その疲れは呼吸が浅いことが原因かも…深い呼吸を身につける方法
Date:2019.06.03
呼吸が浅いとか深いとか、普段はあまり意識をしていないかもしれません。
でも、疲れやすかったり、やる気が出なかったり、何となく感じる身体の不調は呼吸が浅いことが原因になっていることがあるんです。
呼吸が浅いとなぜ体調に良くない影響を与えるのか、その原因と深い呼吸を身につける方法についてお話しします。
ゆったりした呼吸を身につけると、不思議と身体が軽くなるんですよ。何だか疲れが取れないなという人は是非試してみて欲しいと思います。
この記事の目次
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呼吸が浅いとはどういうこと?自分の呼吸をチェックしてみよう
呼吸が浅いというのはそもそもどういうことなのでしょうか。
お腹にたっぷり息を吸い込む腹式呼吸は深い呼吸が出来るのですが、胸を使う胸式呼吸は呼吸が浅くなりがちです。
呼吸の回数が多くなっていたり、何だか息苦しいなと感じることがあるなら、呼吸が浅くなっている可能性があります。
女性は胸式呼吸が多いので、より意識した方がいいです。
呼吸の回数をチェック
呼吸が浅くなっているかどうか、まずは回数をチェックしてみましょう。
1分間の呼吸の回数を数えます。時計の秒針を見るとそれにあわせて呼吸をしてしまうので、スマホのアラームなどをセットした方が自然な呼吸が出来ます。
- 10回程度:かなり安定している呼吸です。
- 12〜18回程度:たいていの人はこのくらいの回数です。
- 19回以上:ちょっと多いかもしれません。
もし呼吸の回数が20回くらいになっていたら、呼吸が浅くなっているかもしれないですね。
肺のふくらみをチェック
息を吐いた時と吸った時の肺の大きさの差を計ってみます。メジャーがあればいいですが、なければ紐などを使って計ってみてください。
ブラジャーのアンダー部分のサイズを測ります。
3cm以上あればまずは大丈夫。5cm以上なら、十分肺を使えています。
3cm以下の人は肺がきちんと膨らまることが出来ていないようです。ちょっと注意が必要ですね。
呼吸が浅いと何がいけない?そのデメリットとは
呼吸が浅いとどのようなデメリットがあるのでしょうか。健康にも美容にもいいことはなさそうです。
イライラする
呼吸のリズムは脳の活動とも密接な関わりがあるそうです。脳の奥にある大脳辺縁系というところには「扁桃体(へんとうたい)」という部位があります。
扁桃体は脳の情動ややる気などに関わる部位。呼吸が浅いと扁桃体に影響が出て、イライラしやすくなるのです。
疲れやすくなる
呼吸が浅いと身体に十分酸素を取り込めなくなります。酸素が足りないとエネルギーを効率よく作れません。
ですから呼吸が浅いと疲れやすくなってしまうのです。
身体が冷える
浅い呼吸では酸素が十分ではないので、脳に送る酸素の方が優先。身体の隅々まで送る余裕がなくなります。
酸素が十分行き渡らないと身体を温めることも出来ません。呼吸が浅いと手足も冷えやすくなりますし、冷え性から来る不調も感じやすくなります。
身体が冷えていると肌の新陳代謝が悪くなるので、美容の面からもいいことはないですね。
肩こりなどがひどくなる
身体が冷えていると血行が悪く、筋肉も凝りやすくなってしまいます。
肩こりや腰痛など筋肉の凝りがひどい人は、冷え性の前に呼吸が浅くなっているかどうかをチェックした方がいいかもしれません。
自律神経のバランスが乱れる
お風呂に入っている時などリラックスしている時は呼吸がゆっくりですよね。
反対にイライラしたり緊張したりすると呼吸が浅くなりますが、浅い呼吸がさらにイライラを増幅するという悪循環になり、自律神経のバランスが乱れてきます。
自律神経のバランスが乱れると内臓の機能が低下したり、さらにリラックスできない状態が続き、精神的にも不安定になることがあります。
普段の姿勢にも注意!呼吸が浅くなる原因
呼吸がなぜ浅くなってしまうのか、それは普段の姿勢や生活の仕方にも原因があるようです。
猫背など姿勢が悪い
呼吸が浅くなる原因としては、これが一番多いかもしれないですね。猫背など身体が前かがみになって曲がった状態では、肺が圧迫され肋骨の動きも悪くなります。
肺がつぶれてしまっていると息を吸っても肺を膨らませることが出来ません。
肺が膨らまないので気がつくと呼吸が浅くなっている、という人が多いのです。
息苦しさを感じたら、猫背になっていないか自分の姿勢をチェックしてみてください。
口で息をしている
胸式呼吸の人は呼吸が浅くなりやすいのですが、なぜ胸式呼吸になるのか、その原因のひとつが「口呼吸」なんです。
- いびき
- 花粉症
- アレルギー性鼻炎
など、鼻づまりが原因で口呼吸をしていないでしょうか。
口呼吸は鼻呼吸と比べると酸素を取り入れる量が少なくなってしまうため、呼吸が浅くなりがちです。
首が下を向いている
スマホを使う時間が多い人ほど注意が必要なのが、首の位置です。
試しに首を下に向けて深呼吸してみてください。出来ないですよね?
