年代によって違う生理不順の原因。生理不順の軽視は危険!
Date:2017.10.17
毎月やってくる生理。しかし、ちょっと体調が悪かったりすると時期がずれたり、1ヵ月生理が来なかったりすることもあります。
中には「生理は辛いから1ヵ月ぐらいなら来なくても平気」と思っている人もいますが、生理不順は様々なことが原因で起こります。
生理不順が長期間続くと、妊娠しにくい体になる場合もあるので「大丈夫」と放置しているのはとても危険です。
生理不順は年代によって原因も多少違ってきます。自分の生理不順がどういういったことが原因で起こっているのか、どんな症状が出ているのかを知ることが大事!
自分に当てはまる原因はないか、確認してみてくださいね。
あなたはどれに当てはまる?生理不順といっても症状は様々ある
生理不順とは、いったいどういうことを言うのでしょうか?正常な生理周期は次のようなものになります。
- 25~38日周期で生理が来る
- 1回の生理期間は3~7日間
- 生理のズレは1週間以内
上記のような条件が満たされない状態が3か月以上続くと、生理不順状態と言われています。よく生理不順と言いますが、実は症状も様々です。
頻発月経 | 生理周期が24日以下と早い状態 |
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稀発月経 | 生理周期が39日以上と遅い状態 |
過短月経 | 生理期間が1~2日と短い状態 |
過長月経 | 生理期間が1週間以上と長い状態 |
過多月経 | 経血量が極端に多い状態 |
過少月経 | 経血量が極端に少ない状態 |
無月経 | 生理が来なくなる状態 |
上記のような症状全てが生理不順に当たります。自分の生理不順がどれに当てはまるかによって、病院での治療法なども変わってきます。
生理不順は女性ホルモンの乱れが原因!女性ホルモンが乱れる原因
生理不順を起こす原因は、女性ホルモンの乱れもしくは病気と言われています。
女性ホルモンの乱れといっても、様々なことが原因で女性ホルモンのバランスは乱れてしまいます。
女性ホルモンのバランスが乱れる原因として挙げられるのが、以下のようなものです。
その1.日々感じている肉体的なストレスや精神的なストレス
ストレスが溜まると、視床下部の機能が低下して正常に働かなくなります。
視床下部は女性ホルモンの分泌や排卵などを促す指令を出している部位で、ここが正常に働かなくなると生理不順となります。
ストレスは精神的なものだけではなく、疲れなどから来る肉体的なストレスも影響してきます。
女性の場合、仕事だけではなく育児や結婚することによる環境変化によってストレスを感じることもあります。
うまくストレスを発散しないと、生理不順が長期に及ぶこともあります。
その2.日常生活の乱れからくるホルモンバランスの乱れ
生理不順の人を見てみると、規則正しい生活を送っている人よりも症状を訴える人が多いと言われています。
- 栄養バランスの偏り
- 睡眠不足
- 昼夜逆転の生活
- 運動不足
- 過剰な喫煙や飲酒
こういったことがある人は、女性ホルモンだけではなく成長ホルモンなどの分泌も乱れてしまいます。
乱れた生活が当たり前になっている人も、自分ではストレスはないと思ってしまいますが、体はストレスを感じている可能性があります。
普通に仕事をしていた時は、生理周期も正常だったのに、仕事を辞めたら生理不順になったという人もいます。
これは、今までの生活習慣に変化が出たことに体が反応して症状が出たことになります。
その3.体を酷使する激しいスポーツで生理周期が乱れることもある
この症状はスポーツ選手や、ずっと運動に携わっている人に多い症状です。
特に、体脂肪を制限するスポーツやフルマラソンといった体を酷使するスポーツは生命維持のために体が排卵をストップさせることもあります。
スポーツをやめて普通の生活にすると生理が戻る人もいますが、ずっとスポーツをして生理不順が長期間続いている場合、なかなか症状が戻らないこともあります。
その4.プロラクチンというホルモンが過剰分泌される
女性が出産し、授乳している期間に分泌されるホルモンにプロラクチンというものがあります。
これは排卵を抑制する働きがあり、本来は授乳期間までしか分泌されないようになっています。
しかし、なんらかの理由でプロラクチンが過剰分泌されると排卵が抑制され生理不順になることもあります。
