日焼け止めはSPF30で十分な理由。SPF50との違いは何?
Date:2019.02.26
日焼け止めのパッケージに書いてある「SPF」や「PA」の数値、高い方が良さそうだと誰もが思います。
しかし「SPF」の数値については、「高ければ良い」というわけではないのが現実。
SPF50とSPF30の日焼け止めなら、SPF30でも効果は十分期待できるし、肌へのリスクも低くなります。
つまり日焼け止めを購入する際は、SPF30のもので十分だということ。どうしてSPF50じゃなくても大丈夫なのか?その理由について見ていきましょう。
この記事の目次
そもそもSPFって何?SPFの効果とPAとの違い
日焼け止めによく書かれている「SPF」と「PA」の意味について、簡単にご説明していきましょう。紫外線には主に次の2種類が存在します。
- 紫外線A波…肌の奥まで届く紫外線で、シワやたるみといった肌老化の原因
- 紫外線B波…肌表面に赤く炎症を起こし、シミやそばかすの原因になる
紫外線A波を防ぐのが「PA」で、紫外線B波を防ぐのが「SPF」の数値。ではSPF値が高ければ高いほど、シミやそばかすができにくくなるのか…と言えばそうでもありません。
SPFの値は、「日焼けから肌が炎症を起こすまでの時間を何倍に遅らせられるか?」という数値です。
通常、人は紫外線を浴びてから約20分後に、肌の炎症など日焼けの効果が現れます。これを2倍…つまり40分後に引き延ばせるのが「SPF2」。もし30倍の10時間なら「SPF30」で、50倍の16.6時間なら「SPF50」となります。
SPF50ではなくSPF30で十分だと言える5つの理由
日焼け止めはSPF50ではなくSPF30で十分、むしろSPF50は肌へのリスクがあって危険…こんな風に言われているのには、ちゃんと理由があります。
前述でご説明したSPFの仕組みを踏まえて、SPF30の方がおすすめだという理由を見ていきましょう。
1.防止効果の違いじゃないから
SPFの数値による違いは、日焼けを遅らせられる時間のことだとご説明しました。つまりちょっとお散歩に行くだけなら、SPF30であってもSPF50で合っても変わりはないということ。
紫外線の防止効果を期待しているなら、SPFの値は目安になりません。SPF30を使おうとSPF50を使おうと、外出時間が短いのなら意味がないからです。
また、SPFは「紫外線による日焼けの時間を遅らせる」効果であって、日焼けそのものを防ぐ効果ではありません。SPF50を塗ってもSPF30を塗っても、完全に紫外線を肌にあてず遮断する効果はなし。
その日の外出時間次第では、SPF値の高さはあまりあてにはならないのです。
2.SPF50は肌へのリスクが高い
日焼けまでの時間を遅らせる…その仕組みは、紫外線を肌の上で散乱させることにあります。「紫外線散乱剤」と言って、紫外線を跳ね返すことで紫外線をブロックし、日焼けの効果をせき止めています。
SPF30までの日焼け止めは、多くがこの紫外線散乱剤を使っています。紫外線散乱剤だとノンケミカルなものも多く、肌への負担もそこまで重くありません。
ところがSPF50以上になると、紫外線散乱剤の他に「紫外線吸収剤」が使われやすくなります。
化学反応により皮膚に負担をかけやすいのが、SPF50以上によく使われる紫外線吸収剤だということです。
つまりSPF50の日焼け止めは、SPF30のものよりも肌への負担のリスクが大きいと言うこと。もちろんノンケミカルなSPF50もありますが、コストや品質管理の面から考えると、紫外線吸収剤を使ったSPF50は多数派。
3.塗り直し前提ならSPF30でOK
そもそも日焼け止めを使う時って、塗り直すことが前提ですよね。外出先では日焼け止めが汗や水で落ちることもあり、それはSPF値の高さでは防げないことです。
どうせ外出先で塗り直すのであれば、10時間の効果を持つSPF30でも問題はありません。
例えば日焼け止めを塗って外出し、6時間後に日焼け止めを塗ればまたSPF値の時間が持続します。これならSPF50とほぼ同じ16時間の日焼け止め効果が期待できるわけです。
4.シミ自体は防げない
シミやそばかすと言ったメラニン色素系の肌トラブルを防げるSPFですが、これはあくまで日焼けに限った話。シミやそばかすは日焼け以外にも、スキンケアや日常生活が原因で起こり得る問題。
SPF値の高さだけではシミ・そばかすを完全に防ぐことは不可能。日焼けによる色素沈着を防いだとしても、他の何気ない習慣でシミやそばかすは出来ます。
もしシミ・そばかすを防ぐためにSPF50を選ぼうとしているなら、日焼け止め自体は別にSPF30でも十分です。日焼け止め以外にもやるべき対策があります。
5.SPF値も個人差に左右される
SPFの値×20分=日焼けを遅らせられる時間…というのは、あくまで目安の話。人にはそれぞれ個人差があり、日焼けに対する免疫力も違います。
日光を浴びてから日焼けの症状が起きる時間が20分の人もいれば、10分の人もいます。つまりSPFの値通りの計算で日焼け止め効果が得られると決まったわけではないのです。
また、個人差に加えてその人が汗や水で日焼け止めをどのくらい落としてしまうのか…といった点も絡んでくると、SPFの数値から正確な日焼け止め持続時間はほとんどわかりません。
こうなると塗り直しを余儀なくされますし、どうせ塗り直すのならSPFは30のもので十分。
日焼け止めの効果は値よりも塗り直しの回数
日焼け止めには「PA+」や「SPF30」など、いくつもの値が書かれていますよね。ですが本当に日焼けを防ぎたいなら、数値の高い・強い日焼け止めを買うよりも、塗り直す回数を増やした方が得策。
こまめに日焼け止めを塗り直せば、SPF値が低くて肌への負担も軽い日焼け止めで十分です。
もちろん長時間のスポーツやレジャーが前提で、塗り直しの機会がないのなら、SPF50は頼もしい存在。ですがSPF50を一度塗っただけよりも、SPF30を2回塗り直した方が、よほど日焼け止めの効果は優れます。
お散歩?レジャー?SPF値は場面に応じて使い分けて
日差しの強い時期だとついつい数値の優れた日焼け止めを使いたくなってしまいますが、外出時間や生活の仕方を考えれば、別にSPFの低い日焼け止めでもOK。
SPF30の他にも、SPF20やSPF10などもありますから、場面に応じて日焼け止めを使い分けるのもおすすめです。
SPFの高い日焼け止めは、本当に必要なときにだけ使うようにすれば、お肌への負担も最低限で抑えられますよ。
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