悪玉コレステロールを下げる食事とは?食生活でコレステロール対策
Date:2017.12.06
健康診断の結果を貰った時、悪玉コレステロールの値が高くて困ったという人はいませんか?
悪玉コレステロールは体型に関係なく数値が上がることがあります。その原因は、食生活などにあります。
痩せていても、乱れた食生活や日常生活を送っていると知らないうちに悪玉コレステロールの値が上がっているなんてことも…。
いつか下がるだろうと思っていても、そう簡単に悪玉コレステロール値は下がりませんし、悪玉コレステロールが高いと、生活習慣病を引き起こすこともあります。
悪玉コレステロールを下げるためには、まずは食生活を見直してみましょう。
この記事の目次
知っておきたい、悪玉コレステロールが高いと危険な理由
そもそも、コレステロールとはどういったものなのでしょうか?
コレステロールには、善玉コレステロール(HDLコレステロール)と悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の2種類があります。
善玉コレステロールは、血中の油分を運び出す働きがありますが、悪玉コレステロールは血中に油を入れ込む働きがあります。
悪玉コレステロールが増えると、血管にプラークができて動脈硬化などを引き起こす可能性もあり、とても危険です。
こんな人は要注意!知らない間に悪玉コレステロールが増えている
では、どういったことで悪玉コレステロールは増えるのでしょうか。
次のような項目に当てはまる人は、もしかすると悪玉コレステロール値が高くなっている可能性があります。
- 魚料理よりも肉料理の方が食べる機会が多い
- 野菜が苦手であまり食べない
- ケーキやお菓子、清涼飲料水など甘いものが好き
- 炭水化物セット(ご飯とうどんなど)を良く食べる
- 水分(無糖)をあまり摂取しない
自分はまだ若いし、多少の暴飲暴食をしても大丈夫と思っていても、いつの間にかコレステロール値が高くなっていたというなんてことがあります。
実はコレステロールは、食事だけではなく様々なことが原因で数値が上がることもあります。
- エストロゲンの分泌減少
- 精神的なストレスや、生活環境の変化
- 加齢や遺伝
食事をバランスよく食べていても、悪玉コレステロール値が下がらない場合は、上記のようなことが考えられます。
悪玉コレステロールの数値を下げる効果のある食材
悪玉コレステロールの数値を下げる時、手早くサプリメントに頼ってしまうという人もいます。
しかし、サプリメントなどを摂取していても食生活のバランスが悪かったり、暴飲暴食を続けていては効果ありません。
また、サプリメントなどに頼る前に、まずは悪玉コレステロールの数値を下げる効果のある食材などを毎日の食事に取り入れ、自然と落としていくことも大事です。
DHAやEPAが豊富に含まれる「青魚」
DHAやEPAは善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。
そのため、ここ数年、DHAやEPAが含まれるサプリメントが数多く販売されるようになりました。
DHAやEPAには他にも血液サラサラ効果があるので、悪玉コレステロールの低下だけではなく、中性脂肪の減少や動脈硬化の予防も期待できます。
- イワシ
- サバ
- さんま
DHAやEPAは、上記のような青魚に多く含まれています。また、DHAやEPAは体内で作り出すことができないため、食品などで補ってあげる必要があります。
厚生労働省では1日1000mg以上のDHA・EPAの摂取を推奨していますが、近年、魚(特に青魚)を食べる機会が減っているため、ほとんど摂取できていません。
最近では、食事だけでは摂取できない分はサプリメントで補うという人も増えています。
DHAやEPA全てをサプリメントで補うのは好ましくありませんが、魚を食べて足りない分はサプリメントを上手に使うことも大事です。
ダイエットや健康維持にも効果的な「大豆・大豆製品」
ダイエットのために豆腐を食べたり、健康維持のために納豆を食べたりしている女性は多いと思います。
このように、大豆や大豆製品にはダイエットや健康維持に効果的です。大豆には、主に次のような成分が含まれています。
- 大豆たんぱく質
- サポニン
- レシチン
- イソフラボン
この中で、特に注目をしたいのが、大豆たんぱく質、サポニン、レシチンです。この3つの成分には、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。