若いからこそ知っておきたい20~30代女性に多い生理不順の原因
上記で説明したように、生理不順には様々な原因があります。その中でも、20~30代女性に多い原因というのもあります。
「若いから安定してないだけ」と思っている人もいるようですが、20代になると生理周期は安定してきます。
しかし、ずっと生理不順が続いている場合は、次のようなことが原因である可能性があります。
その1.過度なダイエットによる体重の急変
20~30代女性の多くが体型を気にし、ダイエットに励んでいます。
徐々に体重を落とすダイエットであれば問題はありませんが、急に体重が変化するダイエットはよくありません。
体脂肪が急激に少なくなると体が生命の危機を感じ、女性ホルモンの分泌を止めてしまう場合があります。
また、反対に太り過ぎると女性ホルモンが脂肪から分泌されるため過剰分泌と卵巣が判断し、卵巣の機能を弱めてしまいます。
太って生理不順になり、痩せるために急激にダイエットをまた生理不順になるということを繰り返すと、生理不順が長期間続くので妊娠しにくい体になってしまいます。
その2.食事の偏りで栄養が足りずに生理不順になる
食事の偏りによって生理不順になることがあります。栄養が偏ると体が生命維持の危機を感じ、生理を止めてしまいます。
女性の場合、鉄分が不足して貧血の症状を訴える人が多いですが、鉄分が不足すると血液が足りないと体が判断し生理不順となります。
栄養の偏りがないように食事をすることが大事ですが、鉄分は食事だけで摂取するのが難しいです。
鉄分が不足していると感じた場合は、サプリメントなどを上手に活用して鉄分が不足しないようにしましょう。
その3.30代後半から始まる人も増える若年性更年期
更年期障害は、40代後半から始まると言われていますが、その前の30代後半あたりから、更年期障害と同じような症状を訴える女性もいます。
20~30代は仕事や結婚と忙しい時期なので、忙しさでストレスが溜まりホルモンバランスが乱れているだけと思いがちです。
しかし、更年期障害のようなほてりや冷え性といった症状がある場合は、若年性更年期の恐れがあるので、1度婦人科で診察をしてもらうことが大事です。
その4.まさか20代で!? 早期閉経で生理不順が分かることもある
閉経というと、50代を過ぎた女性がなるものと考えてしまいます。しかし、20代の若い女性でも早期閉経を迎えるということもあります。
閉経の定義は、1年以上生理がなかったり卵巣機能が低下していることを言います。
忙しかったりまだ月経周期が定着していない可能性もあるため「きっと生理不順だろう」と放置し、1年近く生理がなくおかしいと思い病院に行ったら早期閉経だったということもあります。
20~30代女性の場合、3か月生理が来ない場合は必ず婦人科で診察を受けるようにしましょう。
20代で早期閉経すると妊娠できないのはもちろん、50代半ばの女性が閉経した時と同じように骨粗鬆症や中性脂肪のリスクなども出てきます。
若いから大丈夫と思わず、若いからこそすぐに診察を受けることが大事です。
更年期障害の恐れも!40代女性に多い生理不順の原因
ホルモンバランスによる生理不順は、若い頃は多いと言われています。しかし、40代になっても生理不順の症状が出てくるという人もいます。
40代の場合、若い世代のようなホルモンバランスの乱れだけではなく次のようなことが原因となることもあります。
その1.40代半ばから一般的となる「更年期障害」
皆さんは、更年期障害のことをきちんと知っていますか?更年期障害というと、生理が終わってから起こるものと思っている人がいます。
しかし、更年期障害は閉経の前後10年の期間を更年期といい、その時期に起こる様々な症状を更年期障害と言います。
この時期は卵巣機能が低下するため、女性ホルモンの分泌が減り生理不順となります。
更年期障害の時の生理不順には次のような症状があります。
- 不正出血
- 経血の量が減る
- 生理周期が長くなる
- 生理期間が短くなる
更年期は40代半ばになると症状が出てくる人が多く、平均的に50代半ばまで続くと言われています。
この時期に生理不順の症状が出ている人は、更年期障害の疑いがあります。
症状が重く日常生活に支障がある場合は、病院でホルモン剤などの治療を行うことが可能です。
その2.更年期の症状がなくても起こる可能性がある「閉経」
