唇の荒れを治す方法。インナーケアが明暗を分ける!
Date:2017.11.08
乾燥する季節が始まったと同時に気になり始めるのが「唇の荒れ」。洗顔後ふと鏡を見ると、唇やそのまわりがカサカサ・シワシワ・白っぽく皮剥け…きちんとリップクリームも塗っているのに、どうして?!という方も多いのではないでしょうか。
唇はその人の第一印象を決める部位としても常に上位ランクにあがっています。これはなぜか、ご存知でしょうか?
唇という部位は「潤っていてふっくらとふくらんでいる」だけで、見た目の印象がマイナス3〜6歳ほどになるという説もあります。とても良い意味でのセクシーさ、健康美を表す部位としてケアが欠かせない部位のひとつなのですね。
正しいケア方法を習得して、「見た目好感度」をぐぐっとアップさせましょう!
唇が荒れる原因は”体の内側”にあるかも
唇が荒れてしまった時、ひたすらリップクリームをベタベタと塗りつけていませんか?もちろん潤い補給は大切なのですが、それは原因が外側にあった場合です。
実は唇は、自分の体の内側からのSOSを示している場合があります。体の内側の原因を丁寧にケアしないと、いくらリップクリームを塗り込んでもあまり効果がありません。唇が荒れたら、まず最初に自分の体の内側に目を向けてみて下さい。
唇は胃腸と同じ粘膜!胃腸の荒れが唇に現れる
露出されていない胃や腸の粘膜部分に異常が起こり、血流が阻害されたり新陳代謝がうまく行かなかったりすると、露出された目に見える部分にも異常が発生します。
- 上唇の荒れ
- 胃の付近に異変がある場合に現れやすいと言われています。刺激物やカフェイン、アルコールを多く摂りすぎた際に起きやすい、胃に熱がこもってしまう状態でも起こります。
- 下唇の荒れ
- 小腸や大腸など、腸に何らかの異変がある場合に現れやすいようです。便秘や下痢、消化不良や栄養不良でも唇の皮がむけたり、ひどい時は割れてしまったりということもあります。
この他にも唇の色が白っぽければ貧血、紫色に近ければ肝臓や腎臓の不調が現れていると考えられています。唇は目に見えない臓器を代弁する、いわば「SOS警報機」のひとつなのです。
体の内側、乾燥していませんか
空気が乾燥し、唇が突っ張った感じがし始めた時もリップクリームを多用する人がいますが、その乾燥が内側から起こっている場合にもやはりインナーケアが重要になります。
特に近年、「冬の脱水症状」に注意喚起がされているのをご存知でしょうか。
夏場は熱中症対策の一環として、水分補給は色々な場面で行われます。しかし秋冬になると、その必要性を訴える場面は半分以下に激減してしまうのです。
このため、「冬はそれほど水分補給にやっ気にならなくても良い」と間違った認識をしてしまう方が意外なほど多くいます。
更に現代は、空調がどこに行っても効いている状態です。冷暖房は湿度を抑制しますから、空調が効いている室内に長時間いるとすれば、体内に必要な湿度がおよそ10〜20%減となってしまいます。
湿度の低下した外気、湿度が抑制された室内…これでは体内の水分はどんどん失われてしまいますよね。冬場こそ適切な水分補給をしないと、体の内側からどんどん乾燥してしまうのです。
体の内側が乾燥した場合、唇全体に水分が行き渡りにくくなり、薄皮がむける、縦シワが生まれる、細かいキズがつきやすくなるといった症状として現れます。
免疫力が落ちた時に現れるSOSサイン
更に、唇は体全体の免疫力が落ちた場合にも「危険」と体に教えてくれることがあります。この場合、つらい痛みや出血なども伴うことがあるので十分に注意し、体を労ってあげることが重要になります。
- 口角(唇の端)の荒れ、唇の割れ
- 口角炎・口唇炎とも言われる症状で、胃腸全体の異変が強いと現れる症状です。胃壁や腸壁などが血流不足を起こしていたり、水分を十分に吸収できない状態になると現れやすいとされています。
- 唇の内側の荒れ