- 大豆たんぱく質
-
コレステロールは、胆汁酸と結合して小腸に運ばれて吸収されます。吸収されたコレステロールは、肝臓へ運ばれるため血中の悪玉コレステロール値が高くなります。
しかし、大豆たんぱく質を摂取すると胆汁酸はコレステロールではなく大豆たんぱく質と結合します。
本来、胆汁酸と結合して肝臓に運ばれるものが体外に排出されるため、コレステロール値を下げることができます。
- サポニン
-
サポニンは、水と油の両方に馴染む性質を持っています。そのため、サポニンを摂取すると血液内のコレステロールを溶かし、血中コレステロールを低下させます。
また、肝機能の数値を表す、次の値を改善してくれる効果もあります。
- ALT
- AST
- γ-GRP
肝機能の数値が高くなると、脂肪肝や肝機能障害の原因にもなります。
その他、サポニンには抗酸化作用もあるため、悪玉コレステロールの酸化を予防し血液の流れを維持してくれます。
- レシチン
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レシチンもサポニン同様、水と油の両方に馴染む性質があります。そのため、血管に付着するコレステロールや血中のコレステロールを体外に排出してくれます。
また、脂質をコントロールする働きもあるため、高血圧などの生活習慣病の予防にも効果的です。
悪玉コレステロールを下げるため、大豆や大豆製品を大量摂取するのはよくありません。
大豆に含まれる大豆イソフラボンは1日150mg以上摂取すると、ホルモンバランスに影響を与え可能性があります。目安は、1日70~80mg程度となっています。
- 納豆 約30~36mg(1パック)
- 絹ごし豆腐 約110~115mg(300g)
- 無調整豆乳 約65~70mg(200ml)
商品によって、多少前後しますが、だいたいの目安として大豆製品を摂取するようにしましょう。
天然アミノ酸が豊富に含まれる「アブラナ科の野菜」
アブラナ科の野菜には、天然アミノ酸の一種である「SMCS」(S-メチルシステインスルフォキシド)が豊富に含まれています。
SMCSには、血中の悪玉コレステロール値を低下させる効果があります。アブラナ科の野菜には、次のようなものがあります。
- キャベツ
- ブロッコリー
- カイワレ大根
- 小松菜
現在、SMCSが配合されたサプリメントなども販売されています。
毎日、アブラナ科の野菜を摂取するのが難しい場合、食べない日はサプリメントを使うなどするのもオススメです。
また、コレステロール値を下げたいからといって大量にサプリメントを飲むのは、貧血を引き起こす可能性もあるので注意しましょう。
悪玉コレステロールの吸収を抑制する「食物繊維」
食物繊維というと、腸内環境を整えるというイメージがありますが、実はコレステロールを体外に排出する働きもあります。
食物繊維には、次の2種類があります。
- 不溶性食物繊維
- 水溶性食物繊維
この中でも、コレステロールの吸収を妨げる働きがあるのは、水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維が多く含まれている食品には、次のようなものがあります。
- ごぼう
- 海藻類
- さつまいも
その他にも水溶性食物繊維を多く含む食品はたくさんありますが、特にオススメなのが大麦とキノコ類です。
この2つの食材には、「β-グルカン」というコレステロールや血糖値の上昇を抑えたり、悪玉コレステロール値を下げる働きのある食物繊維が豊富に含まれています。
特に大麦は、毎日食べる白米に混ぜて食べることができるので、摂取しやすい食材なので積極的に取り入れたい食材の1つです。
高い抗酸化作用のある「トマト」
トマトに含まれるリコピンは、強い抗酸化作用があります。また、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールの酸化を抑制する働きがあります。
悪玉コレステロールを減らすことも大事ですが、実は善玉コレステロールが増えると血中コレステロールを減らし、それに伴い悪玉コレステロールも減っていきます。
善玉コレステロールを増やすには、1日約2個のトマトを2ヵ月以上食べなくてはいけません。
毎日トマトを摂取するのが難しい場合は、リコピン配合のサプリメントやトマトジュースなどを上手に使いましょう。
疲労回復だけではなくコレステロールも減らす「酢」