閉経は、更年期障害の期間に起こります。どんどん生理周期が遅れるなど症状が出ている人は閉経へのカウントダウンが分かりますが、更年期障害の症状がないのにいきなり閉経になることもあります。
多くの人が、生理不順が始まってから1~2年の間に閉経をすると言われています。
医学的には、1年間生理が来ないと閉経と診断されますが、その後生理が来るという人も中にはいます。
生理不順が長期に渡って続く場合、閉経に向かっている可能性もあるので、婦人科で検査してもらうようにしましょう。
知っておかないと危ない?病気が原因で生理不順になる可能性もある
生理不順は、ホルモンバランスの乱れだけではありません。病気が原因で生理不順になることもあります。
病気が原因の場合、卵巣などに問題があることが多いので、注意が必要です。
生理不順が3ヵ月以上続く場合は、1度病院で診察を受けるようにしましょう。
その1.甲状腺の異常による生理不順
甲状腺の異常というと、バセドウ病や橋本病が有名です。特に、甲状腺の病気は若い女性に多く起こる症状と言われています。
甲状腺の異常が生理不順に繋がるというイメージがありませんが、卵巣は甲状腺ホルモンの影響を受けるため、甲状腺に異常があると卵巣の動きが悪くなり生理不順を起こします。
- バセドウ病
- 橋本病
- 甲状腺機能亢進症
- 甲状腺機能低下症
上記のような甲状腺の病気がある場合は生理不順を起こしやすいので、気になる場合は甲状腺の治療時に生理不順についても相談をするようにしましょう。
その2.卵巣機能が低下する「卵巣機能不全」
女性ホルモンのバランスが崩れると卵巣の機能が低下し、生理不順を引き起こします。
ストレスなどが原因と言われていますが、病気で服用している薬の副作用が原因で卵巣機能不全になることもあります。
薬を服用して生理不順を引き起こす場合は、医師に相談をするようにしましょう。
その3.排卵がない生理がくる「無排卵月経」
月に生理が2回来たり、生理期間が長いなどの場合は無排卵月経の可能性があります。
無排卵月経は病気ではなく、ストレスやダイエットなどが原因と言われています。
無排卵月経は卵巣の機能が低下し、女性ホルモンに異常で出ると無排卵状態で生理が来ます。
無排卵月経自体が病気というより、無排卵の月経が長期間続くと妊娠しにくい体になる可能性があるので、注意が必要です。
その4.不妊症の原因にもなる「子宮内膜症」
ここ数年、よく耳にするようになったのが子宮内膜症です。子宮内膜症には、次のような症状があります。
- 生理痛の症状が重い
- 経血量が多い
- 性交時などに痛みがある
子宮内膜症は、妊娠のために増殖した内膜が子宮以外の場所に起こる病気です。
子宮内膜症になると、卵巣や卵管に内膜が癒着するためうまく排卵ができなくなってしまいます。
その5.婦人病で急激に増えている「子宮筋腫」
子宮の筋肉にできる良性の腫瘍を子宮筋腫といいます。子宮筋腫はできる場所によって痛みがないこともあるため、なかなか気づかないという場合もあります。
しかし、子宮内側に筋腫ができると生理時の経血量が急に増えたり、生理期間が長くなるため子宮筋腫に気づく人が多いようです。
子宮筋腫も子宮内膜症などと同様、放置すると不妊の原因になる可能性があります。
その6.若い女性に多くみられる「子宮頸がん」
20~30代の女性に多く、性交時にヒト・パピローマウィルスに感染することによって発症します。
性交渉を経験した女性は誰でも感染するので、子宮頸がんになる可能性があります。
子宮頸がんは痛みなどがあるわけではないので症状に気づかず、次のような症状が出ることで子宮頸がんが発覚することがあります。
- 生理日以外に出血がある
- 生理期間が長くなる
- 性交痛がある
- おりものに変化が出る(ニオイや量)
何かいつもと違うなと感じた時は放置するのではなく、1度婦人科で診察を受けるようにしましょう。
「大丈夫」と思わず生理不順はきちんと原因を知ることが大事
生理不順は、様々なことが原因で起こります。そのため、若いから大丈夫!40代だから更年期の症状と決めつけてしまうのは危険です。
生理不順の場合、自分の原因はどこにあるのかをまずきちんと知ることが大事です。
生理不順は治療で症状を緩和、また症状を改善することもできます。まずは、原因を知って自分で生活を改善してみましょう。
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