ストレスの元、イラショナルビリーフとは?思考チェンジで幸せに!
Date:2019.03.15
万人に好かれることなど無理なのに「みんなに好かれなければ」「誰とでも仲良くうまく付き合わなければ」と思ったり、完璧な人間などいないのに「仕事にミスは許されない!完璧にこなさなければ」「子を持つ親は常に立派で正しくあらねば」という思いに縛られたり。
そんな合理的でもなければ、現実的でもない思い込み、非合理的な物事の捉え方を「イラショナルビリーフ」と言います。程度に差こそあれ、「私も物事をイラショナルに捉えているかも」と思う人も多いのでは?
イラショナルビリーフは、自分を追い詰め、ときに周囲をも巻き込み、人間関係や仕事などに悪影響を及ぼします。精神的ストレスだけでなく、人によっては健康を損なう結果につながることも。
人生を生きづらくしているイラショナル(非論理的)な考え方を、ラショナル(論理的)な思考に。考え方のクセを治す努力をしてみませんか?
あなたにもある?「イラショナルビリーフ」その特徴と悪影響
人は毎日、大小さまざまな出来事に出会います。うれしかったり、悲しかったり、イライラしたり、落ち込んだり。
出来事により気分は左右されますが、出来事そのものが気分を左右するのではなく、出来事の捉え方で心の在り方は変わってきます。
イラショナルビリーフの特徴
出来事を非論理的に捉えるイラショナルビリーフ。現実とは一致しない、偏った、極端な思い込みで、自分や周囲の人たちに悪影響を及ぼします。
思い込みにもいろいろあって、
- ねばならぬビリーフ
- 悲観的ビリーフ
- 非難・卑下ビリーフ
- 欲求不満低耐性ビリーフ
と種類分けされたりします。
「正社員採用されない私はダメな大人だ」
「罪を犯した人は人間失格だ」
「いい大学を出ている自分が、低収入の仕事に就くのは耐えられない」など。
いずれも極端な考え、勝手な思い込みから来ています。
イラショナルビリーフの悪影響
「みんなと仲良くできたらいいな」という願望であれば、「でも人には相性があるから、全員と仲良くなるのは無理かも」とわかっているため問題ありません。仲良くできない人がいても、それはそれで仕方がないと受け入れることができます。
でも、「みんなと仲良く付き合わなければ」と絶対的なものに思ってしまった場合はどうでしょう。気に合わない人とも無理して話を合わせたり、気がのらない誘いや頼まれごとも断れなかったり。
誰か仲良くできない人がいると、「うまく人間関係が気づけないなんて、私のコミュニケーション能力に問題があるんだ」と落ち込んだり。精神的にも肉体的にも疲弊してしまいます。
過度なストレスにより自律神経が乱れれば、胃腸の調子が悪くなったり、頭痛、倦怠感、不眠などの症状が表れ、体調を崩すことにも。
また、偏った物の捉え方やそれに伴う行動は、ときに他人とぶつかり合うことも。イラショナルビリーフは柔軟性を持たないため、人間関係をうまく築けないケースもあります。
イラショナルビリーフが強い人は少しずつでもラショナルに
先に述べたように、イラショナルビリーフは心身ともに疲弊させます。他者との関係を悪くすることもあります。
ビリーフの程度は人によって差がありますが、思い込みの度合いが強い人は特に悪影響が強く出ます。少しずつでも、ラショナルな物の捉え方ができるように努力しましょう。
「ねばならぬ」ビリーフは疲れの元!
自分に自信がないために、こうあらねばと頑張ってしまう人もいれば、高学歴・美人などハイスペックな人も周りからの評価が高いがゆえに、期待を裏切らない自分でいなければと思いすぎることも。
「美人なのだから条件の良い人と幸せな結婚をしなければ」
高学歴も美人もひとつの長所にすぎません。それで未来が決定するほど、人生簡単なものではありません。
「高学歴を武器に良い会社に入れるように頑張ろう!」とやる気を後押しするような思考にチェンジを。頑張っても無理な場合もあるし、そもそも「良い会社=一流企業」でもありません。条件の良い人との結婚が幸せとも限りません。
未来の選択肢を増やし、自らを追い詰めることがないようにしましょう。
自分の周囲の人にも悪影響!「受容」を心がけて
「夫はこうあるべき」「子供はこう育つべき」という思いは、妻であるなら、母であるなら、多かれ少なかれ持っているかもしれませんが、度を越した思い込みは家庭内にトラブルを招きます。
職場においても、上司に高レベルな優秀さや人柄を求めたり、同僚に仕事への「ねばならぬ」ビリーフを押しつけたりすれば、自分も周囲もストレスだらけになってしまいます。
自分がビリーフ通りに目標を達成できない場合は落ち込んだり、自信を無くしたりしますが、他人が思うように動いてくれない場合は、怒りやイライラなどの気持ちを抱きがちです。
イライラは健康にも美容にも良くありません。勝手な思い込みでイライラされている周囲の人も迷惑です。
ネガティブな思い込みで生きる力をなくさないで
イラショナルビリーフの中でも悲観傾向が強いものは、すぐに「ダメだ」という結論に達してしまい、頑張る気力をなくしてしまいます。
たとえば、
という状況に陥った場合、「私は仕事ができない人間だ」「この仕事は向いていない」など、「もう無理」という結論に達して会社を辞めてしまう可能性があります。
1年経っても仕事ができないままならば、それはその仕事が向いていないのかもしれませんが、たった2~3ヵ月ほどで結論を出してしまう人もいます。
「周りの人と同じペースでできなくてはならない」と思い込み、できない自分はダメなのだと結論づけてしまうのでしょうが、答えを出すのが早すぎます。人には人それぞれのペースがあるのです。
一流のスポーツ選手でも小学生のころからずば抜けた才能を発揮する人と、プロに入ってから伸びる人がいるように、飲みこみが早く、なんでも器用にこなす人もいれば、ゆっくり時間をかけて、努力で揺るぎない力を身につける人もいるのです。
もしかすると、自分に合わない方法で教えられたのかもしれません。自分が覚えやすいように工夫したり、人より時間がかかっても回数をこなしたりと、諦める前にやれることもたくさんあります。
自分の可能性を奪ってしまうことがないように、悲観的な思い込みを緩めていく努力をしましょう。
誰にでも考え方のクセはある!大事なのは悪影響があるかどうか
厳しい目標を達成するために、あえて「~べき」という信念をもって物事にあたる人もいますが、その信念が自分を後押しするならば、正す必要はありません。
その信念が自分を追い詰めたり、ストレスを感じたりする前に、「そうできないケースもある」と柔軟に対処し、ほかの選択肢も提示できるなら、それは「~べき」と表現していてもイラショナルではありません。
言葉の表現の問題ではなく、自分の中に、強く、固く、融通の利かない偏った思い込みがあるかどうか、目標達成や明るい未来への道筋を消してしまっていないかどうかを考えてみてください。
自信ややる気を奪い、ストレスを与える。そんなイラショナルビリーフは、すぐにでもラショナルビリーフにチェンジを!
イラショナルな思い込みに対して、「本当にそう?」「絶対にそう?」「それ以外に道はない?」と問いかけて、柔軟な考え方を導き出してください。ストレスや悩みは減り、人生の幸福度がアップするはずです。
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