子どもにも安心!害虫・虫食いにはアロマを使って香りの防虫対策
Date:2017.06.09
この記事の執筆・監修
奈南有花
日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター
メディカルアロマテラピー講師
天然のエッセンシャルオイル(精油)を使って虫除けしませんか?
さわやかな香り、甘い香り、色々な香りを使って蚊などの迷惑な害虫を寄せつけないようにすることが出来ます。
市販の強い殺虫剤は使いたくないという人は、子どもにも使える手作りのアロマクラフトで、香りを楽しみながら防虫対策もしてしまいましょう。
この記事の目次
虫除け効果もあるアロマテラピー
アロマテラピーは香りを楽しむだけではもったいない!精油には昆虫忌避(きひ)作用といって、虫を寄せつけない作用を持つものがあります。
それは、虫の嫌いな香りを出すことで、害虫を追い払い、自分を守るための働きなんです。
防虫効果のあるアロマはこんなにたくさんあるんですよ!香りがいいものばかりで、私たち人間にはちっとも害にはならないんですけどね。
虫の嫌いな香りの成分
植物の香りの成分というのは、生きていくために必ずしも必要ではないものの、 花の香りのように、虫を引き寄せて受粉するなど、植物の「生きる知恵」なんですね。
ですから精油は、たんぱく質など生存に必要な一次代謝物と区別して、二次代謝物と呼ばれます。
中でも虫が嫌うのは、
- シトラール(ネラール+ゲラニアール)
- シトロネラール
- カンファー
などの成分です。昆虫忌避作用があり、
- 蚊
- ダニ
- 蟻
- ゴキブリ
などを寄せつけない香りの成分です。
ただ精油によっては、必ずしも「この成分が○○によい」と言い切れないものがたくさんあります。
というのも、一つの精油には数十種類の成分が含まれていて、それらの成分が合わさることで様々な効能を発揮してくれるから。
似たような香りでも微妙に作用が違ってくるのは、含まれている成分の割合の違いだったり、微量成分の違いだったりするのです。
色々使える!用途別アロマで虫除け
赤ちゃんや子どもにも使える安心なアロマスプレーで虫除けをしたり、家中の害虫を寄せつけないように追い払うことが出来ます。
殺虫剤と同じような効果がありつつ、天然成分で安心ですよね。ブレンドすると良いアロマのレシピなどもご紹介します。
市販の虫除けが心配な理由
市販の虫除け剤はディートという薬剤が入っており、濃度が高いと人体に有害な場合があります。
日本ではその濃度が12%までと決められているものの、海外の製品などはもっと高濃度のものがあります。
ディート製品について、厚生労働省の通知では以下のように決められています。
- 6か月未満の乳児には使用しない。
- 6か月以上2歳未満は、1日1回
- 2歳以上12歳未満は、1日1~3回
つまり、2歳未満はディートが含まれた虫除けの塗り直しは出来ないのです。
ですから、日焼け止めと虫除け剤が一緒になっている商品もおすすめできません。日焼け止めは汗をかけば塗り直しが必要だからです。
また、エアゾールタイプの虫除けは薬剤を吸い込んでしまう危険高い上に吸着率が悪いので、スプレータイプの虫除けを自分で作った方が安心ではないでしょうか。
蚊や小バエなどの害虫よけに
今や蚊は真夏だけではなく春や秋にもいますから、スプレーを1つ作っておくと便利です。
濃度を1~2%にすれば肌にも使えますし、網戸などにスプレーしておくと外からの害虫を防ぐことが出来ます。
クローゼットやタンスに~衣類の防虫
後で紹介するワックスバーやサシェをタンスに入れておけば衣類の防虫も出来ます。人にはいい香りだと感じるもので防虫も出来てしまうなんて素敵ですよね。
ゴキブリなどの害虫よけ
ゴキブリよけに効果絶大といわれているのが、
- ハッカ油
- スペアミント
どちらもすっきりしたミントの香りです。ミントだけだときついと感じるのであれば、ゼラニウムやラベンダーを少しブレンドしてみると香りが穏やかになります。
他にも
- クローブ
- シナモン(葉)
- ナツメグ
などが即効性があるといわれていますが、ちょっと香りがきついので、お子さんがいる家にはおすすめできないかもしれないですね。
虫除けにおすすめのアロマ13種
それでは、虫除けに使えるアロマをご紹介しますね。1つでもいいですし、いくつか組み合わせて使う、もしくは自分の好きな香りと混ぜて使うのもいいですよ。
1.レモンユーカリ〜レモンのさわやかな香り
ユーカリの一種で、ユーカリレモン、ユーカリ・シトリオドラとも呼ばれます。私が個人的に蚊よけに一番効果があると思っているのがこのレモンユーカリです。
ユーカリなのにレモンのような香りのする精油です。虫除けには効果大です。
