生理前・生理中のひどい眠気対策。なぜこんなに眠くなる…?
Date:2017.06.10
月に一度やってくる生理。地味に辛い様々な体の症状を引き起こしますが、中でも困るのが「眠気」ですよね。
生理前・生理中になると何故か猛烈な眠気がやって来る。仕事中など、寝てはいけない状況でも容赦なくやって来る。
あれは一体何なのでしょう。
何故あんなにも眠くなるのか、どうすればあの眠気に対処できるのか。女性特有の生理の眠気について、お話したいと思います。
強烈な眠気の正体は?生理で眠くなる原因
実はあの生理前・生理中の眠気には「月経関連過眠症」という立派な名前が付いています。それ程あの眠気は生理特有の厄介なものであると言えるでしょう。
では、あの凄まじい眠気、どうして生理前・生理中になるとやって来るのでしょう?それには色々な原因があります。
- 黄体ホルモンによる催眠作用
- 排卵から生理が始まって1~3日目位の間は、女性の体内でホルモンバランスが変わります。
それまで多く分泌されていた卵胞ホルモン・エストロゲンに代わって、プロゲステロンという黄体ホルモンが増えるのです。
エストロゲンが多く分泌される時期は身体的にも精神的にも比較的安定した状態ですが、プロゲステロンが増える時期は様々な不調が起こりがちです。異常な眠さのその内の一つ。
プロゲステロンのその睡眠作用は睡眠薬に含まれる成分、ベンゾジアゼピンに匹敵するとも言われています。
- 体温の変化
- これも黄体ホルモンによる作用ですが、生理前になると体温が常に高い状態が、生理が始まると体温が低い状態が続きます。
人の体が眠気を感じるのは、体温が高い状態から低い状態に移行する時。ところが生理が近づくと基礎体温が高い高温期が続き、これにより寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりし、その反動で日中眠くなってしまうのです。
- 生理のメカニズムによるもの
- 「月経困難症」と呼ばれる生理の不調があります。いわゆる生理痛の事で、酷くなると痛みで社会生活に支障が出ることも。
毎月、子宮内では厚さ1cm程度の子宮内膜(機能層)が形成されます。これは受精卵が子宮で着床する為に必要なもので、着床した後も胎児を守る役割があります。妊娠する為に欠かせないものなのです。
しかし妊娠しなければこの子宮内膜は不要になりますので、血液と共に体外へ排出されます。子宮内膜は胎内で強制的に溶かされて排出される為、痛み(生理痛)が起こる場合があります。
痛みの他にも子宮内膜の分解・排出は体の機能を酷使し、女性の体に負担をかけます。これが生理の時の倦怠感、眠気の原因の一つなのです。
- 貧血
- 子宮内膜を排出する為に、体内の血液が子宮に送られます。このため生理中は貧血を起こしやすくなります。
貧血により血圧が下がり、眠気を引きおこす場合があるのです。
- 痛み止めの副作用
- 辛い生理中の痛みを和らげる為の鎮痛剤。ですが、鎮痛剤の副作用で眠くなってしまう事があります。
鎮痛剤に含まれている鎮静成分が脳の興奮を抑えることで痛みを感じにくくなりますが、同時に眠気が出る作用があるのです。アリルイソプロピルアセチル尿素や、ブロモバレリル尿素などがこれにあたります。
鎮痛剤を服用する場合は眠くならないものを選びましょう。市販薬ですと、
- イブ
- バファリンルナ
- ノーシンホワイト
等がおすすめです。
生理の眠さを乗り切る対処法
月に一度やってくる生理。その度にやってくる強烈な眠さを乗り切るにはどうすればいいのでしょう。幾つか対策をご紹介します。
仮眠を取る
「この眠気、仕事が終わるまで我慢しなきゃ…。」というのは正直かなり辛いです。仕事の効率も下がります。だったら思い切って仮眠を取りましょう。
お昼休みなどに15分~30分程度仮眠を取れば少し頭がすっきりし、眠気がマシになります。ただし今度は目覚めにくくなってしまいますので、くれぐれも寝過ぎは禁物です。30分位までに留めておきましょう。
ハーブティー、漢方薬などを試してみる
カフェインは眠気に効果がありますが、飲み過ぎると血行が悪くなる為あまりおすすめしません。
コーヒーの代わりにハーブティーを飲むのはどうでしょうか?眠気を解消し、スッキリさせてくれるハーブを選びましょう。以下のようなハーブが効果的です。
- レモングラス
- ペパーミント
- ローズマリー
- オレンジやグレープフルーツ等の柑橘系
夜は寝付きがよくなる以下のようなハーブをおすすめします。
- ラベンダー
- カモマイル
- ベルベーヌ
- パッションフラワー
ハーブティーだけではなく、アロマオイルを使用してもいいですね。
また、漢方薬も生理の時の眠気に効果があると言われています。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
等がありますが、漢方の効き目は個人差があります。漢方医に相談して自分にあったものを処方してもらうのが良いでしょう。
ツボ押しで眠気を解消する
眠気を覚ましてくれるツボを押すのも効果的です。手軽に押せる手のツボを二つご紹介します。強めに押して、頭をスッキリさせましょう。
- 合谷(ごうこく)
- 手の甲側の親指と人差し指の間、指の付け根の骨より少し上あたりにあります。長めに押しましょう。
- 中衝(ちゅうしょう)
- 中指の爪の生え際、親指側に寄った爪の端の少し外側にあるツボです。
体内時計の乱れをリセットする
日中、太陽の光を浴びる、体を動かすなどして体内時計を整えましょう。夜しっかり眠ることで昼間睡魔に襲われるのを回避します。
寝る前にPCやスマホの画面を見ると、寝付きが悪くなります。就寝前は光る画面を見ないようにしましょう。
ストレスを溜め過ぎない
ストレスが溜まるとホルモンバランスが乱れ、プロゲステロンの過剰な分泌を引き起こします。
あまりストレスは溜めないように注意が必要です。
体を冷やさないようにする
体を冷やすと血行が悪くなります。極力血の巡りを悪化させないことで貧血、血圧の低下を防ぎましょう。
- ショウガなど体を温める食品を摂る
- 腰周りをカイロなどで温める
- 足浴や半身浴を行う
など、色々な方法があります。
PMS・貧血に効果的な栄養素を摂る
生理前の眠気はPMS(月経前症候群)の症状の一つです。ビタミンB6、亜鉛にはPMSの症状を改善する効果があります。
ビタミンB6(ホルモンバランスを整える)を多く含む食品は、
- まぐろ、かつお、いわしなどの魚類
- レバー
- にんにく
亜鉛(女性ホルモンの分泌を促す)を多く含む食品は、
- 牡蠣
- 煮干し
- ごま
- 舞茸
などがあります。
貧血の改善には鉄分の摂取が効果的です。以下のような食品に多く含まれています。
- レバー
- 青のり
- ひじき
- 大豆
これらの食品をバランス良く摂るようにしましょう。
毎月やってくる猛烈な眠気、上手に回避しよう
生理の眠気は毎月訪れるものですが、「生理で眠いので仕事やめて帰ろう」という訳にはいきません。どうにかして眠気を乗り切らなくてはなりません。
今回ご紹介した方法を試して頂き、辛い眠気が少しでも緩和されればと思います。
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