首が下を向いていると肺を膨らませることも出来ないし、たくさん息を吸い込むのも難しいと思います。
- スマホを見ている
- パソコンを覗き込んでいる
こんな時は、呼吸が浅くなりがちです。
狭い場所にいる時、人に囲まれている時
人は狭い場所にいるとどうしても呼吸が浅くなりがちです。
例えば朝の満員電車。人ごみの中。
たくさんの人に囲まれている場所や自分のテリトリーが狭くなっている時は呼吸を止めがちではないでしょうか。
深い呼吸がしづらい場所に長くいると呼吸が浅くなってしまいます。
緊張や不安を感じやすい
自律神経は自分の意思ではコントロールできませんが、呼吸と密接な関係があります。
不安や緊張を感じやすい人は自律神経の交感神経が活発になりやすく、呼吸の回数が増える=呼吸が浅くなるのです。
ストレスをためやすい
不安や緊張と同じく、ストレスも呼吸に大きな影響を与えます。
ストレスによって呼吸が浅くなり、呼吸が浅くなったことでリラックスできずにさらにストレスがたまるという悪循環に陥りやすいのです。
ストレスがたまっている時はうつむきがち。それで姿勢が悪くなると、さらに肺を押しつぶし、呼吸は浅くなってしまいます。
筋肉のこわばり
肺の動きを支えているのは筋肉ですが、使わなければ衰えてきますし、年齢によっても衰えてくるものです。
肺の周りの筋肉の柔軟性が失われていると肺が膨らみにくく、呼吸が浅くなります。
病気が原因のことも
精神的なものも肉体的なものも関係なく、まれに病気が原因であることも。
心臓や肺などに何か問題がある可能性もあるので、もしとても息苦しいと感じたら、早めに病院で診てもらった方がいいでしょう。
浅い呼吸は改善できる。深い呼吸を身につける方法
呼吸は自分の意思で出来るものです。だから、今呼吸が浅くてもすぐに改善できるものですから、毎日意識をして深い呼吸を身につけましょう。
深い呼吸が出来るようになると精神的にも安定しますし、体調不良も改善するかもしれません。
姿勢を良くする
まずは姿勢が本当に大事です。肺をしっかり膨らませられるように背筋を伸ばし、軽く胸を張った姿勢を意識します。
- 椅子に座っている時は背もたれに寄りかからない
- 信号待ちなどで立っている時はお腹を引っ込めて胸を張る
- スマホを見る時は目の高さで見る
などを意識してみてください。
また、仕事中でも出来る簡単なストレッチをご紹介します。
- 両手を背中で組みます。
- 組んだ両手を軽く上に持ち上げるようにして胸を開きます。
- そのまま10秒キープします。呼吸は止めないようにしてください。
- 脱力して終わり。
椅子に座ったままでも出来るので、猫背になっているなと感じたらいつでもやってみてください。
横隔膜を伸ばす
テレビで放映されたことで話題になった方法ですが、1回でもかなり効果を実感できる方法です。
椅子とバスタオルを用意してください。
- 仰向けに寝て椅子の上に足を上げます。
- 曲げた膝と腰がそれぞれ90度になるようにします。
- 厚さ10cmほどになるようにたたんだバスタオルを腰の下に入れます。
- その状態で深呼吸を10回行います。
腰に角度をつけることによって内臓が横隔膜を押し上げ、柔軟に動くようになるのだとか。
朝晩1回ずつやってみてください。
「吐く」ことに集中してみる
深い呼吸というと「たくさん吸う」と思われがちですが、逆なんです。
もっと「吐く」ことに意識を集中させましょう。
息は吐かないと吸えないんです。ですから、たくさん吐くことを心がけると自然にたくさん据えるようになり、呼吸が段々と深くなっていきます。
腹式呼吸を意識する
女性は胸式呼吸の人が多いので、特に腹式呼吸を意識していきましょう。
