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芸術的な教育が自由な人間に成長させる「シュタイナー教育」とは

Date:2018.10.30

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芸術的な教育が自由な人間に成長させる「シュタイナー教育」とは|女性の美学
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『シュタイナー教育』という言葉を初めて聞いた方も多いと思います。教育機関なのか、教育概念なのか、いったい何だろうと思いますよね。

『シュタイナー教育』とは、オーストリア生まれの思想家ルドルフ・シュタイナー博士の理念に基づいた教育のことで、その教育方針を汲んだ学校が世界中に広がり、日本にも学校が7校以上、幼稚園や保育園が50園以上存在しています。

その中で高校までは4校あり、一貫してシュタイナー教育を受けることができます。その教育方針に基づいて作られた学校まである『シュタイナー教育』とは何か、どんな教育を受けられるのか、ここで紐解いていきましょう。


シュタイナー教育とは、一般概念を覆す教育方法だった!

創設者のルドルフ・シュタイナーは思想家であり哲学者であるので、難しい言葉も多く使われその教育観念は難解だと言われています。

シュタイナー教育を総じて表現するならば「芸術的に教育すること」と言えます。その難解な思想に基づくシュタイナー教育を解りやすくまとめました。

「からだ」「こころ」「あたま」をバランスよく調和させる


「からだ」は意志を育て、「こころ」は感情を育て、「あたま」は思考力を育てると考えており、幼少期から順番に意志、感情、思考力と身につけてバランスが取れている人を「自由を獲得した人間」であるとシュタイナーは考えています。

7年毎に区切った教育をする

「からだ」「こころ」「あたま」をバランス良く育てるために、シュタイナー博士は7年毎に分け、それぞれの発達段階に合わせた教育法を考えたのです。

第一7年期(0才~7才)
「からだ」を育てるのに一番大切な時期として、手足をたくさん動かして体で感じることを大切にする成長段階。

そのため、7才までは文字や数字を教えない教育方針です。この時期に体を思い切り動かし成長することで、将来の行動力と意志力につながると考えています。

また、この時期は子供が大人の模倣をして吸収する時期なので、身の回りには世俗的なものを置かずに自然な環境を整えなければならず、大人は模範的な存在でなければなりません。

第二7年期(8才~14才)
「こころ」を育てるのに一番大切な時期として、感情を豊かにする体験をたくさんする成長段階。

音楽や絵画など感性に訴えるものに、できるだけ触れさせます。芸術的刺激を受けた心は、世界は美しいと感じ豊かな感情を持つことにつながります。

そのため、この時期に大人は、子供に芸術的なものに多数触れさせる機会を与えなければなりません。

第三7年期(14才~21才)
「あたま」を育てるのに一番大切な時期として、思考力を中心に育てるのに適している成長段階。

この段階で、世界について広く深い認識を持つように教育します。この時期に思考力を育て、知識を広め判断力を養います。そして、21歳頃に自我が芽生えるとされています。

また、この時期に大人は模範的な面だけではなく、人はそれぞれ良くない面も持ち合わせており完璧ではないということも、子供に隠すことなく見せることが大切です。

12年間一貫教育

小学校から中学高校の12年間の一貫教育を実施しています。1年生から12年生という小学校や中学高校の区切りがなく、同じ校舎で学びます。日本では4校で一貫教育が受けられます。

ただし、NPO法人のシュタイナー学校の高等部を卒業しても高校卒業資格を取れないので、高校卒業認定試験に向けたカリキュラムが組まれています。このあたりは学校によって違うので要確認です。

8年間同じ担任&同じクラス

1年生から8年生までの学齢の始まりから思春期の始まりまでを同じ担任が受け持ち、同じクラスで学びを共にします。

この時期の成長を見通すために一人の担任が受け持ち長期的なまなざしで各個人を育てることができます。クラスメートとも様々な節目を過ごしてお互いを真に知り、共に生きることを経験し体験することで成長すると考えられています。

また、権威として8年間いつものそばにいた担任の先生を乗り越えて離れることで、健全な思春期を迎えられるとされています。

点数による評価がない

点数で評価することや成績で競わせることはしません。先述のように他に育てることがある時期に、子供たちに知識を詰め込ませることを良しとしていないのです。

子供をのびのびと育てることを大切にし、芸術的な学びを心を動かす体験としています。

教科書がない

初等部では先生がクラスの子供たちに合わせたふさわしい方法を編み出しながら教えることになります。先生が板書したものを子供がノートに色鮮やかに写します。授業は芸術的に進められ、視覚的に頭に入るようになっています。

