人工甘味料は太るの?カロリーゼロでも砂糖より太る理由とは
Date:2016.05.31
カロリーゼロなら太らないと思って安心していた人工甘味料が、実は太りやすかった!?ダイエット甘味料のはずなのになぜ?
飲み物などの原材料表示をみて、砂糖が入っていないものをわざわざ選んでいた方もいるのではないでしょうか。
人工甘味料なら大丈夫!と思ってましたよね。ダイエットにいいと思っていた人工甘味料がなぜ太るのか?
その理由を知ればきっと納得!
これからは飲み物・食べ物の選び方も変わってくるかもしれません。
人工甘味料とは天然に存在しない甘味成分
人工甘味料とは、天然には存在しない、人工的に合成した甘味料のことで、
- 清涼飲料水
- お菓子
- アイスクリーム
- 菓子パン
- ダイエット食品
など様々な食料品に使われています。
砂糖の数百倍の甘みがあるので砂糖よりも少量の使用ですみ、カロリーがほぼゼロに近いという特徴があります。
人工甘味料にはどのような種類があるのか見てみましょう。
炭酸飲料によく使われる「アスパルテーム」
カロリーゼロと書いてある炭酸飲料などによく使われる人工甘味料です。
フェニルアラニンとアスパラギン酸を結合させて作られたアミノ酸系の甘味料で、砂糖の約200倍の甘さがあります。
カロリーは砂糖と同じ、1g当たり4kcalなのですが、ごく少量で甘みをつけられるのでカロリーを抑えることが出来るのです。
砂糖生まれの「スクラロース」
スクラロースは、
- 菓子パン
- 焼き菓子
などによく使われます。砂糖の約600倍の甘さがあります。加熱しても安定していることが特徴の人工甘味料です。
苦みがないという特徴があり、他の人工甘味料の苦み消しとしても使われています。
日本では使用量に上限がある「サッカリン」
もっとも古くから食品添加物として使われている人工甘味料のひとつで、ショ糖の500倍の甘さがあります。
1960年代に動物実験で発がん性の疑いがもたれたため、日本では下記のように使用量に上限が定められています。
- チューインガム1kg当たり 0.05g
- 粉末清涼飲料水1kg当たり 1.5g未満
など。
しかし、その後の実験で発がん性は認められてはいないのですが、日本では未だにその安全性が心配されていて、サッカリンの代わりに他の人工甘味料が使われることが多いようです。
酢酸から作られる「アセスルファムK」
アセスルファムKは、アセスルファムカリウムの略で、酢酸を原料とする人工甘味料です。
砂糖の200倍の甘さがありますが、血糖値は上昇させないといわれています。
苦みがあるため、エリスリトールなど他の人工甘味料と併せて使われることが多いのですが、
- 清涼飲料水
- お菓子
- アイスクリーム
- ジャム
など様々な食品に使われています。
カロリーゼロなのに人工甘味料を摂ると太る6つの理由
人工甘味料の種類がわかったところで、実際に人工甘味料が体の中でどのような働きをするせいで太りやすくなってしまうのか、具体的にみていきましょう。
ダイエット効果があるとされていた人工甘味料でなぜ太ってしまうのでしょうか。
インスリンが過剰に分泌されるから
食事によって糖分をとると膵臓からインスリンが分泌されて、血糖値を下げようとします。
インスリンには血中の糖分を各臓器に取り込み、余った分はすべて脂肪として溜め込むことにより、血中の糖分を一定に保つ働きがあり、肥満ホルモンともよばれます。
実はインスリンは砂糖だけでなく、人工甘味料にも反応することがわかっています。人工甘味料を摂ると血糖値が急激に上がり、インスリンが大量に分泌されます。
つまり、脂肪を溜め込みやすい身体になるということ。これが肥満につながります。
ただし、この説には反論もあり、人工甘味料の摂取で血糖値は上昇しない、と主張する医師もいます。
人工甘味料自体が利用されるようになってから歴史が浅いため、更なる研究が待たれるところです。
血糖値の急降下で余計にお腹がすいてしまうから
血糖値は急激に上がると、下がるのも急激になります。
脳は血糖値が下がると「お腹がすいた」と思うようになっています。
