オリーブオイルの食用と美容用の違い。美味しくても塗ったら肌荒れ
Date:2019.12.23
料理にも美容にも結構な頻度で登場するオリーブオイル。万能なアイテムのように感じますが、食用のオリーブオイルと美容用のオリーブオイルでは全く質が異なります。
食用オイルはスキンケアやヘアケアのために作られた物ではありませんから、美容オイルと違って内容物や性質が違うのです。
食用のオリーブオイルに入っていない物が美容オリーブオイルに入っていることがありますし、逆もまた然り。食用の方が安くて量がたくさん入っているからと言って、食用オリーブオイルを美容に使うのは危険です。
食用と美容、同じオリーブオイルでどんな違いがあるのかを見てみましょう。
この記事の目次
オリーブオイルの食用と美容。製造過程や目的が違う
食用オリーブオイルと美容オリーブオイル、どちらも同じ「オリーブオイル」という商品名の通り、オリーブの果実から抽出されたオイルです。
ですが食用は食べるために、美容は肌や髪に塗るために作られています。食用は美味しく食べられるように風味や栄養価が、美容オイルは肌に刺激のないよう徹底的なろ過が重視されています。
食用オリーブオイルには果物のかけらやその他の成分が入っていることがありますが、美容オリーブオイルは肌への刺激にならないよう、果肉などの肌荒れリスクがある物が取り除かれているのです。
目的 | 製造のポイント | |
食用 | 料理をおいしくする |
|
美容 | 肌や髪の保湿・ケア |
|
食用オイルを美容に使ったらどうなる?リスクの方が多い
食用のオリーブオイルをスキンケアやヘアケア、洗顔・クレンジングに使ったというエピソードも見聞きしますよね。実際に食用を美容に使うと、どんなことが起きるのでしょうか?
肌荒れや毛穴詰まりする
そもそも食用の美容オイルは口に入れるものであり、肌に塗るためのものではありません。それを肌に塗って美容液の代わりにしたり、洗顔やクレンジングに使ったりすることで、次のような肌トラブルが起きる可能性があります。
- 肌荒れ
- 毛穴詰まり
- かゆみや赤み
食用オリーブオイルには肌に刺激を与えたり傷つけたりする成分も含まれています。例えば果実の細かいかけらや繊維などにより、肌が傷つけられることも。
また美容のオリーブオイルと違って、肌に塗っても低刺激になるような成分が含まれていません。ですから食用オイルでは肌荒れが起きてしまうのです。
劣化しやすく長期使用に向かない
基礎化粧品の多くには、長期の保存・管理が出来るように保存料が使われています。ところが食用のオリーブオイルだと、元の食材の味を活かして美味しく食べるために、保存料が使われていないことがほとんど。
美容に使っていると消費スピードも遅くなり、食用のオイルが早く劣化しやすくなります。特にオリーブオイルが弱いのは、光や熱、酸素です。
美容に使うオリーブオイルが欲しいけれど、安い食用のオリーブオイルで代用したい…。こんな考えで食用オリーブオイルを買ってしまうと、せっかくのオリーブオイルを新鮮なうちに使いきれないことがあるので要注意。
油焼けで日焼けする可能性
小麦色の肌に憧れて日焼けを楽しむ際には、サンオイルを塗って太陽の下に出ますよね。食用のオリーブオイルを肌に塗ると、サンオイルと同じで肌が焼けてしまう「油焼け」のリスクが生まれます。
美容のオリーブオイルであれば、肌に塗っても油焼けしないように計算されて作られています。ところが食用のオリーブオイルは肌に塗ることを想定していないため、肌に塗ると油焼けしてもおかしくありません。
美容オイルと食用オイルはあくまで製造過程が異なります。美味しくオリーブオイルを味わうために作られているので、油焼けするリスクは考慮されていないのです。
肌や髪に浸透しづらい
よくオリーブオイルを使った肌パックや髪パックの美容法が語られていますよね。もちろん美容オイルであれば有効ですが、食用オイルで保湿しようとするのは間違い。
食用のオリーブオイルは美容のオイルと違って、肌や髪への馴染みやすさは重視されていません。
ですから肌や髪に塗ったとしても、上手く馴染まずベタベタしてしまうことがあります。べたべたしたまま過ごして汚れをくっつけ、事態を悪化させてしまうことも。
食用オイルが合う可能性はわずか
食用のオリーブオイルを美容に使うことで、様々なリスクが懸念されます。ただしこれらは、あくまで起きる可能性のうちの一つ。
「オリーブオイル」と言っても原材料のオリーブには数種類がありますし、それらと肌質の組み合わせは十人十色です。オリーブオイルと肌質の相性によっては、食用を美容に使っても問題ない可能性もあります。
ただし、あくまで可能性の話です。食用に作られたオリーブオイルを美容に利用することは正解ではありません。「私の肌質なら大丈夫」なんて思いこんで使うと、思わぬ肌トラブルに繋がる危険性があることを忘れないでくださいね。
エキストラバージンオイルでも食用を美容には使えない
食用のオリーブオイルを美容に使うときの免罪符として、よく「エキストラバージンオイルなら大丈夫」という意見を見聞きします。が、もちろん食用を美容に使うのはNG。
前述でご説明した通り、オイルに含まれる果肉や種子のかけらが肌に刺激を与えることがあります。エキストラバージンオイルなら尚更、食用のオイルを美容オイルとして代用するのはハイリスク。
もちろんエキストラバージンオイルだって美容のオイルが売られています。エキストラバージンオイルならではの美容効果が得たければ、おとなしく美容目的のオイルを買って使いましょう。
本来の用途通りに使おう。危険な橋は渡るべからず
どんな商品にも用法・用量というものが決められています。それを守らずに使うのは、ハッキリ言ってギャンブルの域。何が起きても自業自得です。
本気で肌質を良くしたいのであれば、美容には美容オイルを利用した方が安全です。
食用の方がコスパが良さそうに思えても、食用を使って肌が荒れて、また新しいオイルを買い足すのであれば、最初から美容オイルを買った方が余計な出費が抑えられますよ。
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