折れない心「レジリエンス」の鍛え方。ストレスに打ち勝つ!
Date:2018.09.03
「レジリエンス」という言葉を聞いたことはありますか?「逆境力」を意味するレジリエンスは、
- 精神的回復力
- 抵抗力(ストレスへの)
- 耐久力(ストレスへの)
といった言葉でも訳されています。つまり「折れない心」を意味しているというわけですね。
レジリエンスをトレーニングすることで、心が強くなり困難や逆境にも負けないしなやかさを手に入れられるとして最近話題を呼んでいます。
では、具体的にレジリエンスとはどんな心のことを言うのか、どうすれば鍛えられるのかについて見ていきましょう。
この記事の目次
レジリエンスって何?あなたの持つレジリエンスの強さを確認
あまり馴染みのない言葉かと思いますので、まずは「レジリエンス」の意味や、自分にレジリエンスがあるかどうかのチェック方法からご紹介していきますね。
レジリエンスの正しい意味
レジリエンス(resilience)は「精神的回復力」「逆境力」を意味する言葉。ただし、何を言われても動じない…という意味ではありません。ロボットのように心が動かない、傷つかないということでもないのです。
レジリエンスは目の前に起きたことをしなやかに対処し、乗り越えられる心の強さをあらわすものです。
自らストレスを跳ね返す力のことを言うので、レジリエンスの備わっている人は打たれ強くポジティブな傾向があります。
知っておいて欲しいのが、レジリエンスは先天性のものではないということ。生まれつき備わっているものではないため、鍛え方次第では誰だってレジリエンスを身に付けられるのです。
実際に強い精神力を要されるスポーツ選手や企業の代表などは、積極的にレジリエンスを鍛えるトレーニングを行っています。
あなたのレジリエンスはどのくらい?
目に見えない部分ではありますが、自分のレジリエンスがどの程度あるのかをチェックする方法はあります。
- つらいことがあっても早く立ち直れる
- 新しいことに挑戦するのが好きだ
- 自分にはいろんな可能性があると思う
- 失敗したとき、自分を優しく許すことができる
- 難しいことを達成するための段階を設定できる
- 物事を簡単に諦められない
- 理不尽な出来事があった場合、すぐに気持ちを切り替えられる
- つらい経験を未来に活かせると思う
- 自分の失敗を受け入れることができる
- 自分を必要以上に非難しないように配慮できる
これはチェックリストのほんの一部ですが、当てはまる数が多いほどレジリエンスが高く、逆に数が少ないほどレジリエンスが低いです。
レジリエンスの高い人はしなやかに気持ちを切り替え、柔軟に物事に対処します。今の自分のレジリエンスはどのくらいだったのか…これをしっかり受け止めるのも、心の強さに関わることですね。
レジリエンスを鍛える基本の3ステップ
レジリエンスの鍛え方は様々紹介されていますが、中でもよく使われているのが「3ステップ」と呼ばれるもの。3つの段階に分けて、着実にレジリエンスを鍛えていきましょう。
1.落ち込みの底打ちをする
何かつらいこと、困難なことがあったときは誰だって落ち込みますよね。ですがいつまでも落ち込み続けては埒があきません。落ち込みを引きずらないための「底打ち」をしていきましょう。
「底打ち」とは「これより下はない」と思える”底”となる部分に達すること。つまり落ち込みの限界点を見つけるということですね。
落ち込みの底打ちをするなら、自分がどんな落ち込み方をしているのかを客観的に見つめるのが効果的。
- 批判型…誰かのor何かのせいにして罵倒する
- 正義・嫉妬型…自分が正しく他の何かが間違っていると思う
- 諦め型…自分に何の可能性が見いだせず、無力感に苛まれる
- 心配型…先のことが不安で仕方がない
- 謝り型…自分が悪いと思い込み、罪悪感に苛まれる
- 無関心・無気力型…何もかもがどうでもよくなる
自分がどんなネガティブな感情を抱えているか確認し、「自分はもう十分に落ち込んだ」と思えるようになるのが「底打ち」のゴールです。
2.精神的な立ち直りをする
落ち込むだけ落ち込んだら、次は心を回復していくステップに移ります。つまり「立ち直り」を図るのです。
問題を解決するために努力をしたり、好きなことに夢中になって憂さ晴らしをしたりして、気持ちを前向きに切り替えていきます。
ステップ1で「もう十分落ち込んだ」と思えているなら、後は立ち直るだけですよね。自分が喜ぶことをして、心に負った傷を回復していきましょう。
「具体的にどんなことをすれば立ち直れるのか分からない」という方は、後述するトレーニング方法も参考にしてみてくださいね。
3.困難を乗り越えた事実の教訓化
苦難や困難から立ち直ってそれで終わりではありません。レジリエンスを鍛えるには、自分が逆境を乗り越えたことを教訓として覚えておく必要があります。
逆境を乗り越えた体験は、今後似たような状況に陥ったときに必ず役に立ちます。困難に出会う度にそれを乗り越えて教訓とすれば、次第にどんな困難も簡単に乗り越えられるようになりますよね。