前の食事からそれほど時間が経っていなくても、血糖値が下がればお腹がすいたと感じてしまい、どうしても食べたくなってしまいます。
インスリンの働きが鈍くなりエネルギーが作られなくなるから
また、人工甘味料は甘いですがカロリーはゼロ。
カロリーがないということは体内でエネルギーになりませんから、インスリンがエネルギーに変えようとするための糖分がないということになります。
そうすると、インスリンががんばって身体の各器官に糖分を送ろうとしても送るものがないわけですから、インスリンがだんだん働かなくなってきます。
ホルモンの過剰分泌で満腹感を感じにくくなるから
食事をすると満腹ホルモンであるレプチンが分泌されます。
普通ならこれで「お腹がいっぱいになった」と感じて食べることをやめられるのですが、人工甘味料にはこのレプチンを過剰に分泌させる働きがあります。
レプチンには、脳に満腹を伝える役割があり、何となくダイエットにはプラスのように感じますが、それは間違い。
レプチンが出続けると満腹感を感じる能力が麻痺してしまうため、食べても食べてもまだお腹がすいていると感じてしまうのです。
カロリーゼロに安心して食べ過ぎてしまうから
カロリーがゼロなら、他の食べ物や飲み物のカロリーが多少オーバーしてもプラスマイナスゼロだから大丈夫!と安心して食べ過ぎてしまうことも、太る原因のひとつです。
ダイエットしたいという理由で「カロリーゼロ」を選ぶ人は多いですよね。しかし、ダイエットコーラでカロリーゼロにしても大量の唐揚げを食べれば太るのです。
もしかしたら、太る原因の一番はこの理由かもしれませんね。
強い甘みに慣れてしまい味覚が鈍くなるから
人工甘味料は砂糖の何百倍という恐ろしいほどの甘さがあるものです。
それなのにカロリーが低いということに安心し、ついつい摂る量が増えてしまうことがあります。
そうすると甘みを感知する舌にある「味蕾(みらい)」の働きが鈍くなってしまい、普通の甘みでは我慢できなくなってくるんですね。
そうするとどんどん甘いものが欲しくなり、結果的に「太る」という事につながってしまうのです。
この甘みを感知するセンサーは、 舌だけでなく胃や腸、膵臓にもあるので、人工甘味料を摂り続けることにより、
- 食欲を増すグレリン
- 成長ホルモン
の分泌を促進させます。
人工甘味料には中毒性がある
人工甘味料は、一説にはコカイン以上の強い依存性があるとされています。摂り続けるほどに人工甘味料から抜け出せなくなる可能性があります。
甘いものを食べた時に出るドーパミンは、
- 快楽
- 快感
- 多幸感
などを感じる神経伝達物質です。甘いものを食べると幸せな気分になりますよね。
人工甘味料を摂るたびにドーパミンが分泌され、「甘い味」への依存が強くなって断ち切れなくなるため、太りやすくなるのです。
健康被害の恐れも…太る以外にも心配な人工甘味料の危険性
日本薬学会で発表されたある実験結果によると、人工甘味料には人の身体に対して様々な危険性があると以下のような健康被害が懸念されています。
- 元気な精子が減る
- ポリープが発生する
- 内臓の異常(心臓、肝臓、胃、副腎などの肥大)
- うつ病を引き起こす(脳内伝達物質の変化)
- 体重減少
- 妊婦が飲むと胎児に脳障害、目の奇形などの恐れ
ただ、長期間摂取し続けた場合どうなるのかというところはまだ未知の部分が多く、今後の更なる研究に期待が集まっています。
それでも人工甘味料が使われている理由
人工甘味料は太る、それ以外の危険性も否定できないという意見がある中で、なぜ人工甘味料が使われ続けるのでしょうか。
虫歯の原因となる酸を作りにくい
砂糖と違って人工甘味料は虫歯菌の餌にならず、虫歯の原因とされる酸を作りにくいため、虫歯のリスクを抑えることが出来るとされています。
血糖値を上げないとされているから
血糖値については、上昇させるという説がある一方で、アスパルテームの様に血糖値を上げないから糖尿病の方でも使える、とされる人工甘味料もあります。
砂糖は摂れないけれど甘いものが欲しいという需要に応えて使われているのでしょう。
