唾液が少ない原因は?唾液を増やして口の中の環境を整える方法
Date:2018.07.25
唾液には口の中の環境を整え、虫歯や歯周病などを予防する大事な働きがあります。
ですからたっぷり分泌されているのがいい状態です。しかし、唾液が少なくて口の中が粘つく、口臭も気になると悩んでいる人も少なくありません。
どうして唾液が少なくなってしまうのか、その原因と増やすための方法をご紹介します。
口が渇く、粘つく。唾液が少なくなる原因は?
唾液が少ないと口の中が乾いて、「ドライマウス(口腔乾燥症)」と診断されることがあります。
唾液の量は1日1〜1.5リットルくらいだといわれます。つまり、多い人と少ない人とでは、500mlも違うということ。
なぜそのような違いが出てきてしまうのでしょうか。
加齢で唾液が減少
赤ちゃんはよだれがだらだらでていますが、年齢が上がるにつれてそのようなことはなくなります。
高齢者になると口の中が乾いてものを飲み込みにくくなりますが、これは加齢によって唾液の分泌量が減るためです。
こればかりは仕方のないことで、あえて唾液を増やす努力をしないと年齢によって徐々に分泌量は減っていくのです。
それに加えて口の動きが減ったり、咀嚼力が衰えることも加わるために、余計に唾液の量が少なくなります。
女性ホルモンの減少
女性の場合、更年期に入ることで唾液の分泌量が減少することがあります。
更年期とは一般的に45〜55歳くらいの年齢をさすのですが、最近では30代後半でも更年期のような症状がでる人もいます。
早食い、噛む回数が少ない
唾液は「噛む」という行為でもたくさん分泌されます。逆に、噛む回数が少ないと唾液は少なくなるのです。
- 早食い
- 咀嚼回数が少ない
食事の時にこのような習慣がある人は、唾液が少なくなる傾向があります。
また、食事の回数自体が少ない人も要注意です。特に、食事を抜くようなダイエットをしている人です。
食事の回数が減ってしまうと、それに伴って咀嚼回数も減るので、唾液が少なくなってしまうのです。
口呼吸をしている
鼻炎や鼻づまりで口呼吸をしていないでしょうか。口呼吸をしていると口の中が乾いて、唾液も少なくなります。
起きているときは注意していても、眠っている間に口呼吸になっている人も多いので、要注意です。
タバコやお酒
タバコを吸うと口の中が乾燥します。お酒は利尿作用によって身体の水分が排出されやすくなってしまうため、それに伴って口の中も乾きやすくなるのです。
タバコを吸いながらお酒を飲む、というのは最も口の中が乾燥し、唾液が少なくなる行為ということですね。
ストレス
唾液腺の働きは自律神経が司っています。ストレスや緊張などを感じると交感神経が優位になり、濃くベタベタした唾液を分泌します。
逆にリラックスしているときは副交感神経が優位になるので、サラサラした唾液をたくさん分泌します。
ストレスが続いている人は粘っこい唾液ばかりになるので、口の中が乾きやすくなるのです。
病気が原因
唾液が減少する病気というのがあります。
- 糖尿病
- シェーグレン症候群
- 腎臓病
などです。
他の原因に思い当たることがなく、それでも唾液が少ない状態が続くのであれば何か病気がないかを疑ってみた方がいいかもしれません。
薬の副作用
薬の副作用によって唾液が少なくなることがあります。
- 花粉症の薬
- 降圧剤
- 抗うつ剤
などです。
もし薬のせいかな?と思ったら、そのような症状がでる薬なのか、主治医に確認してみてください。
ちょっとした工夫で出来ること。唾液を増やす方法
唾液が少ないと口の中で細菌が増殖しやすくなり、様々な病気の原因を作ってしまいます。
ですから気づいたらすぐに唾液を増やす対策をとることが大事!
唾液を増やすなんてどうやるの?と思うかもしれませんが、実はとても簡単です。
原因によっても適した方法が変わってきますが、生活習慣を見直せば改善していくでしょう。いくつか組み合わせてやってみると効果的ですよ。
鼻づまりを解消する
鼻が詰まっているとどうしても口呼吸になってしまうので、薬に頼らず鼻づまりを解消する方法を試してみましょう。
口呼吸から鼻呼吸に変えることができれば、唾液が少なくなるのを防げます。
- 小鼻の脇にある「迎香(げいこう)」というツボを押す
- 蒸しタオルで温める
- 切ったタマネギの香りを嗅ぐ
- 寝る時に鼻孔を広げるテープを使う
どれも民間療法ではありますが、鼻が通ると評判の方法なので、是非試してみてくださいね。
こまめに水分を摂る
唾液はその成分の99%が水分です。ですから、身体の水分が少なくなると唾液も少なくなくなってしまうので、こまめな水分補給を心がけてください。
一度にたくさん飲む必要はなくて、コップ1杯くらいで十分。それを1〜2時間に1回の無用にするといいでしょう。
ここで注意したいのは、
- コーヒー、紅茶などカフェインが入っているもの
- ウーロン茶などポリフェノールが入っているもの
は、逆に唾液の分泌量を減らしてしまう可能性があります。
甘いジュースは太りますし、糖分が口臭の原因になることも。飲むなら常温のお水がいいでしょう。
部屋の中が乾燥しすぎないようにする
部屋の中の湿度が低いと身体だけでなく口の中も乾きます。湿度は50%前後が理想です。
それより低いと感じたら、加湿気を使うなどして適度な湿度を保つようにしてみてください。
食事を抜くようなダイエットをしない
ダイエットも大事ですが、健康でいることの方がもっと大事。無理な食事制限はよくないですし、食事を抜くというのはもっとダメ。
食事を抜くと噛む回数が減ってしまうので、1日3食しっかり摂りましょう。
たくさん噛む
歯ごたえのあるものや食物繊維の多いものを食べれば自然と噛む回数が増えます。
たくさん噛むと唾液が増えるだけでなく、満腹中枢を刺激しやすくなって食べ過ぎを防ぐことにもつながります。
1口につき30回は噛んでから飲み込むことを心がけてみてください。
硬いものやガムを噛む
柔らかい食べ物ばかり食べていると、どうしても顎を動かす回数が減るので、唾液が減少します。
ですから、咀嚼回数を増やして顎をたくさん動かすこと!
