呼吸を知ればヨガが深まる!身体が変わる!ヨガの呼吸法
Date:2019.07.08
人間は普段無意識に呼吸をしていますが、日常で行っている呼吸は早くて浅く、最低限の呼吸をしている状態です。
ヨガの呼吸は、息を止めずに鼻呼吸をすることが基本です。意識的に深くゆったりとした呼吸を行うことで、排気能力が向上して血液やリンパの流れの促進、自律神経の正常化などの効果が期待でき、心身共にリラックスできるのです。
ヨガにはさまざまな呼吸法がありますが、ヨガにおいて重要な呼吸法を見ていきましょう。
ヨガの要は呼吸!知っておきたい8つの呼吸法
ヨガの呼吸は「プラーナヤーマ」と言います。生命エネルギーを意味する「プラーナ」とコントロールするという意味の「アーヤーマ」が合わさった単語です。
ここでは、ヨガの呼吸法で代表的な8つの呼吸法をご紹介しましょう。
腹式呼吸
ヨガの呼吸で一番基本となる呼吸法です。鼻から息を吸い込んでお腹を膨らませ、吐く時は口から全て吐き切ってお腹をへこませ横隔膜を上下させます。
お腹に意識を向けてゆっくりとお腹をマッサージするように行いましょう。ヨガのポーズ(アーサナ)をとる時に、この呼吸を行うよう推奨される呼吸法です。
- お腹に手を当てて、一度お腹の中の空気を全て口から吐き出す
この時、口をすぼめて細く長く吐きだす - 吐き切った次の瞬間に自然にお腹に空気が入ってくるイメージで鼻から息を吸いお腹を膨らませていく
- ①~②を繰り返して腹式呼吸する
最初は意識して行わなければできないかもしれませんが、慣れれば自然に行えるようになるでしょう。
- 副交感神経に作用し、心身がリラックスする
- 自律神経を整える
- 内臓のマッサージ効果
- 免疫力の向上
- 集中力が高まる
- インナーマッスルを鍛える
胸式呼吸法
私たちが普段の生活で行っている呼吸のほとんどが胸式呼吸です。胸でする呼吸ですが、肺のやや上部に息を送り込み胸を膨らませます。
胸が広がると共に背中も広がるようなイメージで行うと自然と姿勢がよくなります。
- 指を大きく開き肋骨に添わせるように、両手を胸の下に当てておく
- 鼻から息を吸って、胸の上部に空気を入れ込むように胸を膨らませていく
この時、肋骨が開いていく感覚を両手で感じる - 口からゆっくりと吐き出して、胸をしぼませていく
この時、吸う時よりも長く吐きだすように意識する - ②~③を繰り返し行う
慣れてきたら、肋骨に手を当てなくても肋骨の動きを意識できるようになるでしょう。
- 交感神経に作用し、リフレッシュできる
- 脂肪燃焼効率を高める
- インナーマッスルを鍛える
- 肺活量がアップする
- 姿勢がよくなる
完全呼吸法
腹式呼吸、胸式呼吸、肩呼吸を順番に行い、肺の下部、中部、上部の全てを使う呼吸法です。呼気がどこに入っていくのかを意識しながら行うことが大切です。
- まず体の中の全ての空気を鼻から吐き出す
- 吐き切ったら、鼻からゆっくりと息を吸ってお腹をふくらましていく
- 次にそのまま胸を広げながら吸い続ける
- さらに鎖骨や肩が上がるくらいに、息を吸い込む
- 鼻からゆっくりと全ての空気を吐き出し、お腹をへこませ、胸や肋骨を閉じて、肩を引き下げる
- ②~⑤を繰り返し行う
呼吸を送り込む身体の内側に意識を向けてゆっくり丁寧に行っていきます。
慣れてきたら、息を吸いきったところで2-3秒呼吸を止めて(クンバカ)、呼吸が体中に巡っていく感覚を味わいましょう。ただし、少しでも苦しいと感じたら即座に息を止めるのはやめましょう。
- 内臓のマッサージ効果
- 毒素排出効果
- 心身共にリフレッシュする
- 姿勢がよくなる
ハタ呼吸法
ハは「太陽」、タは「月」を表し、相反する力の調和、バランスを取るための呼吸法です。
片方の鼻での呼吸を左右交互に繰り返し、太陽と月のバランス=自律神経のバランスを整えるのです。
- 右鼻での呼吸は「太陽」を作る=活力、やる気=交感神経を活発にする働き