2.シトロネラ〜レモンの香りのするハーブ
シトロネラはレモンとは全く関係のないイネ科の植物ですが、シトロネラールが入っているのでレモンのような香りがします。
シトロネラとシトロネラ・ジャワという種類がありますが、蚊よけにはシトロネラ・ジャワの方がやや効果が高いと思われます。
3.レモングラス〜ハーブティーにも使われる
レモングラスはイネ科の植物で、ハーブティーにもよく使われていますのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
シトロネラとよく似た香りで、レモングラスも7割以上がシトラールという成分で、
- 蚊
- 小バエ
に効果的です。
4.レモン〜スッキリさわやかな香り
果物のレモンの香りを知らない人はいないですよね。さわやかな香りで、リフレッシュにもおすすめです。
5.ゼラニウム〜甘い香りで虫を寄せつけない
甘い香りなら虫を寄せつけてしまいそうですが、逆なんですね。ゼラニウムの精油は花からではなく葉から採れます。
6.ラベンダー・アングスティフォリア
ラベンダーは品種の多い植物なので、種類が違ってしまうと全く香りが違うので注意が必要です。
ラベンダー・アングスティフォリアは真正ラベンダーとも呼ばれる品種で、普通にラベンダーといったらこのラベンダーを指していることが多いです。
- 衣類の虫除け
- カーペットのダニ
などに効果的です。
7.ローズマリー・カンファー〜樟脳の香り
ローズマリーも色々種類がありますが、虫除けにおすすめなのはローズマリー・カンファーです。樟脳(しょうのう)の香り衣類の虫除けとして使えます。
樟脳とは昔よく使われていたタンスの防虫剤の香りです。ちょっとあの匂いは苦手、という人もいるかもしれませんね。
8.ペパーミント〜さわやかな香りの西洋ハッカ
ミントはとても種類の多いハーブで、ペパーミントはその代表格ですね。ミントの香りも知らない人はいないでしょう。
9.アルベンシスミント〜すっきりした香りの和のハッカ
ペパーミントよりもさらにメントールの含有量が多いのがこのアルベンシスミントです。いわゆる「ハッカ」です。
ペパーミントに含まれるメントフランという甘い香りの成分が入っていないので、さらにクリアなミントの香りです。
10.スペアミント〜やさしい香りのミント
ペパーミントにはやや劣るものの、これも虫除けの効果があります。メントールを含んでいないミントなので、香りが穏やかなのも特徴の1つです。
11.ハッカ油〜薬局で購入できるアロマ
ハッカ油は薬局やドラッグストアで購入できるもので、虫除けの他にも掃除や消臭など1本あると便利です。
蚊はもちろん、ゴキブリよけにもよいとされています。
12.カンフルオイル〜衣類の虫除けにも
クスノキから採れるアロマです。天然の樟脳の香りで古くから虫除けの香りとして使われてきました。
- タンス
- 衣装ケース
に入れて衣類の防虫に役立ちます。
13.青森ヒバ油〜木のやさしい香り
青森のヒバから採れる和の精油ですね。製剤の時に出るおがくずなどから抽出されます。100kgの材料からわずか1kgしか採れないという貴重な精油です。
虫除けにはもちろん、
- 消臭効果
- 抗菌作用
もあり、家のあちこちで使うことが出来る精油です。
精油を虫除けにどうやって使う?便利な使い方
アロマを虫除けとして使う方法は色々あります。スプレーを作るのがよくある方法ですが、それ以外にも いくつかあるのでご紹介しますね。
基本のアロマスプレーの作り方
まずは、色々なことに使える基本のアロマスプレーの作り方をご紹介します。
- 無水エタノール
- 5ml
- 精製水
- 95ml
- 精油
- 20〜30滴(※肌に使う場合は20滴まで)
<作り方>
- スプレーボトルに無水エタノールを入れます。
- そこに精油を入れてよく振り混ぜます。
- 最後に精製水を入れて蓋をして、さらによく混ぜてください。
精製水を買うのが面倒な時は水道水でもOKです。私は浄水器の水を使って作っています。無水エタノールは薬局やインターネットで購入できます。
お肌に使う時は無水エタノールの代わりに、保湿効果の高いグリセリンを使ってもいいでしょう。これも薬局で手に入ります。
<おすすめのブレンド>
- レモンユーカリ 10滴
- ゼラニウム 5滴
- ラベンダー・アングスティフォリア 5滴
この精油の組み合わせを考えるのもアロマテラピーの楽しみの一つですから、自分の好きな香りをプラスしたりして、お好きなブレンドを作ってみてください。
かわいい布を使って虫除けサシェ
タンスやクローゼットにおいておける虫除けサシェ。布とリボンがあれば簡単に出来ます。
- コットン
- 1~2枚
- 布(リネンか木綿)
- コットンを包めるくらいの大きさがあればOK