- 口内炎など、口の中のトラブルは免疫力が低下した際に起こりやすいと言われています。風邪などの菌やウイルス、あるいは睡眠不足やストレスなどによって免疫力が落ちた場合、口内の細菌を押さえ込む力が弱く口内炎などができやすいとされています。
口角炎・口唇炎や口内炎まで起こしてしまうと、1日2日では治すことは難しいと言われています。唇のターンオーバー期間はおよそ4〜5日ですが、免疫力が落ちている場合、それを改善するのに早くて1週間〜10日ほどかかります。
まずはこのような状態にならないよう、早い段階でインナーケアを行うように心がけたいものですね。
唇の荒れを内側からケアする方法は
体の内側からSOSサインを感じたら、その日のうちからインナーケアを始めましょう。とはいえ、何も難しいことはありません。今すぐにでも出来ることばかりです。
まずは自分の体が何を欲しているか、率直なその声に耳を傾けてみて下さい。
胃腸を守る食習慣とは
唇から胃腸は同一線上の粘膜である、ということは先述した通りです。唇が荒れてしまった時は、まずは胃腸を労る食事内容に変更し、2〜3日はその粘膜の修復に集中しましょう。
- 細胞修復能力のあるビタミンB群
- 細胞をつなぎ合わせるコラーゲン生成に欠かせないビタミンC
- 消化の良い動物性タンパク質
細胞修復に欠かせないのがビタミンB2。主に卵やレバー、納豆などに含まれています。さらに、ぷるんとした唇にするためにコラーゲン質を作るビタミンCも多めに摂りましょう。
口内炎で食べるのは痛い!という方は、サプリメントで補うこともOK。しかし普段の食事内容が改善されないとまた繰り返してしまいますので、痛みが落ち着いてきたら日常食生活の見直しを行ってみてください。
水分補給は年間を通じて意識すること
特に喉の渇きを感じていなくても、人間は普通に生活していれば1日およそ1.5〜2リットルの水分を消費しています。
通常の食事で摂れる水分はおよそ0.5〜0.6リットル程度の摂取が平均ですので、食事とは別に水分補給を1〜1.5リットルは摂取するのが理想です。
つまり、体の水分補給はコップ1杯の水を1日8〜10杯に分けて飲むのが最も効率的ということになるのです。
1日のうちでこまめに水分を摂る、というのは夏でも冬でも同じこと。年間を通して体に適切な水分量を、適切なタイミングで摂る意識を忘れないようにして下さい。
腸内環境を整備すれば免疫力も向上
体の免疫の60%は腸で作られているとされています。唇の荒れが免疫力低下で起こっている場合、腸内環境を整えることで免疫力の底力をアップさせることで治りが早くなることがあります。
腸内環境、というのはわかりやすく言えば「腸内細菌のバランス」を整えること。
ヨーグルトやチーズなど善玉菌が好む食品を摂取したり、ビオフェルミン錠など善玉菌を育てる医薬部外品を定期的に飲むことで、善玉菌の減少を防ぐ効果に期待出来ます。
体の外側からの刺激も荒れる原因になる
ここまでは「体の内側に原因がある場合の唇の荒れ」についてご説明しましたが、もちろん外側に原因があることもあります。
内側の見直しをしても一向に良くならない場合や、唇荒れを未然に防ぐためのセルフケア方法について確認しておきましょう。
正しいリップクリームの使い方
ただやみくもにリップクリームを塗っていても、実はあまり効果がありません。唇の乾燥や栄養不足を補うためにはポイントがいくつかあります。
- お風呂上がり、歯磨き後などに行う
- リップクリームはグリセリンなどのややべたつきのある潤い成分が主成分になっています。むやみに重ね付けをすると、ゴミや大気中の菌などが唇に密着しやすくなり、唇荒れの原因になります。リップクリームを塗る時は必ず唇をオフにした状態で塗りましょう。
- 唇のシワに沿って塗る
- リップクリームを、口紅のように横引きしていませんか?もちろんそれでも成分はつきますが、シワにすり込むようにすることでシワ周囲の細胞をふっくらさせる効果が効率的に現れます。縦筋に沿って塗り込み、唇の端などは指を使って丁寧に伸ばしましょう。