腹式呼吸は胸式呼吸と比べて、1回の呼吸で出し入れできる空気の量が3倍もあるのだそうです。
また腹式呼吸は横隔膜をしっかり使って呼吸をするので、内臓の機能を高めることにもつながります。
息をする時は胸ではなく、お腹を使って空気を出し入れするようにしてみてください。
基本の深呼吸を身につける
呼吸が浅くなってるなと気がついたら、即、深呼吸をしてみましょう。
基本の深呼吸のやり方を説明します。
- 口をすぼませて空気をゆっくり吐ききります。このとき、お腹がへこんでいるかどうかを意識してください。
- 鼻から息をゆっくり吸います。3〜5秒くらいかけてください。
- 息を吸ったら2〜3秒息を止めます。
- 吸った時間と倍の時間をかけてゆっくり口から息を吐きます。
これで1セット。最初のうちはこれを2〜3分繰り返してください。
寝る前などにはゆっくり時間をかけて、10分くらい深呼吸をするといいですよ。
気持ちもリラックスして、睡眠の質も向上します。
声を出しながら呼吸をする方法
日本マイブレス協会が推奨している「ゆるめる呼吸」という方法をご紹介します。
- 肩を持ち上げながら鼻からゆっくり息を吸います。
- 息を吸いきったら思い切り「ハーッ!」と声を出しながら息を一気に吐きます。
これだけなんですけど、ポイントは息を吐く時に一緒に声を出すということなんですね。
これが身体と心をゆるめる効果があるそうです。
ちょっと人前では出来ませんが、今日は疲れたなというとき、寝る前にやってみてはいかがでしょうか。
歩きながら呼吸をする
意識を前に向けるための「歩く呼吸法」です。嫌なことがあるとついうつむきがちになってしまう人におすすめの方法です。
- 歩きながら息を吐きます。
- 十分吐ききったら、数秒息を止めます。
- そのまま歩きながら鼻から息を吸います。
歩きながら呼吸をするといういとも簡単な方法なのですが、歩くリズムで呼吸をすることで気持ちの切り替えがうまくいくから不思議です。
元気が欲しいとき、イヤなことを忘れたい時にやってみてください。
胸を開くツボを押す
身体にはツボがたくさんありますが、胸を開くというツボもあるんですよ。
「天突(てんとつ)」というツボで、鎖骨の中央のくぼみにあるツボです。
- 親指の腹を使って押していきます。
- ツボを押しながら息を吐きます。
- 息を吸いながらゆっくり手を離します。
- それを何度か繰り返してください。
姿勢が悪くなっている時のストレッチと組み合わせて行うと胸が開きやすくなりますよ。
ストレスに気づいたらリラックスする習慣をつける
ストレスは呼吸を浅くします。いくら姿勢に気をつけても、ストレスを放置したままではなかなか深い呼吸をするのは難しいでしょう。
ストレスがたまっているなと感じたら、
- 湯船に入る
- 温かいものを飲む
- ストレッチをする
などして、少しでも心身がリラックスする方法を試してみてください。
意識して深い呼吸のクセを付けてみよう。それだけで身も心も軽くなる
疲れやすかったり、イライラしやすい人は呼吸が浅くなっている可能性があります。
私もつまらないことでイライラしてしまう時は、5分くらいかけてゆっくり深呼吸をするようにしています。
そうすると気持ちも軽くなって、また考える気力がわいてくるんです。
呼吸は自分でコントロール出来るものですから、今呼吸が浅くても何の心配もいりません。
今回ご紹介した方法を今日にでも試してみてください。呼吸が深くなるとイライラが減りますし、身体も軽くなっていきますよ。
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