならないための予防法!毎日できる方法を取り入れよう
Date:2017.09.11
腰痛は起こしてしまうとなかなか治りにくく、また原因が不明瞭な事が多いために何度も繰り返してしまうということもとてもよくあります。
また、一度痛みを覚えてしまった体は、その痛みに対しての恐怖感が薄れにくいために不必要に腰をかばったり、不自然な体勢を維持してしまうことが増え、その結果今度は全く関係のない部位に痛みやしびれなどが出てきてしまうことも非常に多くあります。
- 仕事や家事で腰に負担をかける時間が多い
- ギックリ腰など急性症状を起こしてしまったことがある
- 捻挫など怪我をすることが多い
- ストレスや不安のためにリラックスする時間が上手に取れない
このようなタイプの方は、ズバリ【腰痛予備軍】。今は痛みなどが無いとしても、ほんの些細なきっかけで慢性的な腰痛を引き起こしてしまう可能性が高いです。
「痛み」は出る前から予防するに限る、というのはきっと誰でもおわかりかと思います。なんとなく腰に不安を感じたら、その日から少しずつ「腰痛を起こさないための予防」を始めましょう。
腰痛の予防策は、その他の身体機能を向上させるにも効率がいいものです。ぜひ毎日の生活の中に、ひとつは取り入れてみて下さいね。
痛みを予防する!腰痛を起こしにくくする6つのポイント
慢性腰痛のほとんどの要因は「日常生活の姿勢や負荷」によって筋肉が硬くなる、いわゆる筋肉疲労の状態です。
間違いやすいことなのですが、「筋肉が疲労しているなら安静にすればいい」と考える人が多くいらっしゃいます。これは半分正解、半分は間違いです。
痛みがない状態での予防としては、じっくりと時間をかけたストレッチなどで筋肉のコリをほぐしていくのがベストです。
お尻のストレッチ方法
意外と知らない方も多いですが、腰を労る時にはまず「お尻」の筋肉をほぐしてあげることが最重要です。
<簡単!椅子に座って出来るお尻ストレッチ>
- 椅子に浅めに腰をかけ、両方の足の裏をべったりと床につけます。膝は90度に曲げましょう。
- 右足のくるぶしあたりを、左足の太ももの上に乗せます。腰が曲がらないよう、まっすぐに姿勢を伸ばして下さい。
- そのまま股関節のあたりから、ゆっくりと息を吐きながら前に体を倒します。股関節付近、臀部付近がゆっくりと伸ばされます。
- 限界(痛気持ちいい程度)まで前に倒れたらそこで静止し、8秒間キープします。ゆっくりと上体を起こし、反対の足に組み替えます。
- 各足を5回ずつ伸ばしましょう。1日何回やっても大丈夫です。
<寝起きにもぴったり!寝たままお尻ストレッチ>
- 平らな床や布団(マット)の上に仰向けになります。両足の膝を軽く立てましょう。
- 椅子のストレッチと同様、右足のくるぶし付近を左足の太ももにかけます。
- 右足をかけたまま、左足をぐーっと胸の前に引き寄せ両手で抱え込みます。
- 各足8秒間キープを10回ほど繰り返して下さい。首や肩に力が入らないように注意して下さい。
どちらのパターンのストレッチでも、臀部全体をしっかり伸ばすことが出来ますので腰痛予防にぴったりです。椅子に座ったお尻ストレッチならそれほど場所も取りませんので、オフィスなどでもスキマ時間に行ってみて下さいね!
股関節のストレッチ方法
股関節が固くなると、付近にあるリンパ節や動脈の流れを阻害してしまい体全体の血行不良を起こしやすくなります。また、むくみの原因にもなるため腰痛だけでなく美脚作りにも弊害が出てしまいます。
<毎日やろう!四股風ストレッチ>
- 両足のつま先と両膝を外側に向け、足を肩幅より拳ひとつ分広く開きます。
- ゆっくりと膝を90度になるまで曲げます。膝の向きが内側に倒れないように注意しましょう。
- 曲げた膝に手のひらを置き、肘をまっすぐに伸ばします。
- まずは右肩を内側に巻き込むように倒します。右膝が内側に倒れないよう、手でしっかりと抑えて下さい。股関節や内ももがストレッチされます。
- 8秒間キープしたら右肩の位置を元に戻し、今度は左肩を内側に巻き込みます。
<ズボラさんでもOK!寝たまま放置する股関節ストレッチ>
- 仰向けに横になり、両足を90度に持ち上げます。肩や首に力を入れるのではなく、腹筋で足を持ち上げるようにイメージしましょう。
- 両足をゆっくりと両外側に開いていきます。限界(痛気持ちいいところ)まで開いたら、そこで静止し15秒間キープします。お膝は曲がっても構いません。呼吸は止めないようにくり返しましょう。
- 戻す時もゆっくりと、腹筋を使って足を閉じるイメージをしながらまた90度の位置まで戻します。ゆっくりと足を下ろし、10秒程度休んだらもう一度くり返します。合計3回程度からスタートし、慣れたら秒数を増やして下さい。
股関節のストレッチをする時、はずみをつける必要はありません。痛気持ちいいところでじーっとしていれば、自然と股関節が伸びますので、はずみではなく【呼吸】と【秒数】を意識して下さい。
骨盤をゆるめるストレッチ方法と姿勢のポイント