- 荒れた唇には医薬品クリームを使う
- 市販のリップクリームは荒れを「防ぐ」効果は高いですが、荒れを「治す」効果はあまりありません。皮剥けや出血などを起こしてしまった場合は、薬局などで購入できる第3類医薬品クリームなどを使うほうが治りが早くなります。
定期的な油分補給も必要です。唇には皮脂腺がありませんので、自分の細胞膜を守るための油分を出すことが出来ません。乾燥を感じたら一度唇周囲をリセットし、定期的に潤いを与えるようにして下さいね。
紫外線対策、さぼっていませんか
乾燥対策と同じくらい重要なのが、「唇の紫外線対策」になります。
ふっくらとした瑞々しい唇に欠かせないのがコラーゲン質。しかしこのコラーゲン質は紫外線を浴びると縮小・乾燥してしまい、シワシワとしわのよった唇になってしまいます。
唇の乾燥対策と一緒に紫外線対策も意識しましょう。UVカット効果のあるリップクリームも沢山市販されていますし、通常のリップクリームを塗った後に顔用のリップクリームを薄く指で伸ばすだけでもOKです。
ただし、唇は何かを塗ってもすぐに落ちやすい部位でもあります。こまめに塗り直す習慣も忘れないようにして下さいね。
定期的なスクラブケア
分厚くなってしまった唇の皮の上からどれだけ保湿を心がけても、届かせたい細胞のところまでは届きにくくなってしまいます。そこで荒れ予防として日常ケアに取り入れたいのがリップスクラブ。
- お風呂上がりなど唇周囲が温まっている時に行う
- スクラブは砂糖由来のものなど、肌の熱で溶けやすいものが優しい
- 2週に1度位の割合で、1回1〜2分のマッサージ
リップスクラブはやりすぎると必要な皮膜まで取ってしまい、余計に荒れる原因となります。2〜3週に1度の頻度で十分ですので、休日など「自分ケア」をする日を作って行うのも良いかもしれません。
盲点!オーラルケアアイテムで唇荒れが起きることも
最後に意外と盲点になりやすい唇荒れの外部要因をご紹介します。それはなんと、「歯磨き粉」や「マウスウォッシュ」などのオーラルケア製品。毎日使うものですし、それが原因だとわからないままですと荒れを治すことも難しくなります。
- 何らかのアレルギーを持っている方
- アルコール成分など刺激に弱い方
- 疲れていると蕁麻疹など皮膚症状が出やすい方
- その他敏感肌の方
このような人の場合、歯磨き粉やマウスウォッシュに微量に含まれている添加物に過剰反応し、皮剥けやひび割れ、口内炎や口唇炎を起こす可能性が高くなります。
何をしても一向に良くならない唇の荒れにお悩みの場合は、一度オーラルケアアイテムも見直してみましょう。アルコールや硫酸ナトリウムを配合していないオーガニック系アイテムも多く販売されていますのでご安心くださいね!
出血、腫れ、ただれが在る時は皮膚科へ
唇に現れる「荒れ」は体からの不調のサインである可能性が高い、ということはご理解いただけたかと思います。こうした不調の中には、自己ケアでは改善しにくい病気、体質などが根本原因になっていることもあります。
- アトピー性皮膚炎
- 口唇ヘルペスなど感染症
- 荒れた傷口からの細菌感染や接触性皮膚炎
- 唾液分泌の低下を起こす病気
- 手足口病など流行性感染症 など
このような病気が根本原因である場合、市販のリップクリームをどれだけ使っても治療には至りません。しつこい唇の荒れや治らない傷、出血、腫れ、ただれがある場合には必ず病因に行きましょう。
- 唇の外側の異変…皮膚科、口腔外科
- 唇の内側の異変…歯科、耳鼻咽喉科、口腔外科
どのような科に行けば良いかわからないという時には内科を受診しましょう。適切な診療科や専門医のいる病院などを紹介してくれます。
自己判断が難しいと感じたら、セルフケアは一度止めて専門家の意見に耳を傾けてみて下さい。それが「治す」ことへの近道になることも、非常によくあることなのです。
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