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手紙はマナーで心が2倍も伝わる。構成や言葉遣い、投函前の確認

Date:2018.11.08

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手紙はマナーで心が2倍も伝わる。構成や言葉遣い、投函前の確認|女性の美学
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いろんな場面でいろんな相手に出すことのある手紙、マナーも結構多いですよね。言葉遣いの作法はもちろんのこと、

  • 文章の構成の仕方
  • 便せんや封筒の選び方
  • 便せんの入れ方

手紙にはたくさんのマナーがあります。マナーのある手紙は人に好印象を与えますし、相手への気持ちの伝わり方が変わります。

この記事では、手紙を書くときの基本的なマナーをご紹介していきます。


基本的な手紙の構成は4つ。書き方や例文をチェック

手紙の文面には、決まった構成があります。最初に何を書くか、最後にどんなことを書くのかはあらかじめ決まっているのです。

基本マナーとされている手紙の構成は、全部で4つ。詳しく見ていきましょう。

1.前文…季節の挨拶

手紙の一番最初に書くことが「前文」と呼ばれるものです。ここでは、「頭語」や「時候のあいさつ」を書きます。

手紙の導入にあたる部分で、相手にあいさつをしたり、相手の健康状態を伺ったりします。

頭語
手紙の一番最初にあたる部分。「拝啓」「謹啓」「前略」といった言葉を一行目の一番上に書きましょう。
時候のあいさつ
頭語の次に、二行目に書く部分です。例えば「厳寒の候、いかがお過ごしでしょうか」といった文を書きます。

時候のあいさつは季節によって様々な言い回しがあります。自分でその季節について感じたことを書けば良いですが、思いつかないという人は次のような例文を参考にしてみてください。

「~の候」 書き出し
1月 初春、新春、寒冷 お元気で新年をお迎えのことと存じます。
2月 立春、春寒、残雪 梅のつぼみがほころぶ季節となりました。
3月 早春、春雪、浅春 日ごとに温かさを感じられるようになりました。
4月 陽春、桜花、陽炎 春風が心地良い季節となりました。
5月 新緑、薫風、立夏 若葉の薫る季節となりました。
6月 初夏、向暑、梅雨 長雨の季節となりました。
7月 盛夏、猛暑、酷暑 暑中お見舞い申し上げます。
8月 晩夏、立秋、残暑 残暑が続いております。
9月 初秋、新秋、新涼 過ごしやすい季節となりました。
10月 秋涼、秋雨、夜長 心地良い秋晴れの季節となりました。
11月 晩秋、深秋、向寒 紅葉の季節となりました。
12月 初冬、師走、新雪 今年もいよいよわずかとなって参りました。

時候のあいさつの後に「いかがお過ごしでしょうか」など相手の健康を確認する分を加えてください。

「~の候」という書き方と「~の季節となってまいりました」のような書き方がありますが、前者の方がかしこまって、後者の方が柔らかい印象になります。場面に応じて使い分けましょう。

2.主文…伝えたいことや本文

手紙の本題とも言える部分です。その手紙を送る理由となる、あなたが相手に伝えたいことを書き記しましょう。

前文の後、行を変えて「さて」「この度」「ところで」と言ったような言葉を使って主文に入りましょう。

上手く要点をまとめて、長くなりすぎないように気を付けてください。いきなり手紙を書こうとせず、一度伝えたいことをメモにまとめておくと良いですね。

改行するときは、なるべく一つの単語が行をまたがらないように注意しましょう。少しスペースがあいていても、句読点や一つの単語が終わったところなど、キリの良いところで改行すると読みやすいです。

3.末文…結びの言葉

主文を書き終えたら、末文となる結びの言葉を書きましょう。手紙を締めくくる大切な部分です。

基本は前文と同じで、相手の健康を願う言葉を書いた後、頭語と対になる結語を添えます。

結びのあいさつ
「時節柄くれぐれもご自愛くださいませ」など、相手の健康を願う言葉。

取引先などビジネスな場面なら、「末筆ながらますますのご活躍をお祈り申し上げます」といった繁栄・活躍を祈る挨拶でもOK。

結語
頭語と対になるものを書きます。「拝啓=敬具」、「謹啓=謹言」、「前略=草々」など、頭語と結語はセットになっているので覚えておきましょう。

4.後付…日付や署名

手紙の一番最後に書き加えるのは、日付や署名です。「誰が・いつ・誰に宛てて書いたのか」を示す重要な部分ですので、丁寧に書きましょう。

  1. 書いた日付…「○年○月○日」など。上から2文字分あけて書く
  2. 差出人…「○山 ○子」など。下から1文字分あけて書く
  3. 宛名…「○田 ○男様」、「株式会社○○ 御中」など。一番上、「拝啓」の行と合わせて書く