実は骨盤は「開いたり閉じたりするもの」ということはご存知でしょうか?24時間常にガチンと固定された状態ではなく、開閉することで自律神経が刺激され、シャキッとしたりリラックスしたりのバランスを保っています。
<寝る前、起きた時に!足首パタパタストレッチ>
- 仰向けの状態で、かかとをつけ、つま先は外側に軽く倒します。
- 体の力を抜き、離れたつま先(親指と親指の付け根あたり)を軽くリズミカルに「パタ、パタ、パタ」と10回ほど打ち付けます。
- 1度休憩したら、今度は少しリズムを早くして同様につま先を打ち付けます。これをもう一度くり返します(合計30回です)
- 慣れてきたら、つま先を打ち付ける時に【足首からつま先を動かす】のではなく【股関節から足全体を使ってつま先を打ち付ける】というように意識してみましょう。
<足首パタパタの後に続けて!骨盤の外側ストレッチ>
- 仰向けの姿勢で、両足の膝を立てます。
- そのまま両膝をゆっくり右側に倒します。右足が下、その上に左足が乗るような形になります。上半身はひねらず、背中がべったりと床についているようにして下さい。
- 下になっている右足を、上に乗っている左足の膝あたりに引っ掛けます。左足の太ももの外側が伸びればOKです。そのまま10秒キープし、反対側も同様に行います。
特に女性の場合、月経期には骨盤の開閉が激しくなり痛みを生じやすくなります。骨盤周囲の筋肉をストレッチすることで、痛みが緩和できることも多いですのでぜひ習慣にしてみてくださいね!
天然のコルセット!背筋・腹筋の筋力トレーニングの必要性
ここまでストレッチを中心にご紹介しましたが、筋肉はゆるめるばかりではその働きを十分に発揮出来ません。特に女性は筋力が衰えやすく、「あってないようなもの」の状態になっている方も非常に多くいます。
この脆く、それでいて非常に重要な生命器官を守るためには「筋肉で守る」しかないのです。そう、腹筋や背筋は天然の鎧、コルセットだとイメージしてください。このコルセットがなければ、か弱い脊柱は常に日常ダメージの矢面に立つことになるのです。
世の中には色々な筋力トレーニングの方法がありますが、まずは日常の中で出来る超簡単な腹筋のトレーニングから始めましょう。初心者さんでも、お仕事中でも出来るものなのでご安心下さいね!
<意外とキツイ!誰にもバレない腹筋トレーニング>
- つま先の向きを揃え、両膝の内側をくっつけるようにイメージしながら立ちます。
- まずはお尻の穴をギュッと思いっきり閉めるように、臀部に力を入れます。
- 次におへその下あたりをぐっと引っ込めるように、腹筋に力を加えましょう。
- 鼻から息を吸って、口から吐く。この呼吸のリズムを崩さないようにしながら30秒キープします。
- 一度体全体の力を抜き、リセットしてからもう一度同様の立ち姿勢をキープします。合計5セット行いましょう。
たったこれだけ?!と驚かれる方もいると思いますが、騙されたと思ってやってみて下さい。1セットやった後には、意外と疲れていることに気が付かれると思います。
「お尻を締める→おへその下を締める→呼吸を止めない」、この3つの動きだけを覚えれば誰でも出来てしまいます!出産後の体型戻しや高齢者の方の運動としてもオススメですよ!
日常の視点で見直すべきポイントは?
腰痛を予防したいのであれば、運動やストレッチだけではなく「日常生活」にも目を向けるべきです。腰は毎日なんらかの負荷が生じる部分ですので、毎日使うものや食べるものの意識を変えることでその負荷を減少させることも大切。
今まで特に意識されていなかったようなポイントがないか、ご自身の生活をもう一度チェックしてみて下さい。
日常で使う靴の注意点
筆者は健康に関わる仕事をするようになってから、人の靴のかかとをチェックするクセがついてしまいました。靴はその人の普段の歩き方、体重のかけ方、座り方が全部現れる物だからです。
あなたの普段履いている靴に、こんな症状はありませんか?その靴の傷みはもしかすると、あなたの普段の姿勢を表しているかもしれません。
- どちらか片方のかかとの外側だけがすり減っている、あるいは傷が多い→猫背気味である可能性が高い
- 履き口が歪んでいる、左右で履き口の形が違う→左右の足の筋力が違うため、歩き方がいびつになっている可能性が高い
- つま先がすり減っている、傷が多い→反り腰、腹筋不足の女性に多い
- 左右ですり減りや傷の位置が違う→足を組むなど体の歪みを生じさせるクセがついてしまっている人が多い
靴の専門家であるシューフィッターの方などは靴の傷の出方でその人の日常姿勢まで見抜く事ができると言われるほど、靴は足や腰の生活状態を反射投影するものなのです。
靴そのものを変えるというのも一つの手ですが、現在は体の体重バランスに合わせたインソールなども多く販売されていて、それを普段履いている靴に敷くだけで腰の負担が軽減されたという方も多くいらっしゃいます。一度ご自身の靴の状態を確認してみましょう!