食料品など低コストで生産できる
戦後の砂糖が手に入らなかった時代に多用されてきた人工甘味料ですが、砂糖の数百倍の甘さを持つ人工甘味料なら少量で足ります。
食品や飲料品のコストを抑えられることから、加工品に多く使われています。
糖質制限ダイエットをしている人に人気がある
糖質制限ダイエットで一番の関門は、甘いものが食べたい!という欲求です。ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源ですし、甘いものを食べると心がほっとしますよね。
ダイエットを続けていくためにはやはり「甘い味」というのは必要で、そのために人工甘味料を使う人が多いようです。
天然の甘味料との違いを知って上手に甘味料を使い分けよう
人工甘味料には虫歯になりにくいなどのメリットもありました。
ただやはり太りやすいことを考えれば、砂糖でもなく人工甘味料でもなく、安全な甘味料はないのか?と考えると天然の甘味料も見過ごせません。
それぞれどのような特徴があるのか見てみましょう。
樹木から採れる「キシリトール」
キシリトールは虫歯になりにくいことから、よくチューインガムに使われていますね。歯垢の増殖も抑えてくれるので、歯の健康に役立つ甘味料です。
- 白樺などの樹木
- 野菜
- 果物
にも含まれている天然素材で、糖アルコールに分類されます。砂糖と同じくらいの甘さですが、カロリーは4分の3程度です。
砂糖の300倍の甘みを持つ「ステビア」
非糖質系甘味料に分類される、パラグアイ原産のキク科の植物から採れる甘味で、現地ではマテ茶に入れて飲むそうです。
苦みが強いので使いづらいとされてきたことと、摂りすぎると以下の副作用が心配されています。
- 頭痛
- めまい
- 筋肉痛
- お腹の張り
とはいっても、大量に摂取した場合の副作用であることと、そもそも砂糖より甘いのですからたくさん摂る必要はありませんよね。
少量の使用であれば特に問題はないでしょう。
ただし、キク科の植物にアレルギーのある方は摂取自体を控えて下さい。
上品な甘みの「トレハロース」
甘みは砂糖の約半分、45%程度なので上品で柔らかい甘みを感じる天然の糖質です。
- でんぷんの老化防止作用
- タンパク質の変性防止作用
- 食感の維持
- 色素の安定化
など、多くの特徴を持っている糖質です。
発酵食品に含まれる「エリスリトール」
果物や茸などに含まれている甘味料で、カロリーもほぼゼロなのに甘さは砂糖の約75倍もあります。
酵母菌にブドウ糖を加えて発酵させることで合成することも出来る糖質です。
- 虫歯の原因になる酸を作らない
- 血糖値を上げない
- 下痢を起こしにくい
などの特徴があり、糖尿病の方でも安心して使える甘味料だとされています。
そもそもダイエットとは何かを考えること
日本ではまだまだ人工甘味料についての研究が進んでいるとは言いがたい状況です。
肥満に関するデータなどもアメリカなど日本とは食事情の大きく異なる環境での実験結果がであるというのが現状です。
人工甘味料自体に太る原因もありますが、太っている人(太りやすい習慣を持っている人)が人工甘味料を多く摂っている、という現実も見逃せません。
ダイエットの基本は摂取カロリー<消費カロリーです。
人工甘味料の摂取量を改めて見直してみよう
人工甘味料はカロリーがゼロだからといって、安心してばかりもいられないということがおわかりいただけたでしょうか。
たまに口にする程度であればそれほど神経質になる必要はないと思いますが、摂り続ければ人工甘味料から抜け出せなくなることも考えられます。
量は程々に抑えた方が健康にはいいでしょう。
水分を摂るならジュースではなくて自分で淹れたお茶類など、甘みがどうしても欲しいなら蜂蜜やオリゴ糖など身体にいいものを選びたいですね。
現代の生活で人工甘味料を完全にシャットアウトするのは難しいでしょう。ただ、普段から意識してなるべく摂らないようにするよう、原材料表示を見る癖をつけたいですね。
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