行数を上手く調節して、後付だけが2枚目に来ることがないように気を付けてください。後付は1枚目に収めるか、もしくは2枚目まで主文が来るようにして調整しましょう。

相手によって気を付けるべきマナー。デザインにも注目

手紙を書くときは、それが誰に宛てて書くものかで気を付けるべきポイントも変わります。かしこまるべき相手なのか、親しい相手なのか…相手別のマナーも要チェックです。

相手による宛名や敬称の書き方

当たり前のことですが、意外と見落とされがちなところでもあります。手紙の文面や封筒の宛名で相手のことを書くとき、敬称や呼び方に注意しましょう。

個人に宛てる場合は「様」、団体に宛てる場合は「御中」で統一してください。
ただし、場合によっては次のような敬称をつけてもOK。

  • 医師や弁護士、会計士などには「先生」
  • 格下や同格の相手には「殿」
  • 複数の個人にあてる場合は「各位」
  • 居候や下宿、同居などで別世帯に身を置く相手には「××様方 ○○様」
  • 団体を介して個人に宛てる場合は「××気付 ○○様」
    …会社の一室を借りている非社員に宛てる場合や、宿泊施設の一室に宛てる場合など

文面で書く場合には「様」で統一すればOKですが、封筒への宛名書きの際は相手の立場をよく考えながら書きましょう。

かしこまった相手には縦書きで

かしこまった相手への手紙は基本的に縦書きです。便せんは縦書きのものを用意しましょう。

縦書きだと右利きの人はインクが乾かない内に手で擦ってしまい、便せんを汚してしまうこともあります。

乾きにくいインクのペンを使っている人は、手の下にティッシュや汚れても良い紙を敷いてずらしながら書くと安心です。

親しい相手になら横書きもOK

友人や知人、親族などの親しい相手に宛てた手紙であれば、横書きの便せんを使ってもOKです。横書きの便せんには比較的フランクなデザインのものが多いので、レターセットの選び甲斐もありますね。

横書きの場合は一番最初に「○田 ○男様」などと宛名を書くようにしましょう。

横書きの手紙はカジュアルな場面で使われるものですから、そこまでカッチリとかしこまる必要はありません。

  1. 宛名
  2. 前文(頭語や時候のあいさつ)
  3. 主文
  4. 末文(結びのあいさつや結語)
  5. 後付(日付と署名)

順番通りに書くべきことさえ書けていれば、それでOKです。

相手による便せんや封筒の選び方

様々なデザインがあるレターセットですが、便せんや封筒のデザインは相手によって変える必要があります。

基本的にかしこまった相手にはシンプルな、親しい相手には華やかなデザインの便せん・封筒を選びましょう。

ビジネスの場面で使う手紙なら白無地、もしくは無地に縦の罫線のみが入ったものを使うのがマナー。イラストや模様入りは避けた方が無難です。封筒も同じく白無地が好ましいです。

対して親しい相手へ送る手紙なら、イラストや模様入りなど、相手が好みそうなデザインのものを選んでもOK。季節に合わせた花柄の便せんも爽やかですね。セットの封筒を使っても良いし、普通の白い封筒を使ってもOKです。

封書とハガキの使い分け方

手紙と封書、どちらで送ろうか悩む人もいるのではないでしょうか?基本的にかしこまった正式なものは「封書」です。

相手が取引先や上司だったりする場合は、短い内容だったとしても封書の方が無難でしょう。封書には「相手以外の人に内容を見られない」という安全性もあります。プライベートな内容なら余計に封書が望ましいです。

ただし、年賀状や暑中・残暑・寒中見舞いなどの季節のあいさつ状は、相手に関係なくハガキが一般的。

季節のあいさつはハガキ、それ以外は基本的に封書と覚えておきましょう。

お祝い・お詫びなど…手紙を送る用事や季節による注意点

手紙を送るのは一体どんな用事があるからでしょうか?単なる季節のあいさつだったり、何かのお祝いやお礼というケースもあるはず。

手紙の用事や季節による注意点を見ていきましょう。

忌み言葉を使わないように注意

慶事や弔事で手紙を出す場合は、縁起が良くないとされている「忌み言葉」を使うのはタブーです。

お見舞いやお祝い、お悔やみの場合は手紙の文面で忌み言葉を使わないように注意してください。

忌み言葉には次のような例があります。

  • 結婚祝いの忌み言葉
    …別れる、離れる、壊れる、終わり、切れる、帰る、戻る、再び、重ねる、繰り返す…など
  • 出産祝いの忌み言葉
    …失う、消える、苦しむ、落ちる、流れる、早い、短い…など
  • 新築・開業祝いの忌み言葉
    …燃える、傾く、倒れる、壊れる、閉まる、落ちる、潰れる…など
  • お見舞いの忌み言葉
    …続く、重ねる、繰り返す、長引く、寝付く、終わる、落ちる…など
  • お悔やみの忌み言葉
    …死、ますます、重ね重ね、繰り返す、続いて、次々、さらに、生きる…など