食生活の注意点
「腰痛を食事で予防できるの?!」と驚かれる方も多いと思いますが、食生活は内臓の調子だけではなく、骨や筋肉、神経などの調整にも非常に重要な役割を持っています。
筋肉や骨のバランスを保つには、次のような栄養素を十分に補給する必要があります。
- カルシウム
- ビタミンD、ビタミンB群
- たんぱく質
カルシウムは骨や筋肉を健やかに保つ栄養素として子供の頃から慣れ親しんでいる方も多いと思いますが、このカルシウムの吸収を良くするためにはビタミンDが必要になります。合わせて補給するようにするとより効果的です。
また、ビタミンB群には神経を修復する作用がありますので、日常の生活で作られた神経の小さな傷や筋肉の傷みなどを素早く修復し、疲れを溜め込みにくい体づくりには最適です。
たんぱく質も、筋肉の質を高めるには必要な栄養素。衰えた筋肉は冷えて固くなりやすく、痛みやコリを引き起こしやすい状態になりますので、こうした食品で質の良い柔軟な筋肉づくりをするほうが痛みを予防しやすくなります。
寝具選びの注意点
立っている時や歩いている時と同じくらい重要なのが「寝ている時の姿勢」です。しかし、寝ているときは当然無意識ですから、自分で腹筋を締めたり股関節をゆるめるなどの行動的な対処は出来ませんよね。
また反対に、固すぎても背中の血行を阻害してしまうことがあり、リラックス効果も高くはないために腰痛につながることがあります。
アスリートも使用する、とされ今注目を集めているのが【高反発マット】です。
これは頚椎のS字湾曲に合わせて重心がかかる位置を分散してくれるために、脊椎の負担が軽減され7〜8時間の睡眠姿勢であれば無理なく姿勢をキープ出来るという人体メカニズムに合わせて開発されたものです。
腰椎部分をサポートしてくれているので寝返りがうちやすく、血行不良も起きにくいため肩コリや首コリの解消にもつながるという口コミも多くあります。
寝具は1日のうちおよそ1/3の時間を費やす大切な生活必需品。健康のためには妥協しないほうが良いポイントのひとつです。
寝起きに腰がつらいという人は、寝具から見直してみるのも良いでしょう。
立ち姿勢と座り姿勢の注意点
腰痛と姿勢に大きな関係があるということは、もうほとんどの方がおわかりかと思います。一生の中で「姿勢を取らない時間」などは存在せず、「立つ」「座る」「寝る」の3大姿勢を繰り返しています。
先述したとおり、【寝姿勢】は1日のうち1/3を使います。残りの起床している時間を、立ったり座ったりのくり返しで過ごしている人が大半ですが、その割合は人によっても異なります。
<座り姿勢が多い人の場合>
まずは正しい姿勢を覚え、出来る限り気がついたときだけでも姿勢をリセットするように練習しましょう。「意識している」のと「知らない」のでは予防の効果がかなり大きく変わってきます。
- 椅子に浅く座り、おへそを床に対して90度に立てます。
- 肩の力を抜き、おへその下の力を使って背筋を伸ばすようにしてください。
- 床に座る場合、体育座りか足の裏と裏をぺたりとくっつけたひし形の座り姿勢が腰を守りやすい体勢です。お姉さん座り、あぐら、正座は腰に負担を及ぼしますので注意して下さい。
<立ち姿勢が多い人の場合>
先に述べた「腹筋と背筋のトレーニング」と同様、「お尻を締める→おへそを締める」でコルセットを意識して腰を支えるのが基本になります。この姿勢をした状態で、次のポイントも注意してみましょう。
- 肩が内側に丸くなっていないか
- 膝が曲がっていないか
- 腰を反ってしまっていないか
- 顎が前に出ていないか
かかと、お尻の位置、後頭部の位置はすべて直線状に並ぶのが理想的な姿勢です。
また、左右均等に重さを分散させるよう、両足の裏がしっかりと地面についている状態を意識してみてください。
慣れないうちは腰ベルトなどのサポート器具も有効
基本的には、人間は自分の力で姿勢を維持する力があるはずです。しかし、例えば病中病後、出産直後、運動不足などによって意図せずとも筋力が落ちてしまう人は当然います。
予防のための運動や注意ポイントは、正直に言葉を選ばずお伝えすれば【地味】【面倒くさい】、その上【結構しんどい】ものです。
慣れないうちや、筋力が落ちている時にはこのマイナス要素は倍増しますよね。
予防は「訓練」と言い換える事もできます。体に「正しい姿勢はこうだよ」「負担の少ない姿勢はこうだよ」と、諦めずに伝え続けてあげることが最大の予防策。
その意識がけは必ず脳から体に伝わり、体はいずれ思うように動いてくれます。
意識する、訓練する、続ける、の3ステップが「予防する」ということなのです。
Sponsored Link