- 好みのリボン
- 適当な長さ
- 精油
- 数滴
<作り方>
- コットンに精油を3~5滴ほどたらします。
- それを布の上において包むようにして、布の上の部分を好みのリボンで結びます。
イメージとしては、脇を縫っていない袋の中にコットンを入れるような形です。
サシェとは香料を入れた小袋のことなのですが、縫うのは面倒なので包んで上をリボンで結ぶだけにします。
ドアや壁にも飾れるアロマワックスバー
溶かして固めるだけの簡単なワックスバー。アイディア次第で色々飾りを楽しめるので、手作りが大好きな人におすすめの方法です。
- ミツロウ
- 30g
- ソイワックス
- 30g
- 精油
- 30滴
- 型になるもの
- シリコンカップなど
- 飾り付けのドライフラワーなど
- 適宜
<作り方>
- ミツロウとソイワックスを湯煎で溶かします。
- 精油を加えてから型に流します。
- ドライフラワーなどを好みで飾ります。
- リボンなどを通したい場合は固まる前にストローや割り箸で穴をあけておきます。
ミツロウとソイワックスは同量にします。たくさん作りたい時や少量でいい場合はそれを目安に量を加減してください。
飾り付けは自由!使っていないクレヨンや口紅を削って色を付けることも出来ますし、デザインを考えるのも楽しそうです。
蚊よけにしたいなら
- レモンユーカリ
- レモングラス
- ゼラニウム
など。
衣類の虫除けに使うなら
- ラベンダー
- ローズマリー・カンファー
などがおすすめです。
手作りのアロマキャンドル
アウトドアでも虫除けとして使えるアロマキャンドルを100均の材料で作ってみませんか。これも溶かして固めるだけなんです。
<材料>
- ロウ(仏壇用のろうそくでもOK)
- タコ糸
- ボタン
- 割り箸
- 好みの精油
- 紙コップなどロウを入れるもの
※ロウの分量は作りたい大きさ、入れ物などによって変わってきます。
<作り方>
- タコ糸にボタンを付けてコップの高さにカットします。
- ロウを湯煎で溶かして、タコ糸をいったん浸します。
- タコ糸を取り出し少し乾かしてから割り箸に挟んでコップにたらします。
- 溶かしたロウをコップに入れて精油も入れて香り付けします。
- ロウが固まったら紙コップをはがし、タコ糸をカットして出来上がりです。
アロマテラピーの使用上の注意
アロマテラピーで使う精油は天然成分100%ですから、もちろん化学薬品などと比べたら人体にとって安全なものです。
ただし、その取扱にはいくつか注意点があります。使い方を間違えると危険なこともありますので、使う際の注意事項をお伝えしますね。
原液をさわらないこと
精油は植物から抽出した高濃度のエキスです。原液は肌への刺激が強いので、薄めて使うのが基本です。使う時に肌についてしまったら流水で洗い流します。
肌に使う前には必ずパッチテストを
敏感肌の人は肌にスプレーする前に必ずパッチテストをしてください。
1〜2%の濃度でいきなり炎症が起きることは少ないですが、肌に合うかどうかは使ってみないと分かりません。
作ったものを腕の内側などに塗り1日放置し、かゆみや赤が出ないかどうか確かめてから使うようにしてください。
子どもの手が届かないところで保管する
精油の瓶は小さいので、子どもが誤ってふたを開けて飲んでしまったり目に入れたりすることのないように、手の届かないところで保管するように気をつけてください。
ペットの前では使わない
犬のノミよけスプレーとしてティーツリー精油を使ったりしますが、それ以外の精油は害になることも。
どの精油にどんな成分が入っているのかを完全に把握しておくのは難しいです。網戸などに使用する分にはかまいませんが、ペットの皮膚についたりしないように気をつけた方がいいでしょう。
カーテンや家具などに色がつかないように
今回ご紹介した精油は無色透明のものが多いですが、例えば柑橘系の精油など、中には色がついているものもあります。
スプレー容器などで部屋のあちこちにスプレーするのはいいのですが、白いカーテンや家具などは色がついてしまうことがあるので注意してください。
天然成分でアロマテラピーも楽しめる
香りのある植物は古代から傷や病気の治療などに利用されてきたいわば生活の知恵です。
アロマテラピーというと良い香りを嗅いでリラックスするというイメージを持っている人が多いと思いますが、その香りで虫除けまで出来てしまうって、素晴らしいと思いませんか。
自分であれこれ作ると材料が見えている安心感がありますよね。ママの手づくりで香りも楽しみながら虫除けも出来てしまう、アロマクラフトを色々楽しんでみてください。
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