今、CMでも流れていますが、毎日大さじ1杯の酢を摂取することで血中コレステロールが下がると言われています。
これは、酢に含まれる酢酸が体内でクエン酸になり、脂肪を燃焼することで、血中の悪玉コレステロールも減少していきます。
酢を摂取する時、水で薄めて飲んだりすることもありますが、1番オススメなのが海藻を使った酢物です。
海藻のワカメや昆布には、「フコイダン」や「アルギン酸」といった成分が含まれています。
海藻類には、悪玉コレステロールの排出や血糖値の上昇を抑える働きがあるので酢物にすれば、酢も海藻も無理なく摂取することができます。
肝臓の働きを助ける「タウリン」
体外に血中コレステロールを排出するには、肝臓での胆汁酸の合成を増やす必要があります。
タウリは肝臓の働きを助ける作用があるため、血中コレステロールを体外に排出するためには必要な栄養素です。
- タコ
- イカ
- あさり
上記のような、魚介類にタウリンは多く含まれます。また、なかなか魚介類を食べないという人のためにタウリン配合のサプリメントなども販売されています。
あまり過剰摂取をすると肝臓に負担をかける場合があるので、サプリメントで摂取する場合は必ず摂取量を守りましょう。
オメガ3脂肪酸やオレイン酸が豊富に含まれる「植物性油」
血中の悪玉コレステロールを減らすため、油は食べないという人もいます。
動物性油はコレステロールになるため避けたいものですが、植物性油には悪玉コレステロールを減らしてくれる効果のある成分が含まれたものもあります。
油を使う時は、次のようなものを使うようにしましょう。
- アマニ油・えごま油
- 米油
- オリーブオイル
アマニ油やえごま油には、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。オメガ3脂肪酸には、コレステロール値の低下させる働きがあります。
また、米油には強力な抗酸化力があるトコトリエノールが含まれており、悪玉コレステロールの酸化予防だけではなく、すでに酸化している悪玉コレステロールを元に戻す働きもあります。
今では、多くの家庭で使われているオリーブオイルにはオレイン酸という不飽和脂肪酸が含まれていて、血中の悪玉コレステロールを減らす働きがあります。
油は全てダメと思っている人もいますが、上手に使うと悪玉コレステロールを下げる効果も期待できます。
悪玉コレステロールの酸化予防効果がある「ポリフェノール」
ポリフェノールは1つの種類ではなく様々な種類があります。ゴマに含まれるセサミンや、お茶に含まれるカテキンもポリフェノールの一種になります。
ポリフェノールに主な効果は、次のようなものがあります。
- 抗酸化作用
- 悪玉コレステロールの酸化予防
特に、悪玉コレステロール値を下げる効果が高いと言われているのが、カカオポリフェノールです。
カカオポリフェノールには、高い抗酸化作用があります。また、悪玉コレステロールの酸化を予防するだけではなく善玉コレステロールを増やしてくれるという働きもあります。
もう1とオススメなのがリンゴです。リンゴには、ペクチンという水溶性食物繊維も豊富に含まれていますが、リンゴポリフェノールも含まれています。
このリンゴポリフェノールには中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす効果もあります。
リンゴを食べる時は、皮ごと食べるのがポイントです。皮にポリフェノールが多く含まれているので、皮は捨てずに食べましょう。
コレステロールを胆汁酸に変化させる「ビタミンC」
ビタミンCは、コレステロールを胆汁酸へ変化させる働きがあり、定期的に体外に排出してくれます。
ビタミンCは体内に蓄積することができないため、毎日摂取する必要があります。
ビタミンCの中でも、特にオススメなのが柑橘類です。柑橘類にはビタミンCだけではなく、皮の部分に「ヘスペリジン」という血流改善効果のある成分が含まれています。
また、オレンジには「イノシトール」という血中コレステロール値を低下させる成分も含まれているので、さらにおススメです。
ジャムを食べる時に、皮を使っているマーマレードを食べたり、オレンジは果汁100%のジュースでもイノシトールを摂取することができます。
ジュースの場合は、砂糖不要のものを選びましょう。
強い抗酸化作用のある「ビタミンE」
ビタミンEには、強い抗酸化作用があります。コレステロールは酸化すると、過酸化脂質という物質に変化します。
過酸化脂質は、血管にプラークとして付着するため、動脈硬化の原因にもなります。