高等部では教科書を使いますが、シュタイナー教育ならではの自ら考える力を引き出せるように教科書の使い方を工夫しながら授業を進めます。

早期教育を推奨していない

7才までは読み書きや数字を覚えるなどの早期教育を推奨していません。幼児のうちに知識を詰め込むことよりも「からだ」を使うことに重きを置いているからです。

この第一7年期には、早期教育よりも五感を使って親子でいろんなことを体験することを大切にしており、親子のコミュニケーションを通して語彙力が養われ、「からだ」を使うことで生きる力の基礎を作り出すと考えられています。

俗物禁止

おもちゃは自然素材で作られているもの、例えば木のおままごとセットや布製の手作り感たっぷりのぬいぐるみやお人形などです。クレヨンも蜜蝋で作ったクレヨンというように、できるだけ子供が触れるものは自然なものを使い安心安全なものを、という考えなのです。

また、幼少期や低学年でのテレビなどのメディアを推奨しておらず、キャラクターものなども禁止です。

幼少期の第一7年期は、「からだ」を育てる時期なので、テレビを見ることで一つの場所にじーっとしていたり頭が情報でいっぱいになることよりも、手足を使って体を動かし歌ったり絵を描いたり、現実のものとの触れ合いを大切にしています。

中等部や高等部にもなればパソコンやネットを使って学びを深めることもあります。現代社会を否定しているわけではなく、適切な時期に適切な刺激を与えることを大切にしているのです。

特徴的な芸術教育

全ての教科に歌や詩、物語を導入しており、五感で学ぶ教育をしています。喜びと感動を持って体験する学びを深めます。

エポック授業
毎朝105分の一つの科目を3週間前後じっくりと学ぶ授業です。国語、算数、理科、社会、フォルメン線描の中から年に数回同じ科目を取り上げます。

一つの科目を3週間前後たっぷりと毎日学習し他の科目に移るのですが、じっくり学んだことを一旦忘れることで、新しい段階での記憶として積み上げていきます。

芸術的なアプローチをしているので、強い記憶を残し通年授業よりも理解が深まるとされています。

オイリュトミー
全学年の必須科目として音楽と言葉を体で表現する授業です。音楽と言葉を全身で感じながら体と心の一致を友達と共に表現します。

自由な表現や集中力、他社との協調性を知らず知らずのうちに養います。

手の仕事
編み物や刺繍、人形作りなど、成長段階に合わせていろいろな課題に取り組み、手を使いものを作り上げます。

手先が器用になるだけでなく、ものに対する有難味を感じ意志力、思考力をも養います。

フォルメン線描
鮮やかな色を使い、線や文様を動きを感じながら描く科目です。集中力を養い、感性を磨きます。
工芸
全身の体を使って行う工芸・造形活動はで意志力を育てます。成長段階に合わせた授業を行うので、体が自然に使えるようになり、健全な精神を養います。
水彩
さまざまな色を使って描く水彩は、美しいものに対する感覚を育てていきます。いろいろな授業で色彩豊かな水彩から刺激を受けることにより学びを深めます。
音楽
音楽に触れることで、正しい呼吸を育て内なる静けさを体験します。成長段階に合わせた音楽の授業をして、創造力豊かな感性を育みます。

シュタイナー教育が目指すのは「自由な生き方ができる人間」

シュタイナー教育をお解りいただけましたか?「探し求めていた教育だわ!」と思った方も「うちはそんなの無理!」と思った方もいるでしょう。

シュタイナー教育は、自由な生き方ができる人間に成長することを目指しています。それは、勝手気ままに自由に生きることではなく、「自分で考えて行動できる人間」が「真の自由を得た人間」と考えられています。

そこまでの道のりは一般概念からは程遠い教育方法であり、傍から見れば変わり者の世界かもしれません。賛否両論ありますが、教育方針は家庭によってさまざまであり何が正解なのかはわかりませんよね。

シュタイナー教育に関心があるけども少し不安だという方は、それほど厳格ではないシュタイナー的思想をベースにしている幼稚園や保育園に見学に行ってみても良いかもしれません。

シュタイナー教育に関心がある方は、家庭でしっかりと話し合いきちんと調べた上で、親子が納得して後悔のないような信じる道を選択できると良いですね。

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ライター:kaco

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