噛む回数を増やすには、ガムなども便利です。食後にガムを噛めば、唾液がたくさんでて口の中を清潔に保つのにも役立ちますね。
ただし、虫歯にならないように甘いガムではなくて、キシリトール入りのシュガーレスのガムにしましょう。
酸っぱいものを食べる
レモンや梅干しなど、味を想像しただけでも口の中に唾液が溢れてきませんか?
食事の時に酸っぱいものを取り入れると、唾液の分泌を促進してくれます。
もちろん、おやつでも構いません。砂糖の入っていない酸っぱいものなら、ダイエット中でも安心ですね。
だし昆布も効果的
口の中に、だし昆布を入れておくだけでも唾液の量が増えます。このだし昆布は噛む必要はなく、口の中で転がすだけで十分なんです。
昆布を1cm角くらいの四角に切って、口に含みます。唾液を増やしたいので、噛まずにずっと口の中で転がしてください。
だし昆布はふやけて飲み込めるほど柔らかくなるまでかなり時間がかかるので、ガムよりもいいかもしれません。
唾液腺のマッサージをする
顔の周りに唾液腺があります。ここをマッサージするだけで、唾液がどんどん分泌されます。
- 耳下腺(じかせん):耳の下、耳たぶの前当たり
- 顎下腺(がっかせん):下あごの骨の内側に沿って
- 舌下線(ぜっかせん):下あごの先端の下のくぼみ
この3カ所が唾液腺なので、唾液が少ないと感じたら、こまめにマッサージしてみてください。
指の腹でグルグル通しながらマッサージすると、段々口の中に唾液が増えてきます。
舌の体操をする
唾液を増やすには口の動きを増やすことが大事です。噛む回数を増やすこともそのひとつで下が、舌の動きも重要な役割を果たしています。
舌の体操は簡単です。
- 舌で頬を押すようにして、口の中で左右に動かす。
- 下を思い切りだす、引っ込めるを繰り返す
- 鼻を舐めるつもりで舌を上に突き出す
- あごを舐めるつもりで舌を下に突き出す
全部やらなくても、どれかひとつでも構いません。とにかく、下の動きを増やすことです。
声を出す
声を出す時は、喉だけでなく舌や頬などもすべて動きますので、唾液腺を刺激することが出来ます。
よく喋る人は唾液が多いのですが、口数の少ない人は唾液も少なくなりがち。
なので、あえて声を出す機会を作りましょう。大きな口を開ける「あいうえお体操」いいですし、早口言葉なんかもいいですね。
カラオケが好きな人は歌いにいくのもいいでしょう。
お酒と煙草は控える
お酒の飲み過ぎ、そしてタバコは口の中を乾燥させます。お酒はほどほどに、そしてタバコは美容のためにもやめた方がいいですね。
楽しいことをしてストレスを解消する
ストレスを感じることなく、楽しいことをしていると気持ちがリラックスできるので、唾液の量が増えます。
心が疲れたなと思ったら、出来るだけ楽しいことをしてストレスを解消しましょう。
ストレスは解消したいけどそんな時間がない!という人へ。楽しいことは身の回りにもたくさんあります。
ツボ押し
手の平に、口瘡点(こうそうてん)というツボがあります。中指の付け根、横皺の下にあるツボです。
ここを押して刺激したり、温めることで唾液が増えるとされています。
口内炎が気になる人にもおすすめのツボです。
さらっとした唾液を増やして口の中を清潔に!
唾液が少なくて口の中がネバネバしているとちょっと不快ですよね。口内環境が悪化して口臭も気になります。
そんな時は今回ご紹介した方法を色々試して、唾液を増やしてみてください。
それとともに、唾液が少なくなる習慣も見直して、口の中が乾かないようにしてください。
もし頑張っても唾液が増えない場合は、ドライマウスの可能性もあるので注意が必要です。
放置すると味覚障害などを引き起こす可能性もあるため、早めに病院を受診して治療をした方がよいでしょう。
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