基本的には「起きて欲しくないこと」を連想する言葉を避けていけばOKです。例えば結婚を繰り返すのは再婚…つまり離婚を意味することですから、同じ言葉を繰り返す「度々」「次々」などを避けるべきとされています。

他にも「四(死)」や「九(苦)」といった縁起の悪い言葉も避けていきましょう。

お詫び・お見舞いに時候のあいさつはなし

手紙の最初につけるべきとされている時候のあいさつですが、お詫びやお見舞いなどの手紙を書く場合は、時候のあいさつは書かないのがマナーです。

お詫び・お見舞いの手紙は「申し訳ない」「心配」こんな気持ちを伝えることが最優先なので、時候の挨拶は省かれます。

いきなりでOKですので、「さて、この度は…」と単刀直入に本題に入ってください。被害の確認や入院の報せを聞いたときなどには注意してくださいね。

投函前のチェックポイント!便せんの折り方や切手の貼り方

手紙のマナーは文章を書いた便せんを綺麗に封筒に入れて、ポストに投函するまで見られています。便せんの畳み方や切手の貼り方のマナーも確認しておいてくださいね。

便せん一枚の場合は白紙を重ねて

何も書かれていない白紙の紙が重ねられた手紙を受け取ったことはありませんか?もしも書くことが便せん1枚で終わった場合には、もう1枚白紙の紙を重ねて封筒に入れるというマナーがあります。

  • 1枚だと封筒から透けて内容が見えてしまうから
  • 縁起の悪い手紙(果たし状や離縁状など)が1枚の手紙なので、それを連想させないため
  • 1枚に収まる短文ではなく「本当はもっと書きたかった」という気持ちを相手に示すため

などなど、1枚の便せんに白紙を重ねる理由はいくつかあります。ですがどれも、相手のことを思う日本人ならではの気遣い。

白紙の紙は、内容の書かれた1枚目の便せんの下に重ねて折るようにしましょう。2枚目の手紙が白紙、といったイメージですね。

便せんの折り方は「おじぎ」

封筒に入れるときの便せんの折り方は、基本的に三つ折り。封筒のサイズが合わない場合は四つ折りでもOKですが、便せんが三つ折りにして入るサイズの封筒を用意しておきたいところ。

便せんを折るときは、手紙の下から1/3折り、それに重なるように上の1/3を折りましょう。これはぺこりと頭を下げている、「おじぎ」のポーズを意識したものです。

便せんがおじぎをするように折れたら、封筒の裏側に便せんの上端がくるようにして封入してください。封筒の表側に便せんの背がくるイメージです。

洋封筒の場合は、左から右、下から上に四つ折りして封入します。封筒を裏返したとき、便せんの書き出しが左上に来るように入れましょう。

切手の貼り方・選び方

「家にあったものを使おう」と適当な切手を貼っていませんか?切手のデザインは相手によって使い分けましょう。

正式でかしこまった手紙は、風景や季節感のあるものなどシンプルな切手を使います。弔事の場合は特に、派手な柄のないものを選んでくださいね。

また、切手を複数枚貼るときには貼り方にも注目です。

  • 縦長の封筒なら切手を縦に並べて貼る
  • 横長の封筒なら切手を横に並べて貼る

切手を並べるときはできるだけ少ない枚数で済むようにしましょう。隙間なく、かつ重ならないように丁寧に並べて貼ってくださいね。

ボールペンで手書きがベスト。気持ちが伝わりやすい

手紙を送る場合は基本的に手書きがベストです。「字が汚いから」と自信のない人もいるかと思いますが、そこは気にしなくてOK。

プリントした手紙なら電子メールと変わりないですし、受け取った側も味気なく感じます。せっかく手紙を用意するなら、手書きで文字を書きましょう。ボールペンや万年筆など、インクで書くようにしてください。

字の上手さよりも、時間と手間をかけて丁寧に書いたことが手紙に込められた気持ちを相手に伝えやすくなるのです。

誰でも見やすい字が書けるように、文字の中心線などが印刷された便せんも打っています。筆跡に自信のない人はそういった便せんも選んでみてください。

マナーも重要。でも手紙で一番大切なのは気持ちを伝えること

手紙には多くのマナーがあって、もっと細かいことを言えば数えきれないほどの「暗黙のルール」があります。ですがとりあえず、必要最低限のマナーさえ押さえておけば大丈夫。

もちろんマナーは大切ですが、手紙で最も重要なのは差出人の込めた気持ちです。

マナーにばかりとらわれていて本心が伝わらないのでは意味がありません。最低限のマナーさえ押さえているなら、あなたの言葉で素直な気持ちを伝えてくださいね。

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ライター:箸屋

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