ストレスへの免疫をつけ、レジリエンスを成長させる重要な過程です。「はーつらかった」で忘れないように、日記をつけたり自分の教訓として定期的に思い返すなどして、自分の教訓としてください。
レジリエンスを鍛える具体的なトレーニング方法
先述の3ステップは、あくまで「順序」。実際にこの順序に従ってレジリエンスを鍛えようとなると、底打ちや立ち直りがなかなか上手くいきません。
そこで、実際にレジリエンスを鍛えている人が試しているコツをいくつかご紹介していきます。
3時間おきにブドウ糖を摂取
ブドウ糖は脳を動かすエネルギー源。もしもそのエネルギー源が枯渇してしまえば、当然脳は活発的に働かなくなってしまい、有意義な思考ができなくなってしまいます。その結果、無気力でネガティブなことばかり考えるように…。
思考をポジティブで活発に保つためには、3時間おきにブドウ糖を摂取することが効果的。とにかく空腹を防ぎましょう。
自分がいつ食事を摂ったかを把握して、ちょっと小腹がすいてきたと思ったら我慢せずに何かを口にしてください。できればブドウ糖の多いラムネやキャンディを携帯しておくと良いですね。
気晴らしに目標を決めて運動
ステップ2の「立ち直り」で行う方法は人によって様々ですが、もしも「何をやっても気分が立ち直らない…」と悩んでいるなら、身体を動かして運動することをおすすめします。
身体を動かすと血が巡って代謝が活発になりますし、気を紛らわして達成感を得ることができます。嫌なことを忘れてポジティブな気持ちを得るのに最適な方法なのです。
ストレスを解消する術を身に付ける
自分なりのストレス解消法を身に付けておくと、生まれたネガティブな感情を自分自身で処理するスキルが格段に上がります。
- 得ると幸せになる好きな物
- 何よりも没頭できる趣味
- 悲しい・つらいときに会いたい人
自分の幸せに直結することを心得ていると、落ち込みから効率的に回復することができますよ。
「これがしたい」「これが欲しい」という欲望を抑圧せず、むしろ落ち込みから回復する手段として大切に覚えておきましょう。
レジリエンスの高い人ほど、自分で的確に自分の機嫌を直し、ストレスから立ち直ることができるものです。
人生の浮き沈みをグラフにする
自分が逆境から立ち直ったことを人生の教訓にするためには、自分の人生の逆境グラフを作るのも効果的です。
自分が過去にどんな困難に衝突し、どんな手段で乗り越えたかを折れ線グラフにして書き出してみましょう。
「こんな困難、過去に○回も経験してる」と具体的な数字が見えてくることは、思ったよりも心強いことですよ。
ポジティブな日記を書く
自分の気持ちを客観的に見つめ直して「底打ち」と「立ち直し」を図るために、日記は良いツールとなってくれます。その日に起きた出来事を毎日記録して、気持ちを整理していきましょう。
ただし日記に書く内容は、感謝や教訓、楽しみな予定などのポジティブな内容になるよう気を付けてみてください。
「ポジティブに書けることなんてなかった!」と思うかもしれませんが、物事は捉え方一つで変わりますよ。
- 失敗してしまった→失敗に気づけたので今から改善できる
- 忙しい→やることがたくさんあって充実している
- 疲れた→自分が努力した証拠
その日起きた出来事は、こんな風にして無理やりにでもポジティブに変換してしまいましょう。
自分の強みを発見・自覚する
レジリエンスの低いほど「自分には何の強みもない」と思い込みがち。もしも自分の強みをハッキリと認識していないのであれば、まずは自己分析を始めてみましょう。
自分の特技や持っている資格、過去の自慢できるエピソードを一つずつ書き出してみてください。
強みは困難や課題を乗り越えるカギとなります。どんなときでも自分の強みに自信を持っていられれば、どんな逆境にもしなやかに対処できるでしょう。
- 過去に人から褒められたこと
- よく人から頼られる分野
- 持っている具体的な資格・免許
- 過去の功績や受賞歴など
こんな具体的な裏付けがあれば、間違いなく自信を持って「これが私の強み」だと言えますよ。
レジリエンスは誰でも鍛えられる。自力でストレスを打破しよう
「ストレス社会」と言われる今、自力でストレスから身を守るスキルとしてレジリエンスはとても注目されています。確かにレジリエンスを鍛えられれば、より多くの困難に立ち向かっていけるでしょう。
レジリエンスはトレーニング次第で身に付けられるスキルですから、ストレスに敏感な人は鍛えておく価値ありですよ。
ただし気をつけたいのが、「レジリエンスを鍛えればどんなに酷い目に遭っても良い」というわけではないという点。どんなに心を鍛えても理不尽なことは起こり得るので、つらいときには泣いたり怒ったりするのも大切。
ネガティブな感情を全て切り離すのではなく、ネガティブな感情と上手くほどほどに付き合っていく手段としてレジリエンスを有効活用してみてください。
Sponsored Link
コメント一覧
あなた様の記事で大変励まされました。
対人関係がとても苦手で悩んでいます。
心をクリアに早くしたいです。