ビタミンEは、過酸化脂質にならないようにする働きがあるため、血管の流れをスムーズにしてくれます。
ビタミンEが含まれている食材の中で、特にオススメなのがナッツ類です。
アーモンドやピーナッツといったナッツ類には、ビタミンE以外にも血中コレステロール値を下げるリノール酸が多く含まれています。
また、クルミにはオメガ3脂肪酸が含まれています。
ナッツ類は、ビタミンEが多く含まれていますが、脂質が多くいためカロリーが高めになっています。ナッツ類の場合、1日約25g程度でやめておきましょう。
クエン酸豊富で抗酸化成分が含まれる「梅干し」
梅干しというと、二日酔い予防や疲労回復というイメージがありますが、「バニリン」という抗酸化成分も含まれています。
また、梅干しに含まれるクエン酸には血液をサラサラにしてくれる効果もあります。
梅干しには、塩分濃度の高いものやハチミツを使った甘いものなどありますが、どちらでも効果は同じなので、自分の好きな梅干しを選びましょう。
ただし、発酵食品同様に塩分濃度が高いものは、塩分の感情摂取になるので注意が必要です。目安は、1日2~3粒程度です。
セサミンが豊富に含まれている「ゴマ」
ゴマにはセサミンという抗酸化成分が含まれています。今、その成分が健康に良いと注目され、多くのサプリメントも出ています。
セサミンには、抗酸化作用以外にも悪玉コレステロールを下げて、善玉コレステロールを増やす働きもあります。
ゴマは摂取しやすい食材なので、毎日摂るようにしましょう。1日10g、約小さじ3~4敗程度です。また、食べる時はすりごまにすると吸収も良くなります。
乳酸菌が含まれている「発酵食品」や「ヨーグルト」
乳酸菌は腸の調子を整えてくれるだけではなく、コレステロールを体外に排出する働きもあります。
発酵食品や、乳酸菌を含む食品には次のようなものがあります。
- 味噌、醤油
- キムチ、漬物
- ヨーグルト
漬物や味噌といったものは和食にも使う食材なので、オススメですが塩分が高いので、塩分調整の必要があります。
また、コレステロールを体外に排出する働きが強いのは、乳製品であるヨーグルトです。
しかし、乳製品はコレステロール値が高いものもあるので、摂取する時は無脂肪や無糖といったヨーグルトを選ぶようにしましょう。
食材だけじゃない!食事方法でも悪玉コレステロールを下げることができる
悪玉コレステロールを下げる食材が分かると、どうしてもその食材ばかりを過剰摂取してしまいます。
それは、食事のバランスが乱れてしまい体に良くありません。
また、悪玉コレステロールを下げる食材を選んで摂取することが難しい場合は、食事方法を考えるだけでも悪玉コレステロールは下げることができます。
日本の伝統的な食事「和食」で献立作りをする
日本人の悪玉コレステロールが増えてきた原因の1つが、食生活の欧米化です。
この食生活を、日本の伝統的な食事である和食の献立に変えるだけでも悪玉コレステロールを下げることができます。和食は、次のような献立になります。
- 主食(白米、玄米、麦飯など)
- 主菜(魚、大豆製品を主としたおかず)
- 副菜(野菜、きのこ類、海藻類を主としたおかず)
- 汁物
毎日、この食事は難しいという場合は、1日おきにするだけでも変わっていきます。
ただし、和食の場合は漬物や味噌汁など塩分を多く含むものが多いので、塩分摂取が増える可能性があるので注意が必要です。
コレステロールを多く含む食品を避ける
悪玉コレステロールを下げるには、コレステロールを多く含む食品を避けるだけでもコレステロール増加を抑制することができます。
- 鶏卵
- 魚卵
- レバー(鶏、牛、豚)
- 乳製品(チーズ、バター、生クリームなど)
上記の食材は、コレステロールが多く含まれていると言われています。全く摂取しないということは難しいので、摂取量を減らすようにしましょう。
悪玉コレステロールは毎日の食事で下げることができる
悪玉コレステロールを下げるには、過酷なダイエットや食事制限が必要というイメージがありますが、そうではありません。
毎日の食事をちょっと見直すだけで、悪玉コレステロールは低下が期待できます。肉ばかり食べるのではなく、野菜や魚をちょっと増やすだけでも値は変動します。
コレステロール値が気になる人はもちろん、今後の健康を考えている人も毎日の食生活をちょっと見直してみましょう。
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