個人再生で失敗?できないって?手続きの流れや条件、メリットデメリット!
Date:2022.03.16
個人再生は債務整理の1つです。多くの人が利用する「任意整理」と借金をゼロにできる「自己破産」の真ん中の位置づけです。「個人再生って?どんな手続きかわからない」「自己破産とどう違うの?」と疑問の方もいるでしょう。
今回は個人再生の手続きの流れ、メリットを紹介します。借金の減額がメリットであると言われていますが、メリットだけに飛びつくと失敗することも…。
もちろん、知らないと不利益を生むデメリットもあります。手続きをして後悔しないためにメリット、デメリットをしっかり学んでいきましょう。
個人再生の手続きの流れとは?専門家に依頼が主流
個人再生は、借金の返済が困難だと裁判所に申立てると手続きができます。弁護士や司法書士に依頼を頼むのが主流です。依頼から手続き完了、返済がスタートするまで6ヶ月程度かかると言われています。
書類の作成、債務や財産の調査など個人再生の流れは多岐にわたります。主に「小規模個人再生」というものになります。手続きの流れを確認しましょう。
【個人再生の手続きの流れ】
- 弁護士、司法書士など専門家に相談、依頼
- 受任通知書の送付(弁護士などが債権者に通知することで催促が止まる)
- 収入や財産の調査(手続き後返済可能かどうか調査)
- 個人再生申立て書の作成
- 裁判所に個人再生申立て
- 債務復行テスト(弁済ができるかどうか実際と同じ額の返済テストを6ヶ月行う)
- 個人再生の手続きが開始
- 個人再生の再生計画案の作成(弁護士と相談し作成)
- 再生計画案の提出(裁判所と債権者の同時に提出)
- 再生計画案の書面会議
- 再生計画の認可、または不認可
- 手続きが完了後、返済スタート
過払い金があれば、受任通知書の送付後に債権者に過払い金返還請求ができます。依頼から返済スタートまで、債務者自身も弁護士と打合せなど出向くことも多くあります。
個人再生は、弁護士費用や裁判所に支払うお金は、60~70万円程度必要になります。弁護士費用の分割払い、後払い制度を取り入れている法律事務所に依頼すれば費用面で対策できます。
個人再生の手続きに向いている人とは?完済まで条件もある
個人再生は、借金を多額に抱えている人なら誰でも、どんな条件でもできるわけではありません。
【個人再生が検討できる条件とは?】
- 借金総額が5,000万円以下であること
- 個人再生が認可後も、継続して安定した収入が見込める人
借金が5,000万円以上あり多額な場合は手続きができません。個人再生で借金の減額が認められた場合は、責任を持って完済しないといけません。「借金の大幅減額ができる」メリットだけ目を向けてはいけません。
個人再生のメリット①借金の減額!ガッツリ減額で楽になる
個人再生の大きなメリットと言えば「借金の減額」です。「任意整理」は利息分のカットが目的ですが、個人再生は借金の総額の大幅な減額が目的となります。借金総額の1/5程度の圧縮が実現できます。
具体的には…
借金(債務総額) | 最低弁済額(どのくらい減額できるか) |
---|---|
100万円以上500万円以内 | 100万円 |
500万円以上1,500万円以上 | 負債総額の1/5 |
1500万円上3,000万円以内 | 300万円程度 |
借金の減額が決定したら、3年~最長5年で完済を目指します。毎月の返済額が減るので、精神的にも金銭的にもゆとりができます。
個人再生のメリット➁住宅ローンが残っていてもマイホームは残せる
個人再生は「自己破産」のように住宅を失わずに債務整理ができます。住宅ローンが残っていても個人再生の手続きを進めることができます。
個人再生のデメリット①ブラックリストや官報の掲載は免れない
債務整理のデメリットとしてあげられるのが「ブラックリストの掲載」です。個人再生を行うと、信用情報機関に事故情報として登録されます。5~10年程度で解消されます。
また、官報という国が発行する公告文書に個人名が掲載されます。家族や会社に個人再生がバレるかも!?と不安になりますよね。しかし、官報は一般人は目にすることはありません。官報に載ることで家族やまわりにバレる心配はしなくても大丈夫です。
個人再生のデメリット➁自動車ローンが残っていたらマイカーは手放すことになる
個人再生は「住宅ローン」が完済していなくても持ち家を残すことができます。ですが、「自動車ローン」が残っていて未完済のマイカーは処分の対象となります。車が生活必需品の人は不便になります。
ただし、ローンが完済しているマイカーはそのまま残すことができます。
個人再生のデメリット③クレジットカードの利用、新規作成はできない
ブラックリストに掲載、いわゆる「ブラック状態」ということでクレジットカードの利用はできなくなります。また、新規クレジットカードの作成も審査が通らないので作れません。
今まで、クレジットカードを使っていた人は不都合を感じるかもしれません…。自動車ローンや教育ローンも組めないので、家族にも迷惑がかかることもあります。教育ローンなど、子供の進学と個人再生の申請が重ならないようタイミングの見極めが重要です。
個人再生のデメリット④弁護士費用が心配
個人再生の申請後は、書類の作成や提出、弁護士と打ち合わせなど時間と手間がかかります。手続き完了まで道のりが長く、専門家の依頼にも多くのお金がかかることもデメリットとしてあげられます。
経済的に厳しく、一定以下の収入や財産の保有であれば、法テラス制度の利用で個人再生をはじめ債務整理ができます。審査に時間がかかりますが、弁護士費用の立て替え制度など受けられます。
個人再生の手続きでやってはいけないこと
個人再生は、依頼から手続きが完了まで6ヶ月、長くて1年程度かかるといわれています。専門家や裁判所に支払うお金も高額であり、失敗なく無事に終えたいものですね。
個人再生の手続き中にやってはいけないことを紹介します。
- 収入や財産の調査時に嘘の申告をする
- 再生計画案の提出期限など決まりを守れない
- 金融業者など債権者に対して平等に返済しなければならない
- 手続き完了後の返済は計画案どおりに返済し、怠ってなならい
再生計画案の提出期限や専門家との打合せ日時など、債務者がルーズだと手続きが進みません。手続き完了後も、債権者が複数ある場合は平等かつ計画案どおりに返済をし続けなければなりません。
個人再生は借金の減額が目的!デメリットや不明点は専門家へ相談
個人再生は、借金の大幅な減額が目的であり、裁判所の判断で認められます。聞き取り調査や複雑な書類作成など経験豊富な専門家に依頼がベストです。
メリット、デメリットだけに目を向けず、手続きが認められたら完済するという意思をしっかり持って明るい未来へ歩んでいきましょう。
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