- 左鼻での呼吸は「月」を作る=落ち着き、リラックス=副交感神経を活発にする働き
右手をチョキにして、人差し指と中指を眉間に、親指を右の小鼻に、薬指と小指を左の小鼻に当ててハタ呼吸の準備をします。交互に鼻の穴を塞いで片鼻での呼吸を繰り返します。
- まず、両鼻から息を吐き切ってから、右鼻を押さえて左鼻から吸い始める
- 次に左鼻を押さえて、右鼻から吐き出し、右鼻で吸う
- 右鼻を押さえて、左鼻で吐き出し、左鼻で吸う
- ②~③を繰り返して行う
吐いて吸って→履いて吸って→履いて吸って、と交互に鼻を塞いで行う - 最後は、左鼻で全ての空気を吐き切って終わる
ハタ呼吸は、左鼻から吸い始めて左鼻で吐き切って終わりましょう。
- 自律神経のバランスを整える
- 安眠を促す
- 精神統一
- 鼻の通りをよくする
ウジャイ呼吸法
お腹を引き締めて行う胸式呼吸の一つで、勝利の呼吸とも呼ばれる力強い呼吸法です。
のどの摩擦音を立てて行います。寒くて手を温める場合に口から「はぁ~」と温かい呼気を出す時を思い浮かべてみましょう。のどの摩擦音と共に温かい呼気が出てきますよね。その要領で口を閉じて鼻から息を出す感じです。
- お腹をへこませて引き締めておく
- 鼻から吸った空気を、のどの細めた気管を通して身体に吸い込んでいく
- 吸い切ったら、先述の通りのどの細い気管を摩擦音を立てながら鼻から吐き出していく
この時、吸う息と吐く息とが同じ長さになるように - ②~③を繰り返し行う
- 身体を温める
- 集中力を高める
- のどの不調の緩和
- 毒素排出効果
シータリー呼吸法
「シータリー」とは熱を冷ますという意味で、夏に行うとよいとされる呼吸法です。舌をストローのように丸めて行う口呼吸です。冷たい空気を口から取り入れ、温かい空気を鼻から排出します。
- 下を筒状に丸めて、ストローのように「シィー」と音を立てながら空気を吸い込む
- 口を閉じのどを閉めて、鼻からゆっくりと息を吐く
- ①~②を繰り返し行う
- 身体の熱を冷ます
- 口の中をさわやかにする
- リラックス効果
カパラパティ呼吸法
お腹に力を入れて瞬間的に引き締め、鼻から吐く呼吸法です。「カパラパティ」とは光る頭がい骨と言う意味で、頭がすっきりする呼吸と言われています。
短いスパンで素早く腹筋を収縮させながら鼻から息を吐き続けるのですが、吐いたら勝手に吸うので、吐くことに意識を集中させます。
難易度が高く危険性もあるため、腹式呼吸法や完全呼吸法をマスターしてから行うことをおすすめします。
- 背筋を正して準備する
- 瞬間時にお腹を引き締めて、鼻から息を「シュッ」と吐く
この動作を1分間に120回ほど繰り返す
慣れないうちはゆっくり行いましょう。少しでも苦しくなったら自然呼吸に戻します。
- 血行が良くなる
- 頭がすっきりする
- 気分転換
- 腹筋・横隔膜・内臓の強化
マントラ呼吸法
マントラという言葉を放ちながら、全ての意識を呼吸に集中させる呼吸法です。雑念を払い、心をクリアにします。
- 頭の中で「あー」と唱えながら息を吸い込む
- 息を吐く時に、マントラを頭の中で唱えながら集中する
この時、頭の中で唱えている音に意識を向ける
呼吸よりも音に意識を向けることが大切です。
- 精神安定
- 集中力が高まる
ヨガの呼吸を日常に取り入れれば、心も身体も健康になれる!
ヨガの呼吸と言ってもいろいろな呼吸法があり、生きるための呼吸ではなく、生きやすくするための呼吸と言ってもよいでしょう。
まずは、基本の腹式呼吸や完全呼吸法からマスターして、呼吸一つで心身共に変化するのを感じてみてください。
心がざわついたり緊張する時、ストレスにさらされてイライラしている時、就寝前や起床時など、日常生活にヨガの呼吸法を取り入れることができれば、心と身体の健康を手に